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ディープスペースナイン エピソードガイド
第104話「伝説の時空へ」
Trials and Tribble-ations

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・イントロダクション
DS9に船※1が到着した。ターボリフトに乗って、2人の男が司令室へやってくる。キラがようこそと出迎える。ダーマー※2とラクスリー※3と名乗り、時間軸の調査に来たという。さすが時間調査課※4の方ね、感心するほど時間ぴったりというダックス。キラは笑うが、2人はにこりともせずにシスコ大佐はどこにと聞く。キラが案内する方向に歩いて行く2人。キラと顔を見合わせるダックス。
本当にお飲み物はよろしいんですかと聞くシスコ。本題に入れとラクスリーは言う。何から話しますと聞くシスコに、理由からだ、そんなものがあるならという。なぜ過去の次元に進入したかと聞くダーマー。事故でしたというシスコに、迷い込む宿命だったというつもりじゃないだろうなというラクスリー。偶然時空の間に落ちたということかとダーマーは聞く。ええまあと答えるシスコに、よろしい、宿命は嫌いだというラクスリー。何があったと聞かれ、時空を超えたお話ですとシスコは言った。冗談かねと聞くダーマーに、いいえと答える。冗談は嫌いでね、それでは大佐※5、聞かせてもらおうというダーマー。シスコは2週間前カーデシア政府から通信があり、発光体の一つを返還したいと申し出てきたという。古代ベイジョー人が使用していた道具で、今は神聖なものとして崇められているとダーマーに説明するラクスリー。シスコは発光体には預言の発光体や叡智の発光体というようにそれぞれ特性があり、今回カーデシアから返還されたのは時間の発光体※6だったという。預かった時点では気付かなかったと付け加える。
カーデシアプライムに到着したシスコたちは、まず発光体が本物かどうかを疑った。長年の間に偽物が出回っているためで、ベイジョー星で鑑定を受けるまでクルーの部屋に厳重に警備されることになった。しかしカーデシア星を発つ前にある男を乗せた。ディファイアントに乗ったその白髪まじりの男は、ベシアとオブライエンを見るなり地球人だ、もう一度地球人の顔を拝めるとは思わなかったと喜んだ。ミスター・ワドルと紹介するウォーフ。ワドルはバリー※7と呼んで下さいといい、2人と握手をする。クリンゴンとカーデシアの戦いで捕虜にされていたので、連邦に連れて帰ると説明するウォーフ。ワドルは宝石やキヴァ※8やトリリウム※9を商っている商人といい、よろしいですかとレプリケーターを指差す。ご自由にというオブライエン。カーデシア人は何を飲むと思います、魚のジュース※10、しかもホットときたというワドル。ラクタジーノ※11を取り出す。カーデシアなんかクリンゴンに支配されちまえばいいといって、匂いをかぐ。コーヒーの味がわかるだけましだ、あいつらは悪臭を放つ野人に過ぎませんがと言ったところで、ウォーフの顔を見て失礼という。逃げるように歩いて行った。気を悪くしないで下さいというオブライエン、嫌いな臭いじゃないというベシア。いうならエコロジーな土の匂いというオブライエンに、それにほんのり花の香りと付け加えるベシア。ウォーフは無言のままだ。
ディファイアントを遮蔽することでクリンゴンの目をごまかし、カーデシア領域を離れた。ところが帰還の途中、ブリッジでようやくほっとしている時だった。喜びますよ、今度ウォーフと会ったらにおいをかいで「花の香り?」というオブライエンの話を聞いて笑うダックス。ほかの人にやらせて、私は別の手でからかってみるという。オブライエンに見られ、私にふるなよというシスコ。その時オブライエンは周囲に大量のクロノトン※12放射線が発生しているという。辺り一面に光が走った。それが収まった後、どうなってると聞くシスコ。ダックスもわからず、ワープ航行は不能だという。センサーが何か感知しているというオブライエン。ダックスは大変なことが起きているといい、ナビゲーションコンピューターによるとさっきの位置から200光年以上も離れているといった。さらに遮蔽が解かれ、何者かが転送装置を作動された。もう一度遮蔽するように命じるシスコ。オブライエンは正面に宇宙船を発見したと報告する。特定できるかと聞くシスコに、今検索中よ、それにしてもかなり接近しているというダックス。シスコはスクリーンに映せるかと聞き、できると思いますと言い操作するオブライエン。乱れていたスクリーンが次第に鮮明になる。そこに映し出されたのは、NCC-1701 の文字が刻まれた船だった。あれはというダックス。シスコはエンタープライズだといった※13

※1: TNG第130話 "Relics" 「エンタープライズの面影」に登場した U.S.S. ジェノーランと同じシドニー級

※2: ダルマー Dulmer (ジャック・ブレッシング Jack Blessing) モルダー (Mulder) のアナグラム

※3: Lucsly (ジェイムズ・W・ジャンセン James W. Jansen DS9第14話 "The Storyteller" 「混迷の惑星“ベイジョー”」のファレン・カグ (Faren Kag) 役。ゲーム "Armada" でも声の出演) スカリー (Scully) のアナグラム。ダーマーと同じく「Xファイル」の登場人物にちなんで

※4: 連邦時間調査課(委員会、局) Federation Department of Temporal Investigations

※5: 「艦長」と訳されています^^;

※6: Orb それぞれ Orb of Prophecy (DS9第61話 "Destiny" 「三匹の毒蛇」)、Orb of Wisdom (DS9第62話 "Prophet Motive" 「新・金儲けの秘訣」)、そして Orb of Time

※7: Barry Waddle (チャーリー・ブリル Charlie Brill)

