USS Kyushuトップに戻る

ディープスペースナイン エピソードガイド
第35話「自然回帰」
Paradise

dot

・イントロダクション
『ステーション日誌、宇宙暦 47573.1。ワームホールの近くに植民地を建設する計画が持ち上がり、私はチーフと調査に出かけた。』
ランナバウト。
シスコ:「無理には頼めないが。」
オブライエン:「いえ、構いませんよ?」
「…本当か?」
「ええ、もちろんです。…ジェイクはいい子です。今から楽しみですよ。」
「だが甘やかす必要はないからな。宇宙艦隊の厳しさを教えてやってくれ。」
「ええ、遠慮なくビシビシ鍛えさせてもらいます。」
「…ジェイクは苦労するだろうよ。メカニックの適性検査の成績は中の下だった。」
「でも、僕だってそうでしたよ。」
「君が? 嘘だろ。」
「いえ、本当です。前線に配属されるまでは、メカニックに向いてるなんて思いもしなかった。」
「前線に?」
「フィールド転送機が故障しましてねえ、10分以内に直さなければカーデシアの捕虜になるって状況だったんです。…その頃、僕は転送機とターボリフトの違いさえ知らなかった。でも何とかギリギリ、9分53秒で修理を終えましてね? …セトリック3 から 13人を無事救出したってわけです。おかげでラトリッジの戦略士官になり、ゴールドスーツをもらえた。※1
「そうか。ジェイクも新しいスーツを買ったよ。毎週一センチずつ伸びるんだからね。この前は、私をカーブで三振に取った。初めてだよ。」
「…すぐに大人になりますね?」
「ああ、全くだ。」
「…惑星を探知。…コンピューター、新しいコースを設定。41、マーク 301。」
コンピューター:『了解。』
シスコ:「Mクラスの星だなあ。オレリウス・マイナー※2から 1億6,000万キロ離れている。植民地を建設するには丁度いい。」
オブライエン:「ふーん、でも先住民がいるみたいです。」
「生命体がいるのか?」
「ええ、人間がね。」
「オレリウス星系に植民地があったなんて聞いたことがないが。」
「全周波で呼びかけてみます。」
「よし、静止軌道に入れ。」
「応答なし。…地表に低レベルのデュオネティックフィールド※3があるため、通信が妨害されるようです。」
「じゃあこちらから挨拶に出かけるか。」

転送される 2人。森の中だ。
トリコーダーを取り出すシスコ。「君のも駄目か。」
オブライエン:「ええ、全然動かないですね。全く駄目です。」
「シスコよりリオグランデ。コンピューター、応答せよ。」
フェイザーを確認するオブライエン。「ここでは EM活動は駄目なようです。」
シスコ:「なぜかわかるか。」
「わかりませんが…さっき船のセンサーが探知した、デュオネティックフィールドが原因かも。」
「早く原因を突き止めて何とか手を打たないと、このままだと永遠にこの星から出られないことになるぞ…」
突然、声が聞こえた。「動くな!」 弓を向けた地球人がいる。「2人とも両手を挙げろ!」
言われたとおりにする、シスコとオブライエン。


※1: その後はずっと金 (黄色) 服…ではなく、TNGパイロット版 "Encounter at Farpoint" 「未知への飛翔」などで、赤服の時期もありました

※2: Orellius Minor

※3: duonetic field

・本編
弓の男。「こっちを向け。ゆっくりとだ。」
振り返る 2人。
もう一人の地球人。「…宇宙艦隊だぞ。」
シスコ:「その通りだ。手を下ろしてもいいか。」
「ああ。」 弓を降ろすよう合図する男。「制服が変わったのか。それとも私が忘れていたのか。私は、ジョセフ※4です。この弓を持ってるのはヴィノード※5。」
「私はシスコ、こちらはオブライエンだ。」
ジョセフ:「ああ。」 握手する。
ヴィノード:「どうやってここに?」
オブライエン:「それはこっちが聞きたいですよ。」
シスコ:「入植が可能な星を探していたら、生命体反応があってね。それで立ち寄ってみたんだ。」
ジョセフ:「…10年前ゲミュロン5※6 へ入植に向かう途中で、船の生命維持装置が故障してしまってね。この星へ、不時着したんです。」
ヴィノード:「ところがこの星じゃ、機械類が何も動かない。」
オブライエン:「僕たちのもだ。」
ジョセフ:「で、ここに住み着いたわけです。お二人もそうせざるをえませんよ。」
シスコ:「いや船が静止軌道にあるから、すぐ救援が来る。」
オブライエン:「一緒にここを出られますよ?」
ジョセフ:「いや 10年も住めば故郷だ。」
「でも機械類が動かないのに、大変じゃないですか。」
笑うジョセフ。「何とかなるもんですよ。案内しましょう。ああヴィノード、お母さんに知らせておいで。お客様だって。どうぞ。」

