ヴォイジャー 簡易エピソードガイド
第54話「巨大ウィルス」
Macrocosm
イントロダクション
妙なポーズをとった異星人が、「健康と、清らかな心あれ」と言う。ニーリックスも同じようなポーズをとり、「あなたにも、暖かい歓迎と、広い心と、寛大さに、感謝いたします」といって礼をした。シャトルの中で、ニーリックスの後ろに立っているジェインウェイ。私の同僚の失礼をお許しくださいというニーリックス。長官、私はとジェインウェイがしゃべろうとするが、長官※1は、もういい、その者を黙らせよという。お静かにというニーリックスに、ごめんなさいと言い気を付けをするジェインウェイ。再びポーズをとりながら、「健康と、清らかな心あれ」というニーリックス。「あなたにも。諸君の旅の安全、祈っている」という長官。首を動かして、最後のポーズをとるニーリックス。 艦長日誌、宇宙暦 50425.1。ミスター・ニーリックスと私はタクタク※2と呼ばれる種族との 3日間の取引を終えた。タクタクはデルタ宇宙域の中でも、一風変わった種族だ。これでやっとヴォイジャーに戻れる。 ジェインウェイにニーリックスが飲み物を持ってきた。異星人とコミュニケーションをとるのって本当に忍耐力が必要ね、でもタクタクほど礼儀作法にうるさい種族も今まで見たことがないと話すジェインウェイ。連中は気が短いからというニーリックスに、クリンゴンなんて寛大な方ね、お尻に手を当てちゃいけないなんてという。タクタクにとっては最大級の侮辱なんです、ご存知ないでしょうけどというニーリックス。許す、忘れるということを知らないのね、あなたがいなければ射殺されるところだったというジェインウェイ。これでもクロモ言語学※3、アメリカ手話※4、レイロン人※5のジェスチャー慣用句を学んだけど、タクタクにはついていけないわという。奴らがいろんなポーズをとるのは単なるジェスチャーっていうより、一種の儀式というかしきたりなんです、迷信深い種族ですからと教えるニーリックス。あなたの外交手腕は大したものだったわ、ミスター・ニーリックスというジェインウェイ。ムードメーカーから親善大使に昇進させようかしらといった。異星人との交渉窓口にはあなたみたいな人が必要ねという。「ニーリックス大使」か、悪くないですねと微笑むニーリックス。間もなくヴォイジャーとの合流地点だ。推力を 4分の1にする。だがヴォイジャーがおらず、呼び掛けにも応答がない。長距離スキャンを行うと反応があり、セクター38で停止していた。ここから 1光年も先だ。漂流してるみたいね、何かあったのかしらというジェインウェイ。ワープ最大で接近する。 ヴォイジャーに近づくシャトル。ヴォイジャーのチャコティを呼んでも、応答がない。船自体に異常はなく、どこも損傷していない。生命反応を調べるが、生体電気干渉波が出ておりはっきり読み取れない。脱出ポッドは使われていないし、転送装置で外部へ出た形跡もない。フェイザーをスタンバイして、「大使」、行くわよというジェインウェイ。 |
※1: タクタク領事 Tak Tak consul (アルビー・セルズニック Albie Selznick TNG第120話 "Cost of Living" 「ラクサナの結婚」のジャグラー役) 声:千田光男、TNG第142話 "Birthright, Part I" 「バースライト(前)」と第158話 "Phantasms" 「戦慄のドリーム・プログラム」のヌニエン・スン博士など ※2: Tak Tak ※3: chromolinguistics ※4: American Sign Language ※5: Leyrons マルクス9号星 (Malkus IX) 出身の種族。TNG第31話 "Loud as a Whisper" 「無言の調停者」より。この部分は全て訳出されておらず、「これでもいろんな星の言葉や、いろんな文化におけるジェスチャーの違いを一通り学んできたのよ」と吹き替えされています |
あらすじ
