ヴォイジャー エピソードガイド
第43話「ケイゾン総攻撃」(後)
Basics, Part II
イントロダクション
※1※2チャコティたちのグループは草原を歩いていた。赤ん坊を抱えたワイルドマン※3がよろめいたのに気づくチャコティ。ワイルドマンに近づき、代わりに赤ん坊を抱く。体力を温存するようにクルーたちにいうチャコティ。火山活動が活発なため、再び地面が揺れる。 ジェインウェイらは洞窟に入っていく。キムやトレスが後に続く。中の様子を確認し、今までは一番安全そうね、岩がシェルターがわりになるし風で虫も入って来ないというジェインウェイ。キャンプを張ることにした。 ニーリックスのグループは探索を行っている。ホーガン※4が洞窟を見つけ、ニーリックスを呼んだ。人が作ったみたいだ、洞窟を家にしてるのかなというホーガン。だとしたらこの印は入るなってことだなというニーリックス。入口にヒューマノイドの人骨が置かれている。武器や道具に使えるかもしれない、集めといてくれ、ミスター・ホーガンとニーリックスは言った。嫌そうな顔をするホーガン。ニーリックスにどうかしたのかと聞かれ、いいえ、集めるって全部をと尋ねる。貴重な資源だ、無駄にはできないというニーリックス。別のクルーに呼ばれて行った。ホーガンは骨を集め始める。洞窟の奥から音がしたような気がした。ホーガンに向かって中から猛スピードで迫るものがいる。叫び声を上げるホーガン。ニーリックスも気づいた。クルーたちも洞窟へ向かう。入口でホーガンの名を呼ぶニーリックス、しかし返事はなかった。 |
※1: 元々は第2シーズンの最終話として制作 ※2: 前回のあらすじの最後のナレーション "And now, the conclusion." が吹き替えされていません
※3: サマンサ・ワイルドマン Samantha Wildman
※4: Hogan |
本編
パリスはシャトルの修理を行っている。コンピューターにスタビライザーの点検を再度行うように命じる。スタビライザーの加速センサー部分にダメージが発見された。加速センサーはさっき直したばかりだと怒るパリス。警告が出され、インターセプトコースに船が接近している。ケイゾンのパトロール船だ。操縦席に座り、相手してる暇はないというパリス。 シャトルに攻撃を行うケイゾン船。パリスはエンジンを停止させ、一旦敵船をやり過ごした。そして推進エンジンを起動し、後方からフェイザーで攻撃する。ケイゾン船は爆発した。忙しいのに邪魔するからだとパリスは言った。 残っていたのはホーガンの制服だけで、遺体は見つかりませんでしたとジェインウェイに服を見せるチャコティ。俺のせいだ、骨を集めろなんて言わなきゃと後悔するニーリックス。自分を責めないでというケス。ジェインウェイはそんな事を言ってる時じゃない、ホーガンという大事な仲間を失って、これ以上犠牲を出さないようにすることが先決だという。こんな星で野垂れ死にするわけにはいかない、あの洞窟には立ち入り禁止を徹底してとケスに言う。安全基準を見直して、武器が必要だわとトゥヴォックにいうジェインウェイ。初歩的な武器ですが、既に設計済みですと答えるトゥヴォック。水と食料はと聞かれ、ホーガンには悪いがこの制服で蒸留器を作れば明日には飲料水が手に入りますというチャコティ。ニーリックスは食料源になりそうな植物は見当たりませんでしたと報告する。岩をひっくり返して探しなさいといい、自ら近くの岩をどかすジェインウェイ。岩の下にはイモムシのような虫がいた。それを手に取り、食べるのを嫌がるクルーがいたら艦長命令だと言いなさい、死ぬか生きるかの時よと言った。その虫をクルーの一人に渡し、歩いていくジェインウェイ。 ワープ航行を続けるヴォイジャー。赤ん坊を抱いたセスカが医療室に入ってくる。緊急用医療ホログラムを起動させる。隠れていたドクターが現れ、緊急事態の概要を述べたまえという。