粗末な建物があり、人々が暮らしている。
ジョセフに案内されるシスコ。「エレワン・クラス※7の輸送船だね。」
ジョセフ:「サンタ・マリア※8です、今はただの『小屋』だけどね。」
ヴィノードと一緒に出てくる女性。「お客様だなんて 10年ぶりだわ?」
ジョセフ:「アリクサス※9。ベンとマイルズだよ。」 驚く人々は、集まってきた。
アリクサス:「私達の村へようこそ。マイルズ。お仲間はいないの?」
シスコ:「静止軌道にシャトルを残してきたので、いずれ救援が来るでしょう。」
ジョセフ:「シャトルって艦隊の新型の船のことですか?」
オブライエン:「ええ、2年前に新しく配備されてねえ。星系間飛行も可能な短距離専用機で、そこの『小屋』の 4分の1 ぐらいの大きさです。」
「実は私も、エンジニアだったんです。」
アリクサス:「よかったわ、ジョセフの話し相手ができて。お二人にお聞きしたいことがたくさんあるの。」
ヴィノード:「今年、サッカーで優勝したのは? ゴランガ※10はまだ現役?」
シスコ:「いや彼は 4年前に膝を痛めて、バイオインプラント※11を埋め込んだんだが、それ以来調子が悪いね。ああ…今年優勝したのはどこだっけ。サッカーには疎くてね。」
オブライエン:「あー…。」
住民の女性、カサンドラ※12。「女性のファッションは何が流行ってるんですか?」
シスコ:「女性の…。チーフ、既婚者に任せるよ。」
オブライエン:「…そうですねえ、妻のケイコは最近ロングスカートをよくはいてるようだけど。」
カサンドラ:「ガッカリだわ。手持ちの服を全部買い替えなくちゃ。」
笑うオブライエン。「まあディープ・スペース・ナインじゃ、ベイジョーの流行しかわかりませんけどね?」
ジョセフ:「ディープ・スペース・ナイン?」
アリクサス:「さあみんな、ベンとマイルズを質問攻めにするのは後にしましょ? 時間ならたっぷりあるんだし。」
オブライエン:「よければ、EMシステムと連絡が取れるか試してみたいんですが。」
「あ…でも何をどう試しても、多分無駄だと思うわ?」
シスコ:「この星の地表にある、低レベルのデュオネティックフィールドが原因らしいですね。」
「ええ、それは不時着の時もセンサーに出ていました。地表に着いたらすぐ船のエンジンは停止してしまいましたし。」
ジョセフ:「トライコーダーもなかったんで、発生源を突き止めることはできなかったんです。」
「この辺りの湿地には、放射性元素のアスタチン※13が含まれていることはわかっています。多分、それが原因じゃないかと思いますが。でも、トライコーダーや EMコンバーターやコムリンクがなくても、私達はこうして生き延びてきました。…人間の、身体というのは素晴らしいものです。田畑を開いて耕し、実りを収穫し、雨風をしのぐために屋根と壁のある小屋を建て、身体を温めるために布をつむぎ、人間はテクノロジーがなくても生きていけるということを再発見したんです。…もちろん辛いこともありました。厳しい冬に負けそうになったこともあったし、仲間も何人か失いました。でも、私達はこの生活を誇りに思ってます。」
シスコ:「ええ、素晴らしいことですよ。」
カサンドラ:「救援が来たら、私達もこの星を出て行けるの?」
アリクサス:「……それは、私達一人一人がじっくり考えて決めることよ?」
無言になる住人たち。
カサンドラ:「あなたは出ていくの、アリクサス?」
アリクサス:「いいえ? 私はここに留まるわ? 出ていくつもりはありません。…私達が今まで築いてきたコミュニティを離れたくないの。努力の結晶だもの。…ここにいらっしゃる間、お二人は何も心配なさることはありませんからね? でももちろん働いてはいただきますよ? 働かざる者食うべからず。汗を流した後の食事は美味しいものよ?」
シスコ:「もちろん喜んで働きます。」
「ジョセフ? お二人を、当座の御部屋へ案内して?」
連れて行くジョセフ。
ヴィノードに近づくアリクサス。「強くて健康な男が 2人も来るなんて。ほんとに助かるわ、神の助けよ。」


※4: Joseph
(スティーヴ・ヴィノヴィッヒ Steve Vinovich) 声:長島雄一、VOY ニーリックスなど

※5: Vinod
(マイケル・バッチマン・シルヴァー Michael Buchman Silver) 声:星野充昭、TNG ラフォージ、ジャックなど

※6: ゲミュロン5号星 Gemulon V

※7: エレワン級 Erewhon-class
erewhon の W と H を入れ替えて全て逆さまにすると、nowhere=実在しない場所、どこでもないという意味になります。なおエンサイクロペディアでは "Erewon"

※8: Santa Maria
1492年に新大陸を発見した、クリストファー・コロンブスの船にちなんで。船体番号の BDR-529 は、小屋の壁にも書かれています。映画「ブルース・ブラザース」(1980) に登場する車、ブルースモービルのナンバープレートと同じ。吹き替えでは「サンタ・マリア

