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ディープスペースナイン エピソードガイド
第62話「新・金儲けの秘訣」
Prophet Motive

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・イントロダクション
※1クワークは自室で、エミ※2に耳のマッサージをしてもらっている。もう一度言ってといわれ、セルフシールのステムボルト※3が100グロス在庫にあるというクワーク。ラチナムの延べ棒10本で全部売るというと、エミはとても喜んだ。それだけあれば工場の生産を3倍に伸ばせる、これから第11貨物室に行って契約を結ばないかと頼むエミ。エミの家族が来るのは1週間後なんだからまだ時間はあるというクワーク。フェレンギ人にしては珍しいことを言うといわれ、普通のフェレンギ人とは違うと答えるクワーク。チャイムが鳴り、頼んでいたソーリアンブランデー※4だとクワークは言うが入って来たのはロムだった。早くこの部屋を出るように言うロム。ステムボルトの話は後回しだ、もっと大事なことが起こったと言う。これ以上大事なことなんかないとクワークが言うと、ドンと杖を突く音をした。その杓を見て、グランドネーガス・ゼク※5だというクワーク。従者のメイハードゥー※6も出て行けと言うしぐさをする。エミにすぐに帰るように言うクワーク。ゼクはフードをかぶったまま部屋に入っていく。クワークが何のようだと言うと、兄貴の部屋に引っ越す気みたいとロムは言った。

※1: オドー役のレネ・オーバジョノー初監督作品です

※2: Emi (Juliana Donald) 種族不明

※3: self-sealing stem bolts DS9第15話 "Progress" 「第5の月“ジェラドー”」でジェイクたちが購入したもの

※4: Saurian brandy TOS第5話 "The Enemy Within" 「二人のカーク」はじめ、何度も登場

※5: グランドナーガス・ゼク Grand Nagus Zek (ウォーレス・ショウン Wallace Shawn)) フェレンギの最高指導者。DS9第27話 "Rules of Acquisition" 「フェレンギ星人の掟」以来の登場

