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TNG エピソードガイド
第64話「アンドロイドのめざめ」
The Offspring

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・イントロダクション
※1『航星日誌、宇宙暦 43657.0。ライカー副長は現在休暇を取っているが、我々はセリービ小惑星地帯※2の調査のため、セクター396※3 に向かった。』
廊下。
ラフォージとウェスリーに、トロイが合流した。
ラフォージ:「データのところ?」
トロイ:「そうよ? あなたたちもなの?」
ウェスリー:「呼び出して何を見せる気だと思う?」
ラフォージ:「この前のサイバネティクス学会以来、変なんだよ。オフの時はラボにこもりっきりでさあ。」
トロイ:「データが秘密をもつなんてらしくないわ。」
ウェスリー:「おまけにラボに鍵をかけてるんだ、怪しいよう。」
ラフォージ:「どうしてそれを知ってるんだ?※4」 ウェスリーと笑う。
ドアを開けると、データがいた。「ああ、早すぎたな。ちょっと待って。」 手元のボタンを押すと、そのままドアが閉まった。
顔を見合わせるトロイたち。

データは人工の脚を組み立てているようだ。
コンピューターを操作すると、台座が上がっていく。つけたばかりの足は、もう指を動かしている。
再びドアが開いた。
データ:「中へどうぞ。」
ラフォージ:「…おいデータ、何だよ。」
ウェスリー:「何が始まるんだい?」
データ:「まず君たちに会わせたくてね。」
操作すると、台座が降りてきた。中央に立っている人物は、体中が金属の色をしている。
台座の入り口を開くデータ。「この子の名前は、ラル※5。……ラル?」
振り向くラル。
データ:「カウンセラー・トロイに、ご挨拶しなさい。」
ラル:「…はじめまして、カウンセラー。」 機械的な声だ。
微笑むトロイ。「ご機嫌いかが?」
ラル:「異常ありません。正常に機能しています。」
データ:「ラル? こちらはジョーディ・ラフォージ。」
「なぜ布をまとっているのですか、パパ。」
その言葉に驚くウェスリー。「パパ…」
データ:「服を着るのは人間の習慣なんだよ。」
「データ。いま『パパ』って言った?」
「その通り。…私の子供だ。」


※1: このエピソードは、ライカー役ジョナサン・フレイクスの初監督作品です。この話を含めて TNG で 8話、DS9 で 3話、VOY で 3話演出した後、映画第8作 "Star Trek: First Contact" 「ファースト・コンタクト」と第9作 "Star Trek: Insurrection" 「スター・トレック 叛乱」も担当しました (参考)

※2: セリービ小惑星帯 Selebi Asteroid Belt
吹き替えでは「セリー」とも聞こえます

※3: Sector 396

※4: なぜデータがロックしていることを知っているのか、という意味。吹き替えでは何を思ったのか、「自閉症かな」と訳されています。現在なら考えられない意訳ですが、DVD の吹き替えでもそのままなのが残念です

※5: 初期ラル Initial Lal
(レナード・J・クローフット Leonard J. Crowfoot TNG第14話 "Angel One" 「奪われた女神達の惑星」のトレント (Trent) 役) ノンクレジット。ゴム製の衣装から銀色のコンタクトまでメイクに 4時間、取るのにも数時間かかったそうです。声:高乃麗

・本編
『航星日誌、補足。データ少佐が実行した驚くべきプロジェクトは大きな波紋を呼んだ。』
ラボ。
データ:「ラルのポジトロニックブレインは、私とほぼ同じものです。先日の学会の後、プログラムを始めました。」
ラフォージ:「だけどスン博士が亡くなってから、造れる人はいなかったんじゃ。」
「ええ、ですが学会で新しいサブミクロン・マトリックス転写法※6が発表されたのです。これを使えば、複雑なニューロネットでも複写が可能になりました。」
ウェスリー:「自分の電子頭脳をラルに写し取ったんだね?」
「その通りです。ようやくスン博士の研究を続けることも、夢ではなくなりました。回路は、いくつかのパートに分けて転写しますので、まだ完成には時間がいりますが。」
ピカード:「データ。…事前に相談してほしかったな。」
「…子供を作るのに艦長の許可を取っている人間は見たことがありません。」
ため息をつくピカード。
トロイ:「どうして、もっと人間に近い外見にしなかったの?」
データ:「…外見と性別は子供に自分で選ばせてあげたかったので。」
ピカード:「データ少佐、後で話がしたい。作戦室に来てくれ。カウンセラー。」

廊下を歩くピカード。「何とかしてデータの思い込みを捨てさせなければ。あのアンドロイドが自分の子供だと? とんでもない…あれは発明だ、優れた発明だが。」
トロイ:「バイオロジーで子供は作れても、テクノロジーには作れないっておっしゃるの? データは自分の子孫を作ったんです。自らの意思によって産み落としたんですから、それは子供ですわ。データがラルのことを子供だと言って、間違いではありません。」
「そうかもしれんが…私は高度の学習システムを備え、人間十人分の力をもったアンドロイドを子供とは呼べんよ。」
「…艦長もお子さんをもてば。」