※8: kevas

※9: trillium キヴァと共に TOS第27話 "Errand of Mercy" 「クリンゴン帝国の侵略」より。TNG第56話 "The Price" 「非情なる駆け引き」ではトリリウム323 (trillium 323) が言及

※10: fish juice

※11: raktajino DS9第9話 "The Passenger" 「宇宙囚人バンティカ」など

※12: クロニトン chroniton 前話 "The Assignment" 「ケイコのために」など

※13: U.S.S. Enterprise NCC-1701、コンスティテューション級。改装前のまさに「初代」エンタープライズ! 音楽も懐かしいテーマが含まれています


・本編
正確に言えばどのエンタープライズだ、5隻あるだろうと聞くダーマー。6隻だと訂正するラクスリー※14。初代のエンタープライズです、コンスティテューション級のとシスコは答える。例の船だ、船長はジェイムズ・T・カーク※15というダーマーとラクスリー。偉大な方ですというシスコに、17回の時間法違反、史上最も前科の多い船長だというラクスリー。厄介な男だったというダーマー。たどりついた年代を聞かれ、シスコは宇宙暦4523.7ですと答える。105年1ヶ月12日前か、金曜だという2人。エンタープライズは何をしていたと聞くダーマー。
エンタープライズはクリンゴン領付近にあるK-7※16という古いステーションの軌道を周っていた。調査によると過去に送られる直前に、何者かが発光体を警備していたクルーを襲いキャビンに侵入したことがわかった。ベシアは倒れている保安部員の治療をしている。発光体を確認するキラ。犯人はすぐにわかった。
コンピューターにワドルが映し出されている。ウォーフが彼の名前はアーン・ダーヴィン※17、地球人のように見えるがクリンゴン人だと説明する。腕のいい整形外科医ねというダックス。オドーはダーヴィンは明らかに発光体を目的にディファイアントに乗船して来たものと思われるという。オブライエンがなぜこの時代に送ったんですと聞く。説明しようと言いパネルを操作するウォーフ。若い時のダーヴィンが映し出され、エンタープライズに現れたときのものだという。K-7基地に連邦士官と偽って潜入したスパイだ。オドーはダーヴィンの任務は連邦の植民地計画を混乱させるために、連邦の倉庫に貯蔵されていた、いや現在貯蔵されている穀物に毒を仕込むことですという。しかし18時間後カーク船長に正体を見破られ、逮捕されることになる。クリンゴンの情報部からも見捨てられ、事実上追放されていますというウォーフ。ダーヴィンは100年余り、地球人の商人になりすまして悠々と過ごしてきたものと思われる。さらに屈辱的なことに、クリンゴンによるカーデシア侵攻で捕虜になってしまったんですというオドー。発光体の噂を耳にし、当時に戻ろうと事を起こそうとしたのかというシスコ。ダーヴィンの目的は何でしょう、昔の自分にカーク船長を警戒するように伝えることと聞くベシア。あるいは船長を殺すつもりかもというダックス。シスコはまずダーヴィンを探し出して計画を阻止することだ、歴史を乱してはならないという。転送先はわかるかと聞くが、ウォーフは転送の際に記録を消していったようですという。恐らくエンタープライズがK-7基地のどこかでしょうというオブライエン。追跡しよう、当時の乗組員には決して気づかれるな、異次元同士の接触はまずいというシスコ。戻ってから時間調査委員会の尋問を受けるのは面倒だという。100年前の乗組員になりすますわけですねとベシアは言った。
制服を脱ぐオブライエン。ベシアはブーツを履く。ダックスの顔の模様が消される。当時のトリコーダーやコミュニケーターを用意する。髪形を変えるダックス。
着替え終えたシスコとベシアが出てきた。いけないと思いながら、つい浮かれた気持ちになるというシスコ。お似合いですよといってオブライエンも来た※18。ベシアは2人の制服を見て、色が違いませんかと聞く。この時代を何も知らないんだなというオブライエンに、僕は医者だ、歴史家じゃない※19というベシア。シスコはこの時代は技術士官は赤の制服、司令官は黄色の制服だったと説明した。そして女性はミニスカートといい、やってきたダックスはくるりと回ってポーズを決めた。歴史が好きになりそうだというベシア。
エンタープライズは旧式のデュートロニック※20センサーアレイを使用していて、スキャンサイクルの隙を突けば約3秒間は遮蔽を解除しても相手には気づかれないというオブライエン。その隙に転送することは可能かと聞くシスコに、何とかと答える。任務を分担し、シスコとダックスは第4デッキから後方を捜索、ベシアとオブライエンは第21デッキから前方を捜索することにする。K-7の様子はとウォーフに尋ねるシスコ。居住スペースはほとんどなく、基地の大半は貯蔵庫や製造工場で占められていると帽子をかぶったウォーフが答える。警備体制もエンタープライズほど厳重ではないので捜索は楽でしょうというオドー。シスコはみんなに当時の乗組員とはくれぐれも接触しないようにといった。まもなく転送可能なタイミングですというオブライエン。シスコはダックスを呼び、転送機に乗った。
エンタープライズのターボリフトから、シスコとダックスが出てきた。2人は歩いているクルーたちの中に入っていった。
※14: このエピソードの初放送日は1996年11月2日、6隻目のエンタープライズEが登場する映画「ファースト・コンタクト」は 11月公開でした

※15: ジェームズ・ティベリアス・カーク James Tiberius Kirk 伝説的なエンタープライズ艦長。映画「ジェネレーションズ」にも登場。TOS当時の吹き替えに従い、「船長」と訳されています

※16: 深宇宙ステーションK-7 Deep Space Station K-7 TOS第42話 "The Trouble with Tribbles" 「新種クアドトリティケール」に登場。先ほどの宇宙暦 (そのエピソードの最初では 4523.3 でした) や次から説明されるダーヴィンの事件も同エピソードのものです。原題からわかるように密接に関係しています (「幾多の困難」という意味の "trials and tribulations" に由来)

