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ディープスペースナイン エピソードガイド
第96話「星に死の満つる時」
The Quickening

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・イントロダクション
※1パネルを開け、コンピューターを調べているオブライエン。独自の暗号プログラムを使って、通信システムにアクセスしたみたいですという。許せないというキラ。何かご用ですかと、クワークがオドーに連れられてきた。お前が一番よくわかっているはずだとクワークに言うオドー。キラは思い出させてあげるといい、モニタを写すように命じた。すると「クワークの店」という文字と共に、映像と音楽が流れる。「みんなおいで、クワークの店へ。走れ!」クワークも口ずさみ、いい歌でしょ、みんな店に押し寄せるという。通信システムの妨害は第3級犯罪に値するというオドー。クワークは店の宣伝がしたかっただけだ、司令部へは流していないという。判事にいった方がいい、罰金の金額をいくらか考慮してくれるだろうからなというオドー。ウォーフがやってきた。クワークに向かって、貴様と指差す。今取り込んでるんですと奥へ逃げるクワーク。どんな手を使ったんだという。ディファイアントの食堂で、レプリケーターにプルーンジュースを注文したらといって、コップを見せ付けた。それにはやはり、クワークの写真と宣伝が書いてある。そしてかたむけると、あの歌が流れ出した。キラはクワークの胸ぐらをつかみ、ガンマ宇宙域のパトロールから戻るまでに全システムから広告を消しておくように言う。じゃないと店に行って何するかわからないというキラ。クワークはオブライエンにお手伝いするといって、早速取りかかり始めた。
ガンマ宇宙域に入るシャトル。新型センサーのスキャン分析はすばらしいとオブライエンが言っていたというベシア。軌道上から惑星上の生態調査ができるという。それはいい、ガンマ宇宙域のパトロールなんかうんざりと言うキラ。ベシアは宇宙の未知なる星々に近づける大事なチャンスだ、一つ一つ回りたい気だという。ジェムハダーの基地にまで行くつもりじゃないでしょうねというキラ。ベシアはいつもより星の輝きが明るい気がするといい、ダックスはベシアがいつもより正気を失った気がするという。キラはガヴァラ星系※2へコースをセットした。
しばらくすると、緊急シグナルをキャッチした。攻撃を受け、大規模な被害、死傷者多数だという断片的な内容だ。通過する船に助けを求めている。ダックスはテプラン星系※3内のどこかの星から発信されているという。そこはドミニオンの領域の外側だ。ジェムハダーに気を付けないとといい、コースを変更するキラ。
地表に転送されるダックスとベシア。そこは廃虚のように荒れ果ててが、人々が生活していた。子供もいる。2人を珍しそうに見つめる住民たち。みんな服は汚れ、貧しそうだ。何が起きたんだというベシア。そこへ一人の女性※4が体を震わせながら、助けてといって倒れた。顔中には赤いみみずばれがある。その女性はここで死ぬのは嫌、トレヴィアン※5のところへという。ダックスが探しに行く。ベシアは痛み止めを女性に注射した。そこへ一人の男、エプラン※6が近づき、この星の者じゃないなという。ブライト※7という病気だ、発病したら死ぬという。自分の星へすぐ帰ってここのことは忘れろというエプラン。そして立ち去った。

※1: 監督はオドー役のレネ・オーバージョノーです

※2: Gavara system

※3: Teplan system

※4: (Heidie Margolis)

※5: トレヴィーン Trevean

※6: Epran (Dylan Haggerty)

