ヴォイジャー 簡易エピソードガイド
第115話「憎しみはコロナの果てに」
Juggernaut
イントロダクション
放射能汚染物を撒きながら航行する、マロン※1貨物船。マロン人のペルク※2が、模型の船を手にもち、遊んでいる。「ゴーッ、ゴーッ。警告! 684プラットホームで減圧だ。船体に亀裂が入る。スラスターに異常だ! 墜落するぞ! アーッ!」 艦長であるフェセック管理士※3に話しかける。「見てみろよ、この塗装、本物並みだ。」 「ああ、すごい。本当にそれ、もらっていいのか。」 「ああ、あんたの息子、気にいるといいなあ。」 「きっと喜ぶよ。ちゃんと誕生日までに帰れりゃな。」 「帰れるさ。」 「お前とシヴァッド※4に子供ができりゃ、おもちゃで遊ぶ口実もできるのに。」 急に船が揺れた。警報が鳴る。コンピューターを確認するペルク。「第4タンクに歪みが出てるみたいだ。このままだとでかい亀裂が入るぞ。」 フェセック:「そのデッキを隔離! 非常用密閉フィールド起動!」 「非常用システムが起動しない。」 「補助コントロールも効かない。タンクを放出だ。」 「ここで? 住人がいる区域だぞ。」 「ほかに方法はない!」 「放出ポートの反応がない。」 「そんな馬鹿な。」 別のマロン人※5が報告する。「もう一つ危ないぞ。第6タンクだ!」 「誰か下で、手動でタンクを密閉するしかない。セータ部隊に連絡しろ!」 ペルク:「通信機が使えない。」 フェセックは部下に命じた。「放出ポートへ降りて行って、タンクを密閉してこい。」 怯える部下。「コアの仕事は引き受けてねえ。」 「命令だ。行ってこい。」 「被爆しちまうよ。」 「行くんだ!」 部下は向かった。フェセックの顔を見るペルク。フェセックは一瞬目を合わせたが、すぐにそらした。 |
※1: Malons 技術的に進んだデルタ宇宙域の文明。VOY第97話 "Extreme Risk" 「心は闘いに傷ついて」など ※2: Pelk (リー・アレンバーグ Lee Arenberg TNG第161話 "Force of Nature" 「危険なワープ・エネルギー」のデイモン・プラク (DaiMon Prak)、第174話 "Bloodlines" 「怨讐の彼方に」のデイモン・ボーク (DaiMon Bok)、DS9第11話 "The Nagus" 「宇宙商人フェレンギ星人」のグラル (Gral)、ENT第88話 "Babel One" 「バベル1号星」・第89話 "United" 「ロミュランの陰謀」のグラル (Gral) 役) 声:北川勝博 ※3: Controller Fesek (ロン・カナダ Ron Canada TNG第113話 "The Masterpiece Society" 「遺伝子操作惑星」のマーチン・ベンベック (Martin Benbeck)、DS9第90話 "Rules of Engagement" 「裁かれるウォーフ」のチュポック (Ch'Pok) 役) 声:郷里大輔 ※4: Sivad ※5: マロン人機関士その3 Third Malon Engineer (アレキサンダー・エンバーグ Alexander Enberg TNG第127話 "Time's Arrow, Part II" 「タイム・スリップ・エイリアン(後編)」の若い記者 (Young reporter)、第167話 "Lower Decks" 「若き勇者達」のトーリク少尉 (Ensign Taurik)、VOY第55話 "Fair Trade" 「密売人」などのヴァルカン人ヴォーラック少尉 (Ensign Vorik) 役。ゲーム "Voyager: Elite Force"、"Away Team"、"Elite Force II" でも声の出演。ジェリ・テイラーの息子) |
あらすじ
