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ディープスペースナイン エピソードガイド
第84話「地球戒厳令」(後)
Paradise Lost

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・イントロダクション
パワーリレー破壊工作についての艦隊の報告を読むと、次々に疑問が沸いてくるというシスコ。可変種は一体どうやって全地球管理局※1に侵入できたのか、コンピューター制御ネットワークのコードを手に入れたのか、全地球上のパワーリレーを同時に停止することできたのか。オドーはパッドを見ながら、レッド・スクワッドを知っているか尋ねる。士官候補生のエリート集団だな、ノーグがいうには羨望の的らしいというシスコ。それでわかったというオドー。レッド・スクワッドが宇宙艦隊アカデミーに転送された記録が残っているという。それは大統領が非常事態を宣言した26分後だ。停電中艦隊は総動員をかけたため、なぜレッド・スクワッドだけ除外したのかがわからないというシスコ。候補生だから安全のため引き上げさせたんでしょうかというオドー。シスコは記録を呼び出し、非常事態宣言の3時間後、艦隊は全士官候補生に出動を命じているという。即ち安全のために引き上げさせたという説明は成り立たなくなる。シスコは3時間後には動員をかけるのに、なぜ最初は動員から外したかがわからないといった。
ジョセフとジェイクは料理の材料を抱え、店に戻って来た。ライトをつけるジョセフ。本当に店を開けるつもりなのと聞くジェイク。ジョセフは停電になってからもう4日目だ、ドミニオンの侵略軍をどこかで見たかと聞く。この年になると無駄な時間は残っていないという。誰も店に来ないのにというジェイクに、通りを見てみろと言うジョセフ。いるのは警備の士官だけだ。ジョセフは軍人さんだってまともな食事はしていないだろう、手伝いを頼むぞという。まずはオクラのみじんぎりだというジョセフ。ジェイクはため息をついた。
シスコはボリアンの宇宙艦隊アカデミー校長※2と話している。レッド・スクワッドについて聞きたいというシスコ。停電の後アカデミーに転送されている記録が残っているというと、それは公式の記録かと聞く校長。オドーはスクリーンの横に立ち、話を聞いている。そうですと答えるシスコ。校長はこの通信は安全かと尋ねる。こちら側はとシスコが言うと、一旦通信を切る校長。すぐに映像が戻り、用心するに越したことはないという。レイトンは記録を知っているのかと聞く校長。何も知りませんと答えるシスコ。校長は、人の目に触れる前にその記録を削除するようにいった。シスコはそう取り計らうという。後々厄介なことになる、指摘を感謝するという校長。候補生でトラブルに巻き込まれたらかわいそうですというシスコ。校長はレイトンが彼らを使おうと言い出したときは不安だったが、任務は完璧だったという。借りができたなと言い、通信を終える。オドーは疑問が減るどころか、かえって増えてしまいましたねといった。

※1: Division of Planetary Operations

※2: academy commandant (ルドルフ・ウィルリック Rudolph Willrich TNG第72話 "Menage a Troi" 「愛なき関係」のライタン・グラックス (Reittan Grax)、ENT第20話 "Oasis" 「閉ざされたオアシス」のクーラン (Kuulan) 役) 2つ星なので階級は少将。TNG第119話 "The First Duty" 「悲しみのアカデミー卒業式」に登場したブランド校長は superintendent となっていました


