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ヴォイジャー 簡易エピソードガイド
第53話「レディQ」
The Q and the Grey

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・イントロダクション
宇宙空間。恒星が一瞬暗くなったかと思うと、明るく輝き爆発した。スクリーンをみて歓声を上げ、拍手するジェインウェイたち。すばらしいというチャコティに、想像していた以上だわというジェインウェイ。何かもうほんと、ワーオというニーリックス。トゥヴォックに向かって、なあヴァルカン君、そうとしか言えないだろ、ワーオともう一度いう。ミスター・ニーリックス、君の言葉にならない感動表現はともかくとして、魅惑的だったことは確かだというトゥヴォック。船が軽く揺れた。衝撃波です、気圧は 90キロパスカルと報告するキム。予想より 30%高めだ。トム、通常エンジン全開で後退して衝撃波をかわしてちょうだいというジェインウェイ。みんなにおめでとうをいわなきゃ、艦隊史上超新星※1の爆発を目撃したのは 2組だけだという。そして 3組目がこの爆発で、距離は 100億キロメートル以下、これは記録ですと喜ぶキム。シャンパンはどこと聞くジェインウェイに、何も用意してないんですけどというニーリックス。いいのよニーリックス、いってみただけというジェインウェイ。艦長が呼んでくださったおかげで、もっと星のことを勉強したくなりましたというケス。クルーなら誰でもブリッジで星を観察できる、ホログラムもモバイルエミッターをつければ、だが医療室の方が面白いぞというドクター。2人はターボリフトに乗って戻っていった。ジェインウェイはトレスにシールドの消耗度を尋ね、7%以下ですと答えるトレス。チャコティに早速炭素転化数値の分析にかかりましょうというジェインウェイに、14時間連続勤務でしょう、休まれてはというチャコティ。分析結果はハリーと一緒に調べて明日の朝までに報告するという。じゃあ明日の朝 7時にといってブリッジを離れるジェインウェイ。
自室に戻ったジェインウェイは、赤いシーツのかけられたベッドを見て驚く。周りにはキャンドルも灯されている。ジェインウェイは保安部に連絡を入れ、侵入警報と伝えた。ルームサービスならいいんだよ、キャシー、もう頼んだからという声。Q※2だ。ガウンを着ている。シャンパンが飲みたかったんだろうという Q。ジェインウェイはもう一度侵入警報と伝えるが、通じない、電話のフックは外しておいたという Q。第一、邪魔が入るのは嫌だろうという。何をしているのというジェインウェイに、Q は我々にと言ってグラスを差し出した。「我々」はいないわというジェインウェイ。夜はこれからだ、それにこのシーツ、サテンだよといって撫でる Q。出てってちょうだい、このベッドも持っていってとジェインウェイはいうが、艦隊支給の安っぽいシーツで寝るなんて冗談じゃない、私は敏感肌なんだという。ならサテンのシーツで寝てちょうだい、あなた一人でというジェインウェイ。なあキャシー、そんなに意地を張らないで、認めろ、会いたかったんだろといってジェインウェイを抱き寄せる Q。もう当分会いたくないわ、でてってというジェインウェイに、固くならないで、もっとリラックスできる服に着替えたらどうといい、Q はジェインウェイの制服を薄いドレスに変えた。こんな子供っぽい手口で私を誘惑できると思ってるなら、あなたは病的なうぬぼれ屋だわというジェインウェイ。離れようとするが、Q はジェインウェイを腕に収めて顔を近づけ、わかってるよ、一夜の快楽が目当てだと思っているんだろうという。それは私の真意を知らないからだ、全ての銀河の中の、全ての種族の中の、全ての女性の中から、私は君を母親に選んだんだよ、私の子供のと言った。

※1: supernova

※2: Q
(ジョン・デ・ランシー John de Lancie) VOY第34話 "Death Wish" 「Q1, Q2」以来の登場。声はもちろん、おなじみの羽佐間道夫氏


