妙なポーズをとった異星人が、「健康と、清らかな心あれ」と言う。ニーリックスも同じようなポーズをとり、「あなたにも、暖かい歓迎と、広い心と、寛大さに、感謝いたします」といって礼をした。シャトルの中で、ニーリックスの後ろに立っているジェインウェイ。私の同僚の失礼をお許しくださいというニーリックス。長官、私はとジェインウェイがしゃべろうとするが、長官※1は、もういい、その者を黙らせよという。お静かにというニーリックスに、ごめんなさいと言い気を付けをするジェインウェイ。再びポーズをとりながら、「健康と、清らかな心あれ」というニーリックス。「あなたにも。諸君の旅の安全、祈っている」という長官。首を動かして、最後のポーズをとるニーリックス。
艦長日誌、宇宙暦 50425.1。ミスター・ニーリックスと私はタクタク※2と呼ばれる種族との 3日間の取引を終えた。タクタクはデルタ宇宙域の中でも、一風変わった種族だ。これでやっとヴォイジャーに戻れる。
ジェインウェイにニーリックスが飲み物を持ってきた。異星人とコミュニケーションをとるのって本当に忍耐力が必要ね、でもタクタクほど礼儀作法にうるさい種族も今まで見たことがないと話すジェインウェイ。連中は気が短いからというニーリックスに、クリンゴンなんて寛大な方ね、お尻に手を当てちゃいけないなんてという。タクタクにとっては最大級の侮辱なんです、ご存知ないでしょうけどというニーリックス。許す、忘れるということを知らないのね、あなたがいなければ射殺されるところだったというジェインウェイ。これでもクロモ言語学※3、アメリカ手話※4、レイロン人※5のジェスチャー慣用句を学んだけど、タクタクにはついていけないわという。奴らがいろんなポーズをとるのは単なるジェスチャーっていうより、一種の儀式というかしきたりなんです、迷信深い種族ですからと教えるニーリックス。あなたの外交手腕は大したものだったわ、ミスター・ニーリックスというジェインウェイ。ムードメーカーから親善大使に昇進させようかしらといった。異星人との交渉窓口にはあなたみたいな人が必要ねという。「ニーリックス大使」か、悪くないですねと微笑むニーリックス。間もなくヴォイジャーとの合流地点だ。推力を 4分の1にする。だがヴォイジャーがおらず、呼び掛けにも応答がない。長距離スキャンを行うと反応があり、セクター38で停止していた。ここから 1光年も先だ。漂流してるみたいね、何かあったのかしらというジェインウェイ。ワープ最大で接近する。
ヴォイジャーに近づくシャトル。ヴォイジャーのチャコティを呼んでも、応答がない。船自体に異常はなく、どこも損傷していない。生命反応を調べるが、生体電気干渉波が出ておりはっきり読み取れない。脱出ポッドは使われていないし、転送装置で外部へ出た形跡もない。フェイザーをスタンバイして、「大使」、行くわよというジェインウェイ。
|
※1: タクタク領事 Tak Tak consul (アルビー・セルズニック Albie Selznick TNG第120話 "Cost of Living" 「ラクサナの結婚」のジャグラー役) 声:千田光男、TNG第142話 "Birthright, Part I" 「バースライト(前)」と第158話 "Phantasms" 「戦慄のドリーム・プログラム」のヌニエン・スン博士など
※2: Tak Tak
※3: chromolinguistics
※4: American Sign Language
※5: Leyrons マルクス9号星 (Malkus IX) 出身の種族。TNG第31話 "Loud as a Whisper" 「無言の調停者」より。この部分は全て訳出されておらず、「これでもいろんな星の言葉や、いろんな文化におけるジェスチャーの違いを一通り学んできたのよ」と吹き替えされています
|