ヴォイジャーの最上部、第1デッキの向かって左側。その作戦室で、ジェインウェイは外の宇宙を眺めている。
ドアチャイムが鳴る。「どうぞ。」
チャコティがパッドを渡す。「セブンがクルーの能力を分析しました。」
「私たちは合格?」
「かろうじて。上級士官に発表したいそうです。」
「日程は任せます。」
「2、3日後に Tクラスの星団を通過します。放射性のガス状巨星で、コース変更の価値はありません。」
「一応、デルタ・フライヤーを送って調査してみたら? 全領域をセンサーでスキャンしてみるように。」
うなずき、出て行くチャコティ。
チャコティはブリッジで指示する。「星団を分析する。第3レベルだ。トム、デルタ・フライヤーの準備をしてくれ。ハリー、連続スキャン開始だ。」
キム:「キムからセブン。」
セブン:『こちらセブン。』
「もう少し、長距離センサーの放射線解像度を上げられるか。」
天体測定ラボのセブン。
キム:『右舷の星団を調査せよとの艦長命令だ。』
「了解した。」 パッドにデータを入力するセブン。「このデータを、トレス中尉に届けてくれ。」
受け取る女性クルー。「わかりました。」 廊下を歩き、ターボリフトに乗った。「11デッキ。」
機関室に入った女性は、トレスに手渡す。
トレス:「うちのボーグ・クイーンから? あと 5テラワットは必要ね。センサーアレイに回させて。」
機関部員※1が受け取り、ターボリフトへ。「15デッキ。」
第15デッキは、はじめから狭い通路になっている。すれ違ったクルーに挨拶する。「どうも。」
奥の部屋へ行き、機関部員が話しかける。「仕事中失礼します。」
男性がコンピューターを覗き込んでいる。「もう少しでシュレッツホルトの多重ビッグバン論※2を論破できそうなんだ。もちろんワンの第二仮説※3は既に覆した。」
パッドを見せる機関部員。「パワーを移して欲しいんですが?」
「宇宙史が塗り替えられようって時にか?」
「宇宙の歴史は 160億年も続いてるんです。2、3分増えても一緒ですよ。」
パッドを確認し、コンピューターを操作する男性。「シュレッツホルトは君に感謝するだろう。」 パッドを受け取り、出て行く機関部員。
その座り込んだ男性がいるのは、ヴォイジャーの最下層だ。
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※1: (Kimble Jemison) 声:咲野俊介
※2: Schlezholt's Theory of Multiple Big Bangs
※3: Wang's Second Postulate
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