※6: Maihar'du (Tiny Ron) 同じく "Rules of Acquisition" 以来


・本編
医療室で忙しく働くベシア。シスコに上級士官室に来るようにいわれ、ため息をつきながらもすぐに行くという。
部屋に入ると、大勢の士官たちが集まっていて歓声を上げた。ダックスはシャンパンを渡す。おめでとうというシスコに理由を尋ねるベシア。連邦医学審議会が今年のキャリントン賞※7候補を発表したという。ナイロビ大学のドクター・エイプリル・ウェード※8、ヴァルカン医学研究所のヒーラー・センヴァ※9、アルタイル4※10中央病院のドクター・アンリ・ロジェ※11、アンドリア※12のギー・ペトレル外科博士※13、そしてDS9の主任医療士官、ドクター・ジュリアン・ベシアだという。がんばれよと声をかける。自分の名前は予備審査にも上がっていなかったはずだとベシアが言うと、ダックスがクルゾンの古い友達を通じて推薦していたという。生体分子複製に関する研究は画期的なものだから当然だ、何のことかわからないけどというキラ。オブライエンに賞の最年少候補になった感想はと聞かれ、すごく嬉しいよとだけ答えると、仕事が残っていると言ってベシアはでていった。
なんて言って欲しかったんだとダックスに聞くベシア。惑星連邦で最も権威のある医学賞の候補に選ばれて感激です、と素直に言って欲しかったダックス。名誉には思っているというベシアにそうは見えなかったといい、みんなも喜んでいると話すダックス。絶対に勝てないというベシア。キャリントン賞受賞者の平均余命は5年から10年だといい、生涯医学の発展に貢献した人に贈られるものだからだという。ウェードは106歳だが、3年前に候補になったときには若すぎるということで落ちていた。大袈裟かもしれないがまだ若すぎる、70年後にノミネートされたら喜ぶだろうという。ダックスは驚いているけど感心もしてるという。発表までの3日間そっとしておいてと言われ、わかったというダックス。
起きて来たクワークは、レプリケーターにヤスデのジュース※14を注文する。部屋の中は散らかっている。空のボトルを見つけ、耳掃除中のロムを呼ぶクワーク。レプリケーターに入れるように言うと、ノーグの仕事だというロム。ノーグはおばあさん※15のところに帰省中だというクワーク。ネーガスに部屋を取られた以上、ロムの部屋は自分の部屋だ、片づけろという。しつこい歯磨きと耳掃除にはうんざりしているというクワーク。ふと持っていたボトルのラベルを見て、自分用にとっておいたアルデバランウイスキー※16であることに気付いた。近くにおいてあるノーグの好物のトリキシアンジュース※17を見て、これも自分の倉庫から持ち出したんだろうというクワーク。ほかにいろんなものもバーからくすねて来たんだろうとロムに言う。とにかく片づけだ、その後調べて持ち出したものの目録を作るという。絶対嫌だ、ここは俺の部屋できれいにしたいなら自分で片づけるように言うロム。こっちだって部屋に戻りたいというクワーク。ロムはクワークが夜遅くまで考え事をし、そのときぶつぶつ言うのが我慢できないという。クワークはあの部屋に住む権利がある、ゼクがステーションに住むにしろ別の部屋を探してもらおうという。そして立ち上がった。
クワークは元自分の部屋の前に来た。ロムも追いかける。ずっと部屋にこもって仕事をしているネーガスの邪魔をしていいのと聞くロム。クワークは代わりにロムに部屋に入らせる。ゼクお気に入りの自分とは違って眼中にないロムなら、失うものは何もないというクワーク。従者のメイハードゥーにびびったりするなよというと、チャイムを押して自分は隠れた。ゼクが出て来た。ひざまずき、お邪魔して申し訳ありませんとロムが言うとゼクは快く迎え入れた。いきなりクワークが出てきて、やはり出て来たかと耳をつかむゼク。2人に見てもらいたいものがあるという。
中は家具もなくがらんとしていた。仕事の邪魔になるから捨てたという。どういう仕事かクワークが聞くと、よく聞いてくれたといいメイハードゥーから本を取るゼク。この本こそわしの人生の輝かしい人生の勝利だという。クワークは受け取り、本を読み出す。それは、現代フェレンギ人のための「新・金儲けの秘訣」※18だった。金儲けの秘訣を書き直したんですかというクワーク。良く読んで楽しんでくれといい、部屋を出て行くゼク。どういうことかわかるかとクワークに聞かれ、また暗記し直さなければならないと答えるロム。クワークは違う、俺達がゼクの叡智を受ける最初のフェレンギ人ということだという。想像を絶するくらいに儲けられるというクワークに、自分の店も持てるかなと喜ぶロム。早く読んでとクワークを急かす。第1条を読むクワーク。「もし金を返せといわれたら、返すべし。」※19ロムは復唱し、驚いた。2人は泣いているメイハードゥーを見た。

※7: Carrington Award

※8: Dr. April Wade

※9: Healer Senva

※10: Altair IV SF映画、"Forbidden Planet"「禁断の惑星」に出てきた惑星。アルタイル星系については TOS第34話 "Amok Time" 「バルカン星人の秘密」にアルタイル6が登場など

※11: Dr. Henri Roget

※12: Andoria アンドリア人の故郷。呼称が出るのははじめて

※13: Chirurgeon Ghee P'Trell

※14: millipede juice

※15: DS9第69話 "Family Business" 「クワークの母」に登場する、イシュカのこと

※16: Aldeberan whiskey

※17: Trixian bubble juice 正確には「トリキシアン泡ジュース」

※18: 改訂版・獲得の掟 Ferengi Rules of Acquisition, Revised

※19: "If they want their money back, give it to them."