・あらすじ
ジェインウェイにしつこく迫る Q。その場はあしらったものの、Q はヴォイジャーのクルーの前に現れてきたため、ジェインウェイは Q の真意を突き止めるように通達を出す。子供が欲しい、家庭を築きたいとジェインウェイに話す Q。そこへ女性の Q が現れた。
そのレディQ は Q と一時期 (約40億年) 付き合っていたといい、連続体へ連れ戻しに来たと話す。その時ブリッジでは、超新星になる星が次々と報告されていた。Q のせいらしい。だが Q はジェインウェイと共に去り、レディQ も追って消えた。衝撃波に襲われるヴォイジャー。ジェインウェイは Q連続体へ来ていた。しかし前回とは違い、アメリカの 19世紀風にアレンジされている。Q は連続体が危機にあると話し、外を見せる。闇の中に燃え盛る、いくつもの炎。Q連続体は内戦状態にあったのだ。
以前ヴォイジャーで自殺したクインの思想を受け継いだ Q が、個人主義を唱えて仲間を集め先導した結果だった。戦火は拡大し、銀河中に重大な影響を及ぼしている。先ほどの超新星だ。Q はジェインウェイとの間に子供をもうけることで新種の Q を作り、連続体全体を生まれ変わらせようとしていた。攻撃は続き、Q は怪我をしてしまった。ヴォイジャーではレディQ がまだ残っており、さらに Q としての能力を失っていた。彼女の助けを借り、ヴォイジャーで連続体へ向かうことにする。Q への攻撃は激しさを増し、ジェインウェイは Q を連れて逃げ出した。
味方の野営地へたどり着いたジェインウェイたち。子供を作ることを決心したか尋ねる Q に対し、ジェインウェイはレディQ と子供を作るべきだと勧める。新しい Q を作るためには、自分で教育することが必要だと。Q 同士で子供を作った前例がないという Q だが、ジェインウェイは白旗を掲げ、敵地へ乗り込んでいった。レディQ は連続体へ入るには超新星へ向かうことが必要だといい、彼女の指示でシールドを強化したヴォイジャーは恒星へ向かった。爆発が起こる。敵地へ着いたジェインウェイは停戦を求めた。相手も停戦を求めていたが、それは Q の死刑によってというものだった。協力者とされたジェインウェイも捕まる。
2人は処刑台へつながれた。銃が構えられ、発砲される。しかしジェインウェイたちへではなかった。自由主義運動のメンバーと、そしてヴォイジャーのクルーが応援に来たのだ。ジェインウェイと Q は助け出され、双方とも停戦した。そして Q とレディQ は子供を作った、2人の指を数秒合わせることによって。クルーは元のコースにあるヴォイジャーに戻され、超新星の兆候もない。ジェインウェイが作戦室に入ると、そこには可愛い息子を連れた Q がいた。そのうち子守りを頼むかもなといい、幸せそうな Q は息子と共に姿を消した。


・用語解説など
チャコティのセリフ「現在地点から 0.2光年先です」 は、0.02光年の間違い

レディQ
Q女性 Q female
(スージー・プラクスン Suzie Plakson TNG第32話 "The Schizoid Man" 「コンピュータになった男」のセラー (Selar)、第46話 "The Emissary" 「愛の使者」などのケーラー (K'Ehleyr)、ENT第41話 "Cease Fire" 「戦場の絆」のタラー (Tarah) 役) セリフ中では "female Q" と言及。声:小宮和枝、DS9 キラ、TNG ケーラー、映画ST6 ウフーラ (旧) など
(大佐Q)
Q colonel
(Harve Presnell) 相手側の Q の代表。声:辻親八、TNG・DS9 オブライエン、TNG第45話 "Manhunt" 「魅せられて」のホム、映画ST6・ジェネレーションズのチェコフなど
(子供Q)
Q child
(双子の Donahue)

(ロミュラン女帝)
Romulan empress
訳出されていません
シリリアのバクテリア
シリリアン細菌 Cyrillian microbe
Qのセリフ "I could have chosen a Klingon targ, the Romulan empress, a Cyrillian microbe." →「その気になればよりどりみどりだよ、クリンゴンにロミュラン、シリリアのバクテリアだって。」 targ (ターグ) はクリンゴンの動物、TNG第6話 "Where No One Has Gone Before" 「宇宙の果てから来た男」に登場
(ドレイビアの)愛のソネット
Drabian love sonnet
「ドレイビアの」は訳出されていません
チョコレート(トリュフ)
chocolate truffle
「トリュフ」は訳出されていません
クイン
Quinn
VOY "Death Wish" より
ベータ・タキオン
beta-tachyon
反陽子
antiproton
亜原子粒子。VOY第31話 "Threshold" 「限界速度ワープ10」など
(Q自由主義運動)
Q freedom faction

・感想
前回の続きにあたる Q の話でした。TNGでは Q の話で続いているのはなかったので、新鮮味はあります。連続体の状況を南北戦争に喩えちゃうところが、良くも悪くもアメリカだなぁという気がしますね。Q の新たな設定が続々と出て来て楽しめます。


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