デルタ・フライヤー。
トランプとコイン。床に座り込んでゲームをしている。
ニーリックス:「ハート、ハート、ハート…。やったぞ、またハートが来た。」
パリス:「ニーリックス、それじゃ手札を見せてるようなもんだろ。いかにだますかがこのゲームのポイントなんだから。」
キム:「そう、手の内を知られちゃ負けだ。」
「ああ、そうか。」
パリス:「そう。」
また手札を見て声をあげるニーリックス。「あー。」
あきれた顔をするチャコティ。「10。」
キム:「その 10 に更にレイズして、20。」
驚くチャコティ。
パリス:「ニーリックス。」
ニーリックス:「考え中。……20 に、さらに 20。へ。」
キム:「大きく出たねえ。でも絶対ハッタリだ。」
「ハリー?」
「正直なタラクシア人ぶってもだめだよ。」
笑うパリス。
ニーリックス:「何の話だ。初めてやったんだからな、こんなゲーム。何てんだったけ?」
一斉に答える 3人。「ポーカー。」
パリス:「そうだ、どうせならもっと面白くしよう。チップは関係なし。明日の仕事を賭けることにしないか? 今の持ち手で勝った者は、明日昼まで休み。」
チャコティ:「乗った。」
キム:「乗った。」
ニーリックス:「俺もいいけど?」
チャコティ:「手は何だ?」
キム:「ツーペア。」
ニーリックス:「それ、フラッシュより強い?」
「はあ、おい、とぼけるなよ。」
チャコティ:「俺は負けた。トムは。」
呆然と前を見つめるパリス。つられてチャコティたちが前方の窓を見ると、ボーグ・キューブが近づいてきていた。
チャコティ:「戦闘配置だ!」
全員慌てて席につく。散らばるチップ。
ニーリックス:「ああ…。」
パリス:「俺はフルハウスだったのに。」
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