作戦室。
ピカード:「君のしたことは、今後さまざまな問題を呼ぶだろう。正直言って残念だよ。なぜ今まで誰にも、一言も言わなかったんだ。」
データ:「すみません、艦長。反対されるとは思わなかったので。ラルを機能停止せよと?」
「君の子供なんだろう。簡単に作ったり始末していいものではない。…もっとずっと…真剣に受け止めるべき問題だ。…この件が連邦に知れたらどうなるか考えてみたことはあるのか。」
「私は惑星連邦の規則に違反することはしていません。よかれと思ってやりました。」
「…うーん、全く。…君はこれで大変な責任をしょい込んだんだぞ?」
「そのためにあらゆる育児関係の本を調べ、準備しました。さまざまな説が混在していまして、古いことわざではこう言っています。『可愛い子には、旅をさせよ』※7と。試練を与える教育です。全く反対の説もありまして、放任主義と呼ばれているものです。」
「データ。」
「クリンゴンの子供の教育は…」
「今は教育の話をしてるんじゃない、君が新しい生命を創り出したという異例な事態を問題にしてるんだ!」
「…しかし、子供には教育が必要なのでは?」
頭を抱えるピカードを、覗き込むデータ。
ピカード:「データ。君がやろうとしていることは…生みの親のスン博士のしたことと同じだ。知識と知覚を備えた、アンドロイドを作ること。もう一人のデータを、作ること。」
データ:「私の目的は、まさにそれです。…どの種族を例に取ってみても、種の保存という本能が備わっていますが、私の種族の場合自分が最後の一人です。私が壊れたり故障すれば、それでおしまいです。…でももしラルが上手くできあがれば、消えてしまう心配はない。リスクは承知しています。責任も全て、引き受けるつもりでいます。」

廊下を歩くラルを見ながら、歩いていくクルー。
ラル:「女性ですね?」
トロイ:「そうよ? 私と同じ。」
別のクルーを指さすラル。「これは男性。」
データ:「そうだよ。」
「そして私は…中性。なぜです?」
「自分で選んでいいんだよ、ラル? 姿形もね?」
「選択基準は?」
「性別については、データバンクにアクセスしなさい。パラメーターの定義がわかる。」
トロイ:「一度決めたら、一生変わらないからよく考えて? それによって周りの人との関わり方も違ってくるわ?」
「決めました、トロイと同じにします。」
データ:「駄目だよ、混乱を招くだろ。これからホロデッキに行って、約3,000※8 のモデルパターンを見せてあげるから。そこからお選び。」
トロイ:「3,000 も準備したの?」
「一生の問題だからね。」

ホロデッキ。
座って居眠りしているトロイを、データが起こした。「カウンセラー。」
トロイ:「あ…」
「ラルが候補を、4つに絞り込んだ。見てみますか?」
「ええ、見せてどんなの?」
「…コンピューター、ラルの最終リストを表示しろ。スタート。」
ラルの姿が変わった。
データ:「アンドリア※9の女性。」
トロイ:「いいかもね。エンタープライズに、アンドリア星人はいないし。」
「うーん。そうなると社会に溶け込むのが大変かなあ。…地球人男性。」
鏡の前にいるラルの姿が変わる。
トロイ:「魅力的ね、これならすぐ社会に溶け込めるわ?」
データ:「地球人女性。」
「可愛いわ。」
「クリンゴン男性。」
「ウォーフの仲間ね。」 元に戻る。「どれもみんなよかったけど、一つに決められそう?」
ラル:「はい、もう決めました。」

ラボ。
データ:「ラルの新しいボディの組み立てが終わった。皮膚や目の色は、私より更に本物に近い出来栄えだよ。」
台座が降りてくる。ラル※10は地球人女性の姿を選んでいた。
トロイ:「おめでとう、データ。女の子ね。」


※6: submicron matrix transfer technology

※7: "Spare the rod, and spoil the child."

※8: 原語では「数千」

※9: Andorian
TOS第44話 "Journey to Babel" 「惑星オリオンの侵略」など。TNG 初登場。青色というより緑っぽい肌をしています。このシーンはモーションコントロールを使って撮影されています

※10: Lal
(ハリー・トッド Hallie Todd コメディ "Brothers" (1984〜89) に出演。"The Dick Van Dyke Show"、"The Nancy" に出演した Ann Morgan Guilbert の娘) 声:南杏子

