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ディープスペースナイン エピソードガイド
第71話「クルゾンの秘密」
Facets

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・イントロダクション
ノーグがシャトルの操縦をしている。カーデシア軍が迫って来たと伝えるコンピューター。照準をこちらに合わせた。ノーグは敵の照準を破壊することに成功した。ワープに入るようにいうノーグ。ふいに窓を叩く音がする。目の前には、窓を叩くジェイクがいた。シミュレーション※1中だ、そこをどけというノーグ。プログラム終了をコンピューターに命じるノーグ。いすに座っていたため、尻もちをついてしまう。何しに来たんだというノーグ。30分待っても来なかったからというジェイク。今更気付いてノーグは謝る。調子を聞くジェイク。反応速度は20%速まったが、あと5%必要だというノーグ。アカデミーの進学予備課程※2に入るためだ。心配しなくても受かるというジェイク。2人はホロスイートを出る。
進学予備課程に入れなかったら来年アカデミーに合格するのは難しいというノーグ。夏期講習を6週間受けるだけで効果があるのかと聞くジェイク。入学審査理事会にやる気だけは見せておかないとノーグはいう。お前はいい士官になるというジェイク。そこへやってきたクワーク、士官になっても倉庫番にはなれないといい、少しはジェイクを見習ったらどうだとノーグにいう。艦隊士官になったら儲からないということは地球人でも知っているという。作家は儲からないと相場が決まっているというノーグ。クワークは時代が変わったという。よくできたホロスイートのプログラムを書けば大もうけできるからだ。だろうねというジェイク。2人でプログラムを作れと言い出すクワーク。買い取ってやるというが、絶対に書かないとノーグはいう。もういい、叔父の心甥知らずというクワーク。ロムを店番のために呼んでこいという。ダックスにミーティングのため、上級士官ラウンジに呼ばれているとジェイクにいうクワーク。
オドーとベシアが一緒にラウンジに向かっている。2人とも何のミーティングかまだ聞かされていない。リータ※3も呼ばれているとベシアが言うと、2人はよく会っているからというオドー。君はクルーのことは何でも知っているのかいと聞くベシア。全部はちょっと、でも一日の始まりの昼食に、デルヴィンのスフレケーキ※4を2つも食べるなんてよくないというオドー。ベシアは笑う。
2人はラウンジについた。既にシスコをはじめとする士官と、リータ、クワークたちがいる。みんなが集まったのを見るとダックスが話し始めた。集まってくれてありがとうとお礼を言う。集まったのはステーションで一番親しい7人だというダックス。ジャンタラ※5に協力して欲しいという。ジャンタラとは何か聞くクワーク。リータはジャンタラはトリルの儀式だという。合体したトリルがそれまでの本体と実際に会うことができるものだというダックス。どうやってと聞くキラ。だから集まってもらった、もしよければ2,3時間体を貸して欲しいとダックスは言う。集まった7人は顔を見合わせた。

