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ディープスペースナイン エピソードガイド
第60話「可変種の定め」
Heart of Stone

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・イントロダクション
宇宙暦48521.5※1。キラとオドーはカーデシア境界に最も近い植民地、「預言者の地」※2の保安体制を視察し、帰途についている。キラはベマー保安チーフ※3との打ち合わせのことなどをオドーに尋ねるが、オドーの返事は簡単で、冷たい。怒ってるのと聞くキラ。何をいっても一言しか答えないからだ。別にいいんですというオドー。ただ、アヴェスタ知事※4がオドーとキラを自宅に呼んでくれたとき、キラが断ったことを話す。行きたいかどうか聞いてくれなかったことがオドーには不満だったのだ。食べないし、知らない人とのパーティーは嫌いじゃないというキラ。オドーは一応気持ちを聞いて欲しかったという。キラは次からはあなたに断ってもらうという。感謝するというオドー。キラは笑った。その時リセピアンの補給船※5から亜空間通信が出ていることをキャッチする。マキに攻撃されたようだ。長距離センサーは改造されたペレグリン級※6の案内船のサインを探知した。乗員は一人。マキはペレグリン級の船を使う。キラはその船を追うことにし、シャトルはワープに入った。
※1: 吹き替えでは、「48621.5」と誤訳

※2: Prephet's Landing

※3: Bemar

※4: Avesta

※5: Lissepian supply ship DS9 第15話 "Progress" 「第5の月“ジェラドー”」など

※6: Peregrine-class


・本編
その船は、ペレグリン級の船にしてはスピードが速い。早く追いつかないとバッドランドに逃げられてしまう。しかしプラズマフィールドの干渉のために見失ってしまう。キラはセンサー域を広げ、干渉を除去するように言う。船は近くの衛星の一つに着陸しようとしていた。追いかけるように言うキラ。オドーは船が故障しているらしいという。干渉のため、転送でロックオンすることもできない。着陸しようとするとき、再び見失ってしまった。着陸したかどうかは衛星の大気のため不明だ。私たちも着陸するしかないわねというキラ。
司令官室のシスコにオブライエンから通信が入る。シスコに面会希望者がいるというオブライエン。それはノーグだった。急用だというノーグ。通せというシスコにノーグは喜ぶ。司令官室に入って来たノーグは、面会を許可してくださってありがとうございますといい、握手をする。そしてプレゼントがあるといってもってきた包みを渡し、開けるようにいう。シスコが開けると、中にはたくさんのラチナムの延べ棒が。ノーグは昨日フェレンギの成人式※7を終え、大人になったという。おめでとう、でもそれとどう関係があると聞くシスコ。フェレンギ憲法附則※8、第105節第10項によれば、「成人したあかつきには、フェレンギの男子は尊敬する人物の徒弟とならなければならない」というノーグ。つまりシスコの弟子になり、フェレンギ初の連邦の士官になりたいとノーグは言った。制服をもらうにはどうすればと聞くノーグに、まずはアカデミーに入らなければいけないとシスコは言う。手続きをというノーグ。だがそう簡単にはいかず、非連邦市民の場合は入学試験を受けるのにも、中佐以上の士官の推薦状が必要になる。もちろんシスコでもいいが、考えておこうとシスコは言う。感謝しますといい、最後にまた握手をするノーグ。ラチナムを忘れ物だぞとシスコは言うが、ノーグは感謝の印として差し上げるというと部屋を出ていった。
キラとオドーは衛星内の洞窟を進んでいる。大気のイオン化により、トリコーダーは役に立たない。オドーは壊れた船と地表の気象条件を考え、逃げるなら洞窟しかないと判断した。ふいに地震が起こり、3回目だというキラ。まだこの衛星は不安定なのだ。入り組んでいるし、地震も起こっているため長居はしたくないというキラ。二手に分かれて進むように提案する。20分で逃亡者が見つからなければあきらめようという。連邦刑務所の方がずっとましだ、自分から出て来た方が利口だというオドー。2人は一旦別れた。
オドーが探索を続けていると、雑音交じりでキラから通信が入った。罠にはまって動けないというキラ。オドーはすぐに向かった。
オドーが戻っていくとキラの呼ぶ声がする。来てくれて良かったというキラ。岩の上に腰掛けている。嘘みたいだけど足が抜けないというキラ。岩の間に挟まれてしまったようだ。オドーが岩に手を振れようとすると、その岩はまるで生きているように膨らみ、大きくなった。オドーは足が水晶のようなものに囲まれ、成長しているとキラに言った。