ラルと部屋に入るデータ。「ここが、我が家だよ?」
ラル:「我が家。…住むための場所。家族と呼ばれる社会単位が共に暮らす。」 声は人間らしい。
「そう。私達は家族だ。…椅子。座るんだ。さあ。」
真似するラル。
データ:「そうだ。」 壁の幾何学的な絵を指さす。「絵画。」
ラル:「絵画。表面に絵の具を塗り、画面を構成した物。」
「そうだよ? 絵画の芸術性については、もっと後で教えてあげよう。」
ラルはソファーに座り、表面をなでた。「柔らかい。」
データ:「そう。その通りだ、ラル。手触りの感覚を正しく理解している。これから二人で、いろいろ素晴らしい体験をしていこう。」
「絵画。」
「いや。これは、花というんだ。吸い込んで?」 顔を近づけ、匂うデータ。
「…匂い。」
「そう!」
「もっと教えて、パパ。」
データ:『航星日誌データ記録、補足。』

データ:『…最も初歩的なレベルの社会訓練を開始した。ラルの進歩は非常にゆっくりだが、今のところ確実に進んでいる。』
テン・フォワードで飲み物を口にするラル。だがそのまま口から垂れ流してしまった。

データ:『バランス能力の進歩は 12%。さらに改良が必要だ。』
ウェスリーと大きめのボールを投げ合うデータ。
ラルは自分に投げられたボールを受け取らず、肩に当たってしまう。
その後になって手を挙げた。
仕方なく微笑むデータ。

データ:『現時点ではまだ視覚による認識が難しい。データバンクと実際の現象を関連づける能力は、次の回路の転写で改善されるだろう。アンドロイド的な動作も、学習により人間的な反応に近づいている。』
コンソールで情報を見ていたラル。
データは瞬きの仕方を見せた。真似したラルは、瞬きをしっぱなしでコンソールを読み続けた。

データ:『面白いことに、ラルにこの世界について教えながら、同時に私自身も一から学び直しているかのようだ。』
ラルは物を食べ、飲むことができた。
ラルの口に手を近づけるデータ。ラルは止め、自分でナフキンを使って拭いた。

ラボで話すデータ。「転写自体は非常に単純で、私の電子頭脳のニューロネットをそっくりラルにコピーしたと思えばいい。従って、理論的にはラルも私と同じだけの情報を処理できるはずだが…全ての回路の転写が終わるまでは確認できない。」
ウェスリー:「この子、データの仕事中は?」
「船室で勉強してる。監視の目がなくても大丈夫だ。独りで困ることはないよ?」
「学校に入れるとかしないの?」
「…人間に必要な知識は私から譲り受けてもってる。」
「でも、同い年の子供といると勉強になるし。」
「…生後 2週間の子と?」
「見た目の年が近い子供だよ。」
通信が入る。『クラッシャー少尉、こちらドクター。ウェスリー? 今日は髪を切る日じゃなかった?』
ウェスリー:「…今から行くよ。親なんて。…取り消すよ。」 出ていく。
データはラルのスイッチを入れた。「ラル。これで、第3段階の回路の転写は終わりだ。」
ラル:「パパ。私の目的は?」
「目的?」
「役割。存在する理由。」
「…それは複雑な問題だ。…ただ私達の役割として言えることは、一つだけある。この社会がよりよい環境になるよう、貢献することだよ。」
歩き回るラル。「どうして私は、ほかの誰かじゃないの。」
データ:「君は、私の子だから…」
「どこから生まれたの。」
「……その疑問は、そういった疑問をもつということは、学習システムの回路の転写が上手くいっている何よりの証拠だよ。これでもう、君は様々な情報を論理的、哲学的、認識論的に処理できるようになった。真の意味で、知覚が備わったと言える。」
「どういうこと?」
「疑問をもつことによって、自己の認識を確認できるわけだ。」
台座に戻るラル。「なぜ手は 2本なの?」
データ:「ああ、ラル…」
「3本ではいけないの? なぜ星は光るの? なぜあの…」
データはスイッチを切った。「ラル、明日から学校に通うんだよ?」
収められる台座。

コンソールに向かって話すピカード。「データは実によくやっています。ラルの指導者としてこれ以上の適任者はおりません提督。」
映っているハフテル提督※11。『データ少佐の素晴らしい功績は我々も高く評価しているが、こちらの方が設備も充実しているし人材もいる。大体、君らの任務とはかけ離れている…』
ピカード:「我々の任務は新しい生命体の探求であり、データの目指すところもまさにそれです。」
『ラルにとって、最良の道を取るべきだ。』
「もちろんです。……ラルをお引き渡しするのに、異存はありません。データも同行させ、引き続き指導に当たらせましょう。」
『それでは新しいアンドロイドの発達が、思うように進まないだろう。』
「提督にとっては新しいアンドロイドに過ぎないでしょうが、データにとっては…子供なのです。」
『子供だと?』
「そうです。我々には受け入れがたいことですが、データはそう考えています。…尊重せねば。…しばらくはこのままで。」
『惑星連邦の方針は、言ったとおりだ。君の反対の根拠は、説得力がない。理解を示してもらいたいものだ。通信を終わる。』
画面を消すピカード。