私を覚えてるとセスカに聞かれ、医学的に興味深い対象だからなというドクター。カーデシア人の体をもったベイジョー人といい、赤ん坊を見て新しいクルーかという。ヴォイジャーの指揮官が変わったので知らせに来た、驚くかしらというセスカ。ケイゾン・ニストリムがヴォイジャーを指揮しているという。面白いというドクターに、プログラム上問題があるかと尋ねるセスカ。ホログラムの観点からすれば、どのヒューマノイドも同じだというドクター。相手が誰であれ治療するだけさと言いながら、赤ん坊の検査を行う。セスカは嘘をつけるのか、そのようにプログラムされてるのかを聞く。患者と接する時にズケズケと言わず、真実を遠まわしに言うことは最近覚えたというドクター。はなから計算上で嘘をつくというのはまだやったことがないという。学習能力はあるから、嘘を覚えろというのであれば努力してみるといった。そうはいってない、ドクターはそのままでいいというセスカ。赤ん坊は健康体だというドクターに、良かった、ケイゾンの医者はあてにならないからという。息子が健康でチャコティも安心したでしょうというセスカ。だがドクターは、チャコティの息子ではないと言った。チャコティのDNAで受精したというセスカに、君はそのつもりでも結果が違ったようだという。コンピューター画面を見せ、赤ん坊はカーデシアのDNA配列とケイゾンのDNA配列をもっていると説明するドクター。地球人のDNAは全く違う。顔を見てよというセスカに、カーデシアとケイゾンの子は前例がない、産まれたばかりの顔で判断するのは難しいというドクター。成長すればケイゾンの特徴が出てくるだろうというと、マージ・カラがさぞ喜ぶでしょうというセスカ。緊急用医療ホログラム停止を命じ、医療室を出ていった。ドクターは一旦消えたが、すぐに現れた。 「医療日誌、宇宙暦 50032.7。セスカの赤ん坊の父親がチャコティ副長ではないことが判明した。」と記録する。彼に伝えたいが、どうしたらいい、サンドリーヌの店のギャングを集めて反乱を起こすかというドクター。ホログラムでネイサン・ヘイルとチェ・ゲヴァラ※5を呼び出すか、私は医者だ、革命家じゃない※6という。よく考えろ、私はただのホログラムではない、艦隊のホログラムだというドクター。戦術データベースからゲリラ戦術を学習することを思い付くが、それでは時間がかかってしまう。コンピューターにクルーの数を尋ねる。ケイゾンが 89名、そしてベタゾイドが 1名という答えが返ってきた。ベタゾイドと聞いて驚くドクター。どこに、誰だと尋ねて質問を一つに絞るように言われる。それは誰だと尋ねるドクター。ロン・スーダー乗組員という返答。場所は第8と第9デッキの間にいる。コミュニケーターで連絡を取ると、ジェフリーチューブにいるスーダーが答えた。この船はケイゾン・ニストリムに占領されているというドクターに、わかってる、だから隠れていたというスーダー。医療室まで来られるかというドクター。やってみるとスーダーは答えた。ドクターは緊急医療事態 1-1-4※7 を指示、スーダーのコミュニケーターシグナルを削除するようにコンピューターに命じた。船にいる痕跡を消すためだ。 夜になり、洞窟の気温は下がっていた。寒さに震えるクルー達に、体を寄せ合った方が暖かい、体温を逃がさないでというジェインウェイ。キムたちが手の平ほどもある卵を持ってきた。2キロメートル先に巣があったんですというトレス。キュウリのようなものも、2時間くらい行ったところで手に入ったというキム。ニーリックスにカブトムシのシチューは後回しにしろって伝えてというジェインウェイ。トゥヴォックは武器を作っている。 ジェインウェイに赤ちゃんはどうと聞かれ、多分疲れたんだと思いますと答えるワイルドマン。すぐに元気になる、宇宙で生まれた子ですものと微笑むジェインウェイ。火で暖めてあげて、もうすぐ付くと思うけどという。