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ディープスペースナイン エピソードガイド
第49話「クワークの結婚」
The House of Quark

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・イントロダクション
DS9のバー。モーンがダボガールを連れて出ていった。残されたのはクワークとロムだけだ。稼ぎ時だと言うのに、ドミニオンを恐れてステーションから出て行く人が多いために客がいない。ただ1人のクリンゴン人を除いては。客が減ったのをシスコのせいにするクワーク。ちゃんとドミニオンと取り決めをすればよかったんだと、愚痴をいっている。そのクリンゴン人は酔っており、金がないのにさらにワインを注文している。クワークは俺に任せとけと言って、クリンゴン人のところに行くが、相手が強そうなのですぐツケに応じると言い出す。クリンゴン人は怒り、剣を抜いて襲い掛かってきた。階段の上を転がる2人。クワークが起き上がると、下にいるクリンゴン人の胸には剣が刺さっていた。息はすでにない。驚くロムとクワーク。

・本編
バーにはベシア、オドー以下クルーが集まり調査している。見物人もいっぱいいる。これではバーが使えないというロムに対し、クワークはこれを利用しようと言い出した。クリンゴン人が死んだのは事故ではなく、正当防衛で自分が殺したと嘘を言って、客を呼び戻すつもりだ。ロムはかたき討ちのことを心配するが、クワークはその時には本当のことを言えばいいと言う。さらにこのままバーの収益が減れば、ロムに給料を払えなくなる、と言うクワーク。オドーが事情説明を求めると、ロムがクワークの正当防衛を主張する。※1信じられないオドーに、バーを回りながら説明を始めるクワーク。「乱暴なクリンゴン人が代金を払えず、襲い掛かってきた。自分が何発か殴ると、クリンゴン人が首元にナイフを突き付けてきた。その手をつかんで相手の胸を刺した、死んだときの顔は今でも忘れられない」と説明するクワーク。観客は一生懸命聞いている。ベシアとオドーは黙っている。クワークはそれだけ言うと歩いて行った。
部屋でケイコが盆栽※2の手入れをしているところへ、オブライエンが帰ってきた。シンセホルを飲みながら仕事の愚痴を言い始める。ケイコは何も言わない。オブライエンが学校のことを尋ねると、今日で閉鎖したと言うケイコ。最後のベイジョー人の生徒が出ていってしまい、残ったのはジェイクとノーグだけだからだ。慰めるオブライエンだが、ドミニオンのせいだから仕方がないと言うケイコだった。
クワークのバーは大盛況である。上機嫌のクワークのところにオドーがやってきた。殺されたクリンゴン人についてである。彼はコザック※3と言う名前で、評判は悪いが名門の一族の長だと言う。証言を変えるつもりはないかと聞くオドーだが、クワークにそんな気はない。クワークに帰ってくれと言われでていくオドー。ロムが心配そうに本当のことを言うように勧めるが、クワークは今更そんなことはできない、なぜなら自分には尊敬が集まっているからだと言う。かたき討ちにきたら、金を出すだけだ、と。
通路を歩いているクワークに、いきなりクリンゴン人がつかみかかってきた。兄を殺したのはお前か、とクワークに言う。

※1: さすが変わり身の早いフェレンギ人

※2: 日本風ですね。さすがにはさみは使ってません

※3: Kozak (John Landale Bannett)