・本編
ジョセフは店の中で血液検査を受けている。だから言ったでしょう、人間ですよと言うジョセフ。今日は随分機嫌がいいなというシスコ。この前は検査を受けるのをあんなに嫌がったのにというと、あれは可変種が停電を起こす前だったからなというジョセフ。お前もわからんな、検査を受けなければ大騒ぎするし、進んで受けたら不満そうな顔をするという。父さんのことじゃない、見当違いならいいがというシスコ。ノーグがやってきて、何かご用ですかと聞く。話しといてくれ、地虫を冷やしておくからといって奥へ行くジョセフ。
レッド・スクワッドのことだというシスコ。入れるんですかと喜ぶノーグ。まだというシスコに残念だ、ドミニオンを怖がっていないのは彼らだけだというノーグ。よく知っているようだなというシスコ。ノーグはジェイクにアドバイスされて自分から売り込んでいる、僕が大佐の知り合いだからでしょうけどという。なぜ私がと聞くシスコに、ドミニオンと戦っている英雄ですというノーグ。レッド・スクワッドのメンバーと会って話がしてみたいとシスコが言うと、それはできないというノーグ。誰かメンバーかは秘密になっているからだ。君は知っているんだろといわれ、フェレンギ人に秘密は持てない、でも漏らすわけにはいかないというノーグ。ばれたら仲間に入れなくなるという。シスコは勘違いするな、頼み事をしているわけではないという。これは命令だ、レッド・スクワッドのメンバーの名前をすぐに教えるんだと強く命じた。
シスコの部屋に、シェパード士官候補生が入って来た。ライリー・オルドリン・シェパード※3、宇宙艦隊勤務番号 C9530・4699427、第3学年に在学中、専攻は戦略作戦だなというシスコ。23日夜のレッド・スクワッドの行動記録について聞きたいという。記録には残らないといわれたというシェパード。そう言ったのは担当した士官で、名前は分からないと言う。行動は公式には表に出ないと言われたというシェパード。うまくやれば表には出なかっただろうが、君たちは致命的なミスを犯したというシスコ。それは違います、シミュレーションより簡単に完璧にできましたとシェパードは言う。嘘をつくことで保身を図れると思ったら大間違いだ、私はミスを犯した張本人を必ず突き止めると言うシスコ。シェパードは嘘ではなく、自分はずっと全地球管理局にいたという。本当かなといい、部隊が出発して帰還するまで、つまり23日の19時47分までを点検していこうというシスコ。シェパードが話し始める。まずレッド・スクワッドは17時に東の中庭に集合し、そこからラコタに転送された。必要な装備をもらい、コードを教わった後リスボンの全地球管理局へと転送された。リスボンのローカルタイムで午前4時だった。管理局内部の協力者がコンピューターネットへアクセスし、そこからコードを使って秘密保護プログラムを回避し、ネットワーク※4に破壊プロトコルを読み込ませたのだ。そこから地球全体のパワーリレーにプロトコルが広がっていった。シェパードは暗闇が広がっていく光景は忘れられないという。私も見たかったなと言うシスコ。その後再起動シークエンスを破壊して帰還したというシェパード。作戦通りですと自信満々に言った。
その士官候補生の話を信じるんですねと言うオドー。2人はシスコの店にいる。彼が話したのは惑星連邦への反逆行為だ、嘘をつくならもっとましな嘘をつくと言うシスコ。シェパードの血液検査はシスコ自らがしたが、人間だった。上級士官のグループが候補生に破壊工作を命じた、それが真実だと仮定してドミニオンの関与は否定できないというオドー。士官に化けて命令したとも考えられるという。シスコはそれは考えたが、可変種の仕業としたら一体何が狙いなんだという。パワーリレーは回復し、警備も強化されている。シスコの疑う通り艦隊士官が破壊工作を命じたとして、これからどうするんですかと聞くオドー。そこが問題だ、どうすればいいんだというシスコ。彼らは悪人じゃなく、一緒に働いたこともある友人だという。心から尊敬もしており、それをどうやって裏切ればいいんだというシスコ。オドーはしかしもし彼らが忠誠を誓った連邦に反逆行為をはたらいたなら、あなたは裏切り者ではないという。裏切り者は彼らの方でしょうといった。

※3: Riley Aldrin Shepard (David Drew Gallagher)