チャコティが木を使って火を起こそうとしているが、できずに諦めてしまう。情けないですよ、私の部族なら火を起こすくらい朝飯前だってのに※8というチャコティ。子供の頃から下手くそだったという。やけにならないで、誰がやっても駄目なんだからというジェインウェイ。木が悪いのよというジェインウェイに、何か焚き付けがあればというチャコティ。チャコティの目が止まったのは、ジェインウェイの頭だった。昔父に教わったことがあるというチャコティ。 ジェインウェイを含めた女性クルーの髪の毛が、石で切り取られる。それを焚き付けにして火を起こすチャコティ。ついに火が付いた。その様子を隠れて見つめる原住民のハノン人。 たき火の周りにいるケス達に、火を大きな石で囲んでやれば熱が逃げなくていいよと教えるニーリックス。探しにいった。ケスも追いかける。洞窟の外に出たケスは、ニーリックスを呼び、あまり遠くへいかない方がいいわよという。返事はない。洞窟へ戻ろうとしたその時、ケスはハノン人に捕まってしまった。 |
※5: ヘイルの名は訳出されていません ※6: "I'm a doctor, not a counterinsurgent."
※7: "Emergency Medical Priority 1-1-4" ※8: 原語では "Trapped on a barren planet, and you're stuck with the only Indian in the universe... who can't start a fire by rubbing two sticks together." |
パリスのシャトル。タラクシア人のパキシム※9と通信を行っている。ケイゾン・ニストリムがヴォイジャーを手に入れたと、亜空間通信で派手に触れ回っているというパキシム。クルーの安否は不明だ。船を修理してくれ、ヴォイジャーに向かおうというパリス。だがパキシムは我々の船では太刀打ちできないという。パキシム指揮官、あなただけが頼りなんだというパリス。ヴォイジャーのことならどこが弱点でどこに死角があるかも知っている、作戦は任せてくれという。パキシムはため息をつき、わかった、1時間後に会おうといって通信を終えた。1時間で何とか作戦を練らなくっちゃなとつぶやくパリス。 ヴォイジャーの医療室。コンジットの扉が開き、スーダーが入ってきた。遅かったじゃないかというドクターに、悪い、奴らがあちこち修理してて見つかりそうだったと謝る。あまり時間がない、今はワープで飛んでおりこのままでは離れる一方だと説明するドクター。何とかして船を止めないと、武器もいるという。何も答えないスーダーに、聞いてるのかと尋ねる。ああ、という答え。そうか、これは絶好のチャンスだと思っているんだろう、自由になるチャンスだというドクター。信じたのが馬鹿だったというドクターに、誤解するな、逃げるつもりはないと言うスーダー。では何だと聞かれ、誰かを殺すことになるかもと言った。確かに実力行使も必要だ、やむをえまいというドクター。スーダーはこれまで何ヶ月もの間暴力的感情を抑えていた、心を穏やかに保ち、やっと新しい自分になれた気がしたという。ドクターは、もしここにトゥヴォック大尉がいたら時には自分自身や仲間を守るために暴力も必要だというだろうと言った。論理的に正当な暴力もある、だが私の場合、一度たがが外れたら…というスーダーにドクターは近寄り、もし自分が信じられないのなら私を信じろと言う。力の限り支えてやる、ホログラムの私と君ではケイゾン相手にどこまでできるかわからないが、やるしかないというドクター。 トゥヴォックの作った武器を確かめているジェインウェイのところにチャコティが戻り、争ったような跡と、異星人の足跡がありましたと報告する。朝まで待てないわ、今すぐ追いましょうというジェインウェイ。