そのクリンゴン人は、兄はこんなフェレンギ人に殺されたのか、と怒り、その時の状況を説明するように求める。クワークはあれは事故だったと説明するが、それでは一族の名誉に関わると言うクリンゴン人。お前が恥の原因ならこの場で殺してやると脅す。だが戦って堂々と死んだと言うのなら一族の恥にはならず、復讐も行われない。クワークはコザックの最期を、勇敢に戦ったと誉め始めた。クリンゴン人はバーの客に対しても必ずそう言うのを忘れるなと言って、クワークを放し去っていった。※4
オブライエンが部屋で豪華な料理を作っている。※5帰ってきたケイコは驚くが、今日が何の日だったか思い出せない。オブライエンは笑いながら、『銀河一いい女と結婚した男の日』と言う。アイルランドの習慣で、年に何回でも、1日に2回でもいいものだそうだ。シャンペンをついだグラスを持ったまま抱き合う2人。
オブライエンとケイコが寝室から出てくる。オブライエンは仕事に行かなければならない。昨日はありがとうと言うケイコ。今日は第2目標塔にいると言って出て行こうとするオブライエンだが、私は家よ、といって座るケイコ。やはりまだ学校のことが気がかりのようだ。
バーでラチナムを数えているクワークのところに、誰かが入って来た。フードを取ると、それはクリンゴンの女性だった。グリルカ※6と名乗るその女性は、コザックの妻だった。クワークは仕方なく殺した、名誉ある死だったと話す。何かお役に立てることでもというと、いきなりグリルカは剣を抜いて、勝負せよと言ってきた。慌ててカウンターの後ろに逃げるクワーク。グリルカはこんな男が夫を殺したのかと嘆き、その時の状況を説明するように言う。クワークは剣を引っ込めさせ、あれはコザックは誤って自分で胸を刺した、と本当のことを述べる。保安士官やドゥゴール※7にも嘘をついていたのかと言うグリルカに対し、それは才能だと答えるクワーク。その才能を生かしてもらおうと言うや否や、グリルカはクワークをハイポスプレーで気絶させてしまった。クリンゴン語で転送を命じるグリルカ。※8
クリンゴン星。クワークは起こされる。ここはどこだと答えるクワークに、そばにいる老クリンゴン人、トゥメック※9はクロノス※10と答える。クリンゴンの中心だ。今クワークがいるところはもともとコザックの家と呼ばれていたが、コザックには男子の跡継ぎがいなかったため、今は家名がない。クワークが弟のドゥゴールはどうした、と尋ねると、その名前を言うなと言われる。コザック家とドゥゴール家は代々争ってきた家柄で、弟と言ったのも嘘だと言うトゥメック。ドゥゴールはコザックが名誉の死をしたことを確かめたかった、そうすれば特例は認められなくなるからだ、と更に説明する。クワークはよく理解できない。つまりコザックの死が不意の事故であるとすれば、クリンゴン評議会は特例を認め、女であるグリルカを家長として認めてくれるかもしれないということなのだ。だがもし勇敢に戦い、その結果死んだということであれば特例は認められず、コザック家は断絶してしまう。その時グリルカが入って来て、クワークに持ってきたガウンを着るように言う。トゥメックは考え直すように言うが、グリルカはもう心は決めたと聞かない。突然グリルカはクリンゴン語で何かを述べ始めた。クワークは質問としようとするが、剣で脅され仕方なく言われたクリンゴン語を繰り返す。トゥメックが最後に何か述べると、グリルカはクワークにキスをしてきた。キスが終わりつばを吐き出すグリルカ。これで終わった、と言うトゥメックに、クワークは何が終わったのかと尋ねる。それは2人を夫とし、妻とする婚姻の儀式だったのだ。

※4: おなじみのカプラ!

※5: お箸を使っています。

※6: Grilka (マリー・カイ・アダムス Mary Kay Adams)

※7: ドゴール D'Ghor (カルロス・カラスコ Carlos Carrasco DS9第92話 "Shattered Mirror" 「鏡あわせのジェニファー」のクリンゴン士官、第139話 "Honor Among Thieves" 「非情の捜査線」のクロール (Krole)、VOY第55話 "Fair Trade" 「密売人」のバラット (Bahrat) 役)

※8: 以下何度もクリンゴン語が出てきますが、綴りは省略します…

※9: Tumek (ジョセフ・ラスキン Joseph Ruskin TOS第46話 "The Gamesters of Triskelion" 「宇宙指令! 首輪じめ」のガルト (Galt)、DS9第66話 "Improbable Cause" 「姿なき連合艦隊(前編)」のカーデシア人情報屋、VOY第107話 "Gravity" 「ブラックホールと共に消えた恋」のヴァルカン・マスター (Vulcan Master)、ENT第1話 "Broken Bow, Part I" 「夢への旅立ち(前編)」のスリバン・ドクター (Suliban Doctor)、映画 "Star Trek: Insurrection" 「スター・トレック 叛乱」のソーナ人士官その3 役)