※4: global power grid というもの


連邦大統領のジャレシュ・インヨーと話をするシスコ。政治家として70年になるが、艦隊士官が連邦政府転覆を企んでいるというのはすぐには信じがたいという大統領。最後まで話を聞いて下さいというシスコ。大統領は私の態度が懐疑的でも許してくれ、最初から聞こうという。オドーは数ヶ月前既に連邦に可変種が侵入したことを知らされ、その情報を連邦に送った直後、直後レイトンは上級士官を引き連れ、地球の警備を強化するように大統領に直訴した。その時は大統領は却下した。レイトンと大統領の不和は誰でも知っており、大統領が冷静さを訴えてもレイトンは焦りと危機感を強めていたと言うオドー。そして可変種の爆発事件が起こり、大統領は甘く見過ぎているとレイトンは考えた。次にシスコとオドーと共に直訴して来た時には、レイトンの提案を大統領は受け入れた。しかし大統領が承認した警備強化策は一部であり、レイトン一派には満足できる内容ではなかった。もっと思い切った手段が必要であり、その上地球が外部からの攻撃にもろいことを大統領にも一般市民にも認識させようとしたと言うシスコ。それで地球全体のパワーを止めた。机を叩き、艦隊士官が破壊工作の犯人だとと怒る大統領。これが真実ですというシスコ。大統領は信じられない、融通がきかないところもあるが、あれだけ連邦に忠義を尽くして来たレイトンが反逆を起こすだろうかという。反逆だとは思っていない、あくまでも地球を守る気持ちからしたことだと弁明するでしょうというシスコ。レイトン一派は自分たちの行動を必要かつ正当な行為と信じているという。オドーは効果的でもあった、大停電が起こり武装した士官が街角に配備され、市民にも血液検査を行えるようになったからという。証拠はあるのかと聞く大統領。シスコはレイトンに部隊を撤収するように命じたときにどう反応するかを見て、もし命令に従い軍を引けば自分は責任を取り辞表するといった。しかしそうはならない、地球を支配しているのはレイトンだというシスコ。ドミニオンの脅威が完全になくなるまでは続けるでしょうという。大統領はレイトンが有利だ、停電がレイトンの作戦としたらそれは成功し、しかも市民の世論は圧倒的に警備強化を評価しているという。今軍を撤収させれば、かえって反発が強くなるという大統領。レイトンが破壊工作に関与していたという証拠があればどうですというシスコ。そうすれば部隊を引かせることができる。もしそんな証拠があればすぐにレイトンを辞職させるという大統領。証拠を持ってくれば君たちの言う通りにしようという。
ノーグが店に入ってくる。シェパードはどうしたと聞くシスコ。ノーグはシェパード含め、レッド・スクワッドのメンバーが全員いなくなったという。噂では訓練でどこかに送られたらしい。そこへレイトンがやってきた。シェパードは当分地球へは戻らないだろうというレイトン。ノーグが近寄るが、部屋に帰れといわれ出ていった。2人だけでシスコと話がしたいというレイトン。オドーは何かあったら隣の部屋にいるといい離れた。コーヒーを飲むレイトン。最近は仕事でほとんど眠っていないというと、シスコはバカンスを取ったらどうですという。飲みながらなぜかレプリケーターではこんなにうまくないというレイトン。無言のシスコを見て、レイトンは君には謝らなければならないという。大勢の市民にもでしょうというシスコ。レイトンは本当のことを話したかった、でも反対されるのが見えていたという。なぜ地球に呼んだのかを聞くと、可変種と戦う術を知っている人材が欲しかったというレイトン。それと心の中では、シスコも賛同してくれるのではという気持ちがあったという。義務感の強い男だからなというレイトンに、私の義務は連邦を守ることですというシスコ。レイトンは我々の目的もそれだと指を鳴らした。地球の支配権を握り、軍の統治下に置くことでしょうというシスコ。ドミニオンに対抗するためには仕方がないことだというレイトン。楽園を守るために楽園を破壊するということですかとシスコは言う。レイトンはオキナワでツェンケチ※5と戦ったことを覚えているかと聞く。レイトンはそのとき3隻の敵艦を追って、小惑星帯への突入を指示し、シスコは暴挙だと反対した。上官に意見するのもいい副官だ、しかし反対を押しきったというレイトン。作戦会議の後、シスコはレイトンを部屋まで追いかけ自説を主張しようとした。その時レイトンは「士官たるもの、命令には従わねばならない。たとえ上官の意見が自分の意見とは食い違い納得できなくても、上官が命令を下した以上それに従うべきだ」といった。指揮官になればその気持ちがわかるともいった。確かに判断は正しかったというシスコ。レイトンは上官の命令に従わなければ宇宙艦隊は機能しなくなり、敵に勝つ見込みもなくなるという。私は今も君の上官だ、私はこれほど君の服従を必要としているときはなかったという。今回こそは服従できませんというシスコ。そういうことなら解任するしかないといい、直ちに地球を離れDS9に帰るように言うレイトン。地球は私が守ってみせるといい残し、部屋を出ていった。
司令部の中庭に一人で座っているシスコ。そこへいきなりオブライエンがやってきた。どうやってきたんだというシスコ。顔色が悪い、お父さんの具合はどうですと聞くオブライエン。ディファイアントでもこんなに早く着くはずはない。ディファイアントで来たなんて言ってない、ところであんなフェイザーライフルで可変種を倒せるとでも思っているんですかと聞くオブライエン。チーフじゃないなというシスコ。当然です、いつも同じ姿をいるなんて不自然だとその可変種はいった。シスコは立ちあがるが、誰も呼ばなくて結構、話をしに来ただけだからと言う可変種。固形種はこう短気なのかな、今夜一緒に遊びましょう、バーに行ってビールを飲むとかダーツをするとかという可変種に、お断りするというシスコ。可変種は一つ質問があるといい、今地球に潜伏している可変種は何人だと思うか尋ねる。シスコは推理ゲームで遊ぶ気はないといい答えない。この広い地球にたった4人だと言ったらどうしますと聞く可変種。もちろんオドーは数に入っていない、4人なのにこの混乱ぶりと言う。それが本当だとなぜわかると聞くシスコ。4人でも多すぎる、我々は固形種よりずっと優秀で恐れないと言う可変種。結局は恐怖が自滅させると言う。それで終わりかと言うシスコ。今から始まるんですと笑う可変種。また会いましょうといい歩いていった。

