ヴォイジャー 簡易エピソードガイド
第13話「幽体離脱」
Cathexis
イントロダクション
艦長日誌、宇宙暦48734.2。時には艦長の仕事を離れ、一息つきたくなる。そこで、新しいホロデッキのプログラムを試した。古いイギリスの小説の世界だ。 雷雨の夜、館の一室に眼鏡をかけた女性が入ってくる。旦那様にダヴェンポート※1夫人がいらしたと伝えるようメイドに言う女性。お茶はと聞かれたダヴェンポート、つまりジェインウェイが演じる女性はありがとうと答えた。お茶は5時半から、夕食は8時半から、旦那様は待たされるのを嫌いますからと説明する女性。遅れないようにしますと答え、ジェインウェイは帽子をメイドに渡した。このうちの秩序を守るのが私の仕事、バーレー卿※2にお仕えして20年も続いたのは信頼を得ているからですという女性。信頼を揺るがす者は誰であろうと許しません、私の決めたルールに従って行動して下さいねといった。テンプルトン夫人※3、私はこの家の秩序を乱すつもりなど全くありませんというジェインウェイ。でも勘違いなさらないで、私を雇ったのはバーレー卿で、命令できるのは卿だけですという。私を敵に回さない方がいい、代わりの家庭教師などいくらでもいるんですからというテンプルトン。いがみ合わなくてもやっていけるでしょう、お屋敷は広いようですしと切り返すジェインウェイ。砂糖の数を聞かれ、2つでと頼んだ。お茶を渡し、間もなくバーレー卿がいらっしゃいますといってテンプルトンは出て行った。 残されたジェインウェイ。ふと外で物音がしたように聞こえた。強い風で突然窓が開く。それを閉めた直後、ガラスに何者かが映った。驚いて振り返るジェインウェイ。だがそれは壁にかけてある女性の絵だった。絵を見上げるジェインウェイの肩に、手を置く者がいる。驚くジェインウェイ。それはバーレー卿※4だった。驚かせてすまないというバーレーに、気づかなかったものですからと謝るジェインウェイ。バーレーはすぐ本題に入り、自分は気難しい人間で妻が死んでますますひどくなったという。かわいそうなのは子供たちで、こんな父親では母親の代わりはできないといって酒のグラスを飲み干すバーレー。女性の細やかな心遣いで子供たちに接してやってくれと頼む。喜んでと答えるジェインウェイ。ヘンリー※5はきかん気が強く、ベアトリス※6は母親を恋しがっているというバーレー。君を困らせるかも知れん、それから一つだけ守って欲しい、決して何があっても4階の部屋に足を踏み入れないようにという。ジェインウェイが答える前に、ブリッジのキムから通信が入った。チャコティとトゥヴォックの乗ったシャトルを長距離センサーで捉えたが、呼びかけに応答がないという。シャトルはかなりダメージを受けており、生命反応もあるがかすかだ。医療室に転送するように命じ、自分もすぐ行くと伝えるジェインウェイ。 医療室。頭部にエネルギー放電を浴びたようですと説明し、ケスから心臓刺激装置※7を受け取るドクター。トゥヴォックは脳震盪でなんとかなるが、チャコティは脳内のあらゆる神経エネルギー※8が消えている。何者かがあらゆる脳細胞からエネルギーを吸い取ってしまったかのように。人工的に心臓を動かし呼吸させることはできますが、脳死状態ですとドクターはいった。 |
※1: ルシル・ダヴェンポート Lucille Davenport ※2: バーリー卿 Lord Burleigh
※3: Mrs. Templeton ※4: (マイケル・カンプティ Michael Cumpsty) 後にも登場。声: 小室正幸、DS9のマイケル・エディングトン役
※5: ヘンリー・バーレー Henry Burleigh
※6: ベアトリス・バーレー Beatrice Burleigh
※7: cardiostimulator ※8: 正確には生体神経エネルギー (bio-neural energy) |
あらすじ
