医療室ではドクターが忙しくしている。ジェインウェイにブリッジから通信が入り、ケイゾンの船がステーションに向かっているという。後を追うようにいい、ブリッジに戻るジェインウェイ。チャコティも船に戻るといいトレスもベッドから起き上がる。君たちは安静を必要とする、今動いたらどうなるか保障はできないというドクター。キムにここのクルーはいつもこうなのかと聞くドクター。わかりません、初の任務だからといいキムも出ていった。ため息をつき、また私をつけっぱなしで出ていったというドクター。
ジェインウェイは武器システムをオンラインにするように命じた。フェイザー砲、光子魚雷パワーアップ。警戒警報を発令するジェインウェイ。
ステーションには2隻のケイゾン船が近づいてきている。ケイゾンから通信が入り、スクリーンに出す。ステーションの動きを探りに来たのかというジャビンに、故郷へ帰りたいだけで、そのためにステーションの中にいる者と話がしたいというジェインウェイ。行かせられないというジャビン。ジェインウェイは邪魔はしないというが、ジャビンは俺たちの邪魔をさせないという。ステーションはもらうというジャビンに、ジェインウェイは落ち着くようにいうが通信を切られてしまう。武器を装填するケイゾン。ジェインウェイは話しても無駄ねという。相手は攻撃してきた。こちらもフェイザーを発射し、回避行動デルタ4をとる。
マキ船もケイゾンに応戦する。ジェインウェイから通信が入り、トゥヴォックと2人でステーションに入るという。ケイゾンを食い止められるか聞くジェインウェイ。チャコティは何とかやってみるという。頼むわといい、ジェインウェイはパリスに船の操縦を頼んだ。シグナルをロックオンしていつでも転送できるようにしておく。
ジェインウェイとトゥヴォックは納屋に戻ってきた。トリコーダーで調べ、壁の裏にコンピューターがあるというトゥヴォック。バンジョーの音が聞こえてくる。コンピューターに分析を頼むジェインウェイ。近づくと、あの老人がいた。恐れ入ったよ、粘り強い種族だという。ジェインウェイは元の場所へ送り返すように頼むが、管理者は不可能だという。自分の仕事をやり遂げる力も残っていないという。死ぬ前にパイプを壊そうとしたのはなぜかを聞くジェインウェイ。ケイゾンどもが水を盗みに来る、だがどのみち何年か経ってオカンパがエネルギーを使い果たせば終わりだという管理者。地上に出るしかなくなり、生き残ることはできなくなる。ジェインウェイはあなたがあの星を砂漠に変えてしまったの、償い切れない過ちとはそのことと聞く。管理者は、我々はよその銀河から探検に来て、あろうことか我々のテクノロジーが空気のバランスを変え、この星を砂漠にしてしまったという。2人が残り、オカンパ人を保護した。だがもう一人は見切りをつけて去っていった。ほかの星の者をさらって、病気に感染させたのはなぜと聞くジェインウェイ。病気で死んだのではない、死んだのは体が適合しなかったからだという管理者。銀河の隅々を探し、生体分子構造が自分と似ているものを集めたという。分身を作ろうと生体移植を試みたのだ。責任を引き受けオカンパ人を守るために、でも辛い役目だ、自分の子孫にしか託せないという管理者。ジェインウェイはオカンパを過保護にするのは止めて、自立させようとは思わないと聞く。彼らは子供だという管理者。子供は成長するもの、私も宇宙を探検したくさんの種族を見てきたというジェインウェイ。どの種族も困難を乗り越えていた、自分たちの力で乗り越えることこそ種族の進化につながるという。子供って、親が思うよりたくましいものよといった。ヴォイジャーのキムから連絡が入り、戦況という。
新たに巨大なケイゾンの船が現れた。攻撃をくらい、ヴォイジャーのブリッジにも被害が出る。援軍が来ましたというキムに、時間を稼いで、あと何分か持ちこたえてというジェインウェイ。全力を尽くすというキム。