新・金儲けの秘訣を読みつづけるロム。第21条「金儲けを友情に優先させてはならぬ」、第22条「ラチナムはいずれ錆びるが、家族の絆は永遠なり」、第23条「金より人としての尊厳を求めるべし」。最後の条文を聞くクワーク。第285条「良き行いは見返りを期待せぬもの」。※20クワークはめまいを起こした。どうしてこんな本を書いたのか、わけがあるはずだという。これはきっとテストだ、俺達を試しているんだと言い出す。暗号かもしれないといい、1行ずつ最初の言葉だけ読んでみろと言うクワーク。つなげるとこうなった。「もし決して保たない儲け一つ良い笑顔、正直」。何の意味もないじゃないか、意味なしフレーズだという。光に当ててみたらどうだとか、本を叩いてみたりするクワーク。いきなり本の端をなめ始めた。だめだこれも違うというクワーク。ネーガスが正気じゃなくなったんだというロム。クワークはゼクは最高の知恵者で、今度そんな風にいったら許さないという。これは何か深い読みがあってのことに違いないという。10歩も20歩も先を読んでいる、アルファ宇宙域の全経済をフェレンギの支配下におくための策略なんだというクワーク。どうすればいいのというロム。できることは一つ、本は床において黙って出ていこうというクワーク。ゼクが教えてくれるまでは何も見なかったように振る舞うことにする。承知するロム。
クワークはまだ先ほどのフレーズを繰り返している。ゼクが店にやってきた。いきなり店の客に一杯おごるというゼク。理由を聞くと、みんな楽しくなれば自分も楽しくなるというゼク。きっと計画の一環なんだとささやくロム。クワークは客にドリンクのサービスです、グランドネーガスのご厚意ですと伝えた。喜ぶお客。丁度フーパイリアンの嗅ぎタバコ※21のいいのが入っているとゼクにいうクワーク。タバコを吸うのは止めた、原料のゴキブリがかわいそうだというゼク。さっき部屋にかわいい女の子がクワークを尋ねて来たという。エミですかと聞くクワーク。伝言をことづかった、ラチナムを積んで家族が船が到着したそうだというゼク。クワークは喜び、店をロムに任せ出て行こうとする。そうはいかんぞというゼク。契約したしというクワークにサインはしていないだろうといい、あの値段は法外だという。エミは承知したというクワーク。若い娘がお前にだまされるのを見ていられなかった、それで安くステムボルトを買う方法を教えてやったという。うろたえるクワーク。ステムボルトをどうすればいいんだといいながら、歩いていった。かわいそうですというロム。ステムボルトはそのうち売れる、適正価格ならというゼク。新しい生き方に慣れるのは時間がかかるといい、ロムを連れて行くゼク。メイハードゥーは、グラスの酒を一気に飲み干した。
ベシアとオブライエンは、倉庫でダーツ※22の勝負をしている。ダーツなんて久しぶりだというベシア。ラケットボールにするかいとオブライエンは言うが、ケイコがいなくなってから106ゲームもやったというベシア。腕が鈍ってるなといいながらダーツを投げる。キャリントン賞はウェードかペトレルだなというオブライエン。それを聞いたベシアは、ダーツを的から外してしまった。下馬評はその2人に集中しているというベシア。噂ではウェードは人望が厚いが、ペトレルの老化現象の研究も素晴らしいらしいねえ、どっちが勝つと思うと聞くオブライエン。どっちもふさわしいというベシア。僕が選べるなら君を選ぶけどねというオブライエン。ベシアは礼をいう。でもはっきり言ってベシアの受賞はないと言うオブライエン。優秀だが、連邦中の医者は言っているという。「ジュリアン・ベシアってどこのどいつだ」と。またも的を外すベシア。まったくだ、君のいう通りだというベシア。ところでケイコはいつまでベイジョーにいる予定なんだいと聞く。今度はオブライエンが外した。
救援物資はハイワープ貨物船で至急発送してくれ、コストはいくらかかってもいいとメイハードゥーにいうロム。周りではフェレンギ人たちが慌ただしく働いている。その部屋に入ってくるクワーク。どういうことだという。ゼクがこの部屋をフェレンギ慈善協会※23の本部にするというロム。

※20: "Never place profit before friendship."
"Latinum tarnishes, but family is forever."
"Money can never replace dignity."
"A good deed is its own reward." すべていつもの金儲けの秘訣の逆の意味になっています

※21: Hupyrian beetle snuff

※22: darts コンピューター採点方式?