データに話すバラード大尉※12。「ラルは最初の学力テストで非常に高い得点を出したわ?」
データ:「満点でしょ?」
「そう。だから大きい子供たちのクラスに入れてみたんだけど、でもラルには人と人の関わり合いというものがわからないみたいなのよ。」
「…でしょうね。」
「そこで、もっと小さい子のクラスから始めてみることにしたわ?」
「適切な処置です。」
「それがなかなか難しくて。」 立ち上がり、教室の中を示すバラード。
ラルは子供たちから離れ、独り壁際に立っていた。
バラード:「みんなラルを怖がってねえ。」

ターボリフトに入るラル。「パパ? 笑いの意味を教えてちょうだい?」
データ:「ユーモアに対する人間の反応の仕方だ。」
「…学校の子供たちが、今日私に向かって笑いかけたの。自分では気づかなかったけど…ユーモアを使っていたのね。」
「…第15デッキ。」
明滅するライトを見るラル。
データ:「ラル。」
ラル:「…何パパ。」
「君に向かって笑いかけたんじゃなく、君を笑ったんだ。」
「…違いは?」
「好意がこもっているか、いないかだよ。」
「…好意をもたれないのはなぜ。」
「人と違うから。人間は自分と違うものを恐れる。また、中には…怖いのを、ユーモアでごまかす人もいる。」
「みんなと同じになりたい。」

データは医療室に入った。「ドクター。…あなたは立派な親だ。アドバイスして下さい。」
笑うクラッシャー。「あ…ありがとうデータ。…自信はないけどね。まあ、座ってちょうだい? …ラルはどう?」
データ:「…自分がほかの子供と違うことに気づきました。」
「…それで寂しいって?」
「寂しいという感情はもっていませんが、自分が阻害されているのは認識しています。みんなと同じになりたがってる。…どう助けてやっていいのか。ラルは、認識力を身につけて…今が一番難しい発達段階なのです。」
「昔…ウェスリーが子供だった頃、天才と言われるほど賢くてねえ。でも友達ができなかった。子供たちがウェスリーに恐れをなしたのね?」
「ラルも学校で全く同じ目に遭っています。どうされました?」
「…そうねえ。自分が子供だった頃を思い出して、ウェスリーの辛さを考えたの。私も、同じように友達ができない時があったわ。…その話をしたら、ウェスリーも楽になったみたい。いつか解決するって、吹っ切れたのよ。」
「ラルには、私の経験した困難を話しませんでした。嫌な印象をもたせまいと。…それが、間違いだったのですね。」
「あなたの経験では助けてくれる人は誰もいなかったけど…ラルにはあなたがいる。…あの子に独りじゃないって教えるのよ。そして…愛情と保護が必要な時に、そばにいてあげて?」
「…保護してやることはできます。でも、アンドロイドに感情はない。」 出ていくデータ。
「とっても愛情深い父親に見えるけど。」

寝ているピカード。アラームが鳴る。
ウォーフ:『艦長。ハフテル提督から、優先順位第一級通信が入りました。』
ピカードは目を覚ました。「…モニターに出してくれ。…提督。」
ハフテル:『ピカード艦長、邪魔してすまないな。』
「とんでもない。」
『例の件だが、艦隊司令部と協議した。私が行くまで、現在位置で待機してくれ。アンドロイドの発達を、この目で確認したい。』
「わかりました。」
『ただし言っておくが艦長、進歩が不十分と判断した場合…アンドロイドを連れ帰るから、そのつもりで。後ほど会おう。』 通信は終わった。


※11: Admiral Haftel
(ニコラス・コスター Nicholas Coster ドラマ「サンタバーバラ」に出演) 階級章は三つ星。脚本にはファーストネームがアンソニー (Anthony) とありますが、劇中では言及されていません。声:田中信夫

※12: Lt. Ballard
(ジュディアンヌ・エルダー Judyann Elder) 名前は言及されていません。声は初期ラル役の高乃さんが兼任

『航星日誌、補足。艦隊調査部※13のハフテル提督が調査のため訪れることになった。データ少佐は、「ラル」と名づけたアンドロイドに、最終段階のニューロネットの転写を行っている。ラルとはヒンドゥー語で、「愛すべきもの」という意味だそうだ。』
ラボ。
転写が行われる。