追跡なら火を起こすより得意ですとチャコティはいった。いくつか武器を作りましたのでというトゥヴォックに、あいにく俺の部族は弓矢は使ったことがないというチャコティ。では私が、ヴァルカンのトレーニングセンター※10で数年アーチェリーを教えていましたからとトゥヴォックは言う。ジェインウェイは追跡チームを組むように命じた。 夜が明けた。ニーリックスとケスは、輪になったハノン人に囲まれていた。いきなりケスの髪を触った一人を、別の一人が威嚇して離させる。ハノン人は何か言いながらケスに近づこうとするが、ニーリックスは触ったらただじゃおかないとケスを抱きしめる。ついにはケスのために 2人が争い始めた。ふいに 1人の女性が叫んだ。チャコティが近づいてきたからだ。助かったというニーリックスに、怪我はないかと尋ねる。どこもというケス。チャコティはリーダーが誰かわかるか尋ね、杖を持ってる人みたいとケスたちは言う。別の 2人は俺たちをどうするか考えてる、似て食うか焼いて食うか想像してたりしてというニーリックス。危害を加える気はない、声の調子でわかるだろうとリーダー※11に話しかけるチャコティ。武器も持ってないといい手を広げ、仲間を帰してくれとニーリックスたちを示す。ハノン人たちは賛同していないようだが、リーダーは黙らせ、何かチャコティに言って近くにいた女性をチャコティに渡した。怯えた目でチャコティを見る女性。ありがとう、だが彼女は帰すというチャコティ。2人を連れて帰るという。ハノン人から不満の声が飛ぶ。リーダーはニーリックスを立たせた。「その女性を我々にくれ」という仕草をしたようなリーダーに、絶対やらないぞというニーリックス。チャコティはケスにゆっくり立ち、そのまま歩くように言う。ニーリックスがケスの後に続く。行かねばならんと言い残し、チャコティもハノン人のところを離れる。振り返らないで歩き続けろというチャコティ。そして 3人は走り始めた。追いかけるハノン人。だが隠れていたヴォイジャーのクルーが武器を構えた。トゥヴォックの放った矢が命中する。ひるんだ隙に逃げ出すクルーたち。 逃げ場を失ったチャコティは、洞窟に入れという。そこはホーガンがやられたところというニーリックスに、わかってる、奴らも追ってこないだろうというチャコティ。ハノン人は入ろうとしない。チャコティたちは入口の近くに留まった。 |
※9: Paxim (Russ Fega) 声:辻親八、TNG・DS9オブライエンなど ※10: Vulcan Institute of Defensive Arts ※11: ハノン人の役は Michael Bailey Smith と David Cowgill (映画FCの保安部員役) がクレジットされていますが、どちらがどちらかは不明 |
ヴォイジャーは飛行を停止していた。お前ら何をやってる、ワープドライブくらい一度も見たことがないのかと怒るカラ。今日誰も反物質フローに触ってないって言うのというセスカに、誰もと答える作業を行っているケイゾン人。嘘を言ったら打ち首にしてやるというカラに、嘘などつきません、マージという。反物質インジェクターが突然凍り付くなんておかしい、コアの温度が下がるとか前兆があっていいはずというセスカ。彼が嘘をついてるか…といい、セスカは思い付いたように、侵入者がいないか艦内をスキャンするようにコンピューターに命じた。だが実行できない。内部センサー中継器が故障しているのだ。修理は終わったといわなかったというカラに、言いました、終わったはずですというケイゾン。全てのデッキとジェフリーチューブをくまなく捜索して、連邦のトリコーダーを使うように命じるセスカ。 その機関部の様子を、コンソールで見ていたドクターとスーダー。ポータブルトロン※12発生装置はあるかと尋ねるスーダーに、もちろん、火傷の治療に使うからなといって渡すドクター。