※23: フェレンギ共済組合 Ferengi Benevolent Association


ロムの耳をつかむクワーク。話している暇なんてない、何しろフェレンギ慈善協会の第一管理人になったんだからというロム。こんなに恵まれない人がいるって知ってたと聞くロムに、すぐ店に戻らないとお前も恵まれない人の仲間入りだというクワーク。ネーガスの壮大な計画をお手伝いするというロム。素直なロムに新しい進化したフェレンギ人に変えてやろうといっているという。どんな風にと聞くクワークにそれはわからないと答え、新・金儲けの秘訣の中にあるという。ゼクはフェレンギ人を貪欲の向こうに導くといったというロム。何もない、儲けたい気持ちが最も純粋だというクワーク。「貪欲は死すべし」と第10条を引用するロム。違うだろう、第10条は「貪欲は永遠なり」※24だろうというクワーク。今は違う、ネーガスは今の社会を根底から覆すつもりでいるというロム。左右にお仕えするんだというロムにどういう意味だと聞くクワーク。クワークは慈善協会の共同議長に任命されていた。全ての文書はクワークの名前で出される。何も聞いていないぞというクワーク。協会が軌道に乗り次第、母星へ凱旋するつもりだというロム。想像してみなよ、聖なる市場※25の大階段の上から、新しい金儲けの秘訣が発表されるとき、ゼクの左右には俺達が控えているというロム。ということはネーガスが商いの塔※26のてっぺんから放り出されるときは俺達も一緒ということかというクワーク。フェレンギ同盟で一番高い建物だ。まさかというロム。ネーガスは絶対どこかおかしい、助けて差し上げねばというクワーク。そうしないとあの世行きだといった。
ベシアに検査を受けるゼク。年齢の割には素晴らしい健康体だという。粘液を分泌する膜が痛んでいるので嗅ぎタバコは止めた方がいいというベシアに、実はやめたというゼク。診断をつけるために手術をするでしょうというクワーク。悪いところは何もないというベシア。そんなはずはない、何かの病気なんだとクワークは言うが、ベシアは考えられる限りの検査は全部したという。ロムもクワークも火のないところに煙を立てるのが好きなんだというゼク。ベシアにお礼を言い、ベッドから降りようとするゼク。それを無理矢理止め、もっと検査してもらわないと困るというクワーク。これ以上しつこくいうなら君を検査するというベシア。安定室に入れてくれ、ネーガスが何をしでかすか心配だとクワークは言う。こんな医者が惑星連邦で五指に入る医者とは、俺に言わせりゃヤブだという。キャリントン賞は無理だとみんなが言うのも当然だという。ゼクに行きましょうといい、ドクター・ウェードに診察の予約を入れた方がいいかもしれないというクワーク。ナイロビは今ごろが1年で一番きれいなときだというベシア。ゼクは診療のお礼といってラチナムを手渡す。頂けないというベシアに、いらないなら福祉にでも寄付してくれというゼク。ベシアは受け取った。これでも病気じゃないというのかというクワーク。明日の夜のセレモニーに来てくれとベシアを誘うゼク。プロムナードのベイジョーの神殿で、ベイジョーのために贈り物をするという。内容は内緒だという。困っている人が多いのに時間がないといい、歩き出すゼク。
クワークとロムはゼクのシャトルに侵入しようとしている。やっぱりいけないというロム。何をベイジョーにやるのか調べるつもりのクワーク。そこへメイハードゥーがやってきた。慌ててドアの修理をしていたと弁解するクワーク。メイハードゥーは持って来た道具を作動させた。声を上げる2人。するとドアが開いた。中にはいり、2人に中に入らせるメイハードゥー。
コックピットには、ベイジョーへの贈り物が置いてあった。なんだいと聞くロム。それは行方不明になっている発光体※27の一つ、つまり預言者の涙だった。

※24: "Greed is dead." と、No.10 "Greed is eternal."