※14テン・フォワードの客。「ありがとう、ガイナン※15。」
ガイナン:「あらデータ。」
データ:「ガイナン。」
ラルをテーブル席に向かわせる。
ガイナン:「ラル。元気?」
ラル:「機能は正常に作動して……元気です、ありがとう。」
「そう。」
データ:「…ガイナン、ラルに人間を観察させたいんだが。」
「それならここはうってつけよ?」
「観察をしながら、あなたの手伝いをさせてもらえないかと。」
「ああ…」
ラル:「年齢を重ねた方から、学ぶことは多いと父が言いますので。」
「…いいわよ? …こういう仕事で大切なのは、人の話を上手く聞いてあげること。私のつかんだコツを、教えてあげる。」
データ:「非常に勉強になるでしょう。」
ラル:「言っとくけど、私は 1,412種類のカクテルが作れるのよ?」※16
ガイナン:「いま何て?」
「あんまり子供扱いしないでちょうだい。」
「待って。」
データ:「いつの間にそんなしゃべり方を。」
「アンドロイドとは思えない話し方ね。」
「私のプログラムでは不可能だったのに。」
ラル:「もう使いません。」
「いいんだ。私の能力を超えた。それは、素晴らしいが。なぜこんなことが起きたんだろう。」
ピカードの通信が入る。『データ少佐、作戦室へ来てくれたまえ。』
データ:「了解。」 出ていく前に、振り返った。
うなずくガイナン。

作戦室で座っているデータ。「提督も、ラルに会いたがっていることでしょう。発達状況も、定期的に報告していましたから。」
ピカード:「今回の提督の訪問目的は、ラルの発達状況を調べるだけでなく…教育環境の適性を見るためだ。」
「教育環境を?」
「ああ、ここよりガラー4号星※17のデイストロム※18分室に移した方が設備もそろって、好ましいと言っている。」
「我々に配置転換を。」
「いやそうじゃない。ラル…一人だ。」
「…その案には賛成できません。私にしか教えられないことがあります。私が積んできた経験は、ラルにとって最大の教訓です。」
ウォーフの通信。『艦長。ライカー副長のシャトルが戻りました。』
ピカード:「わかった、大尉※19。副長に伝えてくれ。話したいことがあるので、来てくれと。ラルの教育はその道のエキスパートに任せてこそ効果があるというのが、提督の主張なんだよ。」
立ち上がるデータ。「私が親としては不適格だと?」
ピカード:「そういう言い方もできる。」
「提督に子供はいますか。」
「あ…ああ、確かいたと思ったが? なぜだ。」
「初めて子供をもった親が、どれほどの経験をもっているか…疑問だったものですから。※20」 出ていくデータ。

テン・フォワードに、顔を近づけ合っている男女※21がいる。
ガイナン:「見える?」
ラル:「何してるの?」 カウンター内にいる。
「見つめ合ってるのよ?」
「テレパシーで話をしてるみたい。」
笑うガイナン。「きっと本人たちもそのつもりでいるんでしょうね。」
二人を見るラル。「ガイナン? 手と手を合わせるのは人間がよくやる行動?」
ガイナン:「…愛情表現よ? 人間は触れあうのが好きで、まず手をつなぐことから始めるの。」
キスするカップル。
ラル:「女の人に噛みついてる!」
ガイナン:「噛みついてるんじゃなくて、唇を合わせるキスって言うの。」
男女は出ていった。
ラル:「なぜ帰るの?」
ガイナン:「…あなたがもうちょっと大人になった時、お父さんがいろいろ説明してくれるわ。」 グラスを受け取りに離れる。
そこへライカーがやってきた。「新しい娘だね?」
ラル:「ええ。」
ラルはいきなりライカーの胸元をつかむと、自分の方へ引き寄せた。キスする。
ガイナン:「ラル! ラル! 離しなさい!」
直後に来ていたデータ。「副長。私の娘に、何なさるんです?」
ライカー:「…娘?! …そりゃ失礼。」 急いで出ていく。

部屋に戻るラル。「キスをするのを見て、同じことをしてみようと思ったのよ。でも、何の感情も起きなかった。…一生わからないの?」
データ:「我々の限界なんだ、受け入れなければ。」
「それでも人間に近づこうとするのはなぜ? 自分が不完全であることを思い知るだけで、何の意味があるの?」
「…私自身もそれは何度も考えた。なぜ人間に近づきたいのか。…そして、気づいたんだ。近づこうとする努力に、意味があるのだとね? よりよくなろうと努力することをやめてはいけない。たとえ決して、ゴールにたどり着けなくても…努力すれば、必ず報われる。」
「…ほんとにそう思う?」
「今まで積んできた、経験でそう信じてる。」※22
「…人間は手をつなぐのが好きだけど、それは愛情表現なんですって。」
ラルは、データの手に触れた。
データは手を返し、握り合った。


※13: Starfleet Research
吹き替えでは「艦隊司令部」。「調査部」と訳されている個所もありますが、「連邦調査部」などとなっています (そのほかにも連邦と宇宙艦隊を入れ替えて吹き替えされている個所がありますが、本文ではそのままにしています)

※14: TNG の国内地上波・初期CS放送分では、ごく一部にカット部分が存在しています (2時間エピソードを前後編に分けた際の、本国でのカットとは別)。DVD には吹き替えつきで完全収録されており、このエピソードガイドでは色を変えている個所にあたります