※5: Tzenkethi war DS9第72話"The Adversary" 「忍び寄る可変種の脅威」より

一人でテーブルに座っているシスコのところに、ジョセフが飲み物をもって来る。その顔は見覚えがある、気になることがあるのにどうしたらいいかわからない顔だというジョセフ。話してみないかというが、シスコは話せないという。そうか、ネフィー・ボーマント※6の時みたいなことかというジョセフ。シスコはその名前を聞いて微笑む。あのころはあの子に夢中だったという。何週間も閉じこもりくよくよしていたシスコを、ジョセフは見るに見かねてアドバイスしてやった。「男の人生には考えてばかりじゃなく立ち上がって行動するときがある」。シスコはとうとうネフィーの家を訪ねてデートに誘い、あっさりと断られた。くよくよしなかったろう、その後しばらくしてゾーイ・フィリップス※7が近所に引っ越してきたときは、両親が荷物を解いていないときに押しかけてデートに誘ったというジョセフ。ゾーイとは3年付き合ったなというシスコ。要するに父さんが言いたいのは考え込むのはやめて行動せよってことだと言う。その通りとジョセフは言った。シスコは礼を言う。ジョセフは帰るときは忘れずに明かりを消すように言う。ゾーイ・フィリップスは今ごろ何をしてるかねと言い、奥へ行くジョセフ。シスコもその名前を繰り返しながら、部屋を出ていった。
シスコはベイジョーの周波数を使い、キラに亜空間通信で連絡を取る。君に重要な話があるというシスコ。特に異常はないというキラ。ワームホールはシスコが出発してすぐに不規則な活動を止め、トラブルはなかったという。シスコは君たちにして欲しいことがあるといった。
オドーは艦隊の機密ファイルに侵入することができた。急いで下さい、私たちがここにいることはすぐにばれるというオドー。よく侵入できたなとシスコが言うと、オドーはクワークから教えてもらったという。そのファイルによるとレイトンはこの3週間に400人もの士官を現場に復帰させていた。デニーカ、マクワット、スノーデン、オール、ムーダス※8といったオキナワの士官もたくさんいる。全員レイトンの元で働いた経験がある者で、地球上で重要な任務に就いているか船の指揮官ばかりだ。士官の異動が記されている個所を見るシスコ。全員14日に異動になる。それは大統領演説の前日だ。レイトンは大統領に演説をさせないつもりかもしれないというシスコ。パッドに記録のコピーを取っておく。もし14日に政府乗っ取りを企んでいるなら、父やジェイクは安全なところにおいておきたいとオドーにいうシスコ。オドーは早く地球から出しておいた方がいいという。部屋のチャイムがなった。急いで画面を消すシスコ。入って来たのはベンティーンで、何をなさっているのですかと聞く。自分のファイルを整理していたというシスコ。下がっていいぞというと、オドーはおやすみなさいと言い出ていった。君にはおめでとうを言わないといけない、ラコタの艦長に昇進するんだろというシスコ。辞令はまだです、ラコタの修理が終わるのは14日だというベンティーン。シスコは14日は特別な日になりそうだという。楽しみです、シスコが式典に出席しないのは残念だとベンティーンはいう。DS9へ帰還命令を受けたんじゃないんですかと聞く。確かに、でもこの機会に休暇をとることにしたというシスコ。それに地球はいいところだ、どの街角にも艦隊士官が立っており、楽園がこんなに武装されたのははじめてだという。あなたは面白い方ですね、もっと長く一緒にお仕事がしたかったというベンティーン。
シスコはパッドを持ち大統領のオフィスに入るが、そこにはレイトンがいた。お会いできるとは意外ですと驚くシスコ。ベンティーンがシスコの血液検査をしようとする。言われた通りにするようにいう大統領。シスコの血液が取られ、机の上に置かれる。するとそれは変化し、可変種のものになった。私が申し上げた通り、シスコは可変種ですというレイトン。取り囲まれ、シスコはパッドを机に放り投げた。

