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ヴォイジャー 簡易エピソードガイド
第104話「偽りの亡命者」
Counterpoint

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・イントロダクション
ヴォイジャーを 2隻の船が取り囲んだ。報告するチャコティ。「デヴォア※1船は攻撃編隊を組んでいます。」
ジェインウェイ:「ブリッジより転送室へ。現状は?」
転送室のキム。「準備OK。パターン結合力は安定。」
貨物室のセブンにも通信が入る。
ジェインウェイ:『第1貨物室は?』
セブン:「準備OKだ。」
チャコティ:「デヴォア船、武器を装填。」
パリス:「こっちが抵抗しないのはわかってるのに。」
ジェインウェイ:「それが規則なのよ。」
チャコティ:「呼びかけてます。」
年老いたデヴォア人がスクリーンに映し出される。『ガハレー※2船は、立ち入り検査に備えよ。クルーは全員、各々の作業を停止せよ。』
ジェインウェイ:「わかってます。」
『武器とスキャン装置は携帯しないこと。検査規則を一つでも逸脱することは、決して許されない。』
「艦長より全クルーへ。デヴォアの検査班を迎える準備をしなさい。全面的に協力すること。早く終わらせましょう。」
チャコティ:「彼らが乗船しました。第15デッキ、11、4 に…第1デッキ。」
突然、艦内にクラシック音楽が流れ始めた。マーラーの交響曲第1番。男の通信が入る。『ジェインウェイ艦長。作戦室へ来たまえ。』

いつもはジェインウェイがいる椅子に、その男※3が座っていた。「おはよう、艦長。艦内に勝手に音楽を流させてもらったよ。君のクルーも少しリラックスできるだろう。検査を受けるのも、ストレスになるだろうからね。」
ジェインウェイ:「お優しいこと。」
「レプリケーターでコーヒーも入れた。いつも通り、ブラックか?」
先ほどの老人が、レプリケーターから取り出したカップをジェインウェイに渡した。
ジェインウェイ:「ブラックで。」
椅子の男は言う。「このプラックス※4は、どうしても飲もうとしなくてね。楽しみの…少ない男なんだよ。」
男の合図を受け、作戦室を出ていくプラックスたち。男は言った。「艦長、君ももっとくつろいだらどうだ?」


※1: Devore

※2: gaharay

※3: (Mark Harelik) 声:山路和弘

※4: Prax
(J. Patrick McCormack DS9第114話 "Doctor Bashir, I Presume" 「ジュリアンの秘密」のベネット提督 (Admiral Bennett) 役) 声:糸博

・あらすじ
検査官のカシックたちデヴォア人は、ガハレー、つまり異邦人の船であるヴォイジャーを徹底的に調査する。それはテレパスが乗船していないかを調べるためのもので、テレパスがいれば違法となり逮捕されるのだ。トゥヴォックをはじめとするヴァルカン人などのテレパスのクルーは死んだことにしていた。そしてデヴォア艦が去った後、貨物室に空中浮遊させていた分子を転送で結合し、元に戻す。そこではテレパスのクルーだけではなく、多数の亡命者も隠されていた。
彼らブレナーリ人はテレパスで、デヴォア領を抜けるためのワームホールに送り届ける輸送船に引き渡すため、星雲へ向かう。だが再び小型のデヴォア船が現れ、カシック検査官が一人で乗っていた。私服を着たカシックは、何と亡命を申し出た。星雲は罠で、デヴォア艦隊が待っているのだという。ヴォイジャーでブレナーリ人をかくまっていることも知っていた、そして自分が助けになるというカシック。
カシックの言うとおり、確かに星雲内にはデヴォア艦がいることがわかった。カシックはブレナーリ人と自分を逃すためにワームホールを探すことを申し出た。ジェインウェイとカシックはワームホールに詳しい異星人の科学者とコンタクトを行う。移動するワームホールの情報をもらい、2人で分析を行う。音楽の「対旋律」をヒントにして回答を得、ワームホールが次に現れる場所がわかった。いつしかジェインウェイとカシックの仲は深くなっていた。
カシックの協力でデヴォアのセンサーを一度は切り抜けたが、二度目で見つかってしまった。デヴォア艦が来るため、とりあえずワームホールへ向かう。カシックは自分がデヴォア艦に戻って指揮し、テレパス検査を切り抜けさせることを提案してくれた。自分の船に乗るカシックに、ジェインウェイはワームホールで待っていることを伝え、そしてキスを交わした。船を見送るジェインウェイ。
カシックの指揮の下、いつもと同じように検査が始まった。作戦室でジェインウェイと 2人きりになり、ジェインウェイはワームホールの位置を見つけたことを話した。その時カシックは部下を呼び、貨物室でテレパスを再物質化するように命じた。彼はジェインウェイをだましていたのだ。ワームホールを破壊させるカシック。しかしその場所には偽の現象があるだけだった。貨物室にもテレパスはいない。ジェインウェイは先手を打っていたのだった。既にブレナーリ人はシャトルで本当のワームホールの位置に行っており、中へ入り消えた。ジェインウェイは演奏されていた音楽をマーラーの曲に変えた。失態を記録に残すことはできないカシックは、去っていった。