※1: runabout simulation

※2: Starfleet Academy Preparatory Program

※3: Leeta (チェイス・マスタースン Chase Masterson) DS9 第68話 "Explorers" 「夢の古代船」に引き続き登場

※4: Delvin fluff pastries

※5: zhian'tara


・本編
体を貸すとはどういうことですと聞くオブライエン。ダックスは儀式に協力してくれるなら、過去の本体の記憶が一時的に移されるという。7人がそれぞれの前の本体になる。記憶を移すには、守護者※6がテレパシーを使って行う。守護者がわからないオドーに、リータが共生生物を守るトリルだと説明する。合体していないトリルがなるのだ。ベシアは感心し、リータは素人だけど社会学の権威だなという。仕事柄いろんな人と会うからというリータ。ダボテーブルは人種のるつぼだという。死んだ人間に体を明け渡せっていうんですかいというクワーク。ほんの2,3時間よというダックス。その間自分はどうなっているのか聞くクワーク。ダックスは何を起きているは全て認識しているし、元に戻したいときはいつでも戻せるという。なるべくリラックスして、記憶が入るのに協力してくれというシスコ。クルゾンもジャンタラほど力強い経験はなかったといっていたという。ベシアはジョラン※7はどうなるんですかと質問する。人殺しをした作曲家だっけというクワーク。ダックスはジョランはシスコに担当してもらうという。その際には万全の注意が払われる。ベシア、リータ、キラ、オドー、そしてオブライエンは快く同意した。みんながクワークを見る。どうして見てるんだというクワーク。儀式に参加するのを同意してないのはお前だけだからだというオドー。クワークは悪いんですが、誰かほかの人間を当たってくださいといい出て行こうとする。ダックスはぜひあなたにやってもらいたいといい、クワークの耳を触り始める。オードリッド※8の記憶をお願いしたい、もっと仲良くなりたいというダックス。クワークはそう言われるとといい、承知した。ダックスはキラに、最初の本体であるリラ※9を担当してもらうという。明日守護者が到着次第始めるといい、同意してもらって嬉しいというダックス。みんなは席を立ち出て行く。シスコはもしかしてクワークは女性の本体の記憶を受け持つことになるのかとダックスに聞く。そういうこと、とダックスは言う。シスコも出て行き、残されたダックスはため息をつくのだった。
ホロスイートの中で、ノーグがオブライエンに宇宙における適用コードのテスト※10などの試験に関する説明を受けている。気の遠くなるだろうが、1日で受けてもらうというオブライエン。ノーグは了解する。とりあえずストレス反応テストをやってみようというオブライエン。プログラムデルタ5・9※11をコンピューターに命令する。周りに現れたのは司令室だ。シャトルのシミュレーションしか練習していないと慌てるノーグ。それだとストレス反応テストにはならないという。位置につき、作戦を立てて動かすようにいうオブライエン。ふいに揺れが起こる。今の何と聞くノーグに、自分で考えろとオブライエンはいう。テストが始まった。
エアロックで、ダックスとシスコが守護者※12を迎える。ダックスには母星に戻ってジャンタラを行うように催促していたが時間が取れないと言うことで、トリル共生生物合体審査理事会※13は自分を派遣したと言う守護者。時間が取れなかったと言うダックスに、休みなら取れるだろうと言うシスコ。事前の準備があるので部屋はどこか聞く守護者。ダックスが案内する。
祭壇の前にダックスとキラが立ち、守護者が呪文を唱えている。2人の間に入ると、肩に手を置いた。ダックスの体から守護者を介し、キラへゆっくりとエネルギーが流れる。うなだれるキラ。おもむろに頭を上げると目を開いた。キラ、と呼びかけるダックス。だがキラは普段とは違う口調で答えた、「いいえ、リラよ。」と。

※6: Guardians DS9 第50話 "Equilibrium" 「仮面の幻影」には、ティモールが登場しました

※7: Joran Dax "Equilibrium" より

※8: Audrid Dax

※9: レラ Lela Dax

※10: spatial orientation test

※11: Program delta 5 9

※12: (Jefrey Alan Chandler)