ヴォイジャーは武器系統をやられている、やばいぞというチャコティ。こっちの武器じゃ、あの船に太刀打ちできないというトレス。体当たりだ、だが誘導システムがいかれてるから手動で操作するしかないといい、チャコティはクルーを全員ヴォイジャーに避難させるようにトレスに命じた。パリスにクルーを転送することを伝え、俺のシグナルをロックオンしておくように転送係にいってくれというチャコティ。これから派手なショーを見せてやるといった。了解するパリス。
ケイゾンの船に向かうマキ船。トレスがヴォイジャーのブリッジに来る。チャコティの船がケイゾン船に突っ込んでいく。今転送してやるぞとパリスはいうが、まだだというチャコティ。近づくマキの船。攻撃を浴びて火を噴く。限界だとパリスはいうが、チャコティは待てという。目の前に広がるケイゾンの船。ぎりぎりのところで、今だと叫んだ。転送される瞬間、船は衝突し大爆発を起こした。連鎖的に爆発を起こし、コントロールを失うケイゾン船。
転送室には無事チャコティが収容された。転送係の肩をたたき、ここにいるよというチャコティ。
トゥヴォックは連邦の宇宙域に戻るプログラムを発見したが、動かすのに時間がかかりそうだという。協力してというジェインウェイ。管理者は助けてやりたいが、時間がないという。ステーションの自爆プログラムを起動させたのだ。ここを爆破したら、私たちの帰る道はというジェインウェイ。ケイゾンの手に渡すわけにはいかない、後数分で爆発する、逃げろという管理者。
ダメージを受けたケイゾン船はステーションに衝突してしまった。ステーションの一部が吹き飛ぶ。納屋のホログラム映像が消えかかり、ついにコンピューターがその姿を現した。見ると、不定形をしたアメーバのような生命体がいる。あれが管理者かというトゥヴォック。ヴォイジャーに報告を求めるジェインウェイ。ケイゾンの船がステーションに衝突しました、無事ですかというパリス。大丈夫よ、待機してというジェインウェイ。今の衝撃で自爆プログラムがダメージを受けた、このままでは爆破できないと管理者はいう。何としても壊さなければならない、もしケイゾンにステーションを奪われたらオカンパ人を絶滅させてしまうと言いながら、管理者は小さくなっていった。跡には小さな固まりだけが残された。それを手に取って見つめるジェインウェイ。連邦の宇宙域に戻りましょうというトゥヴォック。我々が去ったら、オカンパはどうなるのかしらとジェインウェイは言う。トゥヴォックはオカンパ人を助けようと行動を起こせば、この星に干渉することになるという。それは艦隊の誓いに反する行動ですという。だけどもう関わってしまっている、見ぬ振りはできないとジェインウェイはいった。
ヴォイジャーは攻撃を受け続けている。ブリッジに戻ったジェインウェイは、トゥヴォックにトリコバルト弾※12の発射用意をさせる。ケイゾンにチャンネルを開く。引き上げたらどうだ、こちらはさらに援軍を呼んだというジャビン。警告する、直ちに安全圏に待避しなさいというジェインウェイ。ステーションを爆破しますという。できるものかというジャビンに、できる、見てなさいというジェインウェイ。通信を終えた。敵は攻撃を強化してきた。シールドは無事ですというキム。ジェインウェイはパリスに400キロの位置まで後退するように命じる。正気なの、ステーションを爆破したら帰る道がなくなるというトレス。皆故郷に愛する者を残してきている、私もよ、でも自分たちのためにオカンパ人の命を犠牲にはできないというジェインウェイ。帰る道はほかに探すという。どうやって帰るつもりよというトレスを止めるチャコティ。この人にみんなの運命を決める権利があるのというトレス。チャコティは彼女が艦長だといった。トリコバルト弾準備完了、安全圏に入った。ジェインウェイは発射させた。
発射された2発のトリコバルト弾により、アレイ型ステーションは爆発し、完全に粉々になった。その様子を無言で見つめるブリッジのメンバー。