※7: Teplan blight 通称 blight


・本編
ダックスが戻ってくる。痛み止めを打ったが効果がない、自分たちとは生理機能が違うから二次感染する危険はないようだというベシア。ダックスは病院へ連れていってくれるという人を見つけたという。よく見つけた、無愛想な奴ばかりに見えるのにというベシア。ダックスはヘアクリップをあげたという。そこには嬉しそうに髪を留めている女性がいた。
そこにはたくさんの患者がいた。ここが病院と驚くダックス。係員※8が急患※9だといい、早くトレヴィアンのところへ連れて行くように部下に命じる。ダックスたちによそから来た人ですねといい、心配いらないから我々に任せて下さいといい歩いて行く係員。ここへ来てから顔に傷のない人間をまだ一人も見てないとベシアにささやくダックス。病院の中にいる男性や女性も、先ほどの女性と同じく傷が赤くなっていた。奥から男※10が出てきた。すると中にいたタマル※11が立ちあがり、ありがとうトレヴィアンと声をかける。礼には及ばないというトレヴィアン。タマルは昨日の朝発病したことを知ったが、取り乱さずに済んだのはここへ来られることを知っていたからだという。生まれて初めてベッドの上で、心地よい音楽を聴きながら眠りについたという。今朝は暖かい風呂に入って清潔な服に着替え、友人や家族とここにいるというタマル。ありがとうトレヴィアン、夢を全てかなえてくれたと言った。礼をするトレヴィアン。タマルは持っていた器の中身を飲み干した。
ダックスたちにノーヴァ※12の付き添いかと聞くトレヴィアン。もう少し早ければ助けられたという。ブライトの治療法はあるんですねと聞くベシアに、発病すれば死ぬと否定するトレヴィアン。助けられたといったじゃないですかというベシア。トレヴィアンはなぜここにと尋ね、ダックスは救難信号を受けたのでできることはありませんかという。ベシアは私は医師ですといい、高度な分析能力を誇る医療装置もあるという。この星にもかつてはあった、昔からこうだと思うのかというトレヴィアン。2世紀前までは君らと変わらなかったという。都市を築き、近隣諸国を旅し、最強の国だと思い上がっていた、ドミニオンにさえ対抗できればという。決して逆らうな、そうでないと我々と同じような目に遭うという。ジェムハダーは見せしめとして、この星の世界を破壊したのだ。赤ん坊をここへというトレヴィアン。ドミニオンはその強さを我々の体に刻みつけることを望んだという。そこでブライトがもたされ、生まれつき冒され、発病すると傷が赤くなりまもなく死ぬという。その赤ん坊の顔には青い傷が浮かんでいた。ほとんどの人間は自分の子供ができる前に死ぬ、私のような者は珍しいというトレヴィアン。ベシアはブライトについて知っていることを教えて下さい、力になれるかもという。トレヴィアンは首を振り、帰った方がいい、ジェムハダーに見つかったら大変だと断った。危険を承知で言っているんですというダックス。その時急に、タマルが叫び声をあげ苦しみ出した。駆け寄るベシアに、トレヴィアンはやめろという。診ようとするベシアを他の者も邪魔をするなといって止めようとする。死にかけているんだぞというベシアに、トレヴィアンは死にに来たんだから当然だと言った。発病すると安らかに死ぬために家族や友人を呼び、ここへやってくるのだ。自分の言っていることがわかっているのかというベシア。トレヴィアンは与えた薬を飲めば数分で死ぬという。毒を与えているのと驚くダックス。この病は死ぬまでに時間がかかる、誰だって苦しみたくないとトレヴィアンは言う。さっきの女性だってそうだという。彼女を殺したのかと詰め寄るベシア。トレヴィアンは望みをかなえてやっただけだという。ここは病院だと思っていた、あなたは医者だとというベシア。患者の痛みを取り除く医者だ、君はタマルの死を邪魔した、出ていってもらおうというトレヴィアン。ベシアたちは何も言わずに出て行った。
外にいるベシアを見ている女性がいる。子供をみごもっているようだ。ダックスが戻ってきて、信号の発信源はすぐ近くの廃虚ビルの中だという。自家発電で、恐らく200年間ずっと送り続けられていたものだ。できることはない、帰ろうといい荷物を持つベシア。その時女性が、本当にお医者様と話しかける。そうだがと答えるベシア。女性は医者に会ったことはない、ニカリア※13にいる女の人が薬を作っているという。痛みを抑えられ少し長生きできるが、遠すぎて手に入れられないという。予定日は2ヶ月も先という女性に、すぐよというダックス。女性はいつ発病するかわからないという。ベシアはジュリアンだといって名前を尋ね、その女性はエコリア※14と答えた。ダックスも名乗る。助けに来たのと聞くエコリアに、助けは必要なさそうだというベシア。エコリアは助けて、他にもそう思っている人はいるといった。そこへシャトルのキラから通信が入り、向かってくるジェムハダー船2隻を発見したと告げた。顔を見合わせるベシアとダックス。

※8: Attendant (Loren Lester)

※9: quicken という言葉が使われています

※10: (マイケル・サラザン Michael Sarrazin)

※11: Tamar (Alan Echevarria)

※12: Norva

※13: Nykalia

※14: Ekoria (エレン・ウィーラー Ellen Wheeler)


