ヴォイジャー 簡易エピソードガイド
第139話「苦悩するボーグ・チャイルド」
Child's Play
イントロダクション
並んだ 2個のイモ。 ジェインウェイ:「お芋のクローン?」 テーブルの前には、エザン※1とレビ※2が立っている。 セブン:「ナオミのクローンを作ろうとしていたので、ほかの物で実験するよう勧めた。」 次のテーブル。箱の中に、アリの巣ができている。中の通路をたくさんの光る虫が歩いている。 トレス:「工学技術の応用ね。」 説明するメゾッティ※3。「タイレニアのアリ※4の巣です。土に青いイオン染料を染み込ませて、観察しやすいようにしました。」 ジェインウェイ:「発光性なのね。」 「 「ドローンにクイーン? ボーグのことは忘れさせたいんじゃなかった?」 セブン:「これはメゾッティのアイディアだ。彼女の個性を尊重してやりたかった。」 メゾッティ:「虫が好きなの。」 ジェインウェイ:「わかったわ。でもハチを集める時は報告して。」 食堂の窓にかけられた垂れ幕には、「第1回ヴォイジャー科学博覧会」と書かれてある。3番目のテーブルへ移るクルー。 チャコティ:「どこの星だい?」 ナオミ※5の前には、惑星の立体模型が置いてある。「カタラス※6です。」 トレス:「お父さんの星ね。」 「いろいろ研究してるんです。」 スイッチを入れると、模型上に風や雲の様子が表示された。 セブン:「ナオミは気象と大気の状態をプログラムした。」 チャコティ:「山には嵐が多そうだな。」 ナオミ:「アルパシアン山脈※7は風とひょうが多いの。」 ジェインウェイ:「コートを忘れないようにしなくちゃ。」 微笑むナオミ。 最後のテーブル。 ジェインウェイ:「随分凝ってるのねえ。」 テーブルの上に置かれた、ピラミッド状の機械。イチェブ※8が説明する。「高性能の、重力測定センサーアレイ※9です。」 トレス:「随分高度ね。」 「ワームホールと、ニュートリノフラックスの関連性を、詳細に分析できます。ヴォイジャーの帰還を早められるかもしれません。」 セブン:「工学技術の原理にもかなっている。」 ジェインウェイ:「興味深い発表を期待してたけど、これは期待以上だわ。」 イチェブ:「ありがとうございます。天体物理学※10に興味があるもので。」 「才能も十分にあるわ、イチェブ。よくできてる。」 トレス:「ニュートリノの分析なんて、よく思いついたわね。」 熱心に話すイチェブ。「艦隊の記録を調査してて、ある統一性を発見したのです…」 その場を離れたジェインウェイはセブンに話しかける。「素晴らしい若者ね。」 「将来は天体測定ラボで働きたいらしい。」 「残念ながらそれは無理よ。」 「彼には素晴らしい才能がある。」 「能力の問題じゃない。…両親とコンタクトが取れたの。今彼らがいる星に向かってる。」 セブンはイチェブの方を見た。チャコティの質問に答えている。「それで、スキャンの方法は?」 「このスキャナーは、ニュートリノの弾道の変化がわかるようにしてあります…」 セブンはジェインウェイに言った。「いい知らせだ。」 |
※1: Azan (Kurt Wetherill) 前話 "Ashes to Ashes" 「帰らざる時間」に続いて登場。声:重松朋 ※2: Rebi (Cody Wetherill) 同じく前話 "Ashes to Ashes" に続いて登場 ※3: Mezoti (Marley S. McClean) 同じく前話 "Ashes to Ashes" に続いて登場。声: こおろぎさとみ ※4: Tairenian ant ※5: ナオミ・ワイルドマン Naomi Wildman (スカーレット・ポマーズ Scarlett Pomers) 前話 "Ashes to Ashes" に続いて登場。声: 永迫舞 ※6: Katurus ナオミの父親、グレスクレンドリックの種族であるクタリア人の母星。VOY第9話 "Emanations" 「来世への旅」ではクタリア7号星 (Ktaria VII) とされていたので、その別名かもしれません。つまり「カタラス人」と表現してもいいということですね ※7: Arpasian Range ※8: Icheb (Manu Intiraymi) 前話 "Ashes to Ashes" に続いて登場 ※9: high-resolution gravimetric sensor array ※10: astrophysics |