※9: Alixus
(ゲイル・ストリックランド Gail Strickland) 声:沢田敏子、初代ウィン

※10: Golanga

※11: bioimplant

※12: Cassandra
(ジュリア・ニクソン Julia Nickson TNG第21話 "The Arsenal of Freedom" 「生き返った死の宇宙商人」のリアン・ツー少尉 (Ensign Lian T'su)、ドラマ「バビロン5」のキャサリン・サカイ役) 声:棚田恵美子、DS9 モリーなど

※13: astatine
元素記号 At、原子番号 85

DS9。
キラ:「ねえ、ミツヤ提督※14って知ってる?」
ダックス:「ポーカーの名手よ? 私には負けるけど。」
「実は、クロケット※15で明後日ミツヤ提督が DS9 に立ち寄るのよ。…カーデシアの外交政策について話があるとかで。」
「そんなのベンジャミンとポーカーをする口実よ。去年は提督の大勝ちでね? ところで、リオグランデに帰還を促す時間じゃない? …昔からベンジャミンとはポーカーをしてるけど…とにかくハッタリが下手なのよ。」
「おかしいな。」
「そうなのよ、ベンジャミンみたいなタイプは…」
「違うわ、リオグランデよ。呼びかけに応答しないの。」

部屋に入るオブライエン。「司令官?」
本を読んでいたシスコ。「ああ、ここだよチーフ。アリクサスが書いた本を読んでいたんだ。しかし、多作な人だな。」
オブライエン:「ええ。僕の部屋にも置いてありました。まだ、目は通してませんけど。テーマは、何です?」
「いやあ、彼女は何に対しても一言 (いちごん) あるらしい。」
「へえ?」
「経済分析、政治論評、文学批評。人類のおかれている状況が、ライフワークだそうだ。」
「はあ、それで診断は?」
「悲観的だね。人類は肥満になり、怠惰になってしまったとある。」
「…そりゃケイコから先週言われたセリフとそっくり同じですよ。」
「ハ。…『過去数世紀に渡って人類が発達させてきた技術とは、実はうぬぼれに過ぎないものである。技術の発展は人間に備わっていた生命力を減退させ、人間の真の力を失わせてしまったのだ。』」
「…それじゃあ、アリクサスにとっちゃこの星は天国かもしれませんね? フン。」
笑うシスコ。

作業しているジョセフ。
シスコ:「サンタ・マリアの部品で、シャトルとの通信に使えそうな物は。」
オブライエン:「何にもありませんよ。ウェーブガイドもコンジットもバッフルプレートも、何一つ残ってないんです。 まともな機械類は一つもありません。※16
「一体何でそんな。」
ジョセフ:「捨てたんですよ。…動かない機械を取っておいたって、仕方ないでしょ。場所の無駄ですからね。」
「アリクサスの本には、テクノロジーとの決別が説かれていたね。」
「ええ、ここでは機械に頼らずに生きていかないと。だから処分したんです。その方が踏ん切りがつくでしょ?」
オブライエン:「エンジニアとしては、ずいぶん辛かったんじゃないの?」
「ああ…ええ、抵抗ありましたけどね。でも結局は、アリクサスの言うとおりでしたよ。彼女は共に生きることの大事さを気づかせてくれました。ここで生き抜くためには、仕方ない。…ここではお互いがお互いの人生に深く関わってるんです。みんなが一人のために、一人がみんなのためなんですよ。人間がずっと昔に、おき忘れた共同体がここにはあるんです。」
カサンドラが近づく。「ジョセフ! メグ※17の熱が下がらないの。」

ベッドのそばにいるアリクサス。
ジョセフがやってくる。「…この薬草も効き目がないらしいな。」
シスコ:「診てもいい?」
「どうぞ?」
アリクサス:「これは昆虫が媒介する病気で、私達はまだ治療法を見つけていないの。もう 3人も犠牲者が出てるんです。」
シスコ:「森に冬眠キノコ※18のような植物はないんですか。」
ジョセフ:「いろいろなキノコや木の根を試してるんですがどれも効いてくれないんですよ。」
女性の額に手を当てるシスコ。「このままだと救援が来る前に彼女は死んでしまう。」
オブライエン:「シャトルの医療キットさえあればすぐに治るんだけどなあ。」
「何とかして、転送機のコムリンクを復活させなければ。」
アリクサス:「いいえ? それは時間の無駄だわ。」
オブライエン:「この、デュオネティックフィールドはエネルギーの流れを止める。…でもフィールド自体は一種のエネルギーです。フィールドのエネルギーを流用できれば、シャトルに戻れるかもしれない。」
ジョセフ:「そんなことできます?」
アリクサス:「やめて。…もし助けて下さる気があるんなら、森へ行って薬草を探してくれる方がありがたいわ。」
シスコ:「そんな原始的な治療法では助かりませんよ…」
「ベン! ちょっと、外に出て下さらない?」