ジェムハダーはケンディ星系※15を離れてオバタ星団※16へ向かっているというキラ。ベシアとダックスもシャトルに戻っている。パトロールの様ね、次はこの星系に来るかもしれないというダックス。キラは戻るために航行準備開始させようとするが、ベシアは止め彼らを放っておけないという。戻り次第艦隊に報告すれば、救援部隊を派遣してくれるというキラ。ベシアはそれを待っていたら何ヶ月もかかる、今助けたいという。ボラニス3号星※17では、原因不明の病で住民が何千人も死んだが、1時間で原因を突き止め3日で全ての下水道を消毒し、全住民に予防接種をしたという。ダックスは同じことができるかもしれないという。キラはやってみる価値はありそうねといい、ジェムハダーにシャトルを探知されたら困るからジェンカタ星雲※18で待っているという。1週間後に来てくれ、それまでには治療法を見つけるというベシア。キラはうなずいた。
テプランの家。ドクターが来たと喜ぶ子供。エコリアと一緒に器材を抱えたベシア、ダックスが家に入る。カーテンで敷きられた一画に入る。続いて入ろうとする子供たちをあっちに行ってなさいといって止めるエコリア。狭いところでごめんなさいとベシアたちに謝る。ベシアは十分だよといい、テーブルを借りて機械をセットし始める。ダックスは綺麗な風景画を見つけ、エコリアが描いたのと尋ねる。去年死んだ夫が描いたというエコリア。昔の国を想像して描いた、すぐ近くのビルの壁画にも同じような絵がある、上等な靴と交換で絵の具を手に入れみんなに絵を見せたがっていたという。生きる希望を持って欲しかったんだと思うというエコリア。ダックスは後で見せに連れていってと頼んだ。いいわよと答えるエコリア。
テーブルの上に機械を置き、スイッチを入れるベシア。治療の準備が整った様ねというダックス。ベシアは最初の仕事はバイオスペクトル分析をすることだ、発病前の個体のという。要するにボランティアが必要だって言うことなのというダックスに、エコリアは微笑んで、いいわといった。ここに座ってて頂けますか、ドクターはすぐに参りますというダックス。戸惑うエコリアに、ダックスは耳元で医者は待たせるのが好きなの、その方が偉そうに見えるでしょと言った。うなずくエコリア。赤ちゃんの映像を見てみたくないかいとベシアに言われ、喜ぶエコリア。お腹をスキャンしながら、メディカルトリコーダーの画面を見せるベシア。
ダックスとベシアの研究は続いている。エコリアはテーブルの下から、大きな箱を出している。ベシアはやったぞといった。どうしたのと聞くエコリアに、ウイルスを分離できたというダックス。いいことなのと尋ねるエコリア。ベシアは分子構造を分析できる、結合部分を探して抗原を作るという。つまりとってもいいことなのというダックス。喜ぶエコリア。ベシアはヌクレオチドを記録するといい、プロテインシーケンサーを動かせるとダックスに聞く。大丈夫よと答えるダックス。エコリアはお腹が空いたでしょうと2人に聞くと、さっきの箱から次々と瓶に入った食事を取り出した。すごいごちそうねというダックスに、最後だと思ったからというエコリア。どういうことと聞くダックス。別に、タカナティー※19はどうというエコリア。ダックスはエコリアのそばに近づくと、こんなにどうしたのと聞く。エコリアは病院で食べるためにとって置いた、でももう取っておかなくていい気がしてといった。
ベシアは、発病者で協力してくれる人を探していた。だが協力してくれる者は誰もいない。ダックスに望みを託すしかないというベシア。どうして必要なのと聞くエコリア。ウイルスが分裂する過程をカルテにと話している時、ベシアはエプランとぶつかった。まだいたのか、移っていないようだなというエプラン。あんたの血は口に合わんらしいというエプランに、残念ながらあんたの血は好きらしいなというベシア。エプランは最期の晩餐には呼ばないという。歩いていこうとするエプランを呼びとめ、ベシアは治療させてくれないか、死ななくて済むかもという。笑い、治療法なんてないくせにというエプラン。見つかるかもしれんとベシアがいうと、見返りはコートか油かという。見返りなんかいらないというベシア。いつのまにか周りには人々が集まってきていた。エコリアはベシアが医者で、話を聞いてあげてとみんなに頼む。発病した人の助けが必要なんですというベシア。エプランは何するんだと聞く。死ぬ時どんな風に苦しむか見る気かといい、周りから笑いが起こる。ベシアは痛みを抑える薬を持っており、ここにはないいろいろな器具もあるという。近くに来た腕を怪我している子供に、治して友達と遊ばないかという。何も痛いことはしないと近づくベシア。興味津々で見つめる人々。トリコーダーで調べると骨を折っていた。痛かっただろうというベシアにうなずく子供。ベシアは小さな器具を使い、ビームを子供の腕に照射した。支えていた布をはずし、どうだいと聞くベシア。子供の腕はすっかり治っていた。子供の友達がすごいと声を上げる。どうやったんだと聞くエプランに、どうだっていいじゃないというエコリア。彼なら治療法を見つけてくれる、手伝いましょうと声をかける。そこへトレヴィアンが来て、骨折を治すのとブライトを治療するのはわけが違うという。わかっているというベシア。同じことを言う人間が何人もいた、薬と交換に食料や衣服を巻き上げる、でもどれも大嘘だったという。奴らを信じた患者も、結局は私のところに楽になりに来るというトレヴィアン。ベシアはできることをしたいだけであって、無謀な約束をするつもりはないといった。その言葉を忘れるな、我々は希望を裏切った者を許さないというトレヴィアン。何人もの嘘つきが制裁にあっているといい、トレヴィアンは歩いていった。