※7: Ferengi Attainment Ceremony

※8: Ferengi By-Laws


また地震が起こった。オドーは足を引っ張ったり、ブーツを脱いだりするように言うができない。足の感覚がなくなってきていると言うキラ。オドーは近くにあった石で水晶を叩き始める。しかし石の方が砕けてしまった。キラは笑い出す。この状況でどうして笑えるんでしょうかというオドー。誰も水晶に捕まるなんてこっけいだというキラ。次はフェイザーで撃つことにする。いい案とは思えないというオドー。足を吹き飛ばして、ベシアに一生恩を着せられるかもしれないことなら心配いらないというキラ。オドーに下がるようにいい、水晶を撃つ。だが水晶は余計に大きくなり、足の半分くらいまで覆ってしまった。フェイザーのエネルギーを吸収したようだ。再び地震が起こる。オドーはコミュニケーターでメコンに通信を取り、2人を転送するように言う。だが干渉が大きく連絡は取れない。オドーは歩いてシャトルに戻り、転送で収容するしかないという。オドーはキラを残していくのが心配だが、キラはどこにも行かないでいい子にしているからと笑う。歩いていくオドー。その後ろ姿を見つめるキラ。
ノーグは機械の修理をしているロムの手伝いをしている。クワークがやってきた。どうしてそんなにのろいんだという。ノーグはレプリケーターが全部おかしくなっているから時間がかかるという。週に一度はレプリケーターを休ませて点検しないと全体がだめになってしまうといっただろというロム。クワークはそうなる「かもしれない」とは聞いたという。ノーグが忠告を聞かなかったからだろとクワークに言うと、ロムはいいんだという。この店で何か問題が起こったときは、ロムのせいということになっている契約だというクワーク。レプリケーターが直らなければ損害は給料から引くといい、クワークは出ていった。ロムは倉庫から部品を取ってくるといって歩いていった。ため息をつくノーグ。
店にジェイクが入って来た。ノーグに声をかけ、どうしたんだという。昼飯なら1時間後に来てくれというノーグ。ジェイクはもう食べてきた。そして今朝シスコに言ったジョークには笑ったという。艦隊に入るということだ。ノーグがジョークではないというと、白を切るつもりかと笑うジェイク。ジェイクはシスコにも冗談だといっていた。ノーグは怒り、シスコのところに行って訂正してこいという。ジェイクは謝り、まさか本当だとは思わなかったという。ジェイクも初耳だったからだ。なぜ急にというジェイクだが、ノーグは事情があるとしか言わない。友達には隠し事をしないものだというジェイクだが、ノーグは自分の問題なので他人には言いたくないという。ジェイクはわかったといって、親父は頭が切れるから何か企んでるならやめておけと忠告する。ノーグは何も企んでいない、本当に艦隊に入りたいという。話がそれだけなら早く帰れといい、ジェイクは出ていった。
メコンに戻ったオドーは、座標をロックオンしキラを転送させようとする。しかし実行できない。大気がイオン化しているためだと説明するコンピューター。パターン拡大機を使ってもできない。イオンフィールドの中で転送する方法を尋ねても、ないと答える。オドーはDS9へ緊急信号を送るように言う。しかしそれも大気の干渉でできない。通信探査機を打ち上げ、大気を脱出させ座標を定期的に発信させることにするオドー。打ち上げ準備完了。だが理想的な条件でDS9が信号を受信するのは約2日後という答えだった。オドーはため息をつく。
オドーがキラのところに戻っている途中、フェイザーを発射する音が聞こえて来た。キラのところに着くと、フェイザーをもっていた。逃亡者が出てきて、撃って来たので撃ち返したというキラ。奥に逃げ込んでいったという。キラの後ろのくぼんでいる壁を確かめるオドー。だがお互い命中していない。ギリギリですよというオドーだが、今日はついているとキラは言った。