※25: Sacred Marketplace

※26: Temple of Commerce

※27: オーブ Orb これは Orb of Wisdom


これでわかった、全てこの発光体のせいなんだというクワーク。探り当ててみせるという。メイハードゥーに突っ立ってないで何か言えというクワーク。うろたえるメイハードゥーに、気持ちはわかるというクワーク。箱を開けようと叩くロム。中身は入っていないのかもしれないと言う。馬鹿な真似はよせといい、箱を取り上げるクワーク。その拍子にふたが開き、クワークは光に包まれた。
クワークは回転するダボテーブルの上にいた。ロムやメイハードゥー、モーンの名を呼ぶ。カウンターの上に座ったゼクが酒を飲んでいる。事態を把握できないようだなというゼク。グランドネーガスと呼ぶと、かもしれんといいゼクの姿は消えた。いきなり後ろに現れ、クワークを回転させるゼク。気がつくとカウンターに座り、目の前には発光体の箱が置いてある。ふたを開けるクワーク。光の中にゼクの顔が浮かび、答えを探しているのか、耳たぶに下がっている答えが見つけられんぞという。あわててふたを閉めると、ゼクは2階から話し掛けて来た。賢いと評判のお前はどうした、それとも恐怖でまともに考えられないのかという。また消え、頭上に現れる。世の中のためになら死んでも良いと思わないかというゼク。信じてついてくればいいといい、2階から飛び降りるゼク。クワークが受けとめると、それは箱だった。再びカウンターに座り、ナイスキャッチというゼク。それがなぞ解きの楽しいところだ、時には答えが空から降ってくることがあるという。開けてみろと言われ、クワークは再び箱を開けた。中には新・金儲けの秘訣の本。店にいつのまにかいるたくさんの客が拍手し、わしからの贈り物だというゼク。クワークはそうか、わかったぞといった。再び光に包まれる。
ふたを閉じるロム。無事かいと声をかける。贈り物、新・金儲けの秘訣のことだというクワーク。フェレンギの民への贈り物かいというロム。違う、ゼクへやつらがプレゼントしたんだというクワーク。やつらがゼクを変えたクワークに、なんてひどいやつなんだとロムは言う。ところでやつらってと聞く。預言者だ、ワームホールの中にすんでいる生命体だというクワーク。やつらの仕業だろう、ちゃんと話せよとメイハードゥーに詰め寄る。フーパイリア人※28の従者は主人にしか口をきかないんだからと止めるロム。ハンカチでもかしてやれといい、ゼクの日誌を調べ始めるクワーク。
ネーガスの日誌によれば、あの発光体はカーデシア3※29で手に入れたもので、その後まっすぐワームホールに向かった。ワームホールの中に数分いただけでコースを変え、ここに来ているという。ゼクの日誌にはこうかいてあるというクワーク。「われらの未来は、とてもまぶしく光り輝いているように見えた。」ワームホールの生命体は時の流れを見通せるため、未来を見せてもらいに行って来たんだというクワーク。前もって全銀河系の経済がどう変化して行くか見ようとしたんだという。そうすれば金儲けに失敗しないというロム。じゃあどうして金儲けの秘訣を書き直したのと聞く。どこかで予定がずれたんだろう、でもこの俺が元に戻してやるというクワーク。一つ考えがあるというと、ロムが俺も手伝うのかいと聞く。別にと答えるクワークに安心したというロム。
パッドを持ち考え込んでいるベシアの席に、オドーが同席する。教えておきたいことがあるというオドー。艦隊情報部に知り合いがいて、その知り合いの友達のいとこの奥さんに連邦医学審議会のメンバーの秘書がいるという。その雇い主の情報をお知りになりたいだろうと思って参上したというオドー。キャリントン賞を受賞するのはドクター・ウェードじゃないそうだという。君もかというベシア。その情報が本当だとしても、喜ぶのはペトレルだろうという。ペトレルは人気はないと、オドーは友達の友達から聞いた話をする。ウェード以外なら誰が勝ってもおかしくないという。受賞できるとは思ってないというベシア。じゃあなぜ受賞の演説なんか書いているんですとオドーは聞いた。なんでわかったと聞くベシア。勘ですよと微笑み、オドーは席を離れた。
部屋のコンピューターの前で一人取引相手と話をするゼク。ゼクに近づくものがいる。何か用かのというゼク。来たのはクワーク、ロム、メイハードゥーの3人だ。メイハードゥーは、いきなり袋をゼクにかぶせた。
メイハードゥーが担いでいる袋の中でゼクは鼻歌を歌っている。クワークはゼクが心配になり、声をかける。案ずるな、お前のしたことは許すというゼク。クワークは病状は深刻だという。
そのまま、シャトルの席に座らせる。勇気があるよ、俺も一緒に行きたいけどというロム。シャトルから出ていった。泣くメイハードゥーも追い出し、クワークはすべてうまくいきますとゼクに言い、シャトルを操作し始めた。