※15: Kendi system

※16: Obatta cluster

※17: Boranis III

※18: Jenkata nebula

※19: 正確にはタカナルート(根)ティー (Takana root tea)


ベシアの研究は行き詰まっていた。ウイルスのライフサイクルをチャート化しようとしている、もっと細胞のサンプルがあればという。エコリアは帰った方がいい、あんな人たちなんか助けることないという。長い間苦しみすぎたせいで望みがもてない、死から離れられないというベシア。みんな死を崇拝してるのよと笑うエコリア。朝起きて鏡を見るたびにがっかりした、夕べもまた発病しなかったんだとという。生きていくよりトレヴィアンのところに行った方が楽だという。でももう君はそう考えていないというベシア。エコリアはこの子ができたからと微笑み、この子のおかげだという。機械を使って、子供が育った時の姿を見られないかと聞く。ちょっと無理だなというベシア。きっと父親似だと思う、私もこの子のために生きたいというエコリア。初めて歩き出した時に手を取っていたいし、転んで怪我したら膝にキスをしたいと涙ぐむ。ベシアは運が良ければ孫の顔だって見られるよといった。そこへダックスがベシアに会いたいという人が来ているという。あのエプランをはじめ、数人の発病者が待っていた。やっぱり血を採るんだろうなというエプランに、少しねとベシアは言う。エプランは死ぬのはやめにした、期待してるぜというと腕をまくった。そしてベシアを見つめるのだった。
ベシアは全員に3ミリグラムずつ、作った抗原を投与する。まずはエコリアが自分でハイポスプレーを注射した。ダックスはベッドに寝ているエプランの頭に器具を付け、これで痛みがおさまるという。あんたの点々好きだなというエプランに、昨日も言ってたじゃないというダックス。今日も好きだというエプラン。ダックスはベシアに近寄り、エプランにコードラジン※20が効かなくなってきている、抑制フィールドに隔離したという。エプランは一番進行している、誰よりも早く抗原が効くといいんだがというベシア。見てみろよといいエコリアの方を見るベシア。彼女の看護ならブライトも退散しそうだ、名看護婦に礼を言ってこようかなという。薬の投与に集中している、治療法が見つかってからにしましょうというダックス。そうだなというベシアに、少し休んだ方がいい、ここ何日も働きどおしじゃないとダックスはいう。
ベシアは庭に出て、たき火に当たる。エコリアが飲み物をもってきてくれた。ダックスがエプランの白血球の数がまた12%上がったといっていたという。そいつは何よりの知らせだというベシアに、そうなのというエコリア。信用しろよというベシアに、最初会った時からなぜか信用しているというエコリア。患者の扱いが上手いからだと思いたい、医師や看護婦は患者を安心させる雰囲気を身に付けている、君だってその一人だよというベシア。エコリアは私がと驚く。ずっと見てた、患者の扱いが上手いというベシア。親切にしようと思っただけというエコリアに、ベシアは死を想像するから病人に近寄るのも嫌う人もいるという。そう思うと聞かれ、時々ねと答えるベシア。だが避けるより死と向き合う方が好きだという。人を救うということは、死を追いやって新しい一日を与えることだからといった。でも誰だっていつかは死ぬんじゃないとエコリアはいう。ベシアはクカラカ※21以外はねという。最初の患者、テディベアだという。柔らかい人形のことだ、小さい頃どこへ行くにも一緒だったという。何年か経つとついに足が切れ、詰め物が飛び出してきたというベシア。母は捨てようとしたが、ベシアはわずか5才で最初の患者の手術をすることになったという。詰め物をつめ直し足を縫合した、その日からクカラカの体がバラバラにならない様に縫ったり継ぎを当てたりしてできることは何でもしたという。なぜ熱心にしてあげたのと聞くエコリアに、患者を投げ出したら医者として失格だというベシア。クカラカは今どこなのというエコリア。ベシアはクローゼットかどこかというが、部屋の戸棚にしまってあると答えた。笑うエコリア。そこへ突然ダックスが血相を変えてやってきた。患者の様子が変だという。
急いで部屋の中に入るベシア。エプランは意識を失い、体中を震えさせていた。