外に出るアリクサス。「下手な期待はもたせないで欲しいわ?」
シスコ:「指導者であるあなたが、そんなことでいいんですか!」
「わかってないのね、ここはテクノロジー漬けの生活とは無縁の世界なのよ。」
「でもテクノロジーで助けられる病気もある。」
「あなたはそう言うけど、10年間私達が生き延びてこられたのは、テクノロジーに頼らなかったからこそなのよ? いろんな病気も全部薬草を探して治してきました。克服した病気は 17 にもなるわ。人間のもつ最も偉大な力。工夫する力で。」
「面白い議論ですね。でもこうしてる間に患者は死んでいく。」
「できる限りのことはしてあげてるわ。」
「いや、していない。」
「そういうみんなに不安を与えるような言動は慎んでもらわないと困るわね。」
「もちろん、なるべく早くここを出ていくつもりですよ。」
「それはまた別のことよ。とにかく、艦隊の救援を当てにするのはやめて。あなたがこの星にいる間は、こちらのやり方に従ってもらいます。…その制服はもう脱いで、涼しい服に着替えた方がいいわね? 午後になって畑に出ると、ものすごく暑いから。」


※14: Admiral Mitsuya
日本人?

※15: Crockett
U.S.S.クロケット、エクセルシオ級、NCC-38955。アメリカの開拓者・政治家、デイヴィー・クロケット (Davey Crockett) にちなんで。この部分は訳出されていません

※16: 原語では「まるでずっとフェレンギのガラクタ置き場にあったみたいです」

※17: Meg

※18: sleeper fungi
一部資料では "sleeger fungi" になっています。吹き替えでは「薬効のありそうな植物」

DS9。
ダックス:「リオグランデを発見。」
キラ:「どこで?」
「本部から報告が入ったわ? ロミュラン船のガスコ※19が、艦隊のシャトルが漂ってるのを見かけたそうよ? 船体番号は NCC-72452 ですって。」
「…リオグランデだわ。」
「シャトルはワープ中で、セクター401※20 を通過。」
「ワープ中? 誰も乗ってないのに?」
「直ちに調査に行くよう指令がきてるわ?」
「すぐ行くって返事して。」
「もうしたわ?」 共にターボリフトに乗るダックス。
「シャトルパッドC へ。」

植物が立ち並ぶ畑。
ヴィノード:「畑仕事、上手ですねえ。」
シスコ:「ああ。父がシェフでね。野菜は自分で、育てていたんだ。兄弟兄妹で毎日、庭の畑を手伝わされたものさ。」
「そりゃ珍しいな。みんなレプリケーターの味しか知らないのに。だから本物の味を知ると、たいてい驚くんですよ。」
「君はどうなの?」
「ハハ、母はレプリケーターは使わない人でね。」
別の場所で、同じ畑にいるオブライエン。ふと笑う。
ジョセフ:「何です。」
オブライエン:「ああ。今の姿を、妻が見たら何て言うかなと思ってね。」
「何で。」
「僕は、草や花をすぐ枯らしちゃうんで有名でね。…育てるのが下手なんだ。園芸は植物学者の妻に任せっきりさ?」
「へえ、植物学者。」
「ああ。エンタープライズじゃ、植物園を造ってた。そこで、プロポーズしたんだ。…この畑を見せたいよ。」
「…いつか連れてきたらどうです。」
「来たが最後、帰りゃしないよ。」
「大歓迎ですよ。」
音が響く。
男の声。「さあ、いいぞスティーブン※21。出られるか。」「さあ手をこっちへ。ほら、がんばれ。よしいいぞ。気をつけて引っ張れよ。」
上半身裸の男が、頑丈な箱から出された。
近づくジョセフ。
男:「さあ、もう終わったぞ? しっかりしろ、ん?」
ジョセフ:「日陰へ、連れて行け。」
「小屋へ連れて行こう。」
シスコも箱のところへ来た。後を追う。

日陰に入れられるスティーブン。「そこへ座らせてやれ。」「手荒に扱うなよ。」
ジョセフ:「さあ、スティーブン。大丈夫か? これを噛むんだ。そうすれば身体に力が戻ってくるから。」
オブライエン:「何で閉じこめられたんだ。」
「ロウソクを盗んだんだ。」
「たったそれだけ?」
シスコ:「いつからあの箱に。」
ジョセフ:「昨日からずっとだ。」
オブライエン:「…ひどいことだ。」
「これも君の人生の理論とやらか。」
アリクサス:「あなただって司令官として部下を統率するのに規則を作ってるでしょ。」
「これは規則なんてもんじゃない、拷問だ!」
「私達が共同生活を始めて最初に決めたことはこの罰則だった。…罪を犯せば、箱に閉じこめられる罰が待ってるのは全員が納得してることよ? 具合はどう? スティーブン。」
スティーブンは咳き込む。「ああ、大丈夫です。…すみませんでした、アリクサス。…みんなに…背くようなことをして…。」
アリクサス:「わかってくれればいいのよ? 中に入って、少し休みなさい。」
「ありがとう、アリクサス。」
連れて行くジョセフ。「よーし、さあ行こう。」
アリクサス:「…スティーブンはもう二度と盗みを働かないでしょう。今の様子を見ていたみんなもよ? …そのうちわかると思うけど、共同生活において秩序を保つのにこういう罰は単純だけど効果的なの。」 立ち去った。
オブライエン:「僕たちがずっとここにいるものと決めてるみたいですね。」
シスコ:「デュオネティックフィールドのエネルギーを利用して、シャトルへ戻る方法を見つけなければ。急いでくれ、チーフ。」
「了解。」

