医療室でダックスが検査を受けている。シスコが気分を尋ねると、ダックスがさっきは悪かったと言う。理由は分からないが、腹ただしい気分になるのだと言う。幻覚の中の仮面の男は、誰かは分からないが見覚えがあるそうだ。また、あの音楽を連邦のコンピューターで調べることにした。さっきの幻覚は、ジャッジアを含めすべての過去の本体はみたことがない。過去に大きな事故にあったのは、クルゾンの前の本体であるトライアス・ダックス※4だけだ。事故の後6ヶ月昏睡状態になりアイソボラミン※5のレベルが大幅に下がったと言う。アイソボラミンは共生生物と本体※6の間のシナプスを媒介する神経伝達物質である。トライアスはそのレベルが通常に比べて4割以下に落ちたため、共生生物を取り出された。共生生物のためには本体が犠牲にならなければならないからだ。ダックスの現在のアイソボラミンレベルは73%。この低下の理由は分からない。ダックスは拒絶反応を心配するが、ベシアは大丈夫だと言い、トリル星へ行き合体審査理事会※7の医師にみてもらうことを勧める。シスコはクルゾンがトリルを見せたがっていた、とダックスに向かって言った。
トリル星へ向けてディファイアントが出航した。ブリッジにベシアが入って来た。ダックスは部屋で休んでいる。シスコはクルゾンを今でも会いたいと思うと言う。新しいダックスにもはじめは馴染めなかったが、もし何かあったら…と言う。ベシアも同じ気持ちだ。
ベシアが部屋のベッドで横になっているとき、ダックスが入ってきた。眠れないらしい。快く迎え入れるベシア。ベシアはトリルの生理学を勉強していた。合体審査理事会の医師なら、とダックスを元気付ける。ダックスはまたそこに戻ることになるとは思わなかったと言う。3年間合体候補生として暮らしたが、外に出ることは全くなく、合体した後は二度と戻るまい、と思っていた。辛かったのではなく、テストばかりの生活に嫌気がさしていたと言うダックス。合体のための審査は慎重を期さなければならない、そうしなければ本体、共生生物ともに死んでしまうからである。ダックスは嫌な思い出ばかりなのは自分自身にプレッシャーをかけていたからだ、そして患者として戻るのは、候補生としてより嫌だと言う。ダックスは実は医者が嫌いなのだ。そのことを話すとベシアも昔はそうだったと言う。だがいつからか医者の知っていることを知りたいと思い、医学部に入った後は苦しんでいる人を助けたいと考えるようになったと言うベシア。さらにベシアは、この部屋で泊まっていかないかと勧める。ダックスは下のベッドで寝ることにした。上のベッドに入ったベシアは、電気をつけたままだと明るいかとダックスに尋ねるが返事はない。ダックスはすでに眠りに入っていた。
トリル星※8。ダックスはさまざまな調査を受けたことを話している。ドクター・レンホル※9が入ってきた。候補生はダックスが来たので大騒ぎだと言う。一度失敗しながら合体が認められたのはダックスだけだからだ。レンホルの話によると薬を投与し、経過は良好だと言う。ダックスはまだいなければいけないか尋ねると、さらに検査が必要だという。ランチをおごるからと言うと、レンホルは出ていった。
ダックスはディファイアントに戻されたことを怒っている。観光案内をしたかったからだ。だがシスコ・ベシアとも安静にしておかなければならないと言う。昼寝をするように言う2人。不服そうにダックスはブリッジを出ていった。
ブリッジを出たところの通路で、また周りが暗くなり始めた。再び現われる仮面の男。誰なのか尋ねても、美しいと思わないか、と謎めいた答えしかしない。そのときドアが開き、2人のトリル人が駆け寄ってきた。無理矢理ダックスを連れて行こうとする。ダックスは1人を突き飛ばし、もう1人を殴ろうとしたところで、その相手がベシアであることに気づいた。もう1人の姿もなくなっている。しきりに周りを探すダックスだった。
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※3: ここで1枚取ったのは…最後まで見ると分かります
※4: Torias Dax
※5: isoboramite
※6: symbiont と host と言います
※7: Trill Symbiosis Commision
※8: おそらく初登場
※9: レンホ Renhol (リサ・バーンズ Lisa Banes)
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