※17: アレン・ダーヴィン Arne Darvin 当時と同じチャーリー・ブリルが演じています。声:清川元夢、ST4 サレック

※18: ベシア、オブライエン、そしてダックスの髪は、1960年代風…ではなく2260年代風になっています

※19: "I am a doctor, not a historian." マッコイの名台詞より(笑) 「僕は医者だ、歴史に詳しいと思うか」と訳されています

※20: リチャード・デイストローム博士 (Dr. Richard Daystrom) によって発明されたデュートロニクス (duotronics) というコンピューターシステム。「二重真空管センサーアレイ」と訳されています。TOS第53話 "The Ultimate Computer" 「恐怖のコンピューターM-5」より


ターボリフトの中に転送されるベシアとオブライエン。ベシアはトリコーダーを作動させ、始めようという。21デッキと声で指示するオブライエン。しかしコンピューターの応答はない。リフトの機嫌を損ねたんじゃないというベシア。どうなってるんだというオブライエンに、僕に聞くな、この時代のことはちんぷんかんぷんだという。きっと混線しているんだといい、近くのパネルを外そうとする2人。そこへ女性士官※21が入ってきた。壁から出ているハンドルを持ち、15デッキへと指示する。リフトは動き始めた。同じようにハンドルを持つベシアとオブライエン。このことは僕たちだけの秘密にしようとベシアは言った。
通路を歩きながら、よくこれだけの人を詰め込んだものねと感心するダックス。シスコは最適なパネルを見つけた。補助通信システムのものだ。修理のふりをする間に、ダーヴィンを探そうというシスコ。パネルを開け、口笛を鳴らす。ダックスは肩からトリコーダーを下ろし、昔使っていたと懐かしがる。クラシカルな23世紀のデザインは本当に素敵、黒いボディに銀の縁取りといってなでる。ダックスと注意するシスコに、ごめんなさいというダックス。
K-7のバーにオドーが入ってきた。テーブルに座り、辺りをうかがいながらトリコーダーを出す。続いて2人の艦隊士官が入ってきた。ウフーラ※22、そしてチェコフ※23だ。カウンターで話しているバーテンダー※24と商人のシラノ・ジョーンズ※25のところに近づいた。オドーがその様子を見ていると、ウェイトレス※26が注文を取りに来た。ラクタジーノというが、ウェイトレスは今日でその注文は2人目、何なのそれという。クリンゴンのコーヒーだ、もう1人は誰とオドーが聞くと、初老の男性だったという。今どこにと聞くオドー。出ていったのは1時間前で、また戻ってくるそうだ。クリンゴンの飲み物はおいてない、他の飲み物はと聞くウェイトレス。オドーはターカリアンティー※27を注文した。取りに行くウェイトレス。
シラノはこれなら文句ないだろう、宇宙の果てから連れてきた究極のペットだ、といって懐からふわふわした小さな生物を取り出した。その値段じゃねというバーテンダー。ウフーラはそれを見るなり、何それ、生きてるのと興味津々だ※28。触らせてもらい、すごく可愛いと嬉しがった。
エンタープライズ。パネルを開け、ただ見ているだけのオブライエン。ベシアはサボってないで働けというが、恐くていじれないという。回路がゴチャゴチャで先端だか末端だか、区別さえできないというオブライエン。専門分野はつい本気になるよな、どうやらこのセクションにダーヴィンはいないようだというベシア。スキャン範囲を拡大しなくてはいけないが、問題はその方法だ。スキャン範囲は200ミリワット以下に固定しないと、艦内のセンサーにキャッチされると忠告するオブライエン。ベシアはわかってる、任務の最終打ち合わせはちゃんと聞いてたという。そこへ1人のエンジニア※29がやってきて、ここで何をしているんですかと聞いてきた。命令を受けたのは僕ですという。君が修理を頼まれてるのというオブライエンに、任務表に書いてあるというエンジニア。きっと勘違いだというベシア。エンジニアに持っているのは医療用トリコーダーと聞かれ、そうだ、僕は医者だからというベシア。ドクターがなぜパワー系統の修理をしているんですというエンジニア。当然してないさ、医学の研究をしているというベシア。今も仕事とストレスの関係について調べていた、構わず2人で作業を続けてくれという。何から始めましょうとオブライエンに聞くエンジニア。ベシアは持っている道具をエンジニアにわざとらしく近づける。オブライエンはまずどこから修理するということだが、トランステイター※30を抜いてといって外した。すると周りの照明が落ちてしまった。これは元に戻しておいた方がよさそうだといって戻すと、明かりは戻った。まずいな、重圧からくる神経衰弱だというベシア。さあオブライエン、医学実験はこれで終わりだ、医療室に戻ろうという。オブライエンはエンジニアに、今日のことは誰にも言わないでくれといった。約束します、お大事にというエンジニア。
バーにウォーフもやってきた。主な居住エリアの捜索は完了したとオドーに話す。その時ウォーフは何かの鳴き声を聞いて話すのをやめた。何だこの鳴き声はと聞くウォーフに、心が休まるでしょう、バーテンダーによるとこの動物はといってウォーフに近づけようとするオドー。だがその動物は急に不快な鳴き声をたてた。慌てて、しまうオドー。ウォーフは苦々しい顔をし、トリブル※31だといった。

※21: (ディーダー・L・イマーシェイン Dierdre L. Imershien TNG第67話 "Captain's Holiday" 「大いなるホリディ」のジョヴァル (Joval) 役)