マキがよく使う手だが、トロン粒子でトリコーダーのセンサーを撹乱できるというスーダー。それを作動させる。船を取り返すには何か武器が必要だというドクター。スーダーは何も答えずに、ジェフリーチューブの中へ入っていった。 泣き続けるワイルドマンの赤ちゃん。熱がある、どうしたらいいのかというワイルドマン。ジェインウェイが水を取りに行く。外でクルーに水を受け取る。地響きが大きくなってきていますというキム。チャコティたちの帰りが遅い、様子を見に行った方がいいというジェインウェイ。一緒に行くから待っててという。 ハノン人たちは洞窟の入口で火を炊き、いぶり出そうとしていた。やむをえず、別の出口がないか奥へ進み始めるチャコティたち。揺れる洞窟。岩が崩れ落ち、もろくなっている。 風を感じるというケス。ニーリックスがこっちの方からだと指差す。さらに進むと大きな穴があり、そこには巨大なヘビのような生物※13が眠っていたのだった。 洞窟の入口にいるハノン人を、遠くから観察するジェインウェイとキム。他のクルーたちのところへ戻る。あんな危険な洞窟に入っていったと思いますと尋ねるキムに、それしかなかったのよというジェインウェイ。どうやって助け出しますというトレス。フェイザーの爆発で追い払うとかというキム。ジェインウェイは足が一番速いのは誰と尋ねた。トレスがアカデミーでは陸上チームにいました、よくコーチと衝突したけどという。ほかにも誰かいないとの問いに、アイヤラ※14と女性クルーが名乗りをあげた。注意を引きつけ、走って遠くへ逃げるように命じるジェインウェイ。 どっちへ行くとトゥヴォックに聞くチャコティ。戦術的に言えばどちらもいま一つですが、この生物をやり過ごせば出口ですしというトゥヴォック。ゆっくり歩け、一列でなと指示するチャコティ。生物の様子をうかがいながら、歩き始める。 洞窟の入口で呪文を唱えるように火を炊くハノン人。丘の上からトレスたちが武器を投げ、こっちよとおびき寄せる。走り去る 3人を追いかけるハノン人たち。入れ違いにジェインウェイとキムたちが洞窟の入口に来て、火を消し始める。 ゆっくりと歩くチャコティたち。だが 1人の男性クルーが足を滑らせてしまった。穴に落ちないように手を取るチャコティとトゥヴォック。生物が目を覚ました。引き上げることができない。危ないというケスの声。男性クルーは一飲みにされてしまった。生物を一斉に石や弓矢で攻撃するクルーたち。 火を消し、中に入るジェインウェイたち。出口を開けましたというキムの声がチャコティに届く。走れというチャコティ。生物は長い体をくねらせ、追いかけてくる。次々と洞窟を出るクルー。トゥヴォックはチャコティから槍を受け取り、もろくなっている頭上の岩を壊し始める。手伝うチャコティとキム。迫り来る生物。岩盤が崩れ始めた。逃げ出すチャコティたち。生物の声が聞こえるが、追っては来ない。洞窟を去るジェインウェイたち一同。 |
※12: thoron トリウムの崩壊に伴う副産物の放射性同位元素で、別名ラドン220。DS9第16話 "If Wishes Were Horses" 「夢幻の刻」など ※13: エンサイクロペディアでは、ハノン陸ウナギ (Hanonian land eel) とされています。Dan Curry デザイン、Foundation Imaging が制作したもので、ヴォイジャーで初のCG生物
※14: Ayala |