水を手にかけるシスコは、シャツ姿だ。
部屋にカサンドラが来た。「足りない物はない?」
シスコ:「…ええ。別にありませんよ。」
「ドアは、アリクサスが全部外させたからないの。私達はもう慣れちゃったけど、あなたもすぐ慣れるわ?」 化粧しているカサンドラは、ベッドに横たわる。
「ドアのない生活に慣れるほど、長くここにはいませんよ。」
「ここの生活は気に入らない?」
「私の世界とは違う。」
「アリクサスがあなたのことは長い目で見てあげなさいって言ってたわ? 私達だって最初は戸惑ったもの。」
「そうですか。」
「一日中働いてあちこち身体が痛いでしょう。これはズプタの木※22の根から採ったオイルよ? これを塗ると楽になるわ?」
「どうも、試してみます。」
「私がマッサージしてあげましょうか。」
「…いや、自分でやります。どうもありがとう。」
「…だけどすごく気持ちがいいのよ? 遠慮しなくてもいいの。」
カサンドラの手をつかむシスコ。「…アリクサスに言われたのか。…彼女に言われて私を誘惑しに来たのか。」

ロウソクの光で、ペンを走らせているアリクサス。
暗がりにやってくる者がいる。
アリクサス:「ベン。さ入って。…今あなたたちのことを日記に書いていたところよ? あなたは料理が上手なそうね?」
制服を着たシスコは、その日記を閉じた。
アリクサス:「ここに来て以来、あなたが感情を剥き出し※23にするのはこれが初めてね。」
シスコ:「心理分析か。しかしベッドの相手を送りつけるなんて何を考えているんだ。」
「あなたが言ってるのはカサンドラのことね?」
「君が行けって言ったんだろ?」
「そうよ?」
「下品な卑しむべき行為だ。」
「確かにあなたがそう言うのもわかるわ? でも私達の立場になって、少し考えてみてちょうだい。…カサンドラはあなたのことをとても心配していたの。表情が暗くて元気がないようだって。」
「そりゃ暗くもなるさ。」
「だからここでの生活が嫌なことばかりじゃない、喜びもあるってことを身をもって教えようとしたのよ。」
「色仕掛けで私を仲間に引きずり込もうってわけだ。」
「確かにカサンドラに、あなたが仲間になってくれたら助かるとは言ったけど。…でもあなたの部屋を訪ねたのは、カサンドラ自身の意思よ。」
「……そういえば、君の本を読んだよ。今どき本とは、珍しいね。普通はパッドを使って書くだろ。」 棚から本を取るシスコ。
「それは自分で印刷したのよ?」
「だと思ったよ。それにここに来る前から、レプリケーターの料理は口にしないと。」
「それはどういう意味なの、はっきり言ってみてよ。」
「君は元々昔から、テクノロジーが嫌いだったんじゃないのか? この星に不時着した時は嬉しかったろうね。理論を実践するのにピッタリの星だったんだから。」
「確かにね? ここでの共同生活についての記録も書いているわ? つくづく思うの。人類が太古の時代に信じていた宗教の中に、人生の真実はあったんだって。私達を、私達の望む場所へ運命が導いてくれる。そんなことが本当にあるのよ。」
「いつの日か君は、肩に神の手が置かれるのを感じることだろう。」
「あなたは信念を曲げない人ね。艦隊の制服を脱ごうともせず、人工の重力と人工の大気に満たされたステーションに、早く戻ることばかりを考えている。…人間としての本能から遠く切り離された機械的な世界に。でもそれは嘘の世界よ。どうやったらわかってくれるの? 身体を、酷使すればわかってくるかもしれないわ? ヴィノード。」
ヴィノード:「何、お母さん。」
「…今夜の見張りはベンに頼むわ。」
本を返し、部屋を出て行くシスコ。


※19: Gasko

※20: Sector 401

※21: Stephan
(エリック・ウェイス Erick Weiss TNG第114話 "Conumdrum" 「謎めいた記憶喪失」のクルー (Crewman)、第130話 "Relics" 「エンタープライズの面影」のケイン少尉 (Ensign Kane) 役) 声:小形満