シスコとベシアは歩きながら、ヴィリックスプラン少尉※9の異動について話している。異動を申し出た理由として、ベシアは彼に発芽が始まっており、後1ヶ月で固体化が完了するため有害物質に触れる恐れのある環境から外したかったと説明する。妊娠したのかというシスコ。ベシアは双子だといい、オブライエンと二人でお祝いの会を開くつもりだという。贈り物としてオブライエンは孵化用の池を作り、ベシアはガラックにベビー服を仕立ててもらっているという。私ものるぞというシスコ。
仕事中のノーグだが、シスコを見ると近寄る。推薦状のことを考えてくれたか尋ねるが、まだだと答えるシスコ。アカデミーにふさわしい人間となると、ノーグを一番に推す気にはなれないという。フェレンギ人だからというノーグ。シスコは違うといい、評判や学校の成績もあまり良くなく、オドーと何度かもめごとを起こしたという。それは認めるが、がんばるから一度チャンスを下さいとノーグは言った。
シスコはダックスを司令官室に呼んだ。第12貨物室の資材の目録が欲しいというシスコ。先週やったばかりだというダックスだが、シスコはもう一度やるように頼む。ダックスは部下にやらせるという。シスコはやらせて欲しい人物がいるといい、ノーグだという。ノーグがと聞き返すダックス。フェレンギ人が艦隊にいたら面白いとは思ってたけどという。あまり希望はもっていないが、却下するにしてもチャンスを与えてからにしたいとシスコは言う。ダックスは第12貨物室には重要な機材が収納されているという。アシスタントという名目で部下を2人ほど付けるように提案するが、シスコは一人でやらせてみたいといった。
既に水晶はキラの下半身を覆うまでに成長していた。分析さえできればというオドーだが、トリコーダーが動かないため無理だ。やつめ、これ以上ないという星に逃げ込んだというオドー。できすぎているという。でも必ず助け出すとオドーは言った。キラはあとどれくらいもつかしらという。成長のスピードからすると12時間後には覆われてしまうと言うキラ。また地震が起こり、それとも洞窟ごと崩れるかとキラは言う。必ず水晶を砕く方法があるとオドーが言っても、12時間以内にわからなければおしまいだというキラ。オドーは艦隊保安部から送られてくる犯罪レポートに目を通したことはあるかと尋ねる。あまりないと答えるキラ。数ヶ月前に読んだもののなかから、レミル6※10で起きた押込み強盗の話をするオドー。その惑星の住民は建物に一種の水晶を使っている。ところが中央博物館に強盗に入ったノーシカン※11は、超音波発生装置を使って水晶に共鳴振動を起こし、建物を破壊したのだ。そしてオドーはシャトルの共変発信機を使えば、間に合わせの超音波発生装置が作れるかもしれないという。周波数さえわかれば共鳴させ、破壊することができる。オドーは部品を取りに戻っている間、フェイザーをもって待っているようにキラに言う。なるべく早く戻るといい行こうとするオドーに、キラは今度から犯罪レポートにも目を通すようにするという。
貨物室。ダックスはノーグに、コンピューターにエラーが出て目録がなくなってしまったと説明している。そして目録を作り直して欲しいそうだという。この貨物室全部を、一人でと聞くノーグ。ダックスは艦隊の仕事は宇宙を探索したり外交したりするだけではなく、地味な仕事も多いという。いつまでに終わらせればいいんですかと聞くノーグに、明日の朝までにと答えるダックス。今夜中に終わらせてみせますというノーグ。明日の朝でいいのよとダックスが言っても、これから取り掛かるとノーグは言う。ダックスはパッドを渡して出ていった。早速作業を始めるノーグ。
さらに水晶は成長している。オドーは機械を使って共鳴周波数を見つけようとしている。あとどれくらいで周波数を見つけられるキラは聞くが、オドーは答えられない。数時間かなという。もう少し早くしてもらえないというキラ。オドーは明日の夜までにはステーションに戻ってみせるという。オブライエンと約束をしているからだ。気が紛れるからその約束について話をするように頼むキラ。オドーはオブライエンと共にカヤック※12で川下りをするつもりだという。冗談でしょと笑うキラ。川下りは楽しいというオドー。今までにも2回やっていて、初めてのときに暇だったからOKしたのがきっかけだったという。キラはオドーとオブライエンが一緒のボートに乗っているところを想像できないという。オブライエンはその間ずっと歌っているという。昔の舟歌で、オブライエンが気に入っているのはルーイルーイというものだ。まさかオブライエンが川下りをするなんて思わなかったというキラ。オブライエンは仕事と家族サービス以外には急流下りが一番好きで、エンタープライズにいたころからの趣味らしいとオドーはいう。何時間かかるのと聞くキラ。やる時間は転覆した回数によって変わるという。難しいプログラムで、オブライエンは今までに6回も肩を脱臼してしまった。なぜやめないのかしらというキラに、好きだからでしょうというオドー。人間を観察してわかったが、好きなことにはあきらめが悪いという。キラはオドーがいてくれて良かったという。私もいて良かったというオドー。その時、再び洞窟が揺れ出した。今度は今までにない強さで揺れている。オドーと呼ぶキラ。