※15: Guinan
(ウーピー・ゴールドバーグ Whoopi Goldberg) 前話 "Yesterday's Enterprise" 「亡霊戦艦エンタープライズ'C'」に引き続き登場。声:東美江

※16: 原語では別に乱暴な話し方になっているわけではなく、ラルが "I've been programmed...." と、データが使えない短縮形を使ったことを意味しています。後のセリフは次のように続きます:ガイナン「いま何て?」 ラル (同じ文章を繰り返して)「私は 1,412種類の… (I've been programmed with...)」 ガイナン「"I've"?」 データ「短縮形を使った」 ガイナン「"I have" じゃなく "I've" って言ったわね」。日本語に出すのは極めて難しいので、苦肉の策でしょうね。ラルは後にも "I'll" と短縮形を使っています

※17: Galor IV

※18: デイストロム研究所 (Daystrom Institute) のこと。TNG第35話 "The Measure of a Man" 「人間の条件」で登場した、ブルース・マドックス中佐が所属。この部分は訳出されていません

※19: 吹き替えでは「尉」。第3シーズン以降、ウォーフの階級は大尉です

※20: 吹き替えでは多少わかりにくくなっていますが、「提督が初めての子供をもった時、どれほどの経験をもっていたか…」という意

※21: テン・フォワードのクルー Ten Forward Crew
(ヘイン・ベイル Hayne Bayle)、(ダイアン・モサー Diane Moser) セリフなし

※22: 原語では、ラル「パパは賢いのね」 データ「それが知識だけと、経験することの違いなんだ」

エンタープライズのそばに、エクセルシオ級の宇宙艦が来ている。
作戦室で座るハフテル。「客観的に見て、反対する理由などないだろう。」
ピカード:「お言葉ですが、何も見ないうちから決めつけられるのですか。納得できません。」
「艦長! これ以上話を難しくするつもりなのかね?」
「とんでもありません。提督の御心配はよく理解しているつもりです。ただ時間が頂きたい。もう少し先入観なしに御覧になれば、ラルの初期発達段階にはデータの存在がなくてはならないことが、提督にもおわかりいただけるでしょう。その段階を過ぎればデータも、ラルを艦隊調査部※13にお渡しするでしょうし。」
「それではまずいのだよ。間違いでもあれば、取り返しのつかない大きな損失になる。」
「…二人を引き離す方が取り返しのつかない結果につながります。」
「艦長。これは家族を引き離す話か? アンドロイドに対して、感傷的になりすぎていないかねえ。」
「…彼らには人権があります。彼らの権利と法的身分は明確に定義され保障されたはずです。※23
「承知してる! アンドロイドの権利は、認めるさ。しかし君も、忘れないでほしい。あのラルは、人工知能の研究開発を飛躍的に発展させる、重要な鍵を握っているんだぞ?」
「それはおっしゃる通りです。」
「だからこそ慎重な管理の下で完成させる必要がある。」
「管理はデータ少佐がしています。」
「これでは隔離状態ではないか。…惑星連邦の調査部として、見逃すわけにはいかんのだよ。」

データは頭につけていた機械を外した。「…私のプログラムは全て写し終わりました。」
ハフテルもラボに来ている。「君と全く同じ、ニューロネットをもっているわけか。」
データ:「量子レベルでの差は、多少あるようです。ラルの言語能力は、抜群です。」
「規格外だ。調査したのか?」
「ポジトロニックブレインの全活動の記録を調べ、あらゆる言語パターンを検証しました。ラルには応用力があるようです。」
ピカード:「自分より優れたものを作ってしまったわけか。」
「それが親の願いではないですか?」
ハフテル:「では父親として、特にこのような例外現象が起きている場合、診断技術のある専門家のそばにラルをおいた方が、安心だとは思わんかね。」
「診断技術なら私も備えています。また、ラルの機能を調査し検証するためには、比較対象の基準となるモデルが必要となります。現存するモデルは私だけです。」
「…だが君とて、まだ人間の文化と行動を全て学んだわけではないだろう。」
「そうですが。」
「ラルはどこだね?」

ラルはグラスを運んでいた。
テン・フォワードに入るハフテル。「…これが君の言う、教育ってやつかね。」
データ:「人間の行動を観察する絶好の機会です。大切なのは、やはり人との関わりですから。」
ラルに話す客※24。「あら、ありがとう。」
ハフテル:「…60兆もの計算を、わずか一秒でこなす彼女をつかまえて、ウェイトレスの真似事をさせているのか。」
ピカード:「提督。ラルには我々が最も信頼をおいている女性が指導に当たっています、ご安心を。ここは船内でも、一番くつろげる場所ですからあらゆる人間が来る。」
「バーで観察できるようなことが、役に立つとは思えんがね。」
ガイナン:「ここではみんなあるがままの自分を出してるわ。そうでない人はお断りしてるの。」
ピカード:「ご紹介します、ガイナン。バーを任せています。ラルはどうだね?」
「しょっちゅう飲み物をこぼしてるけど、進歩してるわ?」
ラルの前の客が笑っている。「おかしいでしょ、この人。」
ハフテル:「…こんなところには、おいておけん。」
ガイナン:「提督だって、お若い頃はバーぐらい行ったでしょう。」
「…今から面接を行う、連れてこい!」