※22: xupta tree

※23: core behavior

目をこすりながら、広場に出てくるシスコ。
オブライエン:「平気ですか、司令官。」
シスコ:「少し疲れたが、大丈夫だよ。それよりどうだ。」
「デュオネティックフィールドが謎なんですよ。土壌に含まれているアスタチンが原因とは考えられないんですけど…」
アリクサス:「おはよう、ベン。朝食はいかが? 美味しい果物もあるのよ、食べてみて? 2年前に川の土手になっているのを見つけたの。野生のナシの一種らしいんだけど。どう、あなたに割り当てられた昼の畑仕事はできそう?」
「何を言ってるんだ。夜中見張りをさせておきながら。」
「もちろん仕事をパスさせて欲しければ、休ませてくれって頼めばいいのよ。」
シスコ:「いいや大丈夫だ。」
「よかった。一人でも多い方が助かるわ? …いい加減に制服を脱いで、涼しい服に着替えた方が畑仕事も楽よ? あ、ところで? メグの容態は、今朝はかなり良くなってきたようなの。薬草の組み合わせを変えてみたら効いたみたいだって、ジョセフは大喜びしていたわ?」

ワープ航行中のランナバウト、オリノコ。
ダックス:「前方に船を発見。…リオグランデだわ? ワープ速度は 1.3。」
キラ:「インターセプトのコースへ。真横に並んで。同じ速度になったら私を転送して。」
「無茶なんだから…」
「悪いわね、私が上官なのよ。」
「ワープ中にビーム転送はやめた方がいいと思うけど?」
「ほかにいい方法がある?」
「私は科学士官よ? いい方法を考え出すのが仕事なの。」 ため息をつくダックス。
「…何をやるつもり?」
「昔地球で習った投げ縄をやるのよ。」
「投げ縄って?」
「アメリカの西部開拓時代に、カウボーイが発達させた技術でねえ。牛や馬を捕まえることもできるのよ?※24
「…つまりワープ中のリオグランデに縄をかけて引き寄せようってことなの?」
「ええ、トラクタービームで。」
「…でもワープから通常飛行に切り替える時に、2隻ともドカンといったらどうするの?」
「船を造る時に手を抜かないでちゃんと仕事してくれてれば、何とかもちこたえると思うわ? …でも、少しでも欠陥工事があればアウトだけど。これがベストの方法よ? もちろん、最後は上官のあなたが決めることだけどね?」
「……牽引可能範囲に入ったわ。捕捉準備。」
リオグランデの後方に、トラクタービームが迫る。ロックできない。
何度か発射した後、オリノコはやっとで捕らえることができた。
ダックス:「ワープから通常飛行に移行。」 揺れが襲う。
トラクタービームを発射し続けるオリノコ。
操作するダックスとキラ。きしむ音が響く。
2隻のランナバウトは、ワープ飛行を終えた。
ため息をつくダックス。キラも安心する。
ダックス:「造船チームに御礼を言わなくちゃね、忘れないでよ?」
キラ:「…エンジン停止。コンピューター、転送準備を。」

小屋のそばで、鐘を鳴らすスティーブン。仲間が集まる。
アリクサスが出てきた。「メグが亡くなりました。」
肩を落とすジョセフとカサンドラ。
アリクサス:「突然、静かに。メグは…今までこのコミュニティのために誰よりも、尽くしました。」
シスコもやってくる。
アリクサス:「メグは、いつも自分のことよりみんなのことを先に考える、そんな女性でした。だからこそ、メグの思い出を汚すかのような…勝手な行いをする者がいたことを私はどうしても許せないのです。ヴィノード。」
オブライエンを連れてくるヴィノードたち。
アリクサス:「私達は新しい仲間を手を広げて迎えました。」
近づくシスコ。
アリクサス:「なのに 2人はそれを拒否してばかりいます。口では、テクノロジーに頼らない暮らしを尊重すると言いながら、この男は私達の生活を根底から覆しかねないことをしていました。…仕事がたくさんあるにも関わらず、彼は貴重な時間を…自分のためだけに使っていたのです。この星を出ようと、壊れた機械を修理しているところを見つけられたのです。これは重大な裏切りだわ。」 ヴィノードからトリコーダーを受け取る。
ジョセフ:「でもアリクサス、彼はメグの病気を治せる機械を取りに返ろうとしてたんですよ。」
「よく言ってくれたわね。あなたはきっとそう言い出すだろうと思っていました。これでわかったでしょ? この 2人が、どんなに恐ろしく危険をはらんだ存在か。…ジョセフまでもが、テクノロジーに頼る気持ちをもってしまった。でももしも、ここから出ようとすることにエネルギーを浪費すれば、厳しいここの自然の中では生き延びていけないのです。今回のことは、私達にはいい試練になりました。迷ってはなりません。」
あの箱が、開けられる。
シスコ:「まさかあれに入れるつもりか。」
アリクサス:「いいえ、入れません。でもマイルズの上官はあなたね。彼の行動はあなたに責任があることです。ですからあなたに入ってもらいます。」
オブライエン:「おい、待てよ!」 槍を持ったヴィノードに押さえられる。
ヴィノードはシスコに近づいた。農具を渡し、箱に近づくシスコ。
オブライエンの方を振り返る。アリクサスを見るオブライエン。
アリクサスは悲しい表情を浮かべている。
箱に入るシスコ。閉められた。