トレスはトゥヴォックにより、瞑想の訓練を受けていた。機関室でドクターのホロカメラを壊したのだ。瞑想はやはり失敗に終わった。ヴォイジャーは救難信号を受け、発信源にはマロンの脱出ポッドが大量にあった。無人のマロン貨物船は、依然セータ放射能を撒き散らしながら進み続けている。ポッドで生き残っていたフェセックたちが医療室に転送され、彼によると船はこのままでは爆発し、半径 3光年の範囲のものを破壊するという。だが放射能の影響でワープできないため、マロン船へ向かって爆発を止めるしかない。 タンクが爆発するまでは 6時間。最終的にはコントロールルームへ行く必要があるため、放射能に汚染されていないデッキから順番に除去していくことになる。ペルクはマロン貨物船に棲むという「ヴァハー」を恐れる。マロン人の間では放射能タンクで生まれたその怪物のせいで難破すると伝えられているが、フェセックは放射能被爆による幻覚だという。マロン船に乗る計画が進められる中、トレスはフェセックに敵意を向き出しにし、チャコティに注意された。マロン人 2人、ニーリックス、チャコティ、そしてトレスが貨物船へ転送される。汚染の影響でトリコーダーは使えない。フェセックと手動でエアロックを開ける作業を行うトレス。母星を綺麗に保つための自分の仕事に誇りをもっていると話すフェセック。それでもエアロックが開かないため、ペルクが一人で制御していると、突然何者かに襲われた。駆けつけたチャコティたちに、「化け物がいた」といった。 ペルクは息を引き取り、死因を特定するためヴォイジャーへ転送される。残るデッキは 10。ジェインウェイは別のプランとして、恒星のコロナの中で船を爆発させる案も進める。トレスにもセータ放射能の影響が出てきたため、マロン船の医務室で治療する。そこには「コア労働者」と呼ばれるマロン人の遺体が置いてあった。コア労働者は通常の仕事より危険な分、賃金も高いのだ。汚染デッキの残りは 3つだが、エアロックのありえないはずの異常でチャコティがダメージを負い、ヴォイジャーへ戻った。残った 3人の様子を、別の人物が監視していた。 貨物船をトラクタービームで調整しながら恒星へ向かわせる。トレスは瞑想していたのをニーリックスに見つかる。誰にも言わないように頼むトレス。ついにコントロールルームに入り、船が爆発するまで 10分もないことがわかる。ドクターはペルクの遺体を調べ、彼を襲った相手は放射能に適応していることが判明した。その結果を受けてヴォイジャーから謎の生命体をスキャンする。船では作業が故意に妨害され、部屋から逃げることもできなくなった。その生命体がコントロールルームへ入る。襲われるニーリックスとフェセック。トレスと向き合うその怪物の正体とは、マロン人コア労働者のなれの果てだったのだ。 自分は犠牲者だと叫び、トレスに襲いかかるマロン人。貨物船が恒星へ向かっていることを知った彼は、針路を変える。トレスは説得しようとしたが失敗に終わり、マロン人を棒で殴り倒した。針路は戻され、トレスたち 3人は脱出する。恒星内で爆発するマロン船。自室に戻ったトレスは、船でマロン人を殴ったことを思い出していた。そして、ソニックシャワーで汚れた体を洗い始めるのだった。 |
用語解説など
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感想
トレス、およびマロン人のストーリーで、映画「エイリアン」のような謎の敵に襲われるという構成も含めています。 マロン人の方は詳しい設定がわかり、単にゴミを捨てているだけではないとわかります。現代の問題に置き換えると、原発やその廃棄物を真っ先に思い浮かべるところ。最近ではヒロージェンもそうでしたが、後になるに従って判明して行くスタイルはスタートレックらしいところですね。 対するトレスの方は、体を張った演技はわかるのですが…初期から全く進歩していないようにしか見えないのは残念です。最後の回想とシャワーは良いんですけどね。 全体的には普通で、後から話題になることもなさそうなエピソードでしょう。 |
第114話 "Think Tank" 「頭脳集団クロスの陰謀」 | 第116話 "Someone to Watch Over Me" 「誰かが君に恋してる」 |