※28: Hupyrian

※29: Cardassia III


シャトルはワームホールに入った。クワークはゼクを袋から出す。ゼクは特に腹を立てている様子もなく、クワークの耳をつかみお前はなぜか憎めないという。どこへ連れて行くのか聞くゼクに、ワームホールへと答えるクワーク。揺れつづけるためどうなってるんですと聞く。前来たときもそうだった、ワームホールの生命体は楽しい人たちだがプライバシーを重んじるというゼク。クワークはどうやってコンタクトしたのか聞く。ベイジョーの発光体の箱を開ければいいというゼク。再び大きく船が揺れた。急いでやれ、このシャトルは安物だからフィールドは長く持たないというゼク。クワークは箱を開けた。
真っ白な空間にいるクワーク。シスコ、キラ、エミ、ダックス、ロム、ベシア、メイハードゥーの姿。誰かいませんかというクワーク。ベシアが物質的な存在だという。ここで何をしているんですと聞くクワーク。肉体的な生命体ねというダックス。また別のが来たというキラ。クワークは彼らがワームホールの生命体、預言者※30であることに気付く。シスコがよこしたのかと聞く預言者。クワークはどう関係あると聞く。シスコは物質的生命の存在、言語によるコミュニケーションと直線状時間を教えてくれたという。シスコのことではなく、ネーガスのことを話し合いに来たというクワーク。俺と同じ姿をしたフェレンギ人だと説明すると、ゼクのことという預言者。ゼクはゲームが終わる前にゲームの結果を知りたがったという。それからどうなったんだとクワークは聞く。最初はゼクの頼みごとがわからなかった、シスコは物質的生命にとって直線状時間は重要だといったという預言者。ゼクは直線状時間の制約を超えて未来を知りたがった。未来がわかれば多くを得られるというクワーク。ゼクは得るという行為の重要性を語った。しかしその考え方は好戦的だ、好ましくないという預言者。野蛮な存在が許されているなんて到底信じられないという預言者に、いいところもあるというクワーク。預言者はゼクの性質は他人を脅かすものだ、攻撃的で良くないという。そして過去のフェレンギ人を調べ、太古の昔のフェレンギ人は今ほど攻撃的な性格ではないことがわかったという預言者。まさかネーガスを大昔のフェレンギ人に戻したのかというクワーク。預言者は今ほど攻撃的でなかった頃の存在に変えたという。なんてひどいことを、ゼクは何十億人ものフェレンギ人の経済的指導者だというクワーク。今すぐ元に戻すように頼む。この存在も好ましくないという預言者。同じ処置をしないと、好ましい性質にという。クワークは儲けようとするのは悪いことじゃないという。ゼクもそう主張したという預言者。当然だ、物質的存在には共通点があり、その重要な一つが向上心だという。それが人間を物事に向かわせるエネルギーだと語るクワーク。向上心がなくなれば、つまり貪欲でなければ一日中ごろ寝しているという。働かず、風呂に入らず、食べ物も取ろうとしなくなる。そうすれば飢え死にだ、それを望んでいるのかというクワーク。ワームホールに閉じこもってるからいいのかもしれないが、全銀河の物質的生命が絶滅しても構わないのかいというクワーク。