※24: 原語では「私が知ってたホピ族は、あなたが想像もつかないようなことを縄を使ってやるのよ。アメリカ旧西部の芸術ね」

オリノコと共に、停止しているリオグランデ。
キラ:「抵抗した形跡はないわ? 武器も使っていないし。」
ダックス:「でも日誌がないわ? 誰かが消したのよ。」
「2人が転送された後、船に誰かが乗り込んできたのかな。…でも何でワープなんかさせたのかしら。いらないなら壊せばよかったのに。」
「壊そうとしたけど失敗したのよ?」
「何でわかるの?」
「船体に高温・高密度のガンマ放射を浴びた後があるわ? ここまでのリオグランデのコースを、さかのぼってたどると…」 星図を表示させるダックス。
「Fタイプの恒星ね?」
「オレリウス・マイナーよ。その誰かさんはオレリウス・マイナーにこのシャトルを突っ込ませて、跡形もなく破壊しようと考えたに違いないわ…」
「で失敗した。」
「設定軌道がちょっとずれたから、重力の影響で違う方向へワープしてしまったのよ。コンピューター? オリノコへビームを発射し、ワープ牽引の準備を。エンジンを調べれば、発射された時のワープサインを見つけられるかもしれないわ?」
コンピューター:『トラクタービーム準備完了。』
キラ:「コース設定、オレリウス星系へ。ワープエンジンを作動せよ。」
オリノコを連れたまま、ワープ航行を行うリオグランデ。

シスコを出迎えるアリクサス。よろめくシスコ。
アリクサスは布を渡す。「座って。」
何とか椅子に座るシスコ。
アリクサス:「こんなこと私だって辛いのよ。水だって飲ませてあげたいし。横にならせてあげたい。ほんとよ? でもできないの。…あなたの心が変わるまでは。……いいのよ、今は話そうとしても無理でしょう。後でね?」
シスコは布を置いた。
水をくむアリクサス。「あなたが簡単に変わるとは思えないわ? でもそれはいいの。人間はねえ、ある時突然奇跡が起こって変わるんじゃないの。変化は内から起こるものよ、心の扉を開いていればね? でもねえ、努力してるっていう気持ちを見せてくれないと。…例えばその、制服を脱いでくれるとか。」 近くにあった服を手にする。「ここに、服を置いていくわ。着替えが終わったら、この水を飲んでもいいわよ?」
シスコの肩に手を触れ、外へ出るアリクサス。「早く仲間になって。」
服と水を見るシスコ。

アリクサスと一緒にいたカサンドラたちは、振り向いた。
シスコが制服のまま、小屋を出てくる。
畑にいたオブライエンも気づく。
独りでゆっくり歩いていくシスコを、みな見ている。
箱の前で膝をついてしまうシスコ。
近づこうとするオブライエンに向かって、シスコは首を振った。
再び立ち上がり、自ら箱に入る。そしてふたを閉めた。

石を叩いているオブライエン。
ジョセフ:「…マイルズ? …何をしてるんだ。」
オブライエン:「実は頼みがあるんだ、ジョセフ。」
「どんなこと? …なあ、僕にはどうしようもないよ、当てにしないでくれないか…」
「どうしてもデュオネティックフィールドの発生源を突き止めたいんだ。」
「だからそれは土に含まれてるアスタチンのせいだよ!」
「いいや、アスタチンじゃないよ。そうなら僕がこれだけかかって通信機を直せないはずがない。原因はほかにあるんだ。何とか、発生源を突き止める装置もできたしねえ。」
「…それを見て見ぬふりをしろって言うんだねえ。」
「箱に入れられるのが怖いか。いいよ、わかったよ。ほら見てみろよ、ヘマタイト※25を見つけたんだ。」
「…マイルズ。」
「ヘマタイトの用途は広いぞ?」
ジョセフは道具を置き、地面にかがんだ。
オブライエンは背後から手を振り下ろした。「借りはいずれ返す。」
いくつかの物を持って、立ち去るオブライエン。

水が入った容器に浮かべた物で、方向を定めるオブライエン。
ジャングルを進む。反応が強くなっている。
回転し続ける物体。オブライエンは地面を掘る。
そこに、大きな装置があった。音を発し、稼働している。
それを操作しようとした時、近くの木に矢が突き刺さった。
ヴィノードだ。逃げ出すオブライエン。
追うヴィノード。

オブライエンの制服が見えた。
ヴィノードの放った矢が命中する。
近づくヴィノード。だがそこにあったのは、制服だけだった。
突然、木の上からヴィノードへ向かって飛び降りるオブライエン。※26
気を失ったヴィノードから弓を奪い、弦を外す。「制服は、いざって時しか脱がないんだよ。」