※22: Uhura (ニシェル・ニコルズ Nichelle Nichols) エンタープライズの女性通信士官。アフリカ出身。TOS第3話 "The Corbomite Maneuver" 「謎の球体」が初登場。当時の吹き替えは「ウラ」

※23: パヴェル・アンドレヴィッチ・チェコフ Pavel Andreievich Chekov (ウォルター・ケーニッグ Walter Koenig) ロシア人ナビゲーター。TOS第2シーズン第30話 "Catspaw" 「惑星パイラスセブンの怪」が初登場。「ジェネレーションズ」にも登場

※24: (Guy Raymond)

※25: Cyrano Jones (Stanley Adams) これらのシーンはTOS当時のもの! オドーが後ろにいるところなど、見事に合成されています

※26: (Leslie Ackerman)

※27: Tarkalean tea DS9第3話 "Past Prologue" 「スペース・テロリスト ターナ・ロス」など

※28: 吹き替えは当時と同じく松島みのり氏が担当

※29: (Charles S. Chun)

※30: transtator TOS第49話 "A Piece of the Action" 「宇宙犯罪シンジケート」など

※31: tribble 原題にもある、有名な動物。映画ST3 "The Search for Spock" 「ミスター・スポックを探せ!」にも登場


座ってください、人目に付きますよというオドー。座ってから、一体どこで手に入れたと聞くウォーフ。シラノ・ジョーンズという男から買ったんです、誰にでもなつくと聞いていたのに嫌われているようですねというオドー。ウォーフはお互い様だ、これほど嫌な生き物はいないという。オドーは面白がり、ヒューマノイドはみんなしなやかで毛がふさふさな生き物を好むものだと思っていたという。鳴き声だって美しいのにとトリブルをなでる。こいつらは餌を食ってはどんどん繁殖する、ほんの少しでも餌を与えると数時間後には十匹、百匹、千匹と増えるぞというウォーフ。クリンゴン帝国では宿敵として忌み嫌われているという。これが、とまた近づけるオドー。嫌がるトリブルとウォーフ。随分かわいい宿敵ですねというオドーに、環境を破壊する疫病神だ、根絶やしにするに限るというウォーフ。何てことをおっしゃるんですというオドー。ウォーフは何百という兵士がトリブルの大群を銀河中追いまわし、生態系を絶つことに成功したという。そして23世紀までにトリブルは絶滅した。またクリンゴンの輝かしい歴史を自慢したいんですね、それでトリブル退治の歌まで生まれて語り継がれているとかと笑うオドー。その時、基地に警報が鳴り響いた。
警報はエンタープライズにも発令されている。慌ただしく歩くクルーたち。ダックスにどうしますと聞かれ、開けていたパネルを閉めてシスコは戦闘開始だといった。
ターボリフトに乗る2人。シスコは第7デッキへ行くように指示するが、途中で止めて現在の状況を確認しようという。通信するために胸を叩き、シスコよりディファイアントというシスコ。しかし何も起こらない。微笑むダックス。シスコは思い出して指を鳴らすと、旧式のコミュニケーターを取り出してディファイアントに連絡を取る。応答するキラ。クリンゴンのD7※32級戦艦がワープから出て基地へ接近中だという。攻撃体制は敷いていない。ダックスはその戦艦を確認できるか聞く。I.K.S.グロス※33だった。コロス※34の船だわというダックス。クルゾンの友人かというシスコにうなずき、戦闘の意志はないという。クリンゴンとの境界線付近でカーク船長と言い合いになったことがあるという話を、昔聞いたことがあるという。カークを相手に戦えなかったことを後悔していたというダックス。キラはクリンゴン船から基地の管制室へ2名転送されたという。コロスだわ、私たちも基地に行ってオドーとウォーフに加勢しないと言い出すダックス。ダーヴィンも基地にいたこともわかってるというダックス。オブライエンとベシアを行かせた方が無難だというシスコ。でも基地に行けばコロスが会えるかもしれないというダックスに、その通りだとそっけなく答えるシスコ。私だと気づくわけないじゃない、若い頃の彼に会いたいのよと頼むダックスだが、シスコはだめだといって受け付けない。シスコはキラにオブライエンとベシアをK-7基地へ転送するように命じた。再びターボリフトを動かすシスコ。面白そうだったのにというダックスに、残念だったなというシスコ。
ダックスの見解は当たっており、クリンゴンに戦闘の意志はなかった。カーク船長は基地への上陸許可を与えた。※35非常警報が解除されたのを機に、ダーヴィンの捜索を再開した。3分後に再び転送可能なタイミングに入りますと言うキラに、準備に入ると伝えて通信を終えるオブライエン。
第7ターボリフトに乗ると、そこにはさっきの女性士官がいた。よく会うわねという女性に、どうもというベシア。オブライエンは第10デッキへ行くように指示した。女性はベシアを見ながら、窓があいているという。何ですってと聞き返すベシア、下の方を見るオブライエン。トリコーダーのふたよ、パワーが消耗するという女性。ありがとうといって閉めるベシア。いっつもこうなんですよというオブライエン。女性はあなたドクターと聞き、ベシアがそうですと答えるとレキシントン※36から先週移ってきたばかりだという。歓迎しますよというオブライエン。女性は明日身体検査をお願いできないと頼んだ。ターボリフトが止まる。午後3時に、私ワトリー※37よといって歩いていった。僕に近づくためにドクターを利用してるんだよというオブライエン。ベシアはワトリーとつぶやき、ひいおばあさんの名前だ、宇宙艦隊に勤務してたという。よくある名前だというオブライエン。だが本人だったらというベシアに、その確率は低いという。ベシアはひいおじいさんの顔を知らないといい、これは時間のパラドックス※38かもしれないと言った。時空メカニズムの基礎※39だよ、アカデミーで習っただろ、あの女性と恋に落ちる運命にあるんだと言い出す。つまりひいおじいさんは僕自身だというベシア。何を馬鹿なことをというオブライエンに、明日ワトリーと会わなかったら僕は生まれないんだというベシア。キラから通信が入り、準備はいいかしらという。いつでもどうぞと応答するオブライエン。僕を見るあの目を見たか、このまま別れるのはひどすぎるという。それが無難だというオブライエン。ベシアはDS9に帰って、僕の存在がかき消されたと知った時の君の顔が見たいという。オブライエンは鼻で笑った。転送される2人。
