パッドを読みながら通路を歩いているトゥヴォックのところに、ニーリックスが走りよる。ミスター・トゥヴォック、今朝のパトロールには一緒に連れて行ってくれるはずだったじゃない、忘れたのと尋ねる。特に約束した覚えはないんだがというトゥヴォック。ニーリックスは、ちゃんと約束しただろ、いやちゃんとはしてなかったかも知れないけど、保安部の仕事を覚えたいって言ったのは確かだという。それに宇宙艦の保安プロトコルは勉強したし、宇宙艦隊の保安部員として認められる資格はある、もちろん下級士官だけど、とすがる。私は君を士官にするなどと約束した覚えはないというトゥヴォックに、チャンスは平等にあるってジェインウェイ艦長はいつも言っているというニーリックス。2人はターボリフトのドアの前に来た。トゥヴォックは昇進のチャンスは努力してつかむものだという。これでもがんばってるつもりだし、それに自分の仕事以外にもヴォイジャーの役に立っていると思うというニーリックスに、正当に評価されているという。ドアが開き、では失礼、ブリッジで仕事があるのでといってトゥヴォックは乗った。明日の朝こそパトロールに連れて行ってよねというニーリックス。ドアは閉まった。
機関室でトレスがヴォーラック※1少尉を呼び、プラズマフローを調整するため重陽子プローブ※2を準備するように命じる。重力カリパス※3を使ってはどうでしょう、作業により適していると思いますと提案するヴォーラック。トレスは両方持ってくるように言った。ニーリックスが入ってきた。おはようベラナ、今朝はせっかくクリンゴンブレックファストを作ったのにという。悪いけど朝っぱらからコールド・ガッキ※4は食べたくないのというトレス。君だけじゃないよ、みんな食欲が沸かなかったみたいだからというニーリックス。どっか調子悪いの、プラズマインジェクターだっけと尋ねる。連邦のワープ航法についてだいぶ勉強したんだよというと、トレスはマニフォルドのプラズマフローが収縮してるみたいという。ああ、じゃあダイリチウムマトリックスってのにフェイズ・ロックしたらどうかなというニーリックス。とっくにやったわよ、とトレスは言った。ニーリックスはトレスに近づき、俺機関部の仕事にすごく興味があって、本気で勉強したいしシフトに入って実務を覚えたいという。それに推力反応フィルターのことでいくつか質問があるという。ニーリックス、ニーリックス、悪いけど別の時にしてくれないというトレス。忙しいんだよね、ごめんよと謝り、だったら見学しててもいいかなというニーリックス。ヴォーラックが道具を持ってきた。転送装置のバッファのことも聞きたいというニーリックス。そこへジェインウェイからの通信が入り、ニーリックスをブリッジへ呼んだ。はい艦長、ただいまといい、向かうニーリックス。トレスたちは作業を続ける。
ブリッジに着いたニーリックスに、ジェインウェイが前方に塵でできた星雲らしきものがある、何か知らないと尋ねる。何だか不気味なんだけどというジェインウェイ。ニーリックスは、多分これはネクリット・エリア※5として知られているかなり広大な星雲ですよといった。入って行くヴォイジャー。
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※1: Vorik (アレキサンダー・エンバーグ Alexander Enberg TNG第127話 "Time's Arrow, Part II" 「タイム・スリップ・エイリアン(後編)」の若い記者 (Young reporter)、第167話 "Lower Decks" 「若き勇者達」のヴァルカン人トーリク少尉 (Ensign Taurik)、VOY第115話 "Juggernaut" 「憎しみはコロナの果てに」のマロン人機関士その3 (Third Malon Engineer) 役。ゲーム "Voyager: Elite Force"、"Away Team"、"Elite Force II" でも声の出演。ジェリ・テイラーの息子) ヴァルカン人、宇宙艦隊士官。後にも登場。声:森田順平
※2: duotronic probe
※3: gravitic caliper
※4: 冷えたガーグ (ガー) cold gagh ガーグはクリンゴンのヘビ虫を食べる珍味。TNG第34話 "A Matter of Honor" 「錯綜した美学」など
※5: ネクリット地帯、ネクリット・イクスパンス Nekrit Expanse
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