※9: Ensign Vilix'pran どういう種族なんでしょうか…

※10: Remmil VI

※11: Nausicaans TNG 第141話 "Tapestry" 「運命の分かれ道」に登場した、狂暴な種族

※12: kayaking


オドーはドーム上に身体を変化させ、落石からキラを守った。揺れが収まり、人間の姿に戻る。発生装置は無事だが、まだ周波数を発見することができない。今ぐらいの揺れが2回も来たら洞窟が崩れてしまうというキラ。オドーはそんなことにはならないから大丈夫だといい、もっとひどい状況から助かったこともあるんですからという。キラはそうかしら、これほどひどいのは初めてだわという。オドーはそれはそうかも知れないが、予想していた反応と違ったなという。オブライエンから貸してもらった探偵小説では主人公が、もっとひどい時だって乗り越えて来たんだからなというとオドーは話す。相棒はいつも賛成する。そんな本読んだこともないというキラ。こんなときに相手を元気付ける決まり文句は何ですかとオドーが言っても、決まり文句なんて虚しいだけだとキラは言う。それより現実を見据えて次へ進まないとねという。私もそう思いますとオドーが言うと、だから私たちは気が合うのよとキラは言った。あきらめちゃだめだ、絶対に私はあなたを助け出してみせるとオドーは言う。
シスコはパッドを見ながら、ノーグがここまでやるとはと驚いている。ダックスは本当に素晴らしい仕事ぶりだと誉める。目録を5時間で作り上げてしまった。一人でやったのかは確かかと聞くシスコ。内部センサーの記録では、ノーグの作業中に誰も外から入った者はいないとダックスはいう。クワークの倉庫で働いているうちに覚えたんだろうなといい、貨物室にあった機器はちゃんと揃っているかと尋ねる。ノーグは盗むどころか、ダックスが見逃していたものまで見つけてくれた。シスコはやる気があればできることはわかったが、なぜ艦隊に入りたいんだろうという。もちろんそれはダックスにもわからない。
オドーはあらゆる共鳴振動スペクトルを試したのに水晶にはあわないため、苛立っていた。まるで水晶が構造を変えているみたいだというオドー。水晶はキラの首のところまで成長しており、キラはしゃべるのも苦しそうだ。何とかしてあげたいがというオドー。キラは何でもいいから話してと頼む。そして、オドーの名前の由来を聞かせてという。オドーは面白いかもしれないといって話し出す。ドクター・モラ※13がオドーを連れて来たときには、カーデシアの占領下にあった。カーデシア人の監督が見てすぐに分かるように、標本には全てカーデシア語で書かれたラベルが張られていた。だがオドーが何者であるかは誰もわからなかったため、モラは標本に「未知の標本」と書き込んだ。そしてそれを監督が翻訳したのが「オドーイタル」※14。そしてオドーイタルとは、何ものでもないというのが本来の意味だと説明するオドー。オドーが知的生命体であるとわかっても、ベイジョーの科学者たちは名前を変えなかった。ベイジョーの名前のようにオドー・イタルと2つに分けるようになり、短くなったのが今の名前の「オドー」だった。再び激しい地震が起こる。オドーはそれから名前を呼ばれるたびに、何ものでもないという意味を思い起こさずにいられなかったという。家族も友達も故郷もない、これ以上ふさわしい名前はないと思ったという。だがキラや、シスコ、ダックス、そしてクワークたちと出会ってから、オドーと呼ばれても心が痛まなくなったという。キラは涙を流し、何も言わなかった。オドーは面白い話にしようと思ったのにと言って謝る。キラはとても面白かったといった。超音波発生装置も使い物になりそうもない。ほかに水晶を砕くアイデアはとキラは聞くが、あればいいのにとしかオドーは言えない。超音波で砕けるはずなのに何かが変なんだと言うオドー。そしてキラは、オドーだけで逃げるように言う。洞窟はもうもたないし、マキの逃亡者も逃げられない。オドーにはできることはないというキラ。行けないというオドーに、キラは上官としてオドーに逃げ出し、シャトルで脱出するように命令する。従いなさいと言うキラ。そして苦痛の声を上げるのだった。

