シャトルが地表へ向かっている。電波分散装置※6をセットしてあるから、レーダーにキャッチされる心配はないというトレス。それにシールドを調整して外観も変えてある、だから見つかったとしても 20世紀の小型機にしか見えないという。転送装置オンライン、あと 10分で転送圏内に入るというチャコティ。見えてきたぞ、バハカリフォルニアがという。地球はこの高度から見るのが一番いい、もう見られないと思ってたと話すチャコティ。北アメリカでパイロット訓練を受けたんでしょというトレスに、アカデミーの 1年目に、それから大気嵐の訓練に 2ヶ月ほど金星※7へ行って、その後は 1学期間小惑星※8をかわす訓練でしごかれたという。私よりずっと楽しいアカデミー生活だったみたいね、私は研究室でパンチをかわしてたというトレス。お前だけだよトレス、宇宙論理 101 の時間にケンカしたのはと笑うチャコティ。トレスも笑い、あの頃の私は今より血の気が多かった、ほんの少しという。そうだろうなというチャコティ。チャコティあなたどうする、もしもう戻れなくなったらと尋ねるトレス。この世紀にも人知れず暮らせる場所はあるだろう、そこに身を潜めるんだよというチャコティ。でも仕事しないと、というトレスに、俺なら考古学で食っていけるかもなという。大学で教えてもいいし、中米で発掘作業に参加してもいいと話す。20世紀には数々の貴重な発見がされる、ノーベル賞も夢じゃないと言った。身を潜めるんじゃなかったというトレスに笑い、お前はどうすると尋ねる。「高資格のクリンゴンがエンジニアを求職中」というトレス。チャコティは俺なら採用するよといった。コンピューターが反応した。降下する。進入コース入力、スラスター全開。鳥に注意しろというチャコティ。笑うトレス。
スターリングの様子をうかがいながら、トリコーダーを操作するトゥヴォック。パリスは携帯電話でチャコティと交信し、スターリングがドクターを連れてきたことを伝える。どうやって連れてきたのと驚くトレス。わからない、圏内に入ったかと聞くパリス。あと 2分で入るというチャコティ。
どうした先生、さっきから嫌に無口じゃないかというスターリング。無駄話はプログラムされてないというドクター。現実の世界で不安になったんじゃないかねというスターリングに、私には一つの環境に過ぎんという。スターリングは覚悟はいいかなといい、ドクターに装置を近づけた。ロビンソンが近づいてくる。お仲間が余計なことをすれば、君はホロ灰になるという。
トゥヴォックはパリスから携帯電話を受け取り、チャコティにバンの位置を送信するので、トリコーダーアップリンク※9のスタンバイをと伝える。スターリングが乗った瞬間にロックオンできる。
スターリングに話しかけるロビンソン。仲間に出てこいといえ、さもなければこいつを殺すというスターリング。何言ってるんですかというロビンソン。さあ行こうと歩き出すスターリングに、わたしのバンはあっちにという。私の車があるというスターリング。ロビンソンは中に荷物があるんですというが、誰かに取りに行かせる、それじゃまずいのかねという。いいえと答えるロビンソン。
バンの方へ行かないぞ、反対へ向かってるというパリス。ミスター・チャコティ、問題発生ですと伝えるトゥヴォック。トリコーダーを操作し始める。スターリングたちは車の方へ向かう。待っていたダンバーを見て、こいつよ、撃とうとしたのと怯えるロビンソン。そうじゃない、君を助けようとしたんだというスターリング。どこ行くのというロビンソンに、オフィスなら安全だからと答える。車に乗り込むロビンソンとドクター。
スターリングの車に乗り込んでる、位置を測定し直すから待ってくれとチャコティにいうパリス。間に合わないかもしれないというトゥヴォック。最後にダンバーが乗ろうとしている。座標セット完了。今だチャコティというパリス。シャトルのチャコティがスターリングの位置にロックオン、転送開始される。ダンバー、フリーウェイには乗るな、この時間の 101は…とスターリングが命じている時、転送で体が消え始めた。驚くロビンソン。ドクターはダンバーを取り押さえ、逃げろといった。車を出るロビンソン。スターリングは持っていた装置を作動させた。ロビンソンは走って逃げる。
パターンバッファがオーバーロードしてる、何かの装置が作動してるというトレス。それが転送に干渉している。シャトル後部で小さな爆発が起こった。
ダンバーはドクターの顔を何度も殴るが、全然効かない。スターリングの姿は消えた。ドクターが逆にダンバーを殴り倒し、車を降りて一目散に駆け出した。正気に戻るダンバー。そのまま車を運転し、去っていった。ロビンソンのところに集まるドクター、パリス、そしてトゥヴォック。怪我はないときくパリスに、たぶんと答えるロビンソン。ドクターと驚くトゥヴォック。改良されたんだよ、この自動継続式モバイルホロ・エミッター※10によって、つまりいいかえれば私は完全に自立したわけだというドクター。
スターリングを転送バッファにとらえましたが再物質化できませんとジェインウェイに伝えるチャコティ。装置がコンピューターに干渉している。船尾スラスターダウン。
シャトルは既に短距離転送圏内に入ってますと報告するキム。ジェインウェイは第1転送室に連絡を入れ、シャトルのパターンバッファから直接転送するように命じた。チャコティ、こっちで引き受けるわ、ミスター・キム、きてちょうだいといいターボリフトに入った。
バッファが空になった、スターリングは転送されたというチャコティ。シャトル内で爆発が起こり、高度が落ちて来ている。
転送室に着くジェインウェイたち。まだスターリングは実体化してない。トリコーダーのようなものを持ってるわというジェインウェイ。コンソールで調べると、そこから干渉信号が出ていた。信号を隔離して振幅を抑制するキム。スターリングは実体化した。だめかといい、そのまま倒れる。ジェインウェイは医療室に急患発生と伝える。スターリングの持っていた装置を取った。
推進システム停止、墜落するとヴォイジャーに伝えるチャコティ。シャトルは揺れながら地表へ近づく。
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※6: interferometric dispersion
※7: Venus DS9第57話 "Past Tense, Part I" 「2024年暴動の夜(前)」でも言及
※8: 小惑星帯 asteroid belt 火星と木星の間にある
※9: tricorder uplink
※10: 自発的・自動継続式モバイルホロ・エミッター autonomous, self-sustaining mobile holo-emitter エンサイクロペディアでは自発的ホロ・エミッター (autonomous holo-emitter)
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