ヴォイジャー 簡易エピソードガイド
第55話「密売人」
Fair Trade
イントロダクション
パッドを読みながら通路を歩いているトゥヴォックのところに、ニーリックスが走りよる。ミスター・トゥヴォック、今朝のパトロールには一緒に連れて行ってくれるはずだったじゃない、忘れたのと尋ねる。特に約束した覚えはないんだがというトゥヴォック。ニーリックスは、ちゃんと約束しただろ、いやちゃんとはしてなかったかも知れないけど、保安部の仕事を覚えたいって言ったのは確かだという。それに宇宙艦の保安プロトコルは勉強したし、宇宙艦隊の保安部員として認められる資格はある、もちろん下級士官だけど、とすがる。私は君を士官にするなどと約束した覚えはないというトゥヴォックに、チャンスは平等にあるってジェインウェイ艦長はいつも言っているというニーリックス。2人はターボリフトのドアの前に来た。トゥヴォックは昇進のチャンスは努力してつかむものだという。これでもがんばってるつもりだし、それに自分の仕事以外にもヴォイジャーの役に立っていると思うというニーリックスに、正当に評価されているという。ドアが開き、では失礼、ブリッジで仕事があるのでといってトゥヴォックは乗った。明日の朝こそパトロールに連れて行ってよねというニーリックス。ドアは閉まった。 機関室でトレスがヴォーラック※1少尉を呼び、プラズマフローを調整するため重陽子プローブ※2を準備するように命じる。重力カリパス※3を使ってはどうでしょう、作業により適していると思いますと提案するヴォーラック。トレスは両方持ってくるように言った。ニーリックスが入ってきた。おはようベラナ、今朝はせっかくクリンゴンブレックファストを作ったのにという。悪いけど朝っぱらからコールド・ガッキ※4は食べたくないのというトレス。君だけじゃないよ、みんな食欲が沸かなかったみたいだからというニーリックス。どっか調子悪いの、プラズマインジェクターだっけと尋ねる。連邦のワープ航法についてだいぶ勉強したんだよというと、トレスはマニフォルドのプラズマフローが収縮してるみたいという。ああ、じゃあダイリチウムマトリックスってのにフェイズ・ロックしたらどうかなというニーリックス。とっくにやったわよ、とトレスは言った。ニーリックスはトレスに近づき、俺機関部の仕事にすごく興味があって、本気で勉強したいしシフトに入って実務を覚えたいという。それに推力反応フィルターのことでいくつか質問があるという。ニーリックス、ニーリックス、悪いけど別の時にしてくれないというトレス。忙しいんだよね、ごめんよと謝り、だったら見学しててもいいかなというニーリックス。ヴォーラックが道具を持ってきた。転送装置のバッファのことも聞きたいというニーリックス。そこへジェインウェイからの通信が入り、ニーリックスをブリッジへ呼んだ。はい艦長、ただいまといい、向かうニーリックス。トレスたちは作業を続ける。 ブリッジに着いたニーリックスに、ジェインウェイが前方に塵でできた星雲らしきものがある、何か知らないと尋ねる。何だか不気味なんだけどというジェインウェイ。ニーリックスは、多分これはネクリット・エリア※5として知られているかなり広大な星雲ですよといった。入って行くヴォイジャー。 |
※1: Vorik (アレキサンダー・エンバーグ Alexander Enberg TNG第127話 "Time's Arrow, Part II" 「タイム・スリップ・エイリアン(後編)」の若い記者 (Young reporter)、第167話 "Lower Decks" 「若き勇者達」のヴァルカン人トーリク少尉 (Ensign Taurik)、VOY第115話 "Juggernaut" 「憎しみはコロナの果てに」のマロン人機関士その3 (Third Malon Engineer) 役。ゲーム "Voyager: Elite Force"、"Away Team"、"Elite Force II" でも声の出演。ジェリ・テイラーの息子) ヴァルカン人、宇宙艦隊士官。後にも登場。声:森田順平 ※2: duotronic probe ※3: gravitic caliper
※4: 冷えたガーグ (ガー) cold gagh
※5: ネクリット地帯、ネクリット・イクスパンス |
あらすじ