※13: モーラ・ポル Dr. Mora Pol DS9 第32話 "The Alternate" 「流動体生物の秘密」に登場した、オドーを研究した博士

※14: odo'ital


だがオドーはシャトルに戻る気はなかった。命令だとキラが言っても、オドーはこれから職務を放棄するという。ここにいたら死んでしまうと言うキラ。オドーはそんなことはわからないでしょう、死ぬにしてもキラを見捨てたりはしないという。地震の続く中、逃げるように何度も言うキラ。それでもオドーは従おうとはしない。なぜよというキラ。オドーは言った、「それは少佐を、愛しているからです」と。そしてオドーは、とうとう言ってしまったといいその場に座り込んだ。そしてキラもオドーを愛していると言った。キラを見つめるオドー。
シスコは司令官室にノーグを呼んだ。推薦状のことだがというシスコ。ノーグはもちろん書いてもらえるつもりだが、シスコは希望に添えないという。別にノーグが悪いことをしたわけではないがアカデミーは無理だ、ラチナムをもって、帰れと言うシスコ。話を聞いてくださいとノーグが言っても、シスコはアカデミーについていくのは無理だ、学問や規律も厳しく2週間も持たないだろうという。努力しますと言うノーグ。だがシスコは信用できない、お遊びでアカデミーを受けられたら自分の信用にも関わるという。本気だと言うノーグ。シスコが何か企んでいるならあきらめろというが、何も企んでいないという。生まれて初めて人生の目標ができたというノーグ。フェレンギ人が、なぜ宇宙艦隊に入りたいんだと聞くシスコ。ラチナムを手に取り、どんな儲けが目的なんだという。儲けなんかどうでもいいというノーグ。シスコはノーグの肩をつかみ、それなら何が目的だと聞く。なぜそこまでして士官になりたいんだというシスコ。ノーグは一生を父みたいに終わりたくないからですといった。ロムは金儲けのために生きて来たが、結果はゼロだ。それは金儲けの才がないからだ、僕にもないけどというノーグ。「金儲けできないフェレンギ人は、フェレンギ人とは言えない」。金儲けの秘訣第18条※15だ。ロムは機械にかけては天才で、場が与えられれば宇宙船の技術チーフだって務まるというノーグ。だがフェレンギ人だから商売を始め、失敗ばかりだ。ロムの生きがいはいつかクワークのバーを自分のものにすることだけだという。そして同じ間違いを繰り返したくないというノーグ。生きるに足る人生を送りたいという。自分は金儲けの才はないが、ロムからは機械いじりの手と、クワークからは粘り強さを受け継いでいるというノーグ。必ず艦隊の役に立つからチャンスを与えて欲しいと頼む。シスコは少し考えてから、いいだろう、チャンスをあげようと答えた。推薦状を書いてくれるんですかと喜ぶノーグ。明日の朝一番に推薦状を送っておくというシスコ。なんてお礼を行ったらいいのかと抱き付こうとするノーグに、礼を言うのは早い、これからが大変だというシスコ。絶対後悔はさせませんといい、手を差し出すノーグ。2人は握手をした。
キラはオドーにもう1時間も口を聞いてくれないのねという。オドーはキラの後ろの壁を調べながら、少し考え事をしていたという。キラは今まであなたへの気持ちを隠してごめんなさいと謝る。早く打ち明けていれば運命は違っていたかもしれないという。それを聞くとオドーは、ああと言った。どうして笑ったりするのと聞くキラ。オドーはなんでこういうことになったか分かったと言う。偶然にしてはできすぎじゃないかということが多すぎたと言う。マキの逃亡者がわざと誘い込んだのというキラ。オドーは逃亡者が撃って来たと言う場所に立ち、身長は私ぐらいと聞いた。もっと小さかったと言うキラ。オドーは少しかがみ、キラはそのぐらいだけど何の関係があるのと聞く。オドーは重要だと言い、この位置から撃ったとすれば壁にあるフェイザーの跡は、キラにさえぎれられて見えないという。壁に当たる前にキラに当たっているはずだというオドー。そこじゃなかったかもしれないというキラ。