ダックスとシスコも捜索を再開した。ダックスは驚いた顔をして、シスコに見てといった。そこにやってきたのは、カーク※40とスポック※41だ。ブリッジから通信が入り、近くのパネルで受けるカーク※42。横目で見ながら、作業を続けろ、メンテナンススタッフになりきるんだというシスコ。カークはミスター・バリス※43と話している。12名のクリンゴン人で満員になるような基地とは知りませんでしたという。ダックスは予想外の発見だわ、あの人思ってたよりハンサムだったのねという。あの目を見てよという。カーク船長は女性にもてることで有名だったというシスコ。ダックスは違うわ、スポックよと言った。シスコはそれを聞いてパネルを閉めると、ダックスを連れて歩き出した。貯蔵庫には警備兵を付けてありますし、彼らには見張りもつけてありますとカークは話している。
信じられない、会いたいとは思わないのというダックス。これっぽちも考えていないというシスコに、何言ってるのという。宇宙艦隊の歴史上で5本の指に入るあのカーク船長に会いたいと思わないのとダックスはいう。大事な任務があるというシスコ。でも相手はあのジェイムズ・カーク船長よというダックスに、もちろんお会いしたいというシスコ。握手もしたいし、ゴーン※44との戦闘はどうだったかとか聞きたいこともあるという。だがそのために来たわけじゃないというシスコ。わかった、あなたと私の違いはこの時代を知ってることねというダックス。一緒に生きてきた私にとっては、もう一度戻りたい気持ちでいっぱいだという。ダックスの手を引っ張り、ターボリフトに乗るシスコ。
K-7のバーにベシアとオブライエンもやってきた。貧乏くじを引いてたみたいだぞというベシア。2人がダーヴィンが現れるのを待っている間にこっちは30デッキも捜索したというオブライエン。待っていたのはダーヴィンが必ず戻ると思ったからですというオドー。なるほどあれか、ラクタジーノというオブライエン。さすがクリンゴン人だ、しかし酒なんか飲んで3時間待っていれば良かったなんて、僕たちは水の中まで這い回ってたというのにというベシア。そこへスコット※45、チェコフ、フリーマン※46の3人が入ってきた。オブライエンはついに現れたとみんなにささやく。誰がと聞くオドーにカークだという。どれだと聞くウォーフ。オブライエンは一番左の、今席につこうとしている黄色い制服のという※47。あれがカークというベシア。会えるとは光栄なことだというウォーフ。オブライエンは1杯おごりましょうというが、オドーは誰かに酒をおごるなんてもってのほかだという。そうだった、次元を超えた接触は危険だとあきらめるオブライエン。ベシアはまだ疑っている。ウェイトレスがやってきて、お兄様方何にします、ラクタジーノだけはやめてよという。誰がラクタジーノをと聞くオドーに、クリンゴン人よという。周りを見渡すオドー。あのテーブルでしょう、そのテーブルもというウェイトレス。そこには髭を生やした男たちが何人か座っている。あれがクリンゴン人と聞き返すベシア。からかう気、注文しないなら行くわといってウェイトレスは歩いて行った。ウォーフ以外の3人は一斉にウォーフを見た。どういうことですかと聞くオドー。ウォーフはため息をつき、確かにクリンゴン人だ、説明すれば長くなるという。何です、遺伝子工学を利用したとかというオブライエン、ウイルスの突然変異というベシア。ウォーフは外部の者には明かさないことになっていると言った。
いきなり、何だととチェコフが怒っている※48。落ち着けよ、何を言おうと個人の自由だというスコット※49。その通り、カークっていうのはクズだというクリンゴン人のコラックス※50。身のほど知らずの成り上がり者だ、個人の自由で言っているんだという。立ち上がるチェコフに、余計なことはするな、命令だというスコット。あんなこと言われて平気なんですかというチェコフ。オブライエンはそれを見て、さすがカーク船長は器がでかい、黙って保安部員に任せるつもりだという※51。本当にカークかと聞くベシアに間違いないというオブライエン。ベシアはじゃあなぜ中尉の制服を着てると言った。異次元での人違いはただじゃ済まなくなりますというオドー。ゴミ箱用に作ったんだろ、宇宙中が知っている、だからクリンゴン人が好きだとさと笑うコラックス。押さえ切れない様子でミスター・スコット※52というチェコフ。スコットはコラックスに、言い直したらどうなんだ、今言ったことをという。エンタープライズがぼろぼろの木で作ったゴミ箱だって言うのは嘘でした、ゴミだから早いところゴミ箱に捨てちまえばいいっていう話だと言った。あきれるオドー。コラックスは笑っている。そしてゆっくりとスコットは立ち上がり、コラックスを殴り倒した。そこにいる全ての者と一緒に、オブライエン、ベシア、ウォーフも立ち上がった。何をする気ですというオドー。
乱闘が始まった。ウォーフに殴り掛かるクリンゴン。スコットはまた殴り倒し、チェコフはクリンゴンに突っ込んでいく。殴られ、殴り倒すオブライエン。とびかう椅子をよける。バーテンダーは逃げて行った。倒れるフリーマン。ベシアも戦っているが、腕が痛そうだ。何発殴っても効果がなく、机の上に投げられるチェコフ。シラノはカウンターで勝手に酒を注文している。ウォーフはクリンゴン人をうちのめした。シラノが酒を高く掲げながら乱闘の間を歩いている。扉が開き、保安部員たちが入ってきた。オドーはその扉の向こうにダーヴィンがいることに気づいた。シラノの酒を取り上げる戻ってきたバーテンダー。オドーはウォーフと戦っていたクリンゴン人を殴って、ダーヴィンですと指差した。オブライエンはクリンゴンを殴り倒したが、振り向くとそこには保安部員が待っていて肩をつかまれた。ベシアも捕まった。