艦長室。コンピューターのパネルには、ジェインウェイがマークとペットの犬と共に写った写真が映し出されている。パリスが入ってきて、お呼びですかという。あなたには悪いけど、チャコティ以下マキのメンバーをクルーに迎え入れることにしたというジェインウェイ。この状況ではそうするのが一番妥当でしょうという。じゃあ僕にボディガードを付けてくれますかというパリス。もういるじゃない、チャコティが自分の命はあなたのものだ言ってた、というジェインウェイ。パリスの身の安全はチャコティが保障してくれるそうだ。奴をしもべにできるわけだというパリス。だがジェインウェイは喜ぶのは早いといい、チャコティを副官に任命したことを話す。クルーは皆彼の指揮に入る、主任パイロットであるあなたもねというジェインウェイ。僕がと驚くパリス。今日付けでヴォイジャーの日誌に記録した、あなたを主任パイロットに任命します、トーマス・ユージン・パリス※13大尉というジェインウェイ。握手をし、おめでとうという。パリスは言葉が出てこないなんて初めてだという。期待している、お父様に報告できなくて残念ねというジェインウェイ。知らせますよ、地球に戻ったらといってパリスは部屋を出ていった。それと入れ替わりに、お話があるといってニーリックスがケスと一緒にやってくる。
水は十分積んでおいたわ、出発準備はできたと聞くジェインウェイ。ニーリックスは相談なんですが、俺たちも連れていってもらえませんかと頼んだ。悪いけどこの船は客船じゃないのというジェインウェイ。ケスはもちろんお客のつもりはないといい、ニーリックスはクルーにすれば役に立つという。あんたたちには俺みたいな奴が付いていないと、知らない星じゃガイドも必要だろ、物資が必要なら俺が調達してやるというニーリックス。顔が広いから何かと便利だ、料理もうまい、俺のアングラボスカは絶品だよという。ニーズをいち早くチェックして期待に添えるようにする、こんな便利な奴連れて行かなかったら後悔するよという。お願いします、皆さんのお手伝いがしたいんですというケス。ジェインウェイはうなずいた。
ジェインウェイはブリッジに集まったクルーの前で話を始めた。「我々は、この未知の宇宙に放り出されました。何人かの友人もできましたが、敵も作りました。これからどんな危険が待っているか想像もつきません。一つ確かなのは、生き抜いていくためには全員が力を合わせなければならないということです。そこでチャコティと私は双方のクルーを一つにまとめ、チームを作りました。デルタ宇宙域※14を旅する、唯一の連邦宇宙艦として艦隊の任務を遂行し、この未知の世界の探索を続けましょう。けれど最終目標はただ一つ、連邦の領域に戻るには最高速度でも75年かかってしまいます。でもほかにも道があるはずです。管理者のような存在がこの宇宙のどこかにいて、私たちを送り返す方法を知っているかもしれない。それを探すのです。もしくはワームホールや、帰るために役立つ新しいテクノロジーを探しましょう。希望を捨てず、旅を続ければ、必ず帰れるはず。」パリスにコースをセットするように命じる。「ふるさとへ。」ヴォイジャーはワープに入った。
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※12: トリコバルト (tricobalt) は、TOS第23話 "A Taste of Armageddon" 「コンピューター戦争」でトリコバルト (三コバルト) 爆弾 (tricobalt explosive) として出てきました
※13: Thomas Eugene Paris ミドルネームはスタートレックの創始者、ジーン・ロッデンベリー (Gene Roddenberry) にちなんで
※14: デルタ・クアドラント、デルタ宙域、デルタ象限 Delta Quadrant 銀河系を4つに分けた区画の一つ。連邦のほとんどの領域はアルファ宇宙域、クリンゴンやロミュランはベータ宇宙域、DS9のワームホールはガンマ宇宙域につながっており、ボーグはデルタ宇宙域出身です。TNG第56話 "The Price" 「非情なる駆け引き」のワームホールはデルタ宇宙域につながっていました
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