エピソード紹介 過去エピソード/第4シーズン (2)
ご注意
以下の内容には、本国での「エンタープライズ」エピソードに関するネタバレ・噂・未確認情報を含んでいます。全て放送前の情報を基にしたものなので、内容は必ずしも保証できません。各エピソードの解説情報は、下に行くほど古いものになります。
先の放送内容を知りたくない場合は絶対にご覧にならないことをおすすめします。
第79話 "Home" 直訳題「故郷」 | ||
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放送日 2004年10月22日 監督 Allan Kroeker 脚本 Michael Sussman ゲスト エリカ・ヘルナンデス船長 (Ada Maris) T'Les (ジョアンナ・キャシディ) コス (マイケル・ライリー・バーク TNG "Descent, Part II" 「ボーグ変質の謎(後編)」のゴーヴァル、DS9 "Profit and Loss" 「クワークの愛」のホーグ役) フォレスト提督 (ヴォーン・アームストロング) ENT "The Expanse" 「帰還なき旅」以来の登場 ウィリアムズ中佐 (ジム・フィッツパトリック) ENT "Regeneration" 「覚醒する恐怖」以来の登場 ソヴァル (ゲイリー・グラハム) ENT "Twilight" 以来の登場 バーの常連その1 (Joe Chrest) ヴァルカン人司祭 (ジャック・ドナー TOS "The Enterprise Incident" 「透明宇宙船」のタル副司令官役) [10/17] エンタープライズのクルーが地球で英雄として大歓迎を受ける中、タッカーは惑星ヴァルカンへ向かうトゥポルに同行する。副司令官の故郷を訪れ、母親 T'Les に会うのを楽しみにしていた。だがトゥポルは元婚約者のコスとの結婚を再考せねばならなくなり、2人の将来の関係が問題となる。一方アーチャーは宇宙艦隊司令部の査問委員会で、ズィンディとの衝突で下した、倫理的に問題となるいくつかの決定について弁護する必要がある。その後、フロックスはリードやメイウェザーと地球で休暇を取る中、異星人に対する偏見を経験する。 [08/25] エンタープライズはズィンディとの戦いの後で、ドック入りして修理を行う。次のエピソードまでには完璧な状態に戻り、船長席も新調される。 [08/19] NX-01 が遂に地球へ帰還すると、疲れ切ったクルーはすぐにこれまでの旅による影響と直面することになる。良い影響も、悪い影響もあった。 [08/19] ・シーズン4 の 3話目は、様々な面が描かれる帰郷である。NX-01 が長く込み入った旅から遂に地球へ帰り、トゥポルはヴァルカンへ帰郷する。加えてこのエピソードでは、懐かしいゲスト俳優を含めた初代スタートレックへの回顧がいくつも見られる。更に他の有名なゲスト俳優たちも復帰を果たす。 ・UPN プレスパーティでの最近のインタビューで、スコット・バクラは期待を表明した。それは宇宙を旅する部下たちが奮闘に対して適切な見返り、つまり恐らく「素晴らしい歓迎」を受けることだ。「私達は確かに星を救いました。だからそれに対して注目を浴びるべきでしょう!」と話した。そして、彼の願いは "Home" で実現する。Mike Sussman によるこの脚本では、アーチャー船長たち一行は見事な式典に招かれる。だが彼らの体験に関する、多少悪い影響にも直面する。辛い報告会、感情的な反響、最初のズィンディの攻撃以来地球に残る怒りなどだ。一方、トリップ・タッカーには帰る場所がなかった。フロリダは破壊され、妹が殺されたからだ。そこで母親に会うため母星へ向かうのに同行するという、トゥポルの招待を受けることにする。 ・このエピソードの帰郷の中で、ヴォーン・アームストロングは遂に「フォレスト提督」役で再び制服を着ることになった。番組を第3シーズンでは全て休んでいた。(復帰おめでとう、ヴォーン!) また、前シーズン "Twilight" で一度登場したゲイリー・グラハムは、ヴァルカン人の耳をつけて「ソヴァル大使」役で戻ってくる。"