※6: Neffie Beumont

※7: Zoey Phillips

※8: それぞれ Daneeka、McWatt、Snowden、Orr、Moodus


シスコは独房にいる。さっきの血液検査はどうやったんですと聞くシスコ。気になるかねというレイトン。それにしても最高の副官だった君が独房にいるのを見ると、全く人生は無常なものだなという。釈放すれば人生も少しは楽しくなりますというシスコ。レイトンは今君を出すことはできないという。永遠に監禁する気ですかと聞かれ、レイトンは2、3日したら自由だという。大統領の演説が終わったらでしょうというシスコ。大統領は演説をしない、私がするというレイトン。シスコはなぜ宇宙艦隊が地球を統治する必要があるのか一般市民に説明するわけですねという。可変種の脅威が取り除かれるまで一時的にだというレイトンに、シスコはいつまででしょうといい、数ヶ月、数年、数十年という。敵を倒すまでだ、今は地球を守れる強いリーダーが必要だというレイトン。例えばあなたというわけかとシスコは言う。欲しいものがあれば、食べ物でも本でもガードにいってくれというレイトン。シスコは何も答えない。レイトンは出ていった。
ガードの血液検査をするために別の女性士官がやってきた。また吸血鬼かというガードに吸血鬼は夜だけという。シスコも血液検査をしてくれと頼むが、フォースフィールドを解除してと誘ってもだめよという。いきなり物音がし、もう一人のガードが倒れている。オドーだ。閉じ込めるべきだったのは私だという。なんなくほかの2人も倒した※9。よくやったというシスコ。本部ビルの警備システムを修正したのに比べれば簡単だといいながら、フォースフィールドを解除するオドー。キラと連絡は取れたかと聞くシスコ。オドーはディファイアントは地球に向かっており、犯人も見つかったという。最近配属されたアリアガ中尉※10だという。大統領のオフィスに行って、レイトンは今日中に必ず行動を起こすと警告するんだというシスコ。シスコは片づけたいことがあるという。オドーは早速向かった。士官のもっていたフェイザーを持つシスコ。
事態はよくわかっている、ベストを尽くすというベンティーン。レイトンは幸運を祈るといい、通信を終えた。そこへシスコがフェイザーを構え入って来た。フェイザーを使うつもりかと聞くレイトン。同じ艦隊士官には使いたくないというシスコ。辞任していただきますといい、レイトンの胸のバッジを取る。こんな状態で辞任はできないというレイトンに、反逆罪を立証する証拠があるというシスコ。すでにアリアガ中尉を拘束しているという。アリアガはレイトンの命令によりワームホールの向こうの通信中継衛星※11に亜空間変調機を仕掛け、ワームホールを不自然に開閉させたのだ。理由を聞くレイトン。シスコは遮蔽装置を使ってドミニオンのが通過したと思わせるためだという。地球で大停電が起きたとき、侵略行為の前触れだと信じ込ませることができる。非常に興味深い仮説だが思い通りにはいかない、アリアガ中尉は地球に着かないというレイトン。すでにラコタにディファイアント撃墜を命じていた。艦隊の船を攻撃させるつもりですかというシスコ。ラコタ艦長のベンティーン以下のクルーにとって、ディファイアントは艦隊の船ではないというレイトン。ディファイアントは可変種に奪われたと聞かされていた。
地球へ向かうディファイアント。ウォーフが指揮し、隣にはベシアもいる。ラコタから呼びかけがあり、乗り移るのでワープ航法を停止せよといっているというダックス。キラもラコタは臨戦態勢に入っており、有無を言わせない体勢だという。