※13: Trill Symbiosis Commission


最初の本体、リラはあなたがダックスの新しい本体か聞き、ダックスはジャッジアですと手を差し出す※14。握手しながらなんて美しい名前なんでしょうというリラ。守護者は2人に質問をさせてもらうという。リラに最後の記憶は何ですかと聞く。クルゾンのジャンタラの儀式だと答える。ダックスにはリラが候補生だったときに指導を担当した教官の名前を聞く守護者。ダックスは思い出せない。記憶の移し替えは成功だという守護者。頼りない気持ちだというダックス。記憶がなくなったみたいというと、なくなっていない、ここにあると自分の頭を指すリラ。そして教官の名前を答える。素晴らしい、移し替えは完璧だという守護者。そしてほかに用がなければ、と席を外した。いつも思うけど守護者は風変わりよねというリラ。一生を地下で過ごし、共生生物のプールの世話をしているんだから仕方がないわよねという。祭壇の匂いをかぎ、いいわねというリラ。故郷からずいぶん遠いところに来ているのねとリラはいう。ダックスは何も答えず、微笑む。どうしたのと聞くリラ。ダックスは自分に後ろで両手を組む癖があり、リラもそうだからという。これは立法府の議員になったときに始めたというリラ。まだ女性議員が珍しく、目立とうと思って議会のときには派手なジェスチャーをして議論したという。そしてある時、同僚の男性議員がそれを真似していることに気付いたときから、後ろで組むことにしたという。無意識の癖だと思っていたけど理由があるのねとダックスは言う。それがジャンタラの目的だというリラ。自分をもっと深く発見するためだという。あなたが本当にリラみたいなというダックス。ある意味はそうよ、人間とは記憶の積み重ねだというリラ。これからの数日間であなたは驚くべき経験をするだろうという。
第2の本体、トビン※15はオブライエンの体を借りている。あんまり爪をかまない様にいうダックス。後でオブライエンが怒るわよというと、ごめんよと謝り、緊張しているんだというトビン。私もそういう時はあるというダックス。これで誰のせいかばれちゃったね、ごめんよというトビン。謝ってばかりいるのはやめるようにダックスが言うと、またごめんよという。ダックスはフェルマーの最終定理に挑戦していることを話す。ほんとかいと驚くトビン。あなたのアプローチは独創的で優れていると誉めるダックス。ありがとうとトビンはいう。私も自分のアプローチをやってみるというダックス。
第3の本体、エモニー※16。リータが担当だ。華麗な体操を披露している。鍛えられた体でやりやすいというエモニー。後でリータにいっておくというダックス。合体したときは心配だったとエモニーはいう。体操を続けられるかどうかだ。しかし、合体した後の方が集中力が増したというエモニー。私もそう思ったというダックス。あなたも体操をと聞くエモニーに、体操ではなくクリンゴンの武道の師範をしているという。ダックスが合体した後にと聞いて、やっぱり思った通りというエモニー。
第4の本体はクワークの体を借りるオードリッドだ。知っていることはなんでも話すわと、ダックスの髪を解きながら話し始めるオードリッド※17。合体審査理事長に任命された日が人生最良の日だったという。そしてその前日に出産したばかりだったというオードリッド。ダックスに子供のことを聞く。いいえと答えるダックスに、いつか絶対生むといういいわよという。赤ちゃんを腕に抱いてあやすのはいいものよという。急に話すのを止めるオードリッド。体の主が話したがっているという。いつものクワークの口調になり、後どれくらいで終わるのか聞く。邪魔しない方が早く終わるというダックス。とにかく内緒にしてくださいよというクワークに、約束するというダックス。
第5の本体はベシアの体を借りたトライアス※18である。次々にお菓子を食べるトライアスに、ベシアは食べ物には気を使っているんだからと注意するダックス。こせこせ生きたってしかたがない、楽しいことを我慢して生きるには人生は短いというトライアス。やりたいことをやったでしょというダックスに、自分の人生は短すぎたとトライアスは言う。事故のことねというダックス。でもついてるというトライアス。君の一部だから、君が死んでも君の精神は受け継がれるという。大きな存在の一部であり、選ばれたことを誇りに思っているとトライアスは言う。私もよというダックス。チャイムが鳴り、守護者が入ってくる。もう遅いのでベシアに体を返すという。トライアスに、会えて良かったというダックス。
保安室にシスコが入って来た。よしやろうという。本当にやるんですかと聞くオドー。ジョランも独房の中からは誰も傷つけられないというシスコ。一人を除いてはとオドーは言う。シスコなら傷つけることができるからだ。独房へ向かうシスコを見て、首をかしげるオドー。
守護者によって記憶の移動が終わった。フォースフィールドを張るように言う守護者。ゆっくりと目を開けるシスコ。ダックスはジョランと呼びかける。シスコの体を借りた第6の本体ジョランは、やあジャッジアと答えた。