Broken Bow" 「夢への旅立ち」で初登場し、前回 "Regeneration" 「覚醒する恐怖」に登場したジム・フィッツパトリックは、「ウィリアムズ中佐」役で復帰した。 ・もう一人のスタートレック俳優への刺激的な復帰は、ジャック・ドナーである。初代のエピソード "The Enterprise Incident" 「透明宇宙船」で「タル副司令官」を演じた。ドナーはスパイ大作戦で何度もゲスト出演したことで当時有名で、これまで順調に映画、テレビ、舞台で演じてきた。ロミュラン人士官を演じた 36年後、ドナーは再びトンガリ耳をつけることになったが、今回は「ヴァルカン人司祭」役だ。 ・その件については、ジョリーン・ブラロックの「トゥポル」が今シーズン 3話目で結婚するという噂が流れていた (ブラロック自身が最近の UPN プレスパーティで発言)。まあ、そのストーリーのポイントを認めも否定もしない。だがヴァルカン人の結婚式は行われる。そしてドナーのキャラクターが取り仕切る。この式は "Amok Time" 「バルカン星人の秘密」でのスポックの儀式を強く懐古させるもので、同じ衣装、流儀、言語の多くが使われる (だが死闘はない)。 ・そして「コス」に出会うことになる。トゥポルが "Breaking the Ice" 「彗星は去り行くとも」で話した婚約者で、彼女はエンタープライズで任務を続けることを理由に結婚しなかった。コスはマイケル・ライリー・バークが担当し、TNG の "Descent, Part II" 「ボーグ変質の謎(後編)」でボーグの「ゴーヴァル」を、DS9 の "Profit and Loss" 「クワークの愛」でカーデシア人の「ホーグ」を演じた。トゥポルの母親は "T'Les" という名前で、ジョアンナ・キャシディが演じる。キャシディは高い評価を得ている女優で、スパイ大作戦にさかのぼってまでクレジットされている。「アンダー・ファイア」、「ロジャー・ラビット」、「企業買収/250億ドルの賭け」の役で最も有名だ。「ブレードランナー」での蛇遣いストリッパーとして覚えている人も多いかもしれない。 ・続いてゲスト俳優の中には、ヒスパニック女優 Ada Maris がいる。Brothers Garcia、Nurses、What a Country などの TV番組で知られ、「エリカ・ヘルナンデス船長」役だ。ヘルナンデス船長はコロンビア NX-02 ("The Expanse" 「帰還なき旅」では建造中で、"E2" でスペースシャトル・コロンビアを追悼して名付けられた) の指揮官となる女性で、アーチャーの昔の恋人ということもわかる。 ・NX-02 は依然スペースドックにあるが、このエピソードではほとんど完成している。そしてブリッジのシーンが登場し、単純に建設済みのエンタープライズのブリッジセットを適度に改造したものだ。注意して見ると、クルーの制服に新たなコロンビアのワッペンがあるのに気づくだろう。 ・懐かしさを呼び起こす別のセットには、フォレスト提督の会議室がある。アーチャーが報告を行う場所だ。新たなセットではあるが、そのデザインは TOS を暗示するものになっている。テーブルに三面のモニターがあり、カーク船長のエンタープライズ内会議室で見られたのと似ている。 ・更にもう一つ、以前に言及された ST世界の要素がこのエピソードで現実のものとなる。ヴァルカンの「火の谷 (炎の平原)」で、トゥヴォックが "Innocence" 「怯える子供達」で歌として触れている。ここは巨大な溶岩地帯として表現されており、古代のヴァルカン人戦士たちの壮大な像が見下ろしている。"Star Trek: The Motion Picture" 「スター・トレック」の「ディレクターズ・エディション」で見られたのと同じだ (少なくとも、脚本ではそのように要求されている。Dan Curry の映像効果班が、事後製作でイメージを製作する)。ブラロックとコナー・トリニアー (「タッカー」) は主要撮影の初日にシーンを撮影し、そこで 2人のキャラクターはこの自然の造形美を訪れる。 ・その初日は 8月4日水曜で、7日間のスケジュールは先週の 12日木曜に完結した。ごくわずかなシーンしか、これまでの建設済みセットでは撮影されなかった (コロンビア・ブリッジ改造を除く)。これは一日未満で撮影は終わった。先ほど触れた以外の新規セットには、サンフランシスコのバー (602クラブではないが、似ている)、「大勢の観衆」が合成されるグリーンスクリーンを背景にした球場席、ヴァルカンでのトゥポルの家の内装と外装がある。ちょうど一日、マリブ・クリーク州立公園でロケが行われた。山地のような地形で、バクラとゲスト俳優 Maris が関わるシーンのためだ。 ・"Home" は Allan Kroeker 監督で、シーズン・プレミア "Storm Front" を指揮した直後にこの作品の準備を始めた。これはスタッフ脚本家 Sussman による今シーズン最初の脚本で、昨年は高い評価を受けた "Twilight" を含め 5話を執筆した。 ・このシーズン4 第3話は現在のところ 10月22日金曜に放送予定。 ・些細な余談だが、"Home" は製作番号 79 であり、"Turnabout Intruder" 「変身! カーク船長の危機」と同じだ。つまりエンタープライズの次のエピソードは、TOS の数を越えることになる ("The Cage" 「歪んだ楽園」を含め、"The Menagerie" 「タロス星の幻怪人」を一話と数えた場合)。 [08/04] ・メインストーリーの一部として結婚式が執り行われ、俳優ジャック・ドナーが式を取り仕切るヴァルカン人司祭として出演するかもしれない。ドナーは有名な TOS エピソード "The Enterprise Incident" 「透明宇宙船」で、ロミュランの「タル副司令官」を演じた。以前、"Star Trek: Nemesis" 「ネメシス/S.T.X」でロミュラン政務長官 (執政官) 役のオーディションに参加した。Manny Coto によれば、ドナーはエンタープライズの今シーズンで、TOS とのつながりに関わることを切望しているという。 ・ドナーの最近のテレビゲスト出演には、「バフィ〜恋する十字架」、「ロズウェル」、「チャームド」などがある。映画クレジットでは 1999年の「スティグマータ/聖痕」がある。 [08/04] サブストーリーとして、フロックスは地球で反異星人の感情に直面する。ズィンディの騒ぎが尾を引いていた。 [07/29] トゥポルは結婚するが、相手がヴァルカン人の婚約者、コスかどうかは不明 [07/25] ・トゥポルは母親の "T'Las" と会う。T'Las は他の家族と共に、このエンタープライズ科学士官のためにヴァルカン式の結婚を手配していた。製作陣は 60代の俳優を探しているらしく、その役に対して「スタント」配役も利用される。 ・トゥポルの婚約者は「コス (Koss)」("Breaking the Ice" 「彗星は去り行くとも」で言及) という名で、地球人に当てはめると 30代後半に見える。コスは「スポック」を連想させ、背の高い堂々とした男だ。だがトゥポルは当然予想できるように、婚約を履行するかはわからない。T'Las とコスは後の複数のエピソードにも登場するかもしれない。 ・加えて、艦隊最新の NX級の仲間を目にすることになる。事件を追悼して名付けられた宇宙船コロンビア (NX-02、"E2" で言及) で、「エリカ・ヘルナンデス」が指揮している。魅力的なラテン系の女性で、アーチャーの宇宙艦隊指揮学校からの元同僚。 [07/23] 第4シーズン 3話目は一話完結で、トゥポルが結婚するかもしれない |
視聴率 視聴率 1.9% (前週比 +0.2)/占拠率 4% (速報) レビュー The Trek Nation |
第80話 "Borderland" 直訳題「ボーダーランド」 | ||
画像 画像 [STARTREK.COM] 予告編 [The Daily Trekker] 予告編&画像 [STARTREK.com] 映像クリップ [IESB] 舞台裏映像 [TrekWeb.com] |