・用語解説など
VOY第99話 "Once upon a Time" 「火山惑星からの生還」で登場した、「フロッターの冒険 (The Adventures of Flotter)」についてニーリックスが話しています

カシック
Kashyk
キア
Kir
(ランディ・オグルスビー Randy Oglesby TNG第31話 "Loud as a Whisper" 「無言の調停者」の学者 (Scholar)、DS9第12話 "Vortex" 「エイリアン殺人事件」のアー・ケル/ロー・ケル (Ah-Kel/Ro-Kel)、第109話 "The Darkness and the Light" 「一人、また一人、そして…」のシララン・プリン (Silaran Prin)、ENT第5話 "Unexpected" 「予期せぬ亡命者」のトレナル (Trena'L)、第53話 "The Xindi" 「トレリウムD」などの Degra 役) ブレナーリ人のリーダー。声:仲野裕
ヴォーラック
Vorik
(アレキサンダー・エンバーグ Alexander Enberg) VOY第97話 "Extreme Risk" 「心は闘いに傷ついて」以来の登場。セリフなし (!)
トラット
Torat
(Randy Lowell) ワームホールに詳しい科学者。種族名不明。声:梅津秀行
Adar
(Jake Sakson) ブレナーリ人の子供。名前は言及されていません。声:岩本裕美子

対旋律
counterpoint
原題
マーラー
Mahler
グスタフ・マーラー (Gustav Mahler)。1860〜1911
(デヴォア帝国)
Devore Imperium
国家名。「デヴォア」とだけ訳出
スーダー
Suder
ロン・スーダー (Lon Suder)。ベタゾイドのマキ出身士官。VOY第43話 "Basics, Part II" 「ケイゾン総攻撃(後編)」で死亡
ジュロット
Jurot
転送浮遊
転送機浮遊 transporter suspension
ミュターラ級星雲
Mutara-class nebula
VOY第93話 "One" 「放射能星雲の孤独」より
屈折シールド
refractive shielding
ブレナーリ人
ブレナーリ Brenari
マーキュリウムアイソクロメート
mercurium isochromate
時空間屈曲
interspatial flexure
コリアン・コリアー
Kolyan Kolyar
オーロラ
北極光 aurora borealis
タハラ星系
Tehara system
チャイコフスキー
Tchaikovsky
ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー (Pyotr Il'yich Tchaikovsky)。1840〜1893

・感想
久々のジェインウェイ・ストーリー。最初と最後が音楽でつながる作り方がうまいですね。導入が唐突で設定をつかむのに時間がかかることを除けば、平均以上のエピソードだと思います。
非常に残念なのが、やはり邦題でしょう。まあスーパーチャンネルでは表示されないのでいいのですが、地上波では表示される局が大半であり、無視すればいいという問題ではありません。日本人なのに原題=英語だけを使うのも変ですしね。


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