※9: ヴァルカン首つかみ (Vulcan nerve pinch) によく似た技を使いますが、同一のものであるかは不明です

※10: Lieutenant Arriaga

※11: relay satellite


状況がわかっているんですか、目的が成功しジャレシュ・インヨー大統領を追い落としてもあなたの、いや我々の負けですというシスコ。その意見には賛同できんというレイトン。シスコは連邦のほかの国々がこのまま黙って大統領が独裁者にとって換わるのを見ていると思いますかと言う。合法的に選挙で選ばれた大統領を追い落とし、民主政府を無視して宇宙艦隊が牛耳ろうとするとは、独裁としか思えませんというシスコ。最初は反発されるだろうが、いずれは連邦の強化につながることがわかってもらえるはずだと言うレイトン。わかってくれなかったらどうします、内戦の危機を起こすつもりですか、ラコタがディファイアントを攻撃すれば二度と閉まることのないパンドラの箱が開いてしまうとシスコは言う。レイトンはディファイアントを呼び出し、降伏するように命令しろという。シスコは絶対にできませんと言った。そう言うと思った、パンドラの箱が開くのは君のせいでもあるというレイトン。
ディファイアントとラコタ※12が近づく。ラコタはワープエンジンに照準を定めている。ふりだけだ、連邦船が連邦船を撃つなんてというオブライエン。ベシアはそうだといいけどという。射程内に入り、シールドを上げる。そしてついにラコタはフェイザーを撃って来た。
ブリッジにも衝撃が起こる。左舷のシールドが60%。オブライエンはラコタの武器は改良されており、エクセルシオール級にしては考えられないという。キラは遮蔽できますかというが、それにはシールドを下ろさなければならないというウォーフ。下げたらおしまいだ。ダックスは逃げますかと聞く。ワープドライブの損傷も激しいはずだというオブライエン。ウォーフは呼びかけるように言うが、応答はない。コンソールが爆発し、クルーが吹き飛ばされた。徹底的にエンジンを狙っていると言うダックス。ベシアが駆け寄り、すぐに手当てしてやるからなという。オブライエンにどうしますかと聞かれたウォーフは、ついに戦うことにした。相手の武器システムを狙うように言い、フェイザーを発射させる。ラコタの周りを回るように、フェイザーの攻撃を続けるディファイアント。ラコタもフェイザーや光子魚雷で攻撃してくる。
ボリアントニックウォーター※13を飲まないかと言うレイトン。シスコは断る。皮肉なものだ、オキナワに配属されたときはシスコは指揮より、船の設計に興味を持っていたというレイトン。少佐に昇進させ、副官にしリーダーになるのに必要な全てを教え込んだという。いい教訓でしたというシスコ。しかし忠誠の重要性をもっと教えておくべきだったかなというレイトン。シスコはあなたに忠誠を口にする権利がありますかという。連邦に対する誓いを破っておきながら、地球の人々に大嘘をつき、連邦の船に味方の船を攻撃する命令を出したあなたに権利はありませんという。君は私を理解していないなというレイトン。昔は違っていた、レイトンは名誉を知り規律を重んじる方だと思っていた、誤解だったようですというシスコ。それは残念だというレイトンに、私も残念ですというシスコ。レイトンにラコタから通信が入る。ディファイアントを止めるのは無理だった、武器に艦隊本部には報告されていない改良が加えられている※14というベンティーン。ディファイアントを地球に到着させてはならない、ラコタには量子魚雷※15が搭載されていたなというレイトン。ベンティーンはためらい、私の任務はディファイアントの無力化であり破壊ではないという。レイトンはディファイアントを地球に来させないことが任務だという。シスコはベンティーンに、ディファイアントに可変種が乗っていないことはわかっているはずだといい、量子魚雷を使えば50人の艦隊士官を殺すことになるという。ベンティーンは自分の任務をよく理解しているというレイトン。命令はわかったなと聞かれ、ベンティーンは、はい提督と答えた。