観察ラウンジに入るラル。ピカードは座るよう示した。
ハフテル:「やあ、ラル。君に会うのを楽しみにしていた。」
ラル:「なぜ?」
「…君は、連邦調査部の宝物だよ。ガラーには素晴らしい施設があってね。見せてあげたい。」
ピカード:「提督は、君をガラー4号星に連れて行くおつもりなんだ。」
ラル:「何かの罰ですか?」
ハフテル:「いやあ、そうではない。広い世界を見せてあげたいんだ。船の上で学べることには、限りがある。承諾してくれるね。」
「承知しました。」
「よし。」
「では、論理的に考えてこの船で学ぶべきことを全て習得した後、ガラー4号星に行きます。」
「それは、論理的な考えとは言えんなあ。」
「…そうでしょうか。」
ピカード:「つまりこの船で、君の父親が与えてくれるよりもっと…幅の広い、教育が必要だとおっしゃっているんだ。」
ハフテル:「そうだ、君の父親の能力には敬意を払うが。」
ラル:「敬意は感じられません。」
「…どうも、反抗的なようだな。」
「事実を述べたまでです、提督。」
「…父親に教わらなかったかね。思ったことを言っていい場合と、悪い場合があるのだと。まあいい。これから我々が、教えてやろう。」
「教育なら父に受けています。」
「果たしてそれが、十分といえるかな。」
「…それは質問ですか?」
「いいや、私が言わんとするのは…」
ピカード:「どうです提督。ラルの希望を聞いては。彼女には知覚力があり、自由と権利ももっている。君はどうしたい。」
ラル:「…ここに残りたいと思います。ピカード艦長。」
「……ありがとう、ラル。行っていいぞ。」
部屋を出たラルは、どこが様子が変だ。

自室で花を生けていたトロイは、ドアチャイムに応えた。「どうぞ?」
ラルが入る。
トロイ:「あらラル。…どうしたの?」
ラル:「トロイ。提督…提督が、連邦から来た提督が私をよそへ連れて行くって。私…怖いわ。」
「恐怖を感じてるの?」
自分の胸を指すラル。「感じてる。どうしてこんなことが起こるの?」
トロイ:「わからないわ。」※25
ラルは何度も胸を叩く。「…これが感情ってものなの? …この気持ちが、人間の感情…。」
出ていくラルの後を追うトロイ。


※23: TNG "The Measure of a Man" より

※24: テン・フォワードのクルー Ten Forward Crew
(マリア・レオン Maria Leone) 声はクラッシャー役の一城さんが兼任、(ジェイムズ・G・ベッカー James G. Becker) 声はラフォージ役の星野さんが兼任

※25: 吹き替えでは、ラル「怖いなんて…ありえないのに」 トロイ「でも事実よ」

観察ラウンジ。
ハフテル:「君はラルを生み出し素晴らしい世界を与えてやった。世の親がするようにな。…だがやはり、ラルを私に引き渡すことに同意してもらわねばならん。」
データ:「理由をうかがえますか?」
「教育環境は別にして、無視できない事実がある。スン博士型のアンドロイド※26は君たちしかいないんだ。2体を一緒におくのは、危険すぎる。それも宇宙船ではな。攻撃されれば※27 2体とも、失うことに。」
ピカード:「提督、それはもっともですが…しかし……私の考えではやはりラルの発達に最も望ましい場所は…データのそばです。」
「君には、子供がいないだろう。私にはいる。だから、わかる。辛い事実だが…子供は、いつの日か…親のもとから巣立っていく。それが子供にとって一番いいんだ。」
「早すぎます! 生まれたばかりですよ。それに…親と子の絆は切れるものではありません。子供は……ラルは、父を頼ってます。」
「データ少佐、できれば君の口からガラー4号星に行くのが最良の道だと言ってあげるのが、ラルのためになるのだが。」
データ:「提督。ラルを創った時、将来惑星連邦のメンバーになってくれればいいと、そんな風に考えました。惑星連邦に対して、何かの恩返しがしたかったのです。今もそうです。でも、ラルは私の子だ。自分の子を手放せとおっしゃられても…できません。今まで学んだ、人間の親としての倫理に反します。私は、新しい命を生み出しました。その命を育て、導くのは連邦でも誰でもなく私の役目なのです。彼女が学ぶのを助け、社会の一員として貢献できるようになるまで、それが私に課せられた責任です。放棄したりできません。私は…親です。」
ピカードはデータを見る。
ハフテル:「……では仕方がないな、ラルを私の船に移すよう君に命令する。」
データは立ち上がった。
ピカード:「データ、君が行くことはない。」
ハフテル:「何か言ったかね。」
「…私がラルを宇宙艦隊まで送り届けます。」
「宇宙艦隊を代表して来たのは、この私だ。※28…言ったとおりに。」
「ここにいたまえ、データ少佐。」
「こんな真似をして、自分のキャリアに傷をつけたいのか!」
微笑むピカード。「人間は時には、そう…与えられた命令に、疑問をもつことも必要なのでは。提督は忘れていらっしゃいます。アンドロイドにも自由と権利が、あるのを。…子供を国家に引き渡せと命令されるなら、私が許しません。いいですか、艦隊司令部まで同行します。そして…」
トロイの通信が入った。『データ少佐。すぐにラボに来てちょうだい。』
うなずくピカード。データは出ていく。
ピカード:「いま行かせたカウンセラー。問題か?」
トロイ:『はい艦長。…ラルの様子がひどくおかしいんです。』