オドーはそれともあなたが嘘をついたかという。これで2回嘘をついたわけだとオドーは言う。キラはどういう意味なのという。最初はマキに撃たれたということ。そして私を愛してるというのも嘘だという。愛してるわというキラ。それは嘘だといい、私は人間の心理を分析することには自信があるという。キラを3年見て来たが、私に対して恋愛感情を持っているとは思えないという。好意はあり、強い友情もあるが愛はねというオドー。そういえばあなたを喜ばせようと、その言葉を聞きたいだろうと思ってというキラ。またも嘘ですねといい、私の知っているキラなら、私との友情を大事に思っているからそういう嘘はつかないという。そしてオドーはフェイザーを取った。説明させてというキラ。オドーはその前に正体を現せ、キラ少佐をどうしたんだとフェイザーを向けた。キラは不気味に笑い、そして液体の姿になると女性の可変種の姿になった。あの創設者のリーダーの女性※15だ。よく見破った、尋問にかけては素晴らしい腕を持っていると誉めるリーダー。あなたの変身技術も見事ですというオドー。あなたも学ばなくてはというリーダーに、それよりキラはどこですと聞く。近くにいますというリーダー。リーダーはマキに化けていたのだ。オドーはどうやってマキの船を手に入れたのかを聞くが、何もかも教えるわけにはいかないという。オドーはキラに化けた理由を聞く。また地震が起こる。リーダーはなぜオドーが固形種と暮らすことを選んだのか、その理由を知りたかったという。キラと関係があるとは思っていたが、やはりそうだったという。キラが死んだと思わせ、固形種との絆を断とうとしたのだ。でもあなたがたの元へは戻らないといい、キラはどこにいるのか聞くオドー。リーダーは可変種が同胞を撃つことはありえないという。ありえないと思いますかと銃を近づけるオドー。リーダーはキラはここから200メートル南にいると教え、でも助けてどうするのと聞いた。キラに愛されることはない、あなたは可変種なのよという。そしてリーダーは転送されていった。
キラは箱の中で眠っているキラを助け出した。キラはどうしたの、何があったのと聞く。オドーは急いでシャトルに戻りましょうといい、キラと共に脱出した。
エアロックから出てきながら、キラはオドーにどうしても分からないことがあるという。創設者がオドーを取り戻したいとして、なぜ私に化けたのかしらというキラ。たまたまシャトルにいっしょに乗っていたからでしょうというオドー。シスコでもベシアでも良かったという。どうして偽者だと見抜けたか聞くキラ。オドーはミスを犯した、キラなら言わないようなことを言ったからだという。何てと聞くキラに、大した事じゃないと言うオドー。口を滑らせたんですと言った。
クワークはノーグに、そんなことは絶対許さないという。甥が宇宙艦隊に入ったりしたら家名は泥塗れだといい、文句を言おうとするノーグに俺が駄目と言ったらだめだと言う。それはひどいというロム。すっこんでろとクワークは言うが、ロムは店のことはクワークが好きなようにしていいが、息子のことは俺が決めるという。ならお前から言ってやれと言うクワーク。ロムはノーグに向かって、がんばれよ、艦隊の士官なんて鼻が高いやと言った。正気じゃねえやとつぶやくクワーク。ノーグは喜びロムと握手をすると、この父にしてこの子ありと言うのだった。

※15: No.18 "A Ferengi without profit is no Ferengi at all."

※16: 名前のない、Founders Leader。DS9 第47・48話 "The Search, Part I & II" 「ドミニオンの野望(前)(後)」以来の登場 (サロメ・ジェンズ Salome Jens TNG 第146話 "The Chase"「命のメッセージ」の、40億年前の種族役)



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