ヴォイジャー 簡易エピソードガイド
第46話「ドクターのオーバーロード」
The Swarm
イントロダクション
パイロット日誌※1、宇宙暦 50252.3。ヴォイジャーが物資を補給する間に、トレス中尉と 2人で今朝センサーが捉えたエネルギー反応を調査することにした。 シャトルに乗っている 2人。トレスはため息をつき、もう 5時間もセンサーとにらめっこしてるのに、何のエネルギー反応も見つからないじゃないという。いい加減あきらめたら、やっぱりあれはただの宇宙バックグラウンドノイズだったのよという。あともうちょっとだけ粘ってみよう、念のためにねというパリス。急にトレスは痛み声を上げた。関節が、クリンゴンの体は 5時間も座りっぱなしでいるようにはできていないのといい、膝を抱える。パリスは今夜デートの予定でもあるのと尋ねた。何でそんなこと聞くのというトレスに、2時間くらい前から早く帰りたがってるからという。約束でもしてるの、ブリストー少尉とかと、と尋ねる。何と聞き返すトレス。彼は何かと理由を付けて機関室に行ってるよね、君のところにというパリス。フレディ・ブリストー※2はまだ子供じゃないというトレスに、十分大人に見えるけど、背は高く顔もいい、パリシースクエア※3も得意だって噂に聞くという。トレスは一度勝負して、負かしてやったと言った。彼が私に気があろうと、あなたには関係ない、何で気にするわけと尋ねる。ただの好奇心だよ、情熱的なクリンゴンが、いつまでタブラン修道士※4みたいな生活を送るのかなと思ってと言うパリス。トレスはあなたの知ったことじゃないと言った。暇な時はいってよ、ロマンチックなホロデッキプログラムがあるんだ、「レイク・コモ※5でヨット遊び」というパリス。フレディ・ブリストーとデートした方がましよとトレスは言う。その時、コンピューターが音を発した。エネルギー反応が出たのだ。タキオンフィールド※6に当たったらしい。シャトルが揺れた。船が横付けされたが、なぜか探知できなかった。タキオンフィールドでセンサーが効かなかったのだろう。突然船内に光が走り、2体の異星人が姿を現した。奇妙な音を立てているが、何といっているかはわからない。私はトム・パリス中尉と話しかけようとしたが、異星人は武器を発射した。命中し、倒れる 2人。また何か話した後、出てきた時と同じように消えた。気を失ったままのトレスとパリス。 |
※1: "Helmsman's Log" ※2: フレッド・ブリストー Fred Bristow
※3: パリシス・スクエア parrises squares
※4: Tabran monk ※5: Lake Como
※6: tachyon field |
あらすじ
ドクターはホロデッキでオペラを歌って楽しんでいたが、途中で歌詞を忘れてしまった。パリスたちを治療する時も、時折物忘れのような状態になる。シャトルを襲った異星人の正体は不明で言葉も理解できないが、ニーリックスによるとこの領域に行って帰ってきた船はなく、避けて通っているという。だが領域を迂回すると最大ワープでも 15ヶ月も余計にかかるため、センサーをかわして領域を突っ切る計画を立てるジェインウェイたち。パリスを救うため簡単な手術が行われようとしていたが、ドクターは手順を忘れてしまっていた。 ケスの手を借りて手術は成功する。ドクターを調べた結果、長時間の起動により記憶回路がカスケード現象によるオーバーロードを起こし、崩壊しつつあった。回路を保てるように作ったバッファ自体も崩壊してきていた。リセットすれば正常に戻るが、この 2年間の記憶や経験は全て失われてしまう。ケスは何とか解決法を探すようにジェインウェイたちに訴える。トレスが取った最後の手段は、ホロデッキでドクターが作られた木星基地の専用診断プログラムを起動させることだった。そこに、ドクターそっくりのホログラムが姿を現した。 彼はドクターの作者、ジマーマン博士のホログラムだった。彼によると、メモリ崩壊の原因はやはり 2年間という長い間に渡る連続使用だという。異星人への領域へ突入準備をするヴォイジャー。相手は、小さな船が多数集まって一つの「群れ」を形成していた。ヴォイジャーは無事気づかれずにセンサー網に潜り込むことができた。ジマーマンが調べた結果、ドクターが経験したクルーとの関係や恋愛といった記憶が、回路を圧迫していた。ドクターの記憶の崩壊は更に進み、ケスのことさえ忘れてしまった。領域内を進むヴォイジャーは、損傷を受けた別の種族の貨物船を発見する。 唯一の生き残りだった異星人に話を聞く。何千という船が取りつき、エネルギーを吸い取られてクルーも攻撃されたという。彼はそのまま息を引き取った。ドクターの崩壊は限界に来ている。貨物船に張り付いていた「群れ」の 1隻の船に探知されるヴォイジャー。相手の言語は正確にはわからないが、「もう遅い、警告はした」という内容だ。その 1隻がヴォイジャーの位置を「群れ」の本体に知らせ、向かってきた。ドクターは映像にも異常が出始める。 ケスはドクターをみてもらうようにブリッジに頼みに行くが、群れへの対処でブリッジは精一杯だった。そこでホロデッキのジマーマンのところへ行き、ジマーマンのマトリックスがドクターと同じなのを利用して、2人のものを入れ換えることを思いつく。そして再びマトリックスが壊れぬように、骨の治療の際に行う「接ぎ木」のやり方を応用する。「群れ」の船はパルスでヴォイジャーのシールドを無力化させ、フェイザーも跳ね返ってしまう。ドクターとジマーマンのマトリックス交換が始まり、2人のホログラムは一旦消えた。ヴォイジャーに張り付き、エネルギーを吸い取っていく「群れ」の船。ブリッジに乗り込んでくる敵に応戦する。一瞬シールドを回復させている間に、敵船を 1隻破壊し相手のパルスを利用して連続的に破壊させた。退却していく群れ。そしてドクターの再起動は、無事成功した。しかし記憶は全て失われていた……、いや、ドクターは何気なく歌を歌っていた。それは、あのオペラだった。 |
用語解説など
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感想
ドクターが段々と記憶を失い、赤ん坊のようになってしまうのは悲しいものがあります。何とか全ての記憶も戻るのかと思いましたが、そこは簡単に行かないところが現実的ですね。「群れ」とドクターの異常に全く関連がないのが肩透かしでしたが、全体的には良いストーリーだと思います。 |
第45話 "The Chute" 「地獄星からの脱出」 | 第47話 "False Profits" 「救世主フェレンギ」 |