その議論は飛躍し過ぎだ、お前の性質を変えても絶滅するとは限らないという預言者。ちょっと大袈裟に言い過ぎたというクワーク。預言者は性質を変えてもとの民族に送り返そうと言う。この民族とは接触を避けた方がいいという。フェレンギ人と接触したくないのは構わないが、俺の性質を変えたら接触を避けることにはならないというクワーク。俺達は好奇心旺盛だ、性質が変わればみんな不思議がり、ワームホールに押しかけてくるという。クワークはしかしその反対に自分はそのままでネーガスも元に戻してくれたら、フェレンギ人は二度とワームホールに近づかないことを保証するといった。これでどうだというと、言語によるコミュニケーションは退屈だという預言者。全くだ、だからこのまま返してくれた方がとしゃべっているとき、クワークは再び光に包まれる。
箱を閉めるクワーク。ゼクがクワークの名を呼ぶ。大丈夫かと聞く。何とか、ネーガスこそご無事でというクワーク。ゼクは下らないことをいってないでステーションに戻れ、ベイジョーに発光体を売りつけに行くという。今売るって言いましたと聞くクワーク。ゼクは絞り取れるだけ絞り取ってやると笑った。そういえば嗅ぎタバコをどこへやったと聞く。クワークは元のネーガスだと喜び、抱き付いた。服がしわになるだろうというゼク。それでこそネーガスだといい、クワークはシャトルを操作し始める。
モニターでは、キャリントン賞の発表が行われている。候補者が読み上げられる。ベシアの名が呼ばれ、拍手するクルーたち。そして受賞者は、ドクター・アンリ・ロジェだった。がっかりするみんな。何でロジェなんかというオブライエン。また次があるわよと元気付けるキラ。また3、40年したらというベシア。ベシアに声をかけ部屋を出て行く士官たち。冷静に受け止めてるじゃないのというダックスにベシアは見かけだけだよ、冷静なもんかという。だと思ったわというダックス。
くしゃみをするゼク。クワークにチャリティ資金はどうなったと聞かれたら、わからないと答えるようにいう。新・金儲けの秘訣は焼き捨てただろうなと聞く。クワークはうなずき、ロムはもう僕の頭の中にしか残っていないという。何とロムに言うゼク。クワークはご心配なく、1週間もすれば忘れますという。忘れろよというと同時に鼻をかむゼク。メイハードゥーはハンカチを返し、ゼクについてエアロックに入っていった。助けてもらったのにお礼も言わないなんて信じられないというロム。必要はない、ネーガスなんだからというクワーク。ただこれだけ苦労したのに全然儲けにならなかったのが悔しいという。大丈夫だよ、兄貴の分も稼いでおいたからというロム。フェレンギ慈善協会でゼクのために積み立てられた金を、第一管理人だったロムは自分たちのものにしていた。驚いたと聞くロム。やったな、親父も喜ぶというクワーク。2人は肩を組み、笑いながら歩いて行った。

※30: Prophets DS9第1・2話 "Emissary" 「聖なる神殿の謎」以来の登場。その時と同じように、人の姿を借りて話しています


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