台座の中のラル。
トロイ:「ほんの一瞬でしたけど、ラルは恐怖を感じ混乱してました。そして、虚ろな目で私の部屋から出て行ったんです。何もしゃべらなくなって、足取りもだんだん頼りなくなり、やっとの思いでここまで。」
データ:「機能に異常が発生すると、ラボに戻るようにしてあるんです。」
動き出すラル。「パパ?」
データ:「ここだよ、何だい?」
ピカード:「機能異常か…感情の芽生えか。」
「カスケードの欠陥の兆候のようです。…上層部の機能を消さずに、ベースマトリックスだけを初期化し直さなければ。」
ハフテル:「そうだな。…手伝おうか。」
「…お願いします。」
「すまんが、外してくれ。これから大手術を行うんだ。」
ピカードとトロイはラボを出ていく。
ラルの頭に器具を当てるデータ。髪の中の、機械的な構造が露わになる。

廊下。
トロイ、ラフォージ、ウェスリーが無言で待っている。
ハフテルがラボから出てきた。「…ラル…彼女は、もう長くはない。…手の施しようがなかった。…一つ、回路をいじれば別の回路が壊れて…次々と…。データ少佐の手は…信じられない速さで動いて、次々起こる故障を追いかけた。決して、あきらめなかった。立派だったよ。……私が、間違っていたようだ。」 歩いていく。
涙をこらえるトロイたち。

話しかけるデータ。「ラル? システムの欠陥を直せなかった。」
ラル:「わかってる。」
「お別れの時だよ?」
「…感じてる。」
「何を感じる?」
「パパを愛してる。」
「……パパにもわかればいいのに。」
「…パパの分も、感じてるわ。…命をくれてありがとう。…友達。笑い。絵画、家族。感情※29。人間…。」 声が低くなり、ラルは動きを止めた。

ブリッジに入るデータ。「ラルはニューロネット・システムの分裂を起こし、先ほど 13時に作動を停止しました。」
クルーと共に待っていたピカード。「……クルーの一員の死を心から悼む。」
データ:「…お気遣い感謝しますがラルは、ここにいます。」 頭を指さす。「ラルは素晴らしい日々をくれました。忘れることなどとても耐えられません。それで、彼女の回路を自分の頭に組み込んだのです。彼女の記憶の全てを、残らずに。」
「…では任務に戻ってくれ。」
データは席についた。
ピカード:「クラッシャー少尉。オター2号星※30基地にコースを取れ。」
ウェスリー:「…コースセットしました。」
「発進。」
スクリーンを見上げるデータ。
エンタープライズは、ワープに入った。


※26: スン型アンドロイド Soong-type android

※27: 原語では「ロミュランのまぐれ当たりで」

※28: 吹き替えでは、ピカード「艦隊司令部まで送り届けます」 ハフテル「艦隊司令官は、この私だ」

※29: 原語では「女性」

※30: Otar II

・感想など
第3シーズンでは飛躍的にエピソードの質が上がった印象がありますが、それを代表するようなエピソードです。第2シーズンでデータの人権を扱った "The Measure of a Man" 「人間の条件」を引き継ぎ、それを更に上回る感動的な話となりました。ラルは一話限りのキャラクターとはいえ、とても人気があるのもうなずけます。最後のデータの「感情をもたない」行動が、何とも言えません。
現在では大作も手がけるようになった、2年越しの夢だったというジョナサン・フレイクスの初監督作。映画 3〜5作目を担当したニモイやシャトナーの例はありますが、テレビシリーズでは俳優による監督の走りとなります。そのために出番があまりありませんが、ライカーならではの(?)シーンがありますね。対して脚本は元ウェイターの Rene Echevarria による初作品で、持ち込みによるものです。その後第5シーズンでスタッフに昇格した彼は、TNG 終了後もそのまま DS9 第3シーズンから最後まで関わり、数々の名作を生み出しました (担当エピソードの一覧)。


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