※20: cordrazine TOSからよく使われる強力な薬。DS9第64話 "Distant Voices" 「老化促進テレパシー」など

※21: Kukalaka


ハイポスプレーで薬を投与するベシア。何かの原因でウイルスが突然変異したらしい。抗原への拒否反応かしらというダックスに、全くわからない、マイクロスキャナーを取ってくれというベシア。助けてくれベシアとすがってくるエプラン。大丈夫よとエコリアが声をかける。ベシアはダックスから受け取ったスキャナーを使う。すると見る見るうちに赤い血管が広がっていく。待てよ嘘だろ、機械の電磁波が原因だというベシア。次々にほかの患者も叫び声を上げ始めた。すぐに電源を切るように言うベシア。全部切ったが電位率が下がらない。電気が蓄積されているんだというベシア。全員にコードラジンを4ミリグラムずつ投与する。ダックスやエプランも手伝う。エプランが大きく発作を起こすと、動かなくなった。心臓が止まってると声を上げるエコリア。ベシアが心臓マッサージを行う。息をするんだといいながら、何度も続ける。ダックスが落ち着いてといってベシアを止めた。トレヴィアンが入ってきて、何をしたんだという。女性の患者※22が助けてと呼ぶ。ベシアが薬を投与するが、女性はトレヴィアンに助けを求める。トレヴィアンはベシアを横へ退かせると、もっていた毒を飲ませた。すぐに女性は息を引き取った。ほかの患者もトレヴィアンに助けを求める。ベシアは立ち尽くすことしかできなかった。
夜が明けた。この前エプランの血液検査をした時のことを覚えているか聞くベシア。部屋の中には毛布に包まれた、いくつもの遺体が置いてある。ウイルスのDNAの配列が変わっていたが、理由はわからなかったという。原因が器具だなんてわかるわけないというダックス。ベシアは僕のせいだという。何を言うのというダックスに、そうかな、僕がどんなことを考えていたと思うというベシア。明日になったら星を離れ、キラと合流して明るくこういう気だったという。「星雲はどうだった、ところで僕の方はブライトっていう病気の治療法を見つけたよ。」ダックスは自分を信じるのは悪いことじゃないという。患者は信じていた、トレヴィアンの言う通り治療法なんてないんだというベシア。ドミニオンに抜かりはない、なのに1週間で治療法を見つけられると思っていたなんてという。確かに傲慢だったかもしれない、でも見つけられないからといって治療法がないというのはもっと傲慢じゃないとダックスはいうのだった。
ベシアは独り人々の中を歩いている。周りの者は白い目でベシアを見ている。道に唾を吐く人もいる。ベシアは壁画※23に目を留めた。帰る前に見てもらえて良かったというエコリア。エコリアの夫が描いたものだ。ついに来たみたい、最期の時がというエコリア。済まないと謝るベシア。エコリアはあなたは希望をくれた、夫が死んでから希望なんかなかったという。そしてベシアの頬にキスをすると、さよならといった。ベシアは歩いていこうとするエコリアを呼び止めた。
シャトル。本気で言っているのと聞くキラ。ベシアは彼らを置いては行けない、今はという。気が済んだらステーションへ連絡を、数日でシャトルを送るというキラ。ダックスが本当に独りで平気、私がいないと誰も通訳してくれないという。微笑むベシア。がんばってというダックス。ベシアはキラに頼むというと、転送台の上に乗った。
器具と共に地表へ転送されるベシア。それを見た男たちはベシアから逃げた。両手一杯の荷物を抱え、ベシアは人々の中へ歩いて行った。

※22: 名前は Latia (Lisa Moncure)