※32: TOS第57話 "Elaan of Troyius" 「トロイアスの王女エラン」に初登場したバトルクルーザーのタイプ。D7 という言葉はもともとはウィリアム・シャトナーとレナード・ニモイが考案したギャグでしたが、この話で初めてセリフ中に登場しました

※33: I.K.S. Gr'oth 当時は登場しませんでした

※34: Koloth DS9第39話 "Blood Oath" 「血の誓い」にも登場

※35: このシーンに登場するグロスは、先ほども書いたように当時では登場していません。オリジナルのレプリカですが、映画TMP "The Motion Picture"「スタートレック」に登場したもののように表面は精巧になっています。モデルメーカーの Greg Jein によって作成

※36: U.S.S. Lexington コンスティテューション級、NCC-1709。TOS "The Ultimate Computer" より。同名のエクセルシオール級とネビュラ級の船もあります

※37: ワトリー中尉(大尉) Lieutenant Watley

※38: predestination paradox

※39: Elementary Temporal Mechanics

※40: (ウィリアム・シャトナー William Shatner) TOS第2話 "Where No Man Has Gone Before" 「光るめだま」に初登場

※41: Spock (レナード・ニモイ Leonard Nimoy) エンタープライズの副長兼科学士官。ヴァルカン人と地球人のハーフ。TOS第1話 "The Cage" 「歪んだ楽園」に初登場、TNG第107・108話 "Unification, Part I and II" 「潜入! ロミュラン帝国(前)(後)」にも登場

※42: 吹き替えは当時と同じく、おなじみの矢島正明氏

※43: ニルズ・バリス Nilz Baris 連邦から農業対策で派遣されました

※44: ゴーン人 Gorn TOS第19話 "Arena" 「怪獣ゴーンとの決闘」より

※45: モンゴメリー・スコット Montgomery Scott (ジェイムズ・ドゥーアン James Doohan 多数の異星人などの声も演じました) 天才的な腕を持つ機関部長。TOS "Where No Man Has Gone Before" が初登場、TNG "Relics" にも登場

※46: Freeman (Paul Baxley その他の役多数)

※47: フリーマンと間違えています(笑)

※48: 吹き替えは当時と同じく、井上弦太郎氏と…思われます^^; と書いていましたが、遊佐浩二氏だそうです

※49: 第1シーズンにスコットの声を担当した小林修氏が吹き替えしています。当時では第2シーズン以降担当の内海賢二氏でした

※50: Korax (マイケル・パタキ Michael Pataki TNG第16話 "Too Short a Season" 「大いなる償い」のカーナス (Karnas) 役)

※51: さらにスコットを保安部員だと間違えています(笑)

