ヴォイジャー 簡易エピソードガイド
第9話「来世への旅」
Emanations
イントロダクション
艦長日誌、宇宙暦48623.5。現在までに発見されている元素は246あるが、このDクラス※1の惑星を取り巻くリングの中に、我々は247番目の元素※2を発見した。 この未知の元素は非常に原子質量が大きく、550以上の核子を持っていると説明するキム。数値は安定しており、安定している超ウラン元素が自然の状態で見つかるのはのは初めてのケースだ。この元素ですごいものができます、太陽に飛び込んでも耐えられる探査機のボディも作れるというトレス。ジェインウェイは元素の濃度が一番高い場所を尋ねる。リングの中にある小惑星の上が最も密度が高く、転送でサンプルを取ることを提案するキム。トレスはそれよりも、小惑星はMクラスの環境を持っているため直接自然の状態を観察した方がいいという。それに賛同したジェインウェイは、チャコティに命令した。キムも一緒に呼ぶチャコティ。 洞窟を進むチャコティたち。前方30メートル辺りが濃度が濃くなっており、巨大な洞窟があるようだ。そこら中にクモの糸のようなものがあり、それは有機物でバイオポリマーの反応がある。さらに奥へ進むと、反応が強くなっているが反応の元がどこなのかはわからない。その時トレスは息を呑んだ。そこには白い物で包まれた人型が横たわっていた。第5クラスのヒューマノイドで、死んでいた。近くには、同じような十数体の遺体があった。 |
※1: Encyclopedia によると、これは誤りとされています。惑星分類システム (planetary classification system) によるとDクラスは小さく、岩状の小惑星を指します (映画ST2 "The Wrath of Khan" 「カーンの逆襲」)。本来はJクラスとなります (DS9第80話 "Starship Down" 「ディファイアントの危機」より)
※2: 元素247 element 247 |
あらすじ
未知の元素は遺体が腐敗する過程で発生している物だった。数年前に運ばれた遺体もあれば、12時間前のものもある。すると突然洞窟の中が明るく輝き出した。亜空間の歪みが発生しており、緊急転送収容を行ったがキムが別の遺体と入れ替わりになってしまった。まだ死んだ直後で蘇生できるその女性から、事情を聞き出すことにする。そしてキムは、見知らぬ異星人の棺の中に現れた。 そのヴァノリ人の男で、もうすぐ「来世」へ行こうとしている者がいた。だがキムが「来世」から来たということを聞いて動揺する。彼らは「来世」へ行けば、死んだ家族に会えると思っていたからだ。一方ヴォイジャーで蘇生された女性のプテラも、そこが思っていた「来世」とは違う世界のために取り乱してしまう。 ヴァノリの亜空間の穴は自然現象で、それを利用して棺で送る際に命が絶たれていた。キムは「来世」から戻ってきた初めてのケースであったため、専門家にスキャンを受けることになってしまう。彼らは死んだ後は高度な存在に生まれ変われると信じていた。また突如、ヴォイジャーの機関部に亜空間の穴が開きヴァノリ人の遺体が送られてきた。 死のうとしていた男性、ハティールは「来世」に疑問を抱き始めていた。彼は足を不自由しており、これ以上重荷にならないよう家族のためを思って死ぬつもりだったのだ。ヴォイジャーには次々と遺体が送られてきており、このままではワープコアに亀裂が生じる恐れがある。ジェインウェイは遺体から発せられたエネルギーがヴォイジャーを突き抜け、リングへ向かっていることに気づく。それは惑星から発せられるエネルギーと同じ周波数だった。ヴォイジャーはひとまず惑星から離れた。キムが消えた時のように、亜空間の穴の近くで転送すればプテラを送り返すと同時にキムを転送できるかも知れない。プテラには位置がわかるように亜空間トランスポンダーを渡す。亜空間の穴からワープコアを守ることはできたが、長くは持たない。惑星へ戻って亜空間が開くと同時にプテラを転送する。しかし穴が途中で閉じてしまい、プテラを収容するが既に死んでいたのだった。 研究者はキムを研究しようとするために、別の場所へ連れて行こうとしている。そこでキムはハティールと入れ替わり、自分が棺に入って元の世界へ戻ることを提案する。死に疑問を抱いているハティールは、親戚がいる山脈で残りの余生を過ごすということにするのだ。だが棺から送られる時には、中にいる者は死んでしまう。戻った時に蘇生してもらうしかない。その頃、ヴォイジャーのワープコアもこれ以上持ちこたえることができないレベルまで達していた。離れようとしたその時、地球人の体が送られてきた。死んでいる。すぐに医療室へ送られ、ヴォイジャーは惑星から離れた。キムは無事に息を吹き返した。ジェインウェイはキムに、死体からの神経エネルギーが集まって、惑星で電磁フィールドを形成していたことを話す。生きているかのように多様なパターンを持つフィールドを。だがそれが「来世」なのかどうかは、誰にもわからないのだった。 |
用語解説など
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感想
視聴者に「死」の定義について疑問を投げかけます。最後のジェインウェイの言葉が、実際に「来世」なのかは別にしても、スタートレックらしい希望を持たせる内容だったのを嬉しく思います。結局ヴァノリはどこにあったんでしょうね。 |
第8話 "Ex Post Facto" 「殺された者の記憶」 | 第10話 "Prime Factors" 「転送・4万光年」 |