※23: 背景画家のダグ・ドレクスラー (Doug Drexler) によって描かれました


ビーカーの中の液体をかき混ぜるベシア。おかしいなという。どうしたのと聞くエコリアに、大動脈に注入した抗原の痕跡がない、免疫機能の拒否反応だという。エコリアが体を震わせ始めた。痛むかいと聞くベシアに、何とかうなずくエコリア。ベシアは薬を投与したいが、既にコードラジンを大量に投与しておりこれ以上投与すると子供が危険だという。エコリアは我慢するといって、毛布を頭からかぶった。
エコリアが目を覚ました。これ何の臭いと聞く。薬を作ってるんだというベシア。グツグツとフラスコの中で液体が煮えている。エコリアに具合を聞くと、良くなったという。できるまでは飲まなくていいのというエコリア。エコリアを起こし、管を背中に付け耳で聞きながら息を吸うように言うベシア。じゃあ赤ちゃんを見てみようという。お腹を触診するベシア。ここに頭があるというと、何となくわかるというエコリア。お腹の中で宙返りしてるみたいなという。再び管でお腹の音を聞くベシア。日に日に心音が強くなっている、後6週間くらいだという。私はそんなに生きられないというエコリア。ベシアは2週間後に早めよう、その頃にはもう産めるという。2週間ねとうなずくエコリア。ベシアは服を戻し、毛布をかけた。
寝ているエコリアの、頭の血管に薬を塗る者がいる。トレヴィアンだ。目を覚まし、私死ぬのと聞くエコリア。望むなら痛みを終わらせてやるというトレヴィアン。君の子供も苦しまずに済むという。だがエコリアは首を振り、だめ、この子には生きる権利があるという。産んでもブライトで死ぬだけだというトレヴィアン。ベシアが戻ってきた。トレヴィアンに往診はしなかったはずだがという。私のところへ来たくても来られないんじゃないかと思ってねというトレヴィアン。わからない、なぜ人を死に急がせるんだと聞くベシア。あなたは誰よりも長くブライトと共に生きているのにという。誰より多くの犠牲者を見てきたからだといい、トレヴィアンは子供が無事産まれることを祈っているとエコリアに声をかけた。出ていくトレヴィアン。エコリアは彼には悪気はない、彼なりの優しさだといった。
苦痛の声を上げるエコリア。力んで、息をしてと指示するベシア。やめるなよ、頭が見えてきたという。エコリアが更に力を入れる。もう一度、もっとというベシア。そしてついに赤ちゃんが産まれた。産声が上がる。喜ぶエコリア。ベシアは赤ん坊を見て驚く。君の組織に抗原がなかったわけだ、全て胎盤を通って吸収されていたんだという。エコリアに子供を見せ、この子には一つも傷がない、ブライトに冒されていないんだという。涙を流すベシア。だがエコリアは、そのまま息絶えてしまうのだった。
赤ちゃんをトレヴィアンたちに見せるベシア。みな一様に驚いている。治療法があったのかというトレヴィアンに、ワクチンだ、一刻も早く妊娠中の女性に接種した方がいいというベシア。母親は助けられなくても子供は守れるという。ブライトの脅威からかというトレヴィアン。ベシアはワクチンは簡単に作れるが、全員分を作るにはかなりの負担がかかるという。負担じゃない、特権だというトレヴィアン。作り方を教えてくれというと、ベシアはそう言ってくれるのを待ってたというのだった。ベシアは赤ん坊をトレヴィアンに抱かせる。その顔を見て、トレヴィアンは笑った。
民衆が集まっている。その中心には赤ん坊を掲げたトレヴィアンがいる。ベシアはその様子を離れたところから微笑み、見つめていた。
DS9に戻っても、ベシアは研究を続けていた。ヌクレオチドの連鎖完了、ウイルス再生、異常なしというコンピューター。AからCを試すようにいい、ベースパッド配列変更と命じるベシア。シスコがドクターと声をかける。報告書を読んだ、よくやったという。再びコンピューターが異常なしと報告する。まだ死者は出てますというベシアに、子供は助かってるというシスコ。ベシアは私もそれが救いですといった。シスコはうなずき歩いていった。ベシアは配列の変更を指示した。独り椅子に座るベシア。


・感想
連邦が見知らぬ星で問題を解決して終わり、という単調な内容かと思いきや、使っていた機械のせいでベシアの最初の試みは完全な失敗に終わってしまいます。それでも諦めないベシアの姿が心を打ちます。強大な国の兵器に長く苦しめられるというのは、今なお残る原爆などの放射能汚染を思い起こさせます。珍しくサブストーリーのない話でした。それにしてもはじめのクワークの「宣伝」には笑いました。


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