※10: 久々登場のクリンゴン母星


司令官室ではシスコ、キラ、ダックス※11が会議を開いている。そこへオブライエンがやってきた。会議中なら、と出て行こうとするが、もう終わったから構わないと言うシスコ。プライベートな話をしたいと言うオブライエン。ダックスは気を利かせ、出て行こうとキラに言うが、キラはいたって構わないだろう、と言う。しかしシスコはキラに2人にして欲しいと言う。出ていくダックスとキラ。オブライエンが話したいのはケイコのことだ。学校のことでいろいろ慰めてみたが効果がないので、使っていない貨物室を植物園にできないかと言うオブライエン。シスコは第21デッキを使っても構わないと言う。うまく行くといいなというシスコに、オブライエンはキャリアをあきらめてくれたケイコには借りがあると言う。力になれることがあれば言ってくれ、と言うシスコに礼を言うオブライエン。
クリンゴンの大会堂では、ドゥゴールがガウロン※12の前で、コザックの死には何ら特別なところはなく、また跡継ぎや財産もないためコザックの長の地位は自分のものとすべきだ、との請求を行っている。だがその時請求は認められないとグリルカが入って来た。ブレクトルの儀式※13を済ませ、夫を選んだからだ。文句を言うドゥゴールだが、ブレクトルの儀式によれば戦ったのち勝者は敗者の財産を、妻も含め自分のものにすることができるという。コザックは名誉の死を遂げたというドゥゴールの証言が役に立ったわけだ。ドゥゴールは家も、長の地位も奪った後にクワークとともに殺し、2人の首を門の前に並べてやるとグリルカを脅す。※14クワークはいきなりガウロンに話し合いをしようというが、ドゥゴールがこの場で殺してやる、と言う。だがガウロンはドゥゴールを制し、理由なき決闘は許されない、評議会の決定が出るまでにはブレクトルは尊重されるべきだと述べる。そしてクワークに名前を聞き直し、「クワークの家」※15とすることを決定した。

※11: 髪が戻りました…

※12: Gowron (ロバート・オライリー Robert O'Reilly)。久しぶりに登場

※13: brek'tal ritual

※14: FBSで放送されたときは、この部分がカットされていました

※15: "The House of Quark"


どうして何も言うなと言ったのに喋ったのか、とグリルカは怒っている。無駄な血が流されるのをみたくはなかった、と答えるクワーク。グリルカは自分の言う通りにしておけばよい、というが、これからの計画は全く考えていなかった。クワークは事情を話すように提案する。グリルカによるとコザックは借金ばかりしており、そのためコザック一族は発言力・影響力ともに落ちていった。借金の相手は主にドゥゴールで、その弱みに付け込まれている。このままではドゥゴール一族は大きな影響を持つことになってしまう。クワークはコザック一族の財産記録を見せるように言う。グリルカはそんな卑怯な手は使えないと言うが、今度は自分のやり方をやってみる番だと言うクワーク。グリルカはうなずき、コンピュータを操作し始めた。
バーにいるオブライエンのところへベシアがやってくる。オブライエンはパッドを手にして、植物園の配置を考えている。意見を求めるオブライエン。うまく行くだろうかと尋ねるオブライエンに、うまくいく、しかし2ヶ月だ、とベシアは答える。結局もとの問題を解決しないとだめだ、ケイコには趣味としてではなく、植物学者として働かせてあげなければ幸せになれない、と言うベシア。
クワークはコンピュータでドゥゴールがコザックの土地の評価額を下げ、過去5年間にわたってのっとろうとしていたことを突き止める。グリルカは、卑怯な手だ、それではまるで…と言いかけ、フェレンギ人みたいだ、とクワークが言う。グリルカはそれらの証拠を評議会に提出するようにクワークに言い、この家の救い主だと誉める。笑う2人。グリルカはクワークにはとても感謝している、だからいますぐひざに置いた手を離せば許してやるという。また笑う2人。そして評議会へ向かった。
クワークは大会堂でガウロン以下、評議会のメンバーにパッドを使いドゥゴールの不正を説明している。だがガウロンは途中でパッドを投げ捨て、ドゥゴールに近づきクワークの言うことは本当かと尋ねる。ドゥゴールは嘘だ、そして決闘を申し込むと言い始める。クワークが嘘をついていたと言う証人がいたと言うのだ。コザックが実は名誉の死ではなく、事故で死んだということである。そこへ連れてこられたのはロムだった。