※14: 以下、本体名で表記します

※15: Tobin Dax DS9 第24話 "Invasive Procedures" 「突然の訪問者」などでセリフに出てきました

※16: Emony Dax セリフ中には名前は出てきません

※17: 爆笑もの

※18: トーリアス Torias Dax "Equilibrium" で言及


オドーと守護者は外で待っているといって出ていった。ジョランはまた会えて嬉しいという。最近は楽器を演奏してるか尋ね、ええと答えるダックス。俺を思い出してくれているかと聞くジョランに、時々はとダックスは答える。嬉しいよというジョラン。君は本当に可愛い女の子だな、とても可愛いがそれだけの人間だという。リラやトライアス、そして俺とは違って器が小さいと言い出す。何も知らないくせにというダックス。わかっている、君はダックスを受け継ぐにはふさわしくない、度量が小さすぎるとジョランは言う。そしてまだ希望はあるという。それは俺だ、君の中には俺の力があるというジョラン。恐がることはないというジョランに、何も恐くないというダックス。力の使い方を見せてやるといい、フォースフィールドを解除するように言うジョラン。解除すれば何も恐れることはないという。しかしダックスは解除しない。ジョランは片手をフォースフィールドに触れ、さらに両手、そして頭を打ちつけ始めた。ジョランやめるようにいうダックス。シスコの名を呼び、ジョランを抑えるように言う。シスコが戻り、ジョランになるのはこりごりだなという。フォースフィールドを解除するダックス。大丈夫だったとダックスが近寄る。うつろな目をするシスコ。その瞬間、いきなりダックスの首を絞め始めた。驚いたかというジョラン。ダックスは手を振り払い、応戦する。なおも首を絞めようとするジョラン。ダックスはジョランを殴り倒した。シスコは正気に戻り、私だという。そしてありがとうという。何がと聞くダックス。骨を折らないでくれてというシスコ。ダックスは微笑んだ。
クワークはラチナムの勘定をしている。ロムがしきりに2階を眺めている。その様子を見ていいかげんにしろと注意するクワーク。これでノーグの将来が決まるとなると落ち着かないというロム。お前がうろうろしても助けることにはならないというクワーク。ロムはカウンターの下から箱を取り出し、大事そうに中身を見ている。何だと聞くクワーク。それはロムがガラックに取り寄せてもらった、ノーグのアカデミーの制服だった。クワークに見せながら、ラチナム5本しただけあっていいものだという。そんなもの無駄になるというクワーク。ロムは理由を尋ねる。クワークは少し考えてから、アカデミーに入れば制服が支給されるからだと答える。2着あってもいいだろうというロム。
ダックスはシスコと歩いている。ジョランのことを考えていたというダックス。あの言葉が耳から離れないという。ジャンタラの儀式を延ばしていたのは昔の本体と会いたくなかったからかと聞く。そうかもしれないというダックス。もう少しで儀式は終わるが自信を持つことだとシスコはいう。不安だというダックスに、合体を認められたのはほかの本体同様、能力があったからだというシスコ。それならなぜ一度失格にしたのかしらというダックス※19。今までは挑発して、やる気を起こさせるための愛の鞭だと信じていたが、今はだめだという。実際君はがんばったじゃないかというシスコ。見限ったのかもというダックスに、私はそうは思わないが理由を知りたいならクルゾンに聞いてみることだというシスコ。そうするわというダックス。答えが恐れていたものだったらという。シスコは何も言わない。ダックスは向かった。
守護者によって第7の本体、クルゾンの記憶がオドーに移される。するとオドーの髪形は変化し、トリル特有の班点が顔に現れた。そしてオドー、つまりクルゾンは、にっこりと笑った。

