7試合戦って7戦全勝だ、どんな伝説の英雄でもこうはいくまいというマートク。伝説の英雄は痛がりませんといい、ベッドに座るウォーフ。ベシアが診察する。連邦士官として暮らすうちに謙遜が身についたか、しかし何も謙遜する必要はないとマートクは喜ぶ。帝国に戻った暁には、詩人キーデラ※11に頼んで勇敢な君を称える歌を書いてもらおうと話す。僕にも贈ってくださいというベシアに、君の詩も入れてもらおう、傷を癒し戦士に活力を与えた、素晴らしい名医だというマートク。歌の最後が牢獄からの脱出で締めくくられればいいんですがね、ジェムハダーの戦士を倒してもそれが自由につながらないなら何の意味もないというウォーフ。新しい脱走計画を考えようというベシア。だがそんな必要はありませんといって、寝ていたガラックが起きあがった。最初の計画で行きます、作業はあともう少し、びびってパニックを起こしたカーデシア人が歌の中に出てきたら興醒めですからねという。それはそうだなというマートクにうなずくガラック。では失礼します、仕事がありますのでという。再びベッドの横の隔壁が開けられる。最も恐ろしい敵は、自分の中の恐怖心だというマートク。立ち向かうには勇気がいるというウォーフ。
DS9の医療室。偽ベシアが一人でいる。オブライエンが入ってきて、チュパー※12中尉は来なかったと聞く。クリンゴン人の、今帰ったよ、それほどひどい火傷じゃなかったという偽ベシア。追いかけなきゃ、クリンゴンのパワーリレーシステムが皆目わからない、こんな調子じゃ修理が間に合わないというオブライエン。君にならできるよという偽ベシアに、そりゃまたありがたいお言葉でというオブライエン。ケイコと子供たちはどうしたと聞かれ、無事にベイジョーに着いた、でもモリーが心配だ、何かおかしいとわかる年だし、不安そうだったという。何も心配する必要はないさ、ところで新しいデュリディウム合金※13のダーツのセットを2つ注文しておいた、来週届く予定だという偽ベシア。戦争が始まるって時にそんなことを考えられるなというオブライエンに、人生は続くからね、それにきっとすべてうまくいくような気がするという。だといいなといい、オブライエンは出て行った。
ジヤルのところに、クワークが料理を運んでくる。ヤモックソース※14がけ新鮮なアスパラガス※15だ。これが最後のアスパラガスだ、ジェムハダーがステーションを占領したら人間の食べるものは売れなくなると愚痴をこぼすクワーク。それは悲観的すぎるんじゃないというジヤル。そうかい、ジェムハダーは飲まないし食わないしセックスもしないというクワーク。ジェムハダーだけじゃない、創設者もだ、ここだけの話商売の先行きが明るいとは思えないという。そう暗くもない、ヴォルタ族はちゃんと普通に食べるし飲むしセックスもするというジヤル。それは考えなかった、ヴォルタ族の好きなものはなんだろうというクワーク。
司令官室から出てくるシスコ。いいニュースだ、ギルフーリー提督の特殊部隊がベイジョー領内に入ったという。でも焼け石に水かもというキラに、ああというシスコ。
捕虜収容所。呼び出しておきながら、こう待たせるとはというウォーフ。つわものぞろいだが、名誉というものを知らん奴らだというマートク。イーカティカとデヨスがやってきた。私と闘おうという部下はいないのかというウォーフ。デヨスはあれだけ闘ってきたのに、まだ闘うのかと呆れる。飽きたりしないのかねと聞かれ、私は飽きませんと答えるイーカティカ。お前は闘うように作られているが、こいつは名誉のためだけに闘うんだぞというデヨス。あなたは名誉をわからない方ですからとデヨスに言い、覚悟はいいか、今日の相手は手強いぞとウォーフに言うイーカティカ。どこにいると聞くウォーフに、お前の目の前だと言った。「勝利こそわが命」というイーカティカ、「今日は死ぬにはいい日だ」というウォーフ。
ガラックを待つベシア。見張りをするロミュラン。ただ座っているだけのブリーン。作業を行っているガラックは、テイン、私の声が聞こえますか、もし聞こえたら聞いてくださいという。あなたはいい父親とは言いがたかったが、本当に今生きてくれたらと思いますという。そうしたらあなたに代わってもらえたのにというガラック。
ウォーフはこれまでの闘いの疲れで、イーカティカに押され気味だ。倒れてしまう。
ジェムハダーよというロミュラン。ガラックを出す時間はない。ベシアは壁を叩いて、ガラックに合図を送った。カーデシア人はどこにいるというジェムハダー将校※16。外でしょ、いませんよというベシアを、その部下が銃で殴った。床に倒れるベシア。外にはいなかったというジェムハダー。部屋を探し始めた。何とか立ち上がり、ガラックに何の用ですと尋ねるベシア。奴は死刑に決まったというジェムハダー。ガラックは密室の中で、息を潜めている。部下※17が、壁を開けるのに使っていた道具を発見した。隊長に渡す。命が惜しければ、説明してみろとベシアにいうジェムハダー。
DS9司令室。ヤーテム※18が定位置につきましたというキラ。配置完了。シスコはキラとダックスに、ディファイアントで出動するように命じた。幸運を祈るというシスコに、大佐にもというキラ。シャトルの展開を命じるシスコ。
シャトル発着場から姿を現すシャトル。オブライエンから通信が入り、シャトルユーコン※19出発の準備をせよ、リオグランデとヴォルガ※20は待機せよと伝える。ユーコン準備完了というユーコンのパイロット。だがそれは、女性の声を作り出している偽ベシアだった。エンジンを始動する偽ベシア。周りには倒れた数人の士官がいる。幸運を祈るというオブライエン。シャトルは発進した。
オブライエンはタキオンの巨大な蓄積を探知した。全方角だ。船団が姿を現す。連邦※21とクリンゴン艦隊の中に姿を現したその船は、ウォーバードの船団だった。ロミュランだというシスコ。艦隊に参加する許可を求めてきた。驚いた、もちろん歓迎するというシスコ。そこへキラから通信が入り、たった今ドミニオン・カーデシア連合艦隊がベイジョー領内に入ったことを探知したという。遭遇は10分後だ。
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※11: Keedera
※12: Ch'Par
※13: duridium alloy 訳出されていません
※14: yamok sauce カーデシアのもの。DS9第15話 "Progress" 「第五の月“ジェラドー”」など
※15: asparagus VOY第5話 "Phage" 「盗まれた臓器」でも
※16: (Barry Wiggins VOY第50話 "Future's End, Part I" 「29世紀からの警告(前)」にも登場)
※17: (Don Fischer 映画「ファースト・コンタクト」のボーグ役)
※18: Y'tem バードオブプレイの名前
※19: U.S.S. Yukon ダニューブ級、NCC-74602。DS9第87話 "Sons of Mogh" 「モーグの息子たち」でも
※20: U.S.S. Volga ダニューブ級、NCC-73196。DS9第97話 "Body Parts" 「クワーク、絶体絶命」でも
※21: エクセルシオール級が2隻、そのほかミランダ級の姿も見えます
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