※52: 当時の吹き替えと同じく、「チャーリー」となっています


DS9司令官室。トラブルは避けられたはずだというダーマー。ラクスリーは艦隊規則※53の第157条第3節18項によると、「宇宙艦隊士官※54は必要な予防措置を十分に行い、歴史的事件への関与を最小限に抑えるべし」とあるという。存じています、あれは間違いでしたというシスコ。しかし時空へは影響しませんでしたという。断言できるか、知らない内に影響を受けている可能性もあるというダーマー。シスコはもし時空に何らかの変化が起きていれば、戻った時点で気づいたはずですという。そうとも限らんというラクスリー。それで部下は逮捕されたんだなと聞くダーマー。
逮捕されたが監禁室に入れられたわけではなく、船長直々の尋問を受けた。一列に並んだクルーの前で、始めたのは誰だと聞くカーク。オブライエンとベシアも並んでいる。誰が始めたと聞かれ、存じませんと答えるオブライエン。カークはチェコフにお前が始めたんじゃないのかと聞くが、違いますと答えるチェコフ。じゃあ誰だと聞いても、知りませんという。最初に手を出したのは誰なんだ、よろしい、誰かわかるまで禁足だとカークは命じ、解散させた。
部屋を出て、あんなに近くで会えるとはなというベシア。ラッキーだ、ほかのクルーを差し置いて僕に質問してくれるとは感激だというオブライエン。しかも嘘をついたというベシア。オブライエンはあのカーク船長にだぞ、ケイコにも見せたかったという。その時ベシアはトリブルを踏んでしまった。痛かったろうと抱き上げるベシア。誰が置き去りにしたんだろうという。オブライエンは横の通路を見て、1匹じゃないという。そこら中にトリブルが繁殖していた※55
オドーとウォーフに捕まれた格好で、ダーヴィンがディファイアントに転送されてきた。ご帰還おめでとうというオドーに、私も嬉しいですというダーヴィン。ウォーフが連れて行く。オドーはウォーフに待ちなさいといい、ダーヴィンにお前が犯した罪は重い、極刑を言い渡されるものと覚悟しておくんだなという。あなた方にはクリンゴン帝国の英雄である私を監禁することはできませんというダーヴィン。何が英雄だ、ふざけるなというウォーフ。ダーヴィンは今にわかるといい、銅像を戦士の殿堂※56に立てようと思っているんですという。個性的で面白いのに仕上がる、クリンゴン人の作る銅像はどれもありきたりでつまらないだろうというダーヴィン。何を企んでいるかは知らんが、どうやら勝ったつもりのようだなというオドー。ダーヴィンは両手を開き、銅像はこんな感じさ、カークの首と、あのトリブルを持ってという。ダーヴィンの胸ぐらを掴み、何をしたか吐けというウォーフ。カークに刺客を送り込んだか、それとも船に破壊工作をしたかと聞く。発送が貧困だというダーヴィン。いっとくがカークは死んで当然だ、自業自得、因果応報ってやつだといい、ダーヴィンは笑った。
トリブルに爆弾を仕掛けたとコミュニケーターでオドーに聞くシスコ。復讐であり、昔カーク船長はトリブルの反応でダーヴィンがクリンゴン人だと見破ったようですというオドー。仕掛けた場所は吐かなかったが、時間は1時間後ですという。どうやって探すんだというシスコに、危険だけどブリッジに潜入するしかないというダックス。爆発物だと、内部センサーを使えば船の隅々まで探せるからだ。シスコはダックスとエンタープライズに残り、残りのものにはK-7を捜索するように命じた。オドーは了解するが、ウォーフ少佐はここで待機しておいた方がいいという。トリブルが苦手なようですのでというオドーに、いいだろうと答えるシスコ。オブライエンはK-7では内部センサーを利用するのは難しいという。1匹ずつトリコーダーでチェックするしかないというシスコ。何千匹もいるんですというオブライエンに、何万匹だろうというベシア。ダックスは全部で177万1561匹になってるはず、この数は1匹のトリブルが12時間ごとに10匹産むと計算し、過去3日間のと説明し始める。もういいとやめさせるシスコ。K-7は頼んだぞといい、通信を終える。
シスコはブリッジのコンソールの席に座っている。パネルの上にもトリブルがたくさんいる。カークが入ってきた。ダックスは秘書のふりをしている。カークが艦長席に座ろうとすると、急に鳴き声がした。ダックスもそちらを見る。お尻の下からトリブルを取り出すカーク。ダックスの方を見たカークに、首をすくめるダックス。カークは通信スイッチを入れると、ドクター・マッコイ※57をブリッジに呼んだ。席を立ち、チェコフが遊んでいたトリブルを取り上げるカーク。ダックスはシスコに近づき、センサーの回線を変えてみたという。うまくいったといい、ブリッジをスキャンするシスコ。ここにはない。一安心ね、カーク船長がトリブルをふんだ時には爆発するかと思ったというダックス。第6デッキまでは異常なしだ。私に何か用かと言ってマッコイ※58が入ってきた。持っていたトリブルを押し付けるカークに、そんな目で見るなよ、トリブル係じゃないんだからという。見たことある顔だわというダックスに、エンタープライズの船医、ドクター・マッコイだというシスコ。ダックスは何度もその名前を繰り返している。この動物は繁殖するために生まれてくるようなものだ、生まれた時にはすでに子供が入っているというマッコイ。ダックスはレナード・マッコイだわ、出会った時はまだ学生さんだったのにという。クルゾンの知り合いかと聞くシスコに、あの時はエマニー※59だった、地球でスポーツ大会の審判員をしていた女性だという。医者になるって予感はあった、彼の指は外科医向きよといい微笑むダックス。シスコはあきれる。全デッキ異常なし、船内には爆弾はないという。K-7基地のどこかねというダックス。
K-7の食物貯蔵庫。たくさんのトリブルがいる中に、問題の爆弾が仕掛けられたトリブルもいた。

※53: 第1条はおなじみ「艦隊の誓い (Prime Directive)」である規則 (Starfleet General Orders and Regulations)

※54: 「宇宙連邦士官」と誤訳

※55: このシーンに映る男性の保安部員は、原作の "The Troubles with Tribbles" を執筆したデヴィッド・ジェロルド (David Gerrold) と思われます。カメオ出演ですが、ほかのシーンである可能性もあります^^;

※56: 戦士の間 Hall of Warriors DS9第99話 "Apocalypse Rising" 「可変種の脅威 第二幕(後)」

※57: ドクター・レナード・H・マッコイ Dr. Leonard H. McCoy エンタープライズの医療部長。本音を言うタイプ

※58: (デフォレスト・ケリー DeForest Kelley) TOS "The Corbomite Maneuver" が初登場、TNG第1話 "Encounter at Farpoint, Part I" 「未知への飛翔(前)」にも登場。吹き替えは最近発売されたTOS完全版ビデオの小島敏彦氏のようです (当時吹き替えの吉澤久嘉氏はお亡くなりになっています)