※19: DS9 第37話 "Playing God" 「宇宙の原型」に関連

私室にジェイクと一緒にいるシスコのところに、クルゾンが入って来た。すぐにクルゾンだとわかるシスコ。鼻でわかると思ったよと笑うクルゾン。ダックスとはクワークのバーで待ちあわせているという。クワークの度肝を抜いてやるというクルゾン。オドーみたいだなというシスコに、オドーだと答える。どういうことだ、クルゾンじゃないのかと聞くシスコ。両方だと答えるクルゾン。オドーが流動体生物であるための現象らしい。例えるならばクルゾンとオドーが合体したようなものだという。双方にとって実に楽しい体験だというクルゾン。守護者は心配することはないといっているという。髭を似合っているぞというクルゾン。キャシディはいつ帰ってくるのかと聞く。さらにシスコの女性遍歴をしゃべり始めた。ジェイクは聞きたがるが、クワークのバーへ行こうとクルゾンを連れ出すシスコ。ジェイクに後で話してやるとクルゾンは言う。今のはクルゾンだぞというシスコ。
クルゾンとシスコはバーへやってきた。クワークを呼ぶクルゾン。クワークはクルゾンと一緒になったオドーの顔を見て驚く。いきなりクワークの耳をつかみ、額にキスするクルゾン。お前はけちな悪党だがいい奴だといい、冷たいトローニヤ※20を2つ注文する。クワークはまだ動揺が収まっていない。笑うシスコとクルゾン。ダックスがやってきた。とても楽しそうねというダックス。女性がいるともっと楽しいといい、席を譲るクルゾン。ちょっと失礼して服をまともなものに着替えさせてもらうというと、腕を一振り。あっという間に違う服になった。可変種は便利だねというクルゾン。クワークはまた驚く。シスコは失礼させてもらうといい、席を立った。ノーグの試験を採点するためだ。尋ねてくれてありがとうといい、クルゾンと抱き合いはなれる。シスコは最高の友人だというクルゾン。クワークにまだか、といいトローニヤを受け取る。ジャンタラの儀式は楽しいかと聞くクルゾンに、まあまあと答えるダックス。トビンから、初めて酔っ払ったのは私とのジャンタラの時に飲まされた時だったと聞いたかと笑うクルゾン。いいえ、でも想像できるわというダックス。ダックスは一つ、どうしても聞きたいことがあるという。候補生の時のことだというと、クルゾンは奥にいるフェレンギ人を指差し、先週の新聞に載っていたトンゴのハスラーだという。勝負してやるというと歩いていった。取り残されるダックス。
クルゾンはダックスやフェレンギ人たちに対して、トンゴで勝ちつづけている。手前では、ノーグがロムになぜ試験に落ちたかわからないと話している。自信があったのにというノーグに、昔から賢い子だったとロムはいう。これでアカデミー入試受験資格もなくなったというノーグ。クワークがやってきて艦隊には人材を見る目がある奴がいない、お前ならいい艦隊士官になれたのにという。俺はお前を買ってるんだ、うちの店ならいつでも大歓迎だぞというクワーク。ノーグもロムも、黙っていた。
まだ勝っているクルゾンに、閉店時間は過ぎているというクワーク。さっきもお願いしたのに帰ってくれないなら保安班を呼ぶというが、保安チーフは私だというクルゾン。ダックスはいいのよといい、帰りましょうという。
クルゾンは保安室で、イリディアンの密輸業者から没収した酒を開けて飲み始めた。ダックスは候補生だったときのことを聞きたいという。そうらしいなというクルゾン。酒をダックスにも渡す。どんなことを聞きたいんだという。なぜ再び候補生になったとき、却下しなかったのか聞くダックス。それはわからない、きびしすぎたと反省したからかも知れないとクルゾンは言う。厳しくするのは仕事でしょというダックスに、本当を言うとかわいそうになったというクルゾン。ダックスは合体を強く望んでおり、可愛かったしという。本当は合体を望んでいないことは感じていたというダックス。優秀だから選んでくれたじゃないのねという。なぜ選ばれたかはどうでもいいだろう、選ばれたんだからとクルゾンは言うが、ダックスは立ち上がり、私はクルゾンの尊敬を勝ち得ていない、このまま記憶を元に戻せば自分を尊敬できなくなってしまうという。それならこれから私が取ろうと決めた行動は、君のためにもなるということだなというクルゾン。クルゾンはこのままここにいるという。クルゾンだけではなく、オドーもそれを気に入っているという。私はこのまま戻らないといい、酒を飲むと笑うクルゾン。