トリコーダーで捜索を続けるケイゾン人※15たち。だがトロン粒子のせいでスキャンできていない。上のレベルを調べろと部下に命じる。そのケイゾンのすぐそばに、スーダーがいた。 医療室では、コンピューターが緊急用医療ホログラムチャンネルに亜空間通信が入っていることを伝えた。受け取るドクター。それはパリスのメッセージだった。「このメッセージが届くことを祈るよ、でなきゃ一巻の終わりだ。ケイゾンの通信にカモフラージュしてこのメッセージを送ってる、奴らは医療チャンネルまではモニターしてないだろう。今から助けに行く、だが一つだけ頼みがある。こちらが攻撃を始めたら、内部でコンピューターを操作してフェイザーのバックアップ回路※16を切断して欲しいんだ。間違えないで、バックアップ回路だぞ。メイン回路はこっちで破壊する、バックアップに切り替えた時にオーバーロードするようにしといてくれ。攻撃が始まるまでは動くな、気づかれるとまずい。一旦切るぞ、成功を祈る、お互いに。」 メッセージを読み終えると、スーダーが戻ってきた。いいニュースだ、援軍が来る、ミスター・パリスがこちらへ向かってると教えるドクター。スーダーが出てきたコンジットには、ケイゾンの死体があった。あの場に残して見つかったらやばいと思ったからというスーダー。賢明な判断だ、私が血行停止ドローアー※17に隠しておこうというドクター。これで武器も手に入ったといい、スーダーはその場に倒れ込んだ。君はなすべきことをしただけだ、インプロヴァリン※18を 5cc打てば気持ちも落ち着くというドクターに、薬はいい、じっとしていればというスーダー。直に治るという。 作戦室にいるセスカのところに来て、パトロール船からメッセージが入ったといいコンソールを見るカラ。ヴォイジャーのシャトルを発見して追跡し、撃墜したそうだという。乗組員は 2人と尋ねるセスカに、わからないというカラ。クルーを捕虜にした時に 2人足りなかったでしょ、艦内に残っている可能性はないのとセスカは聞く。ない、だがトロン粒子が船内に漏れてるせいで調査が手間取っているというカラ。セスカは驚き、それはマキがよく使う撹乱作戦だと言った。 このままでは済まない、彼らは必ずまた襲ってくると考えられますとジェインウェイに言うトゥヴォック。今のうちにもっと武器を用意して、皆が使えるように訓練しておきましょうと進言する。できれば戦いは避けたい、この先ここに住むなら彼らは隣人よというジェインウェイ。しかしというトゥヴォックに、チャコティも共存していく道を考えないと、という。共存できる相手だとお思いですか、殺すことしか考えてないというトゥヴォック。そうは思わないねというチャコティ。洞窟の中からケスがジェインウェイを呼びながら出てきた。赤ちゃんの息が荒くなっています、熱も高くて、手は尽くしているんですがというケス。その時大きく地面が揺れ出した。キムがジェインウェイを呼ぶ。何が起こったか悟ったジェインウェイは、今は避難するのが先決ね、キャンプを解散してという。上の方で、火山が噴火し溶岩が流れ出していた。 ケイゾン人を引き連れ、医療室に入るセスカ。なぜまだいるの、プログラムは消したはずなのにとドクターに言う。思い違いではというドクターに、トロン発生装置はどこと尋ねるセスカ。上陸班が任務中に壊して、そのまま捨ててきたというドクター。ヴォイジャーには誰が残ってるのと聞くセスカに、知らんねという。知ってるはずよというセスカ。実はクルーが何十人か残ってて、あちこちに隠れて破壊活動をしているとドクターは言った。嘘でしょ、せいぜい 1人、それも元マキのクルーねというセスカ。確かに、大当たりだ、マキのクルーだよというドクター。クイズゲームをしている暇はないのよというセスカに、ホログラムには拷問は効かない、私が口を割るとでも思うかという。セスカはあなた一人でやれるわけがないという。私を見くびっているようだが、これくらいのことは一人でできるというドクター。破壊工作は、全てコンピューターの助けを借りて私がやったという。途中で君のクルーに見つかって困ったことになったというドクター。 血行停止ドローアーから、ケイゾンの遺体が出される。あなたが殺したのと聞くセスカ。やむをえずねというドクターに、誰も隠れてないならなぜトロンで撹乱したのと尋ねる。誰かが隠れていると思わせた方が得だと思ったからさ、君たちもその誰かを探し回って何時間も無駄にしただろうと笑うドクター。