放送日 2004年10月29日 監督 David Livingston 脚本 Ken LaZebnik ゲスト エリック・スン博士 (ブレント・スパイナー TNG レギュラーのデータ、TNG "Datalore" 「アンドロイドの裏切り」などのローア、"Brothers" 「永遠の絆」などのヌニエン・スン博士、映画 "Star Trek Nemesis" 「ネメシス/S.T.X」の B-4 役。ゲーム "TNG: Final Unity"、 "Generations"、 "Hidden Evil"、 "Away Team" でも声の出演) Malik (アレック・ニューマン) Raakin (ジョエル・ウエスト) ペルシス (Abby Brammell) ピアース (Dave Power) クリンゴン人船長 (J・G・ハーツラー DS9 "Emissary" 「聖なる神殿の謎」のヴァルカン人艦長、"The Way of the Warrior" 「クリンゴンの暴挙」などのクリンゴン人マートク、"Chimera" 「仮面の下の孤独」のラーズ、VOY "Tsunkatse" 「囚われのファイター」のヒロージェン・ハンター、ENT "Judgment" 「反逆の法廷」のコロス役。ゲーム "Klingon"、 "Armada"、 "Armada II"、"Elite Force II" でも声の出演) オリオン人奴隷商人その1 (Paul Wight) オリオン人奴隷商人その2 (ゲイリー・カスパー) クリンゴン人戦術士官 (Dayo Ade) オリオン人女性 (Bobbi Sue Luther) [10/23] ・遺伝子強化された「オーグメント (強化人間)」と呼ばれる地球人グループが、隔離惑星から逃走する。地球とクリンゴンの間に、全面戦争を引き押そうとしていた。その後エンタープライズのクルーが招集され、アーチャーは天才的犯罪者エリック・スン博士の助けを借りる。オーグメントを生み出した張本人の科学者だ。 ・オーグメントの捜索はボーダーランドで行われ、クリンゴン帝国とオリオン・シンジケート間の危険な領域だ。その間エンタープライズは残忍なオリオン人奴隷商人たちと出くわし、トゥポルほか 8人のクルーが船から誘拐される。競りにかける気であり、アーチャーはスン博士の助けを借りて危険な救出任務を行わねばならない。 [09/06] (続編の内容の可能性あり) オリオン人は非常に危険で、恐ろしい種族。エンタープライズのクルーを奴隷にするため、10人を連れ去る。 [08/29] 優生戦争の際に残された遺伝子超人が、クリンゴン船をハイジャックする。アーチャーは彼らの創造者であり犯罪者の、エリック・スン博士に頼らねばならない。超人を捕らえ、恒星間戦争を回避させるために。 [08/29] ・さあ、懐かしい黄色の眼が帰ってきた。だが今回は眼は黄色ではない。ブレント・スパイナーはパラマウントへスタートレックで 5番目 (データ、ローア、ヌニエン・スン博士、B-4 に次ぐ) の重要キャラクターを創るため戻ってきた。そして濃いメーキャップをせずに可能となっている。主要撮影は 8月23日月曜に完了した "Borderland" によって、スパイナーは 3話の連続ストーリーを始めた。ヌニエン・スンの先祖、エリック・スン博士が目玉だ。22世紀の悪名高い人物で、その犯罪によって新たな優生戦争が勃発する危険がある。 ・このエピソードでは J・G・ハーツラーと、WWE 最大のレスラーの出演も呼び物となっている。ああ、オリオン奴隷女もいる。 ・"Borderland" と続編の詳細の多くは、番組リーダー Manny Coto によって最近開かれた UPN プレスパーティで明かされた。エリック・スンは 20体の遺伝子強化人間の胚を盗み、彼らに生を与えた後、警備の厳重な施設に投獄されていた。Coto は説明する。「博士は遺伝子工学が正しい道だと信じています。人類を改善したいと考えているものの、優生戦争は行き過ぎたものだったと思っています。博士にとっては 20人の人物こそが人類の未来だからです。