クワークとロムが密かに逃げ出そうとしている。しかしトゥメックとグリルカに気づかれる。このままだと決闘で殺されてしまうと言うクワーク。だが嘘をついていたと分かった以上、決闘で潔癖を証明するしかないとグリルカは言う。しかしクワークはフェレンギ人のやり方ではない、と取り合わない。クワークもほかのフェレンギ人と同じだったと言うグリルカ。そして2人を行かせることにし、トゥメックとともに歩いていった。クワークは出て行こうとするが、ロムが動かずじっとクワークの方をみている。このまま見捨てるのかと尋ねるロム。当たり前だ、とクワークは答え、出ていった。
大会堂ではグルリカが、夫はどうしたのかとガウロンの質問を受けている。答えられないグリルカ。ドゥゴールがクワークの家の取り潰しを申請しようとしたとき、ドアが開きバトレスを持ったクワークとロムがやってきた。クワークはケルダー※16の息子と名乗り、決闘の挑戦を受けにやってきたと宣言した。グルリカは近づき、何があろうとお前を忘れないと囁く。ガウロンの号令とともに、決闘が始まった。だが決闘が始まってすぐ、クワークはバトレスを放り出し、殺せと言い始めた。戸惑うドゥゴール。クワークはその場にいる評議会のメンバーは、見込みのない決闘をさせ、自分を殺させ、名誉を守らせるつもりなんだろうと言う。しかしそんな策略にはのらない、そんなものは処刑以外のなにものではない。それなら処刑するがいい、名誉も栄光もない。だが子孫にどうやってグリルカの家を手に入れたかを話すときには、忘れずに武器のない、無抵抗の、そして自分の半分の大きさしかないフェレンギ人を殺したことを伝えろ、と。ドゥゴールはクワークの話にも構わず切りかかろうとした。が、ガウロンが止めた。無力な者を殺すようなものは、名誉などないと言う。そして居場所はない、と言うと、手を組み後ろを向いた。次々と同じ動作をしていく評議会のメンバー。※17ドゥゴールは追放された。ガウロンはクワークに近づき、その勇気を褒め称えた。さらに特例を認めグリルカを家の長とすることを決めると、会を解散させた。
グリルカはクワークに感謝のしようもない、と言う。クワークが離婚を求めると、グリルカはそれならば簡単に成立する、といっていきなり殴った。そしてクリンゴン語で叫び、つばをかけた。これで離婚が成立したのだ。殴る前に一言いってくれればと言うクワークに、口付けを交わすグリルカ。カプラ、と言ってグリルカは出ていった。
バーでオブライエンとケイコが飲んでいる。オブライエンはベイジョーのジャニッツァー山脈※18で植物学者が必要とされていることを話す。期間は6ヶ月。ケイコは学校のことで罪悪感を感じなくてもいい、とオブライエンに言う。オブライエンは罪悪感ではなく、幸せでいて欲しいからだと答える。植物学者であることを忘れずに、そして宇宙一の植物学者になれ、といいケイコの手を握った。
カウンターの片隅ではロムとクワークが話している。ドゥゴールとの対決はかっこよかったというロム。尊敬もいいがラチナムもいい、と言うクワーク。ロムはドゥゴールとの対決の話をもう一度してくれとクワークに頼む。クワークは自慢げに、そして大袈裟に話を始めるのだった。
※16: Keldar

※17: あのウォーフが追放されたときを思い出します(TNG第65話"Sins of the Father"「クリンゴン戦士として」)

※18: Janitza mountains



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