※59: エモニー・ダックス Emony Dax 第3の本体。DS9第71話 "Facets" 「クルゾンの秘密」より。出会ったのは2245年ごろと推測されます


山のようにいるトリブルを1匹ずつ調べている、オドー、ベシア、オブライエンの3人。バーテンダーはカウンターでトリブルに埋もれている。シスコはオドーに連絡を取り、船は異常なし、基地のどこかだという。オドーはまだ2デッキ目です、とても探しきれないという。応援をよこそうとシスコは言うが、トリブルの繁殖が速すぎて追いつかないというオドー。ダックスはカーク船長を見張ったらどうかしら、爆弾はこれから30分後、船長のいるところで爆発するという。ついていれば爆弾のありかがわかるというわけだ。捜索を続けるというオドーに、とりあえずそうしてくれといい第5デッキに向かうシスコ。
シスコたちもいる食堂に、カークとスポックがやってきた。スイッチを押し料理を取り出すカークだが、その上もトリブルだらけだ。サンドイッチとコーヒーが占領された、一刻も早く船外へ追い払えというカーク。手の空いているものを総動員させるんだという。続いてトリブルをたくさん抱えたスコットが入ってきた。トリブルはあらゆるところにいます、ほかの食料加工装置にもいるでしょうという。どこからと聞くカークに、通風孔からと思われますという。スポックはK-7にも同様の貯蔵庫がありますという※60。確か貯蔵庫に続いていたな、バリスに連絡して落ち合うように伝えてくれというカーク。その話を聞いていたシスコは、食料貯蔵庫か、間違いないだといってダックスと共に席を離れた。
K-7基地の食料貯蔵庫。階段を伝って降りるシスコとダックス。トリブルだらけだ。大半は死骸だな、穀物に毒が入っているというシスコ。ダックスはトリコバルト※61反応を探知した。その時機械の音がし、何の音というダックス。
外では保安部員※62が扉を開けようとしているが、開かない※63。キーを受け取り、私がやろうというカーク。扉を開けようとしてるんだわというダックス。カークは下部の扉をあきらめ、上部に付いているロックを開けた。それと同時にトリブルがカークの頭の上からどんどん落ちてくる。ダックスのすぐ横に穴が開いた。トリコーダーで爆弾を探す2人。爆弾はすぐ近くにあるというダックス。1匹1匹調べ、投げるシスコ。
埋もれたカークの上から、まだトリブルが落ちてくる。スポックは1匹を手に取り、満腹のようですねという。それを聞いてさらに怒るバリス。何千匹だというバリスに、万を数えるでしょうというカーク。スポックは177万1561匹になっているはずですといって、さっきのダックスと全く同じ説明をしている。顔を見合わせるダックスとシスコ。そしてシスコのトリコーダーに反応があった。キラに連絡を取り、トリコーダー信号にロックオンして宇宙に転送するように命じる。シスコは慎重にトリコーダーの上に爆弾を置いた。宇宙空間に転送され、大爆発を起こした。キラは爆破完了と伝える。ダックスが持っていたトリブルを投げ、それがカークの頭に落ちてくる。シラノ・ジョーンズを探せ、それからこれを閉めろというカーク。
爆弾は無事撤去され、歴史はまたもとの通りに動き出した。そしてトリブルのおかげでカーク船長はダーヴィンの正体を見破ることができた。ダーヴィンにトリブルを近づけ、嫌いだといってるぞというカーク。マッコイがトリコーダーで調べると、クリンゴン人だということがわかった。
ディファイアントに帰ると、キラは発光体の使用法をマスターしていた。そして無事にもとの次元へ戻ることができた。君はすぐに戻ってきたんだなと聞くダーマーに、シスコは決まりが悪そうにそうではありませんと答えた。あきれる2人。シスコはその前にやり残した一つの大切なことを思い出したという。
スクリーンに映ったエンタープライズを見た時から願っていたことだった。失礼します、明日の任務予定表の確認をお願いしますといい、差し出すシスコ。君はとカークに聞かれ、ベンジャミン・シスコと申します、臨時で派遣されましたという。引き上げます前に一言申し上げたい、船長にお仕えできて光栄でしたといった。笑顔でうなずくカーク。ご苦労だったというカークから、予定表を受け取り礼を言うシスコ。※64
以上です、もし違法行為として私のファイルに記入なさるなら、どうぞご自由にというシスコ。その判断はもう一度検討してから行うというラクスリー。ダーマーはしかし特に問題を起こしたわけではない、私もきっと同じことをしただろうという。
司令官室から3人が出てきた。およそ1ヶ月後に報告書を送る、だが先ほども話したように特に心配する必要はないだろうというダーマー。ありがたいお言葉です、お気をつけてというシスコ。2人はターボリフトに乗り、第7ドックへ向かった。ため息をつくシスコに、どうだったと聞くダックス。うなずくシスコ。キラは良かったといい、さっきからオドーがプロムナードでお待ちかねだという。
報告されましたかと聞くオドー。いや聞かれなかったというシスコ。いい解決法があったら教えてくれという。もう一つステーションを作ったらというダックス。カウンターでひじをつき、ため息をつくクワーク。その頭の上にはトリブルが、いやそれだけではなくカウンター中、プロムナード中にトリブルがいるのだった。※65

※60: 吹き替えはマッコイと同じくTOS完全版の菅生隆之氏のようです。当時は久松保夫氏

※61: トリコバルト爆弾 (tricobalt explosive) は TOS第23話 "A Taste of Armageddon" 「コンピューター戦争」に登場。ヴォイジャーはトリコバルト弾を装備しています。VOY第2話 "Caretaker, Part II" 「遥かなる地球へ(後)」

※62: (David Ross そのほか多数の役)

※63: このシーンには先ほどカークと話していたバリス (William Schallert DS9第30話 "Sanctuary" 「さまよえるスクリーア星人」のヴァラーニ (Varani) 役)、K-7基地の所長であるミスター・ルリー (Mr. Lurry (Whit Bissell)) もいます

※64: ここのシーンのみ、TOS第39話 "Mirror, Mirror" 「イオン嵐の恐怖」からの映像が使われています

※65: このエピソードはスタートレック30周年記念のものです。1997年世界SF大会において「ファースト・コンタクト」と共にヒューゴー賞、映画・テレビ部門にノミネートされました


・感想
待望のこのエピソードをもう観れるなんて、思っていたより早くて感激でした。TOSのキャラクターとの共演、新しくなった船や基地、約100年間のギャップとどれも最高です。特にクリンゴン人の変化について聞かれるウォーフや、実際にこの時代を経験したことのあるダックスが楽しませてくれます。ぜひ "The Troubles with Tribbles" もご覧になるといいと思います。また短いセリフもありながら、当時の吹き替えを再現したスタッフの方にも感謝したいと思います。次はVOYの30周年記念ですね(笑)


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