シールドはほぼ無力化したというダックス。ラコタもひどい状態で、もう1発当たればおしまいでしょうというキラ。そうなれば全員死亡だというオブライエン。それだけは避けなければというウォーフ。やるかやられるかよというキラ。オブライエンが見て下さいという。ラコタが武器のパワーを落としたのだ。攻撃中止を命じるウォーフ。ラコタから呼びかけがあり、スクリーンに出す。
ディファイアントからシスコに通信が入っているという。レイトンにフェイザーを向け、つないでくださいというシスコ。レイトンは言う通りにしろという。ウォーフがスクリーンに現れた。状況を聞くと、ラコタは戦闘を停止し降伏したという。バートレットとラムジー※16が死亡、重傷者が7名、ラコタには24人の死傷者が出ているという。急いできてくれ、大統領が待っておられるというシスコ。ウォーフは了解し、通信を終える。今のはまずかった、私の部屋にいるのがわかって警備員が駆けつけるぞというレイトン。そんなことはどうでもいいでしょう、今ごろオドーが大統領に会い、レイトンの反逆罪の証拠を手渡しているという。終わりですというシスコに、終わってなどいないと机を叩くレイトン。まだ私に忠誠を誓う士官は残っているという。シスコは誰と戦うんです、宇宙艦隊、惑星連邦と聞く。あなたの戦いは間違っている、ベンティーンですら既にあなたに背いた、あなたの負けですという。これ以上犠牲者を出さないで下さいというシスコ。レイトンは襟の階級章を外し、机の上に置いた。そして今日のことを、君が悔やむ日が来なければいいがといった。部屋を出て行くレイトン。シスコはバッジとフェイザーを机の上に置き、階級章を手に取った。
配備されていた士官たちが転送されていく。通りには人っ子一人いなくなったというジョセフ。軍人がいた方がいいんですかとオドーが聞く。そうなったらもうここは地球じゃなくなる、フェイザーで守られているなんて楽しくないというジョセフ。ジェイクにどうしたのと聞かれ、オドーはまだ可変種が地球にいるかもしれないと心配しているのは私だけですかねという。ジョセフはびびっている、でも生活は変えるつもりはないという。シスコは可変種がこの楽園を破壊したいならやらせればいい、私たちがすることはないという。また寂しくなるなといい、シスコと抱き合うジョセフ。達者でなとジェイクとも抱き合った。もっといられたら良かったのにという。ステーションに来る気はないのかいというシスコ、クリオール料理の店を開けば大ヒットだというジェイク。お前が開いたらどうだ、地球がわしの家だよといった。シスコは忘れずにといい、ジョセフは薬を飲めだろという。いつもこんなに口うるさいのかと聞かれ、オドーは悪気はないんですといった。身体に気を付けろとジョセフが言い、できるだけはねというシスコ。ジョセフはそれで十分だと言った。そして3人が転送された。ジョセフは店を開け、並んでいるお客を入れる。今日のおすすめはパスタブーディン※17ですよ、あまりのうまさに顔がほころぶこと間違いなしというジョセフ。

※12: 映画ジェネレーションズのエンタープライズBの再利用

※13: Bolian tonic water

※14: ablative armor というものを指しているらしいです

※15: quantum torpedo エンタープライズEにも搭載

※16: Bartlett と Ramsey

※17: pasta boudin


・感想
前編の内容では可変種の仕業ということになっていましたが、うって変わって結局それはレイトンらの企みということになります。連邦内の陰謀という意外な結果に驚きました。可変種もおそらくまだいることを考えると恐ろしいのですが…。連邦同士の船の戦闘が短いながらも強烈でした。


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