あなたは信用ならないってことがよくわかったわというセスカ。ドクターは目の前にいるお手本から学んだんだよと言った。セスカはコンピューターにカラ-0-1※19 にアクセスし、連邦のボイスコマンドを無効にしてセキュリティロックをかけるように命じた。ふいに大きく船が揺れた。ブリッジに連絡を取り、何ごとと聞くセスカ。タラクシアの船が攻撃してきた、心配することはないというカラ。セスカは医療室を出て行く前に、これ以上邪魔されるはごめんだからと言ってホログラム装置に武器を発射した。それと同時にドクターの姿も消えた。 避難を続けるジェインウェイたち。一際大きく地面が揺れたかと思うと、再び火山が噴火した。一斉に走り出す。 |
※15: (ジョン・ケントン・シャル John Kenton Shull TNG第173話 "Firstborn" 「クリンゴン戦士への道」のモロー (Molor)、DS9第70話 "Shakaar" 「シャカールの乱」の保安部員、第86話 "Return to Grace" 「新たなる戦線」の K'Termang、VOY第123話 "Barge of the Dead" 「さまよえるクリンゴンの魂」の Brok'Tan、第169話 "Homestead" 「帰り行く処」のノコナ (Nocona) 役) ※16: フェイザーの回路 (フェイザー砲の回路) phaser power coupling
※17: stasis drawer
※18: improvoline ※19: "Culluh-0-1" |
ヴォイジャーを攻撃する 2隻のタラクシア戦闘機※20。医療室にスーダーが戻ってきた。ドクターを探すが、いない。緊急用医療ホログラム起動を命じても、艦隊クルーのボイスコマンドが無効になっているため実行できない。突然何かの音がして、ミスター・スーダーと呼ぶ声がする。ドクターのもので、コンソールに映像が映し出されている。「君がこれを聞く時は、緊急用医療ホログラムが起動できなかった時だ。万一の時のためにこのメッセージを用意しておいた。私が消えた今、ヴォイジャーの運命は君一人にかかっている。君がどんなに不安かはよくわかる。だが私は君を、信頼している。君はクルーを助けるため勇気を振り絞ってくれた。ジェインウェイ艦長やトゥヴォック大尉に、君の勇気ある行動を記したメッセージも残してある、私が消えても伝えられるように。何をすべきかは君もわかっているはずだ、君ならやり遂げてくれると信じている。幸運を祈る。」 スーダーはしばらく無言で考え、武器を構えて医療室を出ていった。 タラクシアの船は星雲に向けて退却を始めましたと報告するケイゾン人。ニストリムを敵に回したことを後悔させてやる、奴らを追跡しろと命じるカラ。 パキシムからパリスに通信が入る。計画通り追ってきた、そちらへおびき寄せるという。了解、予定通りだなというパリス。うまくやってくれよ、ドクといった。 下は溶岩の海になっている。歩き続けるクルーたち。ハノン人も列を成して歩いている。1人が叫び出した。そちらへ向かって走り出すチャコティたち。見ると、1人のハノン人が溶岩の上の岩に取り残されている。チャコティは崖を下り始めた。取り残されたハノン人を抱え、再び登り始める。固唾を飲んで見守るハノン人と、ジェインウェイたち。ハノン人は仲間のところへ無事戻された。リーダーが向こうを指差し、何か告げる。うなずき、後を追って歩き出すジェインウェイ。 タラクシア船の後を追って星雲へ近づくヴォイジャー。シャトルのパリスが動き出した。フェイザーでヴォイジャーの船体下部に集中的に攻撃する。どうなってるというカラに、フェイザー砲の回路が攻撃されましたというケイゾン。どこからと聞くセスカ。だが敵は見えないという。スキャナーには何も映っておらず、シールドも破られた。