もちろん、それは間違いですが」。この人物は「オーグメント=強化人間」と呼ばれており、辺境の惑星で成長した。そしてクリンゴン船をハイジャックし、クルーを虐殺することで惨事を始めた。クリンゴン人との戦争につながるまさに一触即発の状況であるため、アーチャーとエンタープライズのクルーは休暇 ("Home" より) を中断し、オーグメントたちを追わなければならない。だがアーチャーには彼らの創造者、スン博士の助けが必要だ。スンは言わば「ハンニバル・レクター」型のキャラクターである。多くの者に恐れられており、幾度となく脱獄しようとしている。話す相手とは誰でも、心理的な遊びを楽しむ。 ・「ボーダーランド」はクリンゴン帝国とオリオン・シンジケートの間の宇宙領域を指している。そこでトラブルが発生する。 ・スパイナーがスタートレック/エンタープライズのセットにいることは確かに素晴らしいことであり、俳優やスタッフに強い活力を与えた。あるスタッフメンバーは話してくれた。「ブレントとスコット (・バクラ) が同じ画面上にいる。ほんとに興奮しましたよ。本当に、本当にいい見栄えです」。 ・Daily Variety の上級コラムニスト、Army Archerd はスパイナーにインタビューし、8月24日火曜のコラムでこの件に触れた。「スタートレック/エンタープライズは 10年の空白の後、ブレント・スパイナーを迎え入れた…。今回はデータの製作者、スン博士のひいひいおじいさんを演じる。スパイナーに見た目がどうなるかを尋ねた。『今の見た目どおりですよ』と答えた。金色のメーキャップや、黄色の眼はない。『黄色の眼は最初辛かったですね。何しろ、あの頃私達は一日に 16〜20時間も撮影したんです』。スパイナーはまた 10年後に復帰するために、この出演を乗り切れるだろうか? 『まだ 2話の脚本を見せられただけです』と彼は認めた。『3本目に取り組むように言われています』。続きをお楽しみに」。 ・8月13日金曜に始まった製作は、とても複雑で手の込んだものだった。災難の危険を冒すことなく、この日一行は基本的なブリッジでのシーンに終始した。主要キャストのみと、"Malik" というオーグメント役のアレック・ニューマンを加えた一シーンを撮影した。ニューマンは TV ミニシリーズ「デューン/砂の惑星」の出演で覚えているかもしれない。他の建設済み船内セットで一日半を費やし、更に一日半はクリンゴン船の新規セットで使われた。 ・スタートレック/ディープ・スペース・ナインの「マートク」として最も知られている J・G・ハーツラーは、3人目のクリンゴン人の役を演じた。無名のクリンゴン人船長だ。ハーツラーは以前「コロス」を演じるため、うねのある額を装着した。"Judgment" 「反逆の法廷」でのアーチャーの弁護士である。ヴァルカン人、流動体生物、ヒロージェンだったこともある (更に一度は地球人も)。 ・半日が宇宙艦隊拘置所で費やされ、そこでアーチャーは初めてスンに近づく。このシーンはシリーズ全体の中でも、最も記憶に残るものの一つとして残るかもしれない。スケジュールの残り 2日間は、このスタッフが目にした中でもある種最も常軌を逸したものだった。オリオン奴隷市場が用意され、そこは何十人ものエキストラであふれている。それぞれ「奴隷」、「奴隷商人」、「貿易商人」として着飾っている。ST 史上、映画を除くと最も多岐に渡る異星人の群衆の一つであり、中には (テラライト人のように) 馴染みのものもいるが多くは初顔だ。言うまでもなく、メーキャップ担当者と衣装担当は準備のために何日も遅くまで働き、このシーンを成功させた。 ・この集団にいる最も目を引く異星人は、オリオン人自身である。今回初めて、実際にオリオン人の男性を目にする。外見はジーン・ロッデンベリーの TOS 用の第一パイロット、"The Cage" 「歪んだ楽園」で導入されたオリオン人女性 ("The Menagerie" 「タロス星の幻怪人」を除くと、それ以外には "Whom Gods Destroy" 「宇宙の精神病院」にだけ登場) から推定された。