※20: tranya TOS 第3話 "The Corbomite Maneuver" 「謎の球体」でベイロックが出したもの

シスコとダックスは、守護者に話を聞いている。オドーの協力がなければ、クルゾンの記憶を元に戻すことはできないという。ダックスは慣れるのに時間がかかるかもしれないが、命に別状はないという。シスコはクルゾンをよく知っているので話してみようというが、ダックスはいいわと断る。このままで構わないという。この方がいいかもしれないというダックスに、シスコは守護者に2人で話させてもらえないかという。うなずき、司令官室をでて行く守護者。本当にそのままでいいのかとダックスに聞くシスコ。クルゾンと対決するのを避けたいだけじゃないのかという。候補生のときはクルゾンに震え上がったと言っていたなというシスコ。尊敬しているからこそ逆らえないのかも知れないというダックス。シスコはクルゾンは大の親友であり、ある意味指導者でもあったという。だが自分勝手でわがままな男だったという。大目に見てしまうこともあったが、一線を越えてしまったときは対決せざるを得なかったというシスコ。そして過ちを指摘するという。そういう時クルゾンは笑ってすぐに認めることもあるが、激怒することもあった。しかし最後には間違いを認めてくれたという。今クルゾンがしているのはわがままだという。クルゾンと対決するか、見逃すかはダックス次第だとシスコは言うのだった。
クワークが一人で通路を歩いていると、いきなりロムにつかまれた。何をしたか知ってるというロム。何のことだ落ち着けと言うクワーク。ノーグが試験に落ちたのは、クワークがホロスイートの配列を変えたせいだとアイソリニアロッドを突き出すロム。ノーグのためを思ってやったというクワーク。人生を駄目にするのを見ていられなかったという。ロムはそんな権利はないといい、シスコに話して再試験をしてもらうことになったという。何だってと驚くクワーク。ロムはクワークに詰め寄り、もし今度邪魔したらバーに火をつけるという。俺には息子の幸せがラチナムよりずっと大切なんだといって、ロムは歩いていった。
ダックスはオドーの部屋にやってきた。クルゾンが入るように言う。液体の状態に戻るとどんなに開放感があるか、知らないだろうと笑うクルゾン。話があるというダックス。いいだろうとクルゾンは言う。記憶を返して欲しいというダックスに、それはできないというクルゾン。苦しいかもしれないが、お互いこの方がいいという。ダックスはあなたにはねという。私の記憶なのよという。君には元々その権利はなかったというクルゾンに、そこが違うと言うダックス。誰に恥じることもなく自分で権利を勝ち得た、一度失格しながら認められたのは私だけだという。クルゾンはかわいそうに思ったからだ、実力ではないという。じゃあなぜ私だけかわいそうだと思ったと聞くダックス。そんな口を聞くとはどう言うことだとクルゾンが言うと、脅かしても無駄よとダックスは言う。私はもう小さな女の子ではないのだと。クルゾンはため息をつき、君の言う通りだと言う。候補生だった頃も女の子ではなく、優秀な美しい女性だったという。クルゾンはダックスの顔に手を触れ、とてもきれいだといった。ダックスはまさか私に恋を、と聞く。最初は年老いた男のかかる一過性の病気だと思おうとしたというクルゾン。女好きだったからという。一緒に時を過ごす内にダックスへの気持ちは深まった。ならなぜあんなにきつく当たったのと尋ねるダックス。気付かれたくなかったとクルゾンは言う。それで失格にしたのねというダックスにうなずくクルゾン。だが君が望んでいることを断ち切ったと知ったとき、罪悪感から合体審査理事会を辞任しようと思ったという。そして再応募を受け入れた。助かったと思ったというクルゾン。これでよくわかっただろう、元に戻らない方がお互いのためなんだと言う。なぜ、愛していたからと聞くダックス。今も愛しているとクルゾンは言う。何も恥じることはないというダックスに、元に戻れば君も恥じるだろうと言う。ダックスはクルゾンの肩に手を置くと、恥じないわ、私も愛しているという。元に戻れば、ジャッジアとクルゾンは、ダックスを通じて人生を歩むことがことができる。クルゾンはダックスの手を握る。
ベシアとオブライエンはダーツをしている。シスコやキラもバーにいる。ノーグが来ます、とロムが伝える。ため息をつくクワーク。ロムが用意した制服を着たノーグが入って来た。ロムが嬉しそうに、艦隊の希望の星、息子のノーグだと紹介する。拍手する観衆。おめでとう、がんばったと声をかけるシスコとジェイク。まだ制服を着るのは早すぎるんじゃないかというシスコに、資格がないのはわかっているが父が用意してくれたのでというノーグ。来年は本物を着られるようになというシスコ。ジェイクも入試がんばれよとエールを送る。オブライエンはベシアにいう、今気付いたんだが、ノーグが艦隊を卒業すると階級が自分より上になると。笑うベシア。ノーグはやった、といいカウンターに。クワークが何にすると聞く。ノーグはルートビアー※21を注文する。アカデミーではみんな飲んでいるそうだ。クワークは、「ルートビアー…。フェレンギ文化もこうなっちゃもうおしまいだな」という。
オドーはダックスの姿を見つけると、ご一緒していいですかと席に座る。クルゾンと合体していたときにした失礼な振る舞いを謝りたいというオドー。いいのよ、あなたのせいじゃないというダックス。良かったと思っているという。今まで全然気付かなかった一面に気付くことができたしというダックス。素敵な贈り物をもらったという。ダックスはクルゾンが流動体生物だったときの記憶が鮮やかに蘇るといい、こんなに気持ちのいいことだなんて知らなかったという。オドーも人間の楽しみを初めて実感することができたという。食事、お酒、真夜中までトンゴを楽しむこと。私の体でよく飲んだり食べたりしたものだというオドー。クルゾンはなぜか何でもできるのよというダックス。大した人だったんでしょうねというオドーに、ダックスは今でもそうよ、と答えるのだった。

※21: root beer

・感想
ダックスの過去の本体(ホスト)について詳しく描かれる面白く、特にダックスのファンの人には欠かせない話でしょう。ただ、ジョランの下りは以前のエピソードを見ていないとわからないところです。ノーグはさらに一歩、艦隊へ入る道を進みました。ちなみにこの話では、主語の表記に困りました^^;


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