ネクリット・エリアを避けて通ることはできないため、ニーリックスが知っていた境界近くのステーションで物資の補給を受けることにする。そこはバラットという異星人がステーションでの取り引きなどを映像で監視し、治安を守っていた。必要な機材を探すチャコティとパリスに、商人の一人がクリスタルを買わないかと持ちかけたが 2人は断る。ネクリットの地図を探していたニーリックスは、旧友のタラクシア人、ウィックスと出会った。2人の間には以前取り引きで失敗し、ニーリックスをかばったウィックスが捕まったという過去があった。ニーリックスはネクリットのことは何も知らないことを話し、地図を手に入れたいとウィックスに頼んだ。 ウィックスはバラットに取り上げられている自分の船を買い戻したいと考えていた。そのためな必要な取り引きに転送技術を使いたいと言い、ヴォイジャーのシャトルを借りたいとニーリックスに持ちかけて来た。医療物資を運べば、相手から地図ももらえるという。2人はシャトルで物資を手に入れた。ウィックスは用心のためだといってシャトルに備え付けてあったフェイザーを持って、ニーリックスと共にステーションに転送される。取引相手はチャコティたちにクリスタルを売ろうとしていた異星人だった。その「医療物資」のクリスタルを確認する相手。だが金を払う段になると、いきなり武器で攻撃してきた。ウィックスが反撃してフェイザーで相手を殺す。ニーリックスたちは再び転送でシャトルへ戻った。 医療物資というのはウィックスの嘘で、禁制の麻薬だった。ウィックスを裏切ることはできないニーリックスは、ジェインウェイには事件のことは報告しなかった。殺人現場で連邦のフェイザーの痕跡が見つかったため、バラットとヴォイジャーのクルーは共同して捜査にあたる。ニーリックスとウィックスもトゥヴォックの質問を受けるが、嘘を突き通した。ウィックスは仲立ちをしていただけで、このままでは相手のコラーティという残忍な異星人に殺されると話す。そしてヴォイジャーのワーププラズマが手に入れば許してもらえると言い、ニーリックスにそれを盗むように言うのだった。 ニーリックスはジェフリーチューブに入り、作業を始めようとした。しかし盗むことはできず、ステーションに戻ってウィックスに考えがあると話す。そこへバラットがやってきた。だが捕まったのはニーリックスたちではなく、チャコティとパリスだった。殺された密売人と話していたのが、映像で記録されていたのだ。これ以上嘘は付けないというニーリックスの計画に、ウィックスも協力することにした。 ニーリックスたちは自分たちが取り引きをして、その時に正当防衛でフェイザーを撃ったことをバラットに話す。そして毎晩のように監視装置を解除して違法取引を行っているコラーティを捕まえれば、その代わりに自分たちを無罪にしてくれるように頼んだ。ニーリックスたちはヴォイジャーではなくステーションから取った偽のワーププラズマを、取引現場でコラーティのリーダーに渡す。偽物だと気づかれるが、ニーリックスは臆することなくお前たちは捕まるという。ニーリックスに武器を向けるコラーティ。だがニーリックスは先にプラズマ容器の安全装置を解除し、プラズマを漏れさせていたのだ。武器を発射したり転送で逃げようとすると、大爆発が起こる。そしてバラットたちが駆けつけた。コラーティの一人が武器を発射して爆発が起こったが、ニーリックスたち他の者は助かった。ウィックスはシャトルを取り戻して去って行った。なぜ犯罪行為を行ったのかジェインウェイに尋ねられたニーリックスは、地図のためだったこと、そしてこれから先の宇宙については何も知らないことを明かす。ジェインウェイは知らないのは皆同じだと言って、ニーリックスに新しい仕事を与えるのだった。 |
用語解説など
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感想
以前からたまに思っていたことですが、ニーリックスがいくらデルタ宇宙域に詳しいとはいえ、一直線に進んでいるんですからいつかは知らない領域に来ることも当然なわけです。このエピソードはその疑問を (やっとで) 解決したものといえますね。 |
第54話 "Macrocosm" 「巨大ウィルス」 | 第56話 "Alter Ego" 「ホログラムの反乱」 |