木を運んでいたカサンドラは、驚いて取り落とした。
オブライエン:「さっさと歩け! アリクサスはどこだ、早く連れてこい!」 手を結んだヴィノードを押しやる。
フェイザーを発射し、箱の錠を壊した。
息を切らし、倒れるように出てくるシスコ。
オブライエン:「水を持ってこい!」
様子を見ているヴィノード。スティーブンが持ってきた水に、口をつけるシスコ。
オブライエンは入植者に言う。「何でフェイザーが、ちゃんと使えるようになったかわかるか。エネルギーの流れを止めていたデュオネティックフィールドを俺が切ったからだ。誰かがフィールドを人工的に作ってたんだ。」
シスコはコミュニケーターに触れた。「シスコより、リオグランデへ。…コンピューター、応答せよ。」
出てきたアリクサス。「あなたのシャトルはもう静止軌道にはないわよ、ベン?」 ヴィノードの手を解放する。「私が破壊したの。」
シスコ:「ということは君が、デュオネティックフィールドも作ったんだな。」
「いいえ、作ったのはほかの人よ? 私の理論に同調する科学者は大勢いるわ? そのうちの一人が作ってくれたの。」
ジョセフ:「じゃこの星に不時着したのもあなたが企んだことだったんですか。」
「そうよ? 初めからこの星へ来るつもりだった。何ヶ月も前から計画していたのよ。貿易ルートからも外れているし、外界とは隔絶している。理想の社会を作るには、完璧な星だったから。自然に囲まれて、ここで一生を送るつもりでいたの。」
カサンドラ:「嘘をついていたのね! あなたは 10年間もみんなをだましていたのね!」
「ええ。でもみんなに人間の真実の姿を知って欲しかったからこそなの。もしここへ来ていなかったら、あなたたちはみんな、ほんとの自分を発見できたかしら。ジョセフ、あなたは一生しがないエンジニアで終わったでしょう。カサンドラ、あなたも技術スタッフとして、機械相手の毎日を送るだけだったでしょ。ねえスティーブン。あなたにいたっては、今頃は刑務所に入れられていたかもしれない。でも見てごらんなさい。生きる力にあふれた自分たちを。この星、この厳しい自然は、みんなの可能性を目覚めさせてくれたのよ?人間のもつ、大いなる力。私の思っていたとおりだわ。私の理論は間違っていなかった。」
シスコ:「死んだ仲間は。…メグはどうなる、犠牲者たちは。」
「…私の苦しみを知っていたのは息子だけだった。仲間の死は断腸の思いだわ。」
「理論のためなら人を死なせることもいとわないとはな。この責任はこれから君に償ってもらうぞ。」
「もちろんそれはよくわかっています。犠牲者が出るのは避けられなかった。最初からそれは覚悟の上だったわ。」
「もし息子が病気になったらどうした。死なせる気だったのか。」
ヴィノードの手を握るアリクサス。「もちろん。コミュニティのためですもの。…私は全てみんなのためにやってきたのよ。」
アリクサスを見つめる人々。
通信が入る。『キラより司令官。ご無事でしたか?』
シスコ:「…ああ、大丈夫だ。心配かけたな、少佐。直ちに、ビーム転送の準備を頼む。」
キラ:『了解。』
オブライエン:「シャトルには君たち全員が乗る余地がある。…持っていきたい物があれば、急いで取ってきてくれ。」
ジョセフ:「マイルズ。…私達は、行かないよ。…アリクサスのしたことは罪だが…でもこの星は、みんなの故郷だ。…デュオネティックフィールドの発生装置をつけるか、消しておくかは…これからみんなで考える。もしかしたらそのうち、外の世界と連絡を取りたいと思うかもしれないしね。でも今は、これでいい。みんな、ここの生き方が気に入ってるんだ。だからこの星で頑張ってみるよ。」
アリクサス:「私とヴィノードは出頭して罪を償う。さあ、行きましょう。」
シスコ:「少佐、4人転送を頼む。」
転送されるシスコたち。
ジョセフ:「さあ、帰ろう。」
散り散りに戻っていく人々。
だが子供たちだけは、4人が消えた場所を見つめていた。


※25: 赤鉄鉱 hematite

※26: ボクサーパンツ型の下着を着ています。また、このシーンはグリフィス・パークの野鳥保護区で撮影されました

・感想
自然の亡者アリクサスと、決して屈しないシスコの対決。シスコは映画「大脱走」(1963) で、スティーヴ・マックィーンが演じた役をイメージして描かれたそうです。アリクサスは単発キャラクターながら、同じ声優のウィンに迫る嫌悪感を抱かせてくれます。嫌なキャラクターが出てきたら駄作、という論評は問題外ですけどね。
ST では「機械に頼るとダメ」という展開が多く見られがちですが、今回は完全な結論を出してはいないものの、真反対でした。何事も行きすぎはよくないということで…。


dot

previous第34話 "Whispers" 「オブライエンの孤立」 第36話 "Shadowplay" 「幻影の村」previous
USS Kyushuトップ | DS9 エピソードガイド