だがオドーはシャトルに戻る気はなかった。命令だとキラが言っても、オドーはこれから職務を放棄するという。ここにいたら死んでしまうと言うキラ。オドーはそんなことはわからないでしょう、死ぬにしてもキラを見捨てたりはしないという。地震の続く中、逃げるように何度も言うキラ。それでもオドーは従おうとはしない。なぜよというキラ。オドーは言った、「それは少佐を、愛しているからです」と。そしてオドーは、とうとう言ってしまったといいその場に座り込んだ。そしてキラもオドーを愛していると言った。キラを見つめるオドー。
シスコは司令官室にノーグを呼んだ。推薦状のことだがというシスコ。ノーグはもちろん書いてもらえるつもりだが、シスコは希望に添えないという。別にノーグが悪いことをしたわけではないがアカデミーは無理だ、ラチナムをもって、帰れと言うシスコ。話を聞いてくださいとノーグが言っても、シスコはアカデミーについていくのは無理だ、学問や規律も厳しく2週間も持たないだろうという。努力しますと言うノーグ。だがシスコは信用できない、お遊びでアカデミーを受けられたら自分の信用にも関わるという。本気だと言うノーグ。シスコが何か企んでいるならあきらめろというが、何も企んでいないという。生まれて初めて人生の目標ができたというノーグ。フェレンギ人が、なぜ宇宙艦隊に入りたいんだと聞くシスコ。ラチナムを手に取り、どんな儲けが目的なんだという。儲けなんかどうでもいいというノーグ。シスコはノーグの肩をつかみ、それなら何が目的だと聞く。なぜそこまでして士官になりたいんだというシスコ。ノーグは一生を父みたいに終わりたくないからですといった。ロムは金儲けのために生きて来たが、結果はゼロだ。それは金儲けの才がないからだ、僕にもないけどというノーグ。「金儲けできないフェレンギ人は、フェレンギ人とは言えない」。金儲けの秘訣第18条※15だ。ロムは機械にかけては天才で、場が与えられれば宇宙船の技術チーフだって務まるというノーグ。だがフェレンギ人だから商売を始め、失敗ばかりだ。ロムの生きがいはいつかクワークのバーを自分のものにすることだけだという。そして同じ間違いを繰り返したくないというノーグ。生きるに足る人生を送りたいという。自分は金儲けの才はないが、ロムからは機械いじりの手と、クワークからは粘り強さを受け継いでいるというノーグ。必ず艦隊の役に立つからチャンスを与えて欲しいと頼む。シスコは少し考えてから、いいだろう、チャンスをあげようと答えた。推薦状を書いてくれるんですかと喜ぶノーグ。明日の朝一番に推薦状を送っておくというシスコ。なんてお礼を行ったらいいのかと抱き付こうとするノーグに、礼を言うのは早い、これからが大変だというシスコ。絶対後悔はさせませんといい、手を差し出すノーグ。2人は握手をした。
キラはオドーにもう1時間も口を聞いてくれないのねという。オドーはキラの後ろの壁を調べながら、少し考え事をしていたという。キラは今まであなたへの気持ちを隠してごめんなさいと謝る。早く打ち明けていれば運命は違っていたかもしれないという。それを聞くとオドーは、ああと言った。どうして笑ったりするのと聞くキラ。オドーはなんでこういうことになったか分かったと言う。偶然にしてはできすぎじゃないかということが多すぎたと言う。マキの逃亡者がわざと誘い込んだのというキラ。オドーは逃亡者が撃って来たと言う場所に立ち、身長は私ぐらいと聞いた。もっと小さかったと言うキラ。オドーは少しかがみ、キラはそのぐらいだけど何の関係があるのと聞く。オドーは重要だと言い、この位置から撃ったとすれば壁にあるフェイザーの跡は、キラにさえぎれられて見えないという。壁に当たる前にキラに当たっているはずだというオドー。そこじゃなかったかもしれないというキラ。オドーはそれともあなたが嘘をついたかという。これで2回嘘をついたわけだとオドーは言う。キラはどういう意味なのという。最初はマキに撃たれたということ。そして私を愛してるというのも嘘だという。愛してるわというキラ。それは嘘だといい、私は人間の心理を分析することには自信があるという。キラを3年見て来たが、私に対して恋愛感情を持っているとは思えないという。好意はあり、強い友情もあるが愛はねというオドー。そういえばあなたを喜ばせようと、その言葉を聞きたいだろうと思ってというキラ。またも嘘ですねといい、私の知っているキラなら、私との友情を大事に思っているからそういう嘘はつかないという。そしてオドーはフェイザーを取った。説明させてというキラ。オドーはその前に正体を現せ、キラ少佐をどうしたんだとフェイザーを向けた。キラは不気味に笑い、そして液体の姿になると女性の可変種の姿になった。あの創設者のリーダーの女性※15だ。よく見破った、尋問にかけては素晴らしい腕を持っていると誉めるリーダー。あなたの変身技術も見事ですというオドー。あなたも学ばなくてはというリーダーに、それよりキラはどこですと聞く。近くにいますというリーダー。リーダーはマキに化けていたのだ。オドーはどうやってマキの船を手に入れたのかを聞くが、何もかも教えるわけにはいかないという。オドーはキラに化けた理由を聞く。また地震が起こる。リーダーはなぜオドーが固形種と暮らすことを選んだのか、その理由を知りたかったという。キラと関係があるとは思っていたが、やはりそうだったという。キラが死んだと思わせ、固形種との絆を断とうとしたのだ。でもあなたがたの元へは戻らないといい、キラはどこにいるのか聞くオドー。リーダーは可変種が同胞を撃つことはありえないという。ありえないと思いますかと銃を近づけるオドー。リーダーはキラはここから200メートル南にいると教え、でも助けてどうするのと聞いた。キラに愛されることはない、あなたは可変種なのよという。そしてリーダーは転送されていった。
キラは箱の中で眠っているキラを助け出した。キラはどうしたの、何があったのと聞く。オドーは急いでシャトルに戻りましょうといい、キラと共に脱出した。
エアロックから出てきながら、キラはオドーにどうしても分からないことがあるという。創設者がオドーを取り戻したいとして、なぜ私に化けたのかしらというキラ。たまたまシャトルにいっしょに乗っていたからでしょうというオドー。シスコでもベシアでも良かったという。どうして偽者だと見抜けたか聞くキラ。オドーはミスを犯した、キラなら言わないようなことを言ったからだという。何てと聞くキラに、大した事じゃないと言うオドー。口を滑らせたんですと言った。
クワークはノーグに、そんなことは絶対許さないという。甥が宇宙艦隊に入ったりしたら家名は泥塗れだといい、文句を言おうとするノーグに俺が駄目と言ったらだめだと言う。それはひどいというロム。すっこんでろとクワークは言うが、ロムは店のことはクワークが好きなようにしていいが、息子のことは俺が決めるという。ならお前から言ってやれと言うクワーク。ロムはノーグに向かって、がんばれよ、艦隊の士官なんて鼻が高いやと言った。正気じゃねえやとつぶやくクワーク。ノーグは喜びロムと握手をすると、この父にしてこの子ありと言うのだった。
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※15: No.18 "A Ferengi without profit is no Ferengi at all."
※16: 名前のない、Founders Leader。DS9 第47・48話 "The Search, Part I & II" 「ドミニオンの野望(前)(後)」以来の登場 (サロメ・ジェンズ Salome Jens TNG 第146話 "The Chase"「命のメッセージ」の、40億年前の種族役)
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