ヴォイジャー 簡易エピソードガイド
第6話「星雲生命体を救え」
The Cloud
イントロダクション
私的記録、宇宙暦48546.2。故郷への旅に入って数週間、現状を受け入れるようになる連れクルーにも私自身にもかすかな変化が起こりつつある。今や我々は一つの大きな家族のようなものだ。私は艦長だけでなく家族の長となることを求められている。だがクルーにどう接すればいいのか。アカデミーでは部下とはある一定の距離を置くべきだと教えられし、これまで私は常にその距離を保ってきた。 機関室に入るジェインウェイ。視察の予定が入っているとは聞いていませんがと驚くトレス。視察ではなくて散歩よというジェインウェイ。ワープエンジンの整備でしたら、9時までには終わる予定ですというトレス。あとは反応体インジェクターの微調整だけだという。続けてといい、出ていくジェインウェイ。 やはり部下と距離を置くことは必要なのではないだろうか。今こそ指導者然としているべきなのかもしれない。だが思わず弱音を吐きそうになる。コンピューター、今のを削除して。 食堂に入り、おはようと声をかけるジェインウェイ。パリスとキムが食事をとっている。席を立とうとする2人にいいのよといい、ニーリックスの作った朝食の味はどうと尋ねる。中国では昔から「食を楽しむ」とよくいいます、ニーリックスの料理は別の意味で楽しめますというキム。でもレプリケーターのエネルギー節約に一役かってくれているというジェインウェイ。我々の体がニーリックスのグルメ感覚に慣れれば解消されるでしょう、この胃腸障害と言いナフキンを皿の上に置くパリス。笑うジェインウェイ。だが話が続かず、ブリッジで会いましょうと言い離れるジェインウェイ。誘えば良かったなというキムに、上官を朝食に誘う部下がいるかよというパリス。ジェインウェイは奥に一人でいる。どうしてというキム。常識さというパリス。誘うのが礼儀だというキムだが、上官は礼儀より尊敬を求めるという。だから部下とは気安く付き合わないという。だったら艦長は誰と話せばいいんだ、この船には自分より上の人間はいないというキム。パリスは食事をしたければ、向こうから誘ってくるさという。君は思ったより頭が固いんだなというキム。 ジェインウェイはポットが空なので、ニーリックスを呼んだ。調理場の中に入り、煮込んでいるものに触ろうとする。そこへニーリックスが戻ってきた。今朝は感じが違いますね、口紅の色を変えたんですかと聞く。笑い、いつもと同じよというジェインウェイに、照明のせいかもしれないけど今日はお綺麗ですよというニーリックス。いつもはそうじゃないっていう意味じゃないですけどと付け加える。コーヒーはもうないのかしらというジェインウェイ。ないんです、でももっといいものがあるというニーリックス。ほかのものじゃだめとジェインウェイがいっても、そう言わずにといい俺が見つけたタンパク質の種から作った…といいながら取り出すニーリックス。結構よ、私のコーヒーのレプリケーター食料※1から使うからというジェインウェイ。それは立場上まずいとニーリックスはいった。何ですってと聞き返すジェインウェイに、クルーに対して示しがつかないという。納得し、ご忠告ありがとうというジェインウェイ。いいんです、クルーがナチュラルフードに慣れてレプリケーターを使わなくなるようになれば、その分エネルギーが節約できるというニーリックス。艦長が率先して実行しなくてはという。そうね、じゃあそのコーヒーよりもっといいものをちょうだいというジェインウェイ。一緒にタカールのウミガメの卵※2もどうですかというニーリックスだが、コーヒーだけで結構という。普通よりちょっと濃い目ですが、うまいんだなこれがというニーリックス。つがれたそのコーヒーは、どろどろとしている。そこへブリッジからジェインウェイに通信が入る。丁度良かった、今行きますというジェインウェイ。明日頂くわとニーリックスに言い、出て行った。代わりにそれを飲んだニーリックスは、満足そうな顔をした。 ブリッジに入り、何かあったのと聞くジェインウェイ。朝食の途中にすみません、長距離センサーが星雲をとらえたので、とりあえずご報告をと思ってと言うチャコティ。スクリーンに出し、拡大させる。この星雲には非常に高いレベルのオミクロン粒子※3がありますというトゥヴォック。そのオミクロン粒子を収集して、反物質エネルギーを補充しようと考えているんじゃないと聞くジェインウェイ。その通りですというトゥヴォック。ジェインウェイはブリッジ士官を勤務につかせ、コースを星雲に向けるように指示した。これでコーヒーが飲めるわといった。 |
※1: replicator rations 「レプリケーターで本物を出すから」と訳されています ※2: Takar loggerhead eggs
※3: omicron particles |
あらすじ
ネイティブアメリカンの伝統で、動物をガイド(カウンセラー)にもつ方法があることを教えるチャコティ。星雲の中へ入る。オミクロン粒子の集まっているところの前にあるエネルギーバリアで、急に船が止まった。中に入ったが、閉じ込められてしまう。浮遊していた青い物質が付着し、そこからエネルギーが吸い取られている。バリアまで戻るが、今度は開かない。光子魚雷を当ててバリアに穴を空け、外に出ることができた。 キムが寝ていると、パリスが部屋へ入ってきた。自分の作ったホロデッキプログラムへ入れる。そこはフランスはマルセーユのビストロだった。2人の女性や、プールのプレイヤーたちがいる。 船体に付着した物質を調べるトレスたち。チャコティは自分の道具を使って、ジェインウェイのガイド探しを始める。その中でジェインウェイは、日が沈む海辺に来た。最初に現れた動物、トカゲがジェインウェイのガイドだった。 物体が有機体であり、星雲ではなく1個の生命体だということが判明する。光子魚雷で破った穴からエネルギーが流れ出していた。再生能力を促すため、穴の縁に沿って核子を放射することにする。だが傷口へ近づくと、防衛本能によるエネルギーを受けてしまう。コントロールを失うが、重水素を排出して何とか止まった。奥まで入ってしまったが、循環器系と見られる流れに乗り、傷口の地点に戻ることができた。ニーリックスはムードメーカーとして、料理を運んでくる。 核子ビームを放出したが、傷口が大きすぎるため再生率が低い。ドクターは「縫合」の技術を応用し、船を傷口に入れてビームを放射することを提案する。探査機を発射し、そちらに生命体が気を取られている間に傷口に入り核子ビームを放射する。傷は閉じていき、ヴォイジャーも生命体から出ることができた。 キムはパリスのプログラムにジェインウェイを誘う。ジェインウェイは、プールの名手だった。 |
用語解説など
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感想
この話でまず意外に思ったのが、ジェインウェイの苦悩です。これまで聞いていた話では強い意志を持った艦長、といったイメージがあったのですが、クルーとの接し方で悩む姿が微笑ましいですね。ビジョンクエストやシェ・サンドリーヌはこれからも出てきます。 |
第5話 "Phage" 「盗まれた臓器」 | 第7話 "Eye of the Needle" 「ワームホールの崩壊」 |