男性については後で話すことにしよう。このエピソードで登場する「オリオン奴隷女」は、モデルの Bobbi Sue Luther が演じた。1964年にスーザン・オリヴァー (「ヴィーナ」) によって演じられた、似たような役の魅力的な存在を完全にものにしている。真っ黒な髪、濃い唇、神秘的な目、辛うじて身にまとっている衣装。そしてもちろん、肌は緑色だ。 ・このことに基づき、エンタープライズのチームはオリオン人の男性も緑色のはずだと決定した。そして奴隷商人の中にいるのがふさわしいはずだ (何度となく、そのように位置づけられてきた)。更に本当に、本当に大きいはずだ。 ・手に入る範囲で、どこで最大の、最も威圧的な男たちを調達すればいいのだろうか? "Tsunkatse" 「囚われのファイター」から手がかりは得られないだろうか? 「ビッグショー」として知られる、WWE 最大のレスラーをエントリーしよう。7フィート1インチ (2メートル16センチ)、450ポンド (204kg) の Paul Wight で、「オリオン人奴隷商人その1」役だ。その ・そのほかにも何人ものオリオン人奴隷商人がおり、全員プロのスタントマンが演じた。総じてとても背が高く、坊主頭で、頭皮にはボルト状の物体が刺さっており、威圧的な皮バンドの衣装に身を包んでいる。Jolly Green Giants というわけではない。このエピソードのために雇われた他のスタント人員は大量におり、「スタント奴隷」、「スタント貿易商人」、「スタント・オーグメント」、多くのセリフがないレギュラー MACO (Paul Sklar、Dorenda Moore、Shawn Crowder、Kevin Derr など) の役だ。全てスタント調整 Vince Deadrick Jr. によって監督され、彼自身も 2、3シーンで演じた。 ・とても特別なゲスト・スタントマンが、この奴隷市場のシーンでセットに現れた。Vince Deadrick Sr. だ。スタント調整者の父親であり、何度も TOS クレジットを含めたハリウッドでの経歴を残している。"Balance of Terror" 「宇宙基地SOS」のロミュラン、"What Are Little Girls Made of?" 「コンピューター人間」の不運な赤シャツの「マシューズ」などだ。"Shore Leave" 「おかしなおかしな遊園惑星」のフィネガン、"The Doomsday Machine" 「宇宙の巨大怪獣」のデッカー、"Mirror, Mirror" 「イオン嵐の恐怖」のマッコイのスタント代役でもあった。父親の Deadrick は特に、オリオン市場での異星人貿易商人として配置された。セットに登場する 2日前、Vince Sr. は 72回目の誕生日を祝った。そのため製作スタッフは、彼が「コンピューター人間」に出演した際のスチール写真から創られた巨大なカードに、全員サインした。 ・エピソードは 8月23日月曜に完結したが、スパイナーや何人ものオーグメントのゲスト俳優はすぐ 24日火曜に戻ってきた。エリック・スンのストーリーの第2部を始めるためで、タイトルは "Cold Station 12" と呼ばれている。 ・"Borderland" はベテラン ST 監督の David Livingston が指揮した。前回のエンタープライズでの仕事は "The Council" だ。Coto は筆頭脚本家としてストーリーの構想を率いたが、脚本自体は Ken LaZebnik が執筆した。番組の新たなスタッフ脚本家で、監修製作者の肩書きをもっている。以前プロビデンスや Touched by an Angel の脚本を担当した。Ken は新スタートレックと DS9 のエピソードを書いた Philip LaZebnik の弟である。 ・このシーズン4 第4エピソードは、エンタープライズ全体で 80時間目となる。現在のところ 10月29日金曜に予定されている。 [08/25] (後のエピソードの可能性あり) 異星人の市場が登場し、広いセットと多くのエキストラが利用される。