回避行動を命じるカラ。 機関室には、スーダーが潜入していた。隙をうかがい、次々とケイゾン人を撃ち倒していく。全員を撃った。しばし茫然とするスーダー。ゆっくりとコンピューターパネルに向かい、操作し始める。だが後ろでまだ動いているケイゾンがいることに気づかなかった。背後から撃たれ、倒れ込むスーダー。手が届かなくなる寸前、パネルのスイッチを押すことができた。そのまま床に倒れた。 ヴォイジャーを追うシャトル。ブリッジでも連邦のシャトルだと判明した。フェイザー砲ロックオン、撃墜を命じるカラ。だがメインフェイザー回路はダウンしている。バックアップシステムに切り替えてというセスカ。フェイザー砲ロックオン、発射…しかし発射されず、警報が鳴り響いた。オーバーロードのようですというケイゾン。その瞬間、船中に光が走った。 船体に走る光を確認し、やったなドクというパリス。パキシム指揮官に連絡を取り、スタンバイ、ヴォイジャーに転送すると伝える。スタンバイというパキシムの声。 赤ん坊の泣く声が聞こえてくるブリッジ。セスカはよろよろと体を起こすと、這うように作戦室へ向かって歩き出した。カラが呼ぶ声は耳に届いていない。作戦室に入ったセスカ。しかし赤ん坊に手が届く直前、倒れて動きを止めた。続いて入ってきたカラ。セスカは息を引き取っていた。武器を構えたパリスとタラクシア人たちがブリッジへ転送される。機関部からカラに通信が入り、敵が乗船しましたと伝える。カラは船を脱出するように命じ、赤ん坊を抱えた。パリスはマニュアル操作でブリッジを閉鎖し、コンピューターをオンラインに戻そうとする。しかしボイスコマンドが無効にされている。ケイゾンのシャトルが出ていった、脱出ポッドも発射されてるというパキシム。ほっとこう、今は追いかけてる時じゃないというパリス。 泣き続けるワイルドマンの赤ん坊。それを見ていたハノン人のリーダーが、何かしたそうだ。持っていた薬を歯に包み、それを赤ちゃんの首元にあてた。途端に泣き止む。息が楽になったみたいというケス。微笑むワイルドマン。ハノン人が叫び、空を指差した。一斉に立ち上がるクルーたち。それはもちろん、戻ってきたヴォイジャーだった。 ブリッジに戻ってきたジェインウェイに、お帰りなさいというパリス。よくやってくれたわと握手をするジェインウェイ。みんなのおかげです、タラクシア人、ドク、ミスター・スーダーというパリス。スーダーは最初の攻撃で殺されたんじゃというキム。いや、彼とドクターが船を守ってくれたんです、そのためにスーダーは命を落としましたとパリスはジェインウェイに告げた。 医療室のベッドに横たわるスーダーの遺体。彼は最後まで立派だったよというドクター。トゥヴォックは、君にヴァルカンの祈りを捧げようと言う。額に手を置き、「永遠の眠りが、君に心の平穏を与えんことを。」と言った。 チャコティはセスカの遺体を見つめていた。そして毛布を顔にかけた。 作戦室から出てきたジェインウェイは、キムに船が航行を続けられる状態にあるかを尋ねた。推進・ナビゲーションシステム共に正常に機能していますというキム。よろしい、この新しい故郷とはお別れよ、昔の故郷にコースをセットして、ミスター・パリス、ワープ8 というジェインウェイ。コースをセットし、目的地はアルファ宇宙域というパリス。艦長席に座ったジェインウェイは、発進を命じた。ヴォイジャーはワープに入った。 |
※20: Talaxian fighter |
感想
さてお待ちかねの後編ですが、それぞれの問題が同時に進行し過ぎという感じもします。ホーガン、スーダー、そしてセスカと、次々にゲストキャラが死んでしまうのも不満ですが、ひとまず全ての事柄に決着を付けたという点では評価できます。 |
第42話 "Basics, Part I" 「ケイゾン総攻撃(前)」 | 第44話 "Flashback" 「伝説のミスター・カトー」 |