生体電気フィールドが発生しているため、クルーがどこにいるのか探知できない。メインコンピューターなどもオフラインで、通路上では修理作業を途中でやめた形跡もあった。ワイルドマンの部屋の状況から、11時間前に何かが起こったらしい。音を発する何らかの生命体が、通路を通っていった。床のパネルに穴が空いており、そこには粘着物質が残っている。人間の DNA ではない。メインシステムや環境制御システムをはじめ、次々とシステムがオフになっていく。ターボリフトでブリッジへ向かっていたが、途中で停止してしまう。生命体に取り囲まれたようだ。突然ドアに穴が空き、そこから出てきた腕のようなものからニーリックスへ粘着物質が付着した。フェイザーで反撃するジェインウェイ。上から逃げ出す。ジェフリーチューブを進む 2人。かすかながら生命反応を捉え、クルーが生きていることはわかった。粘着物質のせいでニーリックスは感染症を起こす。ジェインウェイが医療キットを取りにいっている間に、ニーリックスが生命体に襲われてしまう。ジェインウェイが戻った時には、ニーリックスの姿はなかった。 ジェインウェイは機関室に向かい、フェイザーライフルなどの装備を整えた。ブリッジへ入り、周りへ救難信号を出し、クルーたちの居場所を突き止める。だがジェインウェイは、ブリッジに残っていた生命体に気づいていない。それは腕を刺してきたが、ハエのような小さな生命体だった。食堂に大勢のクルーがおり、全員気を失っていた。首に腫瘍ができており、そこからハエ状の生命体が出てきた。さらに背後に現れた巨大な生命体に襲われるジェインウェイ。怪我を負ったが、フェイザーで撃退する。何とか医療室に入ると、そこにはドクターがいた。 ドクターによると、ヴォイジャーは巨大ウィルスに冒されたのだという。これまでの経緯を話すドクター。近くの採掘コロニーで発生したウィルス性の病気を治すため、感染の恐れのないドクターが一人で上陸任務に着いた。そこは元の大きさの何十億倍にもなりうる、生体エネルギーを吸い取る巨大ウィルスに冒されていた。赤外線に集まる習性があり、どんどん大きくなっていた。ドクターが転送で戻る際にバイオフィルターでウィルスは除去されたが、除去する数秒の間に転送バッファに紛れ込んでいた。ウィルスは食堂のバイオ神経ジェルパックに感染し、そしてクルーにうつった。 ドクターは開発したウィルスの抗原をジェインウェイに接種する。感染したクルーはウィルスによって何個所かにまとめられていた。経緯の続きを話すドクター。食堂のデッキは封鎖されたが、巨大化したウィルスはフィールドを突破して船中に広まってしまった。ドクターが抗原を接種しようにも、ウィルスがドクターのモバイルエミッターを攻撃して邪魔するためにできなかったのだ。巨大化したウィルスの数は何百匹に増えていた。 抗原を空気中に散布するため、壊れている環境制御システムを直さなければならない。ジェインウェイとドクターは二手に分かれ、システムのあるデッキを目指す。ドクターは足止めを食らってしまい、ジェインウェイだけがたどり着く。システムを復旧させたが、外から攻撃を受ける。それはウィルスに感染したためにヴォイジャーを破壊しようとする、タクタクの船だった。危険とみなしたのだ。抗原を開発したことを伝え、とりあえず攻撃は収まった。今のタクタクの攻撃で、また環境制御システムがダウンしてしまったため、ジェインウェイはウィルスが赤外線に集まるのを利用してホロデッキのキャラクターを狙わせる。巨大ウィルスは全てホロデッキに集まり、その間にドクターがクルーに接種を行う。ジェインウェイは「抗原爆弾」を作り、ホロデッキへ向かう。巨大ウィルスに襲われたが撃退し、爆弾をホロデッキへ投げ入れた。ウィルスは根絶された。ジェインウェイはゆっくりと休暇を取ることにした。 |
用語解説など
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感想
ジェインウェイの力強さ、その一言に尽きます。これまでのシリーズの主人公同様に、さながらアクション映画のような活躍を見せてくれます。タクタク (このネーミングも、何となく変わっていますよね) の下りは笑わされました。 これでヴォイジャーのLD、第3シーズン前半の内容が終了しました。前回と同じくおすすめエピソードを 3つ挙げると… "Flashback" 「伝説のミスター・カトー」 (記念作品、やはり外せないでしょう)ありきたりなセレクションになってしまいましたが、充実した 12話だったと思います。ほとんどのエピソードで新たな異星人が登場しているのも特徴です。次のLDボックスの内容では大きな動き (変化) がありますので、楽しみですね。 |
第53話 "The Q and the Grey" 「レディQ」 | 第55話 "Fair Trade" 「密売人」 |