ヴォイジャー 簡易エピソードガイド
第116話「誰かが君に恋してる」
Someone to Watch Over Me
イントロダクション
※1食堂でセブンがパッドをもち、食事しながら話しているパリスとトレスの 2人を見ている。 パリス:「それでハリーは、ギヤを入れて、一気にアクセルを踏んだ。俺たちはブリート※2の店へ一直線。」 トレス:「私にも運転させてよ。」 「おーい、ほんとに大丈夫?」 「宇宙船を操縦できるのよ、車ぐらい楽勝だわ。」 「69年型のマスタング※3を甘くみるなよ。クラッチがくせものなんだ。」 「見てよ。また私たちを観察してる。」 セブンのことを話すトレス。 「仕事してるだけだよ。」 ニーリックスがやってきた。「デザートは?」 トレス:「何それ?」 「カディー人※4のゲストのために用意したチーズだ。味どうかな。」 一切れを口にするトレス。「薄いわね。」 「薄いか。大丈夫かな。たとえ薄くてもカディー人には刺激になる食べ物はご法度なんだ。」 パリス:「ずいぶん神経を使ってるんだな。」 「カディー人は怒りっぽいから。艦長があっちのコロニーに行ってる間、接待は俺に任されてる。」 「大丈夫、お前は優秀な外交官だ。」 「ならいいけど。」 厨房に戻るニーリックス。 トレスはセブンを気にしている。「まだこっちを見てる。」 「考え過ぎだって。」 「さあ、どうかしら。」 「ベラナ!」 我慢できなくなったトレスは席を立ち、セブンの前に行く。「そんなに楽しい?」 「何がだ?」 「さっきからずっと私たちを見張ってる。今日だけじゃない。昨日は機関室へ向かう私たちをずっとつけてた。それからおとといは、シャトルベイでトムを待ってる時。」 「その通り。お前たちを観察している。人間の繁殖行動を研究しているのだ。」 セブンのパッドを取り上げ、読み始める。「『宇宙暦 52467、1400時。対象者は女の部屋の前で言い争いをしている。男は 12本の植物を抱えて戻る。品種:ローザ・ルビフォリア※5。その後直ちに休戦状態に入る。宇宙暦 52648、0300時。繁殖行動開始。』 どうしてそんなことがあんたにわかるのよ、セブン!」 パリスも席を離れる。 セブン:「第9デッキ、セクション12 にいる者であれば、誰でも気づくはずだ。」 ニーリックス:「何か問題でも?」 トレス:「収集したデータを全部見せてちょうだい。」 セブン:「まだ研究を終えていない。」 「これを知れば十分。ボーグがクリンゴンを怒らせたら、クリンゴンはボーグの鼻をへし折る。」 ニーリックス:「ベラナ。」 「ドクターに言って。今からすぐに急患が向かうって。」 パリス:「ベラナ、部屋で飲みなおそう。」 「今回だけは許さない。」 食堂を出て行くトレスたちを見るセブン。 |
※1: パリス役、ロバート・ダンカン・マクニール監督作品。VOY第49話 "Sacred Ground" 「聖霊の怒り」、VOY第59話 "Unity" 「ボーグ・キューブ」に続き、3エピソード目となります ※2: burrito ※3: Mustang 1964年に発表されたフォードの車種。参考 ※4: Kadi ※5: rosa rubifolia 赤いバラの一種 |
あらすじ
トレスの報告を読んだジェインウェイは、セブンに自分でロマンスを経験するように提案した。ジェインウェイとトゥヴォックはカディー人のコロニーへ向かい、代わりにカディー人大使がヴォイジャーに招かれ、ニーリックスが対応する。一方ドクターは良い機会だととらえ、セブンに交際術を指南することにした。ホロキャラクターを相手に会話の仕方を学ぶセブン。そこへパリスがやってきて、本当にデートさせたいなら生身の人間に対してするべきだとドクターに言う。そしてセブンが交際相手を見つけられるかどうか、2人はかけをした。大使の歓迎パーティにパートナーを連れてきて、無事に一緒に帰ったらドクターの勝ちだ。 カディー人は本来戒律に厳しい種族であるが、大使はヴォイジャーでの自由を楽しんでいた。ドクターのレッスンは続き、セブンの趣味を探す。それは音楽と決まり、ドクターとセブンは「ユー・アー・マイ・サンシャイン」を一緒に歌った。クルー名簿の中から、音楽が趣味のデート相手を探すセブン。選ばれたのは以前一緒に仕事をしたこともある、チャップマン中尉。 パリスによれば、チャップマンは女性が苦手らしい。また、ドクターがセブンにひかれ始めていることを指摘するパリス。ドクターは否定する。デート用にというドクターの指示で髪を下ろし、カジュアルな服を着たセブンはデート場所のホロデッキへ向かった。ドクターはピアニストとして 2人を見守る。緊張するチャップマンと、どこかぶっきらぼうなセブン。ロブスターでチャップマンの服を汚してしまい、その後始めたダンスでは力が入りすぎて相手の腕の靭帯を切ってしまった。デートは終わり、代わりにドクターがダンスを教える。 はめを外しつづけるカディー人大使。ニーリックスは気が気ではない。ドクターはセブンと共に歓迎パーティへ向かう。スピーチも完璧にこなすセブン。そこでセブンは自分がかけの対象になっていることを知り、腹を立てて食堂を去った。そして大使はシンセオールに酔って倒れた。 カディー人はシンセオールを分解できないらしい。セブンのナノプローブを使って対応する。ドクターはセブンに謝り、パーティに誘ったのは一緒に行きたかったからだと話す。パリスには自分の気持ちをセブンに伝えるべきだといわれるドクター。ジェインウェイたちが戻ってきたが、ニーリックスと大使は無事その場を切りぬけた。貨物室でバラの花をセブンに贈り、自分の気持ちを伝えるドクター。だがそれはホロデッキでの練習だった。本物のセブンが話があるといい、レッスンへの礼に、能力を増した医療用トリコーダーをドクターにプレゼントした。ドクターは気持ちを伝えることはなく、貴重な思い出をありがとうとセブンに礼だけを言う。独りでピアノを弾き始めるドクター。その曲は、「サムワン・ウォッチ・トゥ・オーバー・ミー=私を見つめてくれる人」。 |
用語解説など
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感想
セブンに恋愛術を指南するのがホログラムのドクターというチグハグな取り合わせ、それでコメディという面が強調され、文字通り「面白い」会話になっています。 主人公はいつしかドクターになるのですが、2人で歌やダンスを楽しむシーンを見なおすと、なぜか物悲しくなります (なお、歌には字幕をつけるべきだと思います。LD に収録される際には大丈夫だと思いますが、画面内の英語表示など、吹き替えでも字幕の必要な場面は必ずあるはず)。人間以上に人間らしいものがある、というのは TNG のデータにも通じますね。 さすが俳優の監督作品ということで、最近のエピソードの中では秀作です。パリスは監督の割には出まくってましたね。 |
第115話 "Juggernaut" 「憎しみはコロナの果てに」 | 第117話 "11:59" 「甦るジェインウェイ家の秘密」 |