そこではオリオン人の奴隷女が登場。 [08/17] DS9 マートク役の J・G・ハーツラーが「クリンゴン人船長」役で出演するらしい。続く 2話にも登場するかは不明。既に "Judgment" 「反逆の法廷」で、クリンゴン人のコロスを演じた [08/06] ・遺伝子強化された超兵士は「オーグメント (augment、増強人間)」と呼ばれ、スタジオでは男性と女性たちの両方の配役を求めている。「マーリク」はグループのリーダーで、20歳代前半。彼の種によって人類の偉大な可能性を証明するという、スンの望みに従うことを決める。"Raakin" は少し年齢が上でマーリクに似ているが、エピソード中ずっと登場するわけではない。2人の男性は「たくましく」「完璧な外見」とされており、それは "Persis" にも要求される。彼女は女性のオーグメントで、20歳代前半の「完璧な女性」。 ・エンタープライズには今回新たなクルー「ルーカス・マクレガー」が登場し、20歳ぐらいで後のエピソードにも再登場するかもしれない。トゥポルと共に、人目を引く奴隷のオリオン人に捕らわれる。また、クリンゴン人クルーとのいざこざもある。 ・8月9日の週から撮影開始。 [07/23] ブレント・スパイナー [TNG データ] が出演する一つ目の連続エピソードが第4〜6話に渡って続く。スパイナーが演じるのはヌニエン・スン博士の先祖であるエリック・スン (Arik Soong) で、「フランケンシュタイン博士の上をいく」キャラクター。「優生時代」に 20体の胚 (胎児) を生み出し、遺伝子操作は必要だったと信じている。カーンたちが起こした優生戦争が間違ったものだったと考えているのも、彼が生み出した 20人こそが未来の人類になるべきだと思っているからだ。エリックは 20年前 (2134年ごろ) に宇宙艦隊の施設で秘密裏に管理されていた 20体の胚を盗み出し、生を与えた。だが彼らはエリックのもとから去った。エリックは何度も脱獄を図った「ハンニバル・レクターのような」有名な犯罪者であり、地球は未だ優生戦争の陰に苦しんでいるため、恐れられている [なお、これだと優生戦争が本来の 1990年代ではなく ENT の時代に近い頃に起こったことになるが、Manny Coto によれば 2004年の現在でも戦争は起こっていないのだから、単に時期がずれただけと考えている模様]。成長した「遺伝子超人」のせいでクリンゴン帝国との戦争勃発の危機に陥り、エンタープライズは彼らを宇宙艦隊へ連れ戻すため、エリックの手を借りることになる。追跡する中、クリンゴン帝国とオリオン・シンジケートの間にある、ボーダーランドという宇宙領域が初登場する。オリオン人と初接触し、肌が緑色のオリオン奴隷女も出てくる。 [07/21] ブレント・スパイナー [TNG データ] は第4シーズンの第4〜6話に出演し、ヌニエン・スン博士の高祖父 (ひいひいおじいさん) を演じる。敵役かもしれない [07/11] マリーナ・サーティス [TNG トロイ] がファンに語ったところによると、ブレント・スパイナー [TNG データ] が ENT第4シーズンで 3話に渡ってゲスト出演するとのこと。ただし演じるのではデータではなく、その製作者ヌニエン・スン博士の祖父 |
視聴率 視聴率 2.0% (前週比 +0.1)/占拠率 4% (速報) レビュー FilmForce [3/5] IESB [4/5] chicagotribune.com New York Daily News [3] EclipseMagazine.com [C+] The Great Link [4/5] The Trek Nation Section 31 [B+] TrekWeb Lower Decks [7/10] Xenoclone TrekPulse [4/5] Television Without Pity Holodeck 3 Monkee's Place [9/10] |
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