トゥヴォックによると、2人はイリダリア人との取引を終えて、ヴォイジャーへ帰還する途中に暗黒星雲を見付けた。それを調査している時に謎の船に攻撃を受けたという。船が逃げていった暗黒星雲へヴォイジャーも向かうことにする。攻撃の種類を特定するためシャトルの記録が必要になるが、オーバーロードを起こして破損していた。星雲の中は電磁波のために調べることはできない。その時急にコースが変わり、星雲から離れていた。操舵席からコース変更されていたが、パリスは自分はやっていないという。トレスはチャコティの部族に伝わる道具を使い、魂を戻そうと試みる。また、ケスは艦内を漂う何者かの意識を感じ取っていた。ヴォイジャーは再びコースが変わってしまった。しかもロックされていて、戻すことができない。 トゥヴォックによってロックが解除され、コースを戻した。ロックは機関部のナビゲーションコントロールからかけられており、パリスがそこにいたのをトレスに目撃されている。パリスの記憶にはない。ドクターの検査を受けることになるが、異常は見つからない。しかも機関部のコントロールからは、パリスのDNAが検出された。今度は急にヴォイジャーのエネルギーが流れ出し、ワープ航行が止まった。そしてやはり、トレスも記憶にはないという。パリスとトレスの記憶痕跡を調べた結果、シャトルに乗って忍び込んだ姿を持たない異星人に、脳を乗っ取られていたことが明らかになる。乗り移られる人間は信用できなくなっているため、ジェインウェイは全権限をドクターに移した。ケスはトゥヴォックと協力し、異星人の存在を突き止めようとする。だが2人はターボリフトの中で、気を失っていた。 2人は謎のエネルギー放電による攻撃を受けていた。ケスは昏睡状態に陥る。シャトルを襲ったのと同じエネルギー波だというトゥヴォック。艦で最も強力なスキャナである磁子スキャンを使って、全艦を同時にフラッシュスキャンさせることにする。ケスはチャコティと同じく首に傷を負っていたが、神経エネルギーは消えていない。ケスと一緒にリフトに乗っていたトゥヴォックが、異星人に乗っ取られて攻撃した可能性もある。トゥヴォックの記憶を調べようとしたが、ドクターは暗号化されたロックにかけられ起動できなくなっていた。ジェインウェイは危険を避けるため、各部署のコマンドを分割するように指示する。その時ジェインウェイの体が異星人に乗っ取られ、トゥヴォックを殴り倒した。フェイザーで撃たれジェインウェイの体を抜け出た異星人は、次々にクルーに乗り移る。トゥヴォックはフェイザーをワイドレンジにし、ブリッジのクルーをまとめて気絶させた。 トレスはシャトルのセンサー記録を復元した結果、オーバーロードで消えたのではなく消されたこと、また別の船は存在しておらず暗黒星雲自体からエネルギー波が発生させられたことを突き止める。トゥヴォックが嘘をついていたのだ。さらにドクターが行っていたケスの検査をパリスが調べたところ、ケスの首筋に付いていた傷は「ヴァルカン・ネックピンチ」によるものだった。ジェインウェイが船などなかったことを問いただすと、トゥヴォックはブリッジを掌握し、ヴォイジャーを星雲の中へ進めていった。 トゥヴォックを乗っ取っている異星人はコーマーという種族で、星雲の中に仲間がいた。だが再びトレスが体を支配され、ワープコアを放出してしまった。星雲に進もうとするコーマーと、入るのを妨げようとするもう1人の異星人。コアを放出する権限を持っていないはずのトレスが実行できたことから、それはチャコティだということが判明する。何らかの理由で乗り移れるようになったのだ。トゥヴォックはスラスターを使い、それでも進もうとする。コーマーはヴォイジャーのクルーの生体エネルギーを吸い取ろうとしているのだ。ジェインウェイは隙を突いてフラッシュスキャンを実行し、トゥヴォックからエネルギー生命体が離れた。コーマーの攻撃は続いており、入ってきた複雑なコースをたどって一刻も早く脱出しなければならない。ニーリックスの体を使ったチャコティのメッセージにより、無事星雲を抜けることができた。意識を取り戻したチャコティによると、シャトルで攻撃を受けた時に肉体を離れ、そのままヴォイジャーに戻ってきたということだった。おかえりなさいというジェインウェイに、チャコティは「ずっとここにいましたよ」というのだった。 |
用語解説など
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感想
異星人に乗り移られるというプロットは良くありますが、それが実は2種類いたという話です。ただ、すぐにチャコティが絡んでいるということはわかってしまいますが…。 |
第12話 "Heroes and Demons" 「英雄伝説」 | 第14話 "Faces" 「二人のトレス」 |