あらすじ
セブンは両親が見つかったことをイチェブに話せずにいた。ついにそのことを明かすが、イチェブは帰ることに乗り気ではない。彼の種族ブルナリは農業社会で、イチェブが得意としている研究もできなくなるだろう。ブルナリに到着すると、過去 10年に渡ってボーグの攻撃を受けていたことがわかる。すぐ近くにトランスワープ・チューブがあるのだ。再会した両親は、大きくなった息子を見て感激する。だがイチェブはヴォイジャーへ戻りたいと言った。 両親をヴォイジャーに招いて話をするが、セブンはイチェブを帰すことに強く反対する。彼らはしばらく滞在することになった。親との食事を嫌がったイチェブだが、実際に始めてみると、次第に打ち解けていく。その様子を見ていたセブンは、無言で食堂を出て行った。 ブルナリの状況を、父親と見て回るイチェブ。セブンは再生のためイチェブを迎えに来るが、イチェブは惑星で泊まることを希望した。再生ユニットを父親に渡す時、セブンはなぜイチェブが同化されたかを知る。父親によれば、4年前両親が目を離した隙に、ブリナリの新たなテクノロジーと共に地上で同化されたという。夜中に両親と共に星を眺めるイチェブ。そして次の日、イチェブはブルナリへ戻ることを決めた。セブンたちに見守られ、転送されていく。 イチェブがいなくなったことを寂しがるメゾッティ。彼女はイチェブが船に乗っている時に同化されたのだという。セブンが調べると、イチェブはその時一人で乗船しており、4年前にはボーグがブルナリを攻撃した記録もない。子供達が乗っていたボーグ・キューブが病原体に汚染されていたせいで記録が違っているのかもしれないが、セブンは父親が嘘をついたのだと確信する。その頃ブルナリでは、両親がイチェブの今後のことで言い争いをしていた。家に帰ってきたイチェブを取り押さえ、薬で気絶させる。発進準備をするように言う母親。 戻ったヴォイジャー。両親にイチェブのことについて尋ねるが、彼は既にいないという。ボーグのトランスワープ・チューブに向かっている船を探知した。ワープサインを偽装してワープ9.8 が出ているように見せかけ、ボーグをおびき寄せている。イチェブは、ブルナリの技術によって作られたボーグ病原体の保菌者、つまり武器だったのだ。イチェブを助けるため、船を追うヴォイジャー。彼の転送はできたが、スフィアが現れ、ブルナリ船とヴォイジャーをトラクタービームで引き付ける。光子魚雷を使って攻撃し、逃げ出した。イチェブは生まれつきボーグ病原体を作り出すように、遺伝子操作されていた。セブンは自分の生き方は自分で決めるよう、イチェブに話すのだった。 |
用語解説など
|
感想
このところレギュラー以上に出ているボーグの子供たちに再度焦点が当てられ、イチェブの帰郷問題が扱われています。途中までは普通の展開でどうということはないのですが、父親が嘘をついていたことがわかってから事態は急展開を見せます。でもできれば、もう少しセブンとイチェブの交流を描いた後のエピソードにした方が良かったような気がします。 時間にすれば短かったですが、最後のボーグとの連携プレー的な作戦もよくできていました。以前のボーグ病原体は誰が作ったのかという問題が解決されていて、その点も良かったですね。イチェブもセブン同様、もしかすると彼女以上に必要な存在になるかもしれません。ボーグが適応すれば終わりですが。 |
第138話 "Ashes to Ashes" 「帰らざる時間」 | 第140話 "Good Shepherd" 「自立への旅」 |