ヴォイジャー 特別エピソードガイド
第121話「異空生命体を呼ぶ者達」(後)
Equinox, Part II
イントロダクション
※1※2※3報告するキム。「全デッキで空間亀裂!」 ブリッジ中の空間に、円形の亀裂が発生する。それを撃つジェインウェイ。 他のクルーも、次々に発生する空間亀裂を撃っていく。 ジェインウェイの背後に亀裂が現れる。 チャコティ:「艦長!」 フェイザーを向ける間もなく、核遺伝子生命体がジェインウェイに襲いかかってきた。 倒れるジェインウェイ。チャコティもエイリアンに襲われ、その場に崩れ落ちる。 攻撃はやまない。 立ちあがりながら、ジェインウェイは言う。「いい手を思い付いたわ。」 席に戻り、コンピューターを操作する。 すると、亀裂は消えていった。 ジェインウェイ:「やった。ディフレクターパルスでシールドを補強したの。でも長くはもたない。」 自分の頬にできた傷をさする。 パリスは苦しむチャコティに近寄り、通信を入れる。「ブリッジより医療室。緊急事態発生。ドクター、いないのか! 少尉。」 クルーが対応する。「はい。」 キム:「死傷者の報告です。死者 2名、負傷者 13名。エンジンにダメージ。」 ジェインウェイ:「イクワノックスは?」 「ワープで消えました。」 「核物質の粒子反応は?」 「ありません。」 「まだワープドライブを強化してないってことね。探して。」 高音が続く。再びフェイザーを構えるジェインウェイたち。 ワープで飛び去るイクワノックス。 ルディ・ランサム艦長:「報告。」 マックスウェル・『マックス』・バーク副長:「シールドグリッド回復。エイリアンは見当たりません。」 「センサーにヴォイジャーの影は。」 ノア・レッシング乗組員:「攻撃を受けてる模様です。」 ランサムは命じた。「……コースを維持してくれ。」 |
※1: 第6シーズン・プレミア (最初のエピソード) です。これより西暦が 2376年になります ※2: この前後編エピソードはノヴェライズが発売されています ※3: このエピソードは 2000年度エミー賞、音響ミキシング賞にノミネートされました |
本編
フェイザーライフルを携えたジェインウェイたちは、ターボリフトから降りた。ジェインウェイは厳しい表情のまま歩く。その途中、廊下に生命体の死体が転がっていた。ニーリックスがやってくる。「艦長、第9デッキでドクターのモバイルエミッターを見つけました。きっとお探しだろうと…。」 無言で受けとるジェインウェイ。死体に近づくが、何もせず立ち去る。 医療室は床まで負傷者で一杯だ。ベッドの上では、ミイラ化したクルーがまた一人亡くなった。シーツがかけられる。クルーと顔を見合わせ、ため息をつくパリス。 次の患者、チャコティを診察する。 部屋に入るジェインウェイに尋ねる。「ドクターはいましたか?」 「今呼ぶわ。」 モバイルエミッターを置き、パネルを操作する。 ドクターが現れたが、イクワノックスのドクターであることには誰も気づいていない。「緊急事態の……いえ結構。」 周りを見渡すドクター。 パリス:「チャコティから診てくれ。一応容態は安定させたけど、内蔵がやられてる。」 ジェインウェイ:「第9デッキでエミッターを見つけたの。」 ドクター:「イクワノックスのクルーに捕まったので、一旦停止させて逃げました。捕まえたんですか?」 「いいえ。」 チャコティは体を起こしながら言う。「状況を聞くべきでしょうが、あまり気が進まない。」 「ハリーが例の音を分析したの。コミュニケーションの一種ですって。」 「以前、テレリアンのシーポッド※4との交信に成功したことがあります。ここを出たら、ハリーに手を貸しましょう。」 「今はイクワノックスの捜索に全力を尽くすべきよ。」 「まずはこの攻撃をやめさせるべきです。」 ドクターは 2人の話を注意深く聞いている。 ジェインウェイ:「私たちの敵はエイリアンじゃない。イクワノックスに乗ってる人間よ。ほっとくわけには…」 音が聞こえてきた。ライフルを構えるジェインウェイ。 海岸。岩場に波が打ち寄せる。綺麗な海だ。ドアチャイムがなる。 ランサムは応えた。「誰だ。」 バーク:『マックスですが、お客さんをお連れしました。』 「待て。」 ランサムは首につけていた、小さな機械を外した。「どうぞ。」 セブンとバークが入る。ランサム:「無事で何よりだ。シナプシス・スティミュレーターを使ってた。テンカラン・コースト※5をぶらぶらと散歩してたのだ。試してみるか?」 セブン:「私をどうする気だ。」 「我々はワープドライブの改良が完了し次第、すぐに地球への帰路につく。それでも到着は数ヶ月先だ。その間拘束室で過ごすか、我々のクルーとして過ごすか。どちらがいい。」 「当然拘束室だ。」 「人類の探求に手を貸すのなら何もジェインウェイ艦長だけではない。」 「お前は手本としては劣っている。」 「ジェインウェイは規約を守るためにクルーを犠牲にしている。君はそのミスに気づくべきだ。」 「彼女のミスはお前を信じたことだ。」 セブンの額に手を触れるランサム。「…傷の手当てをしてやれ。」 2人は出て行く。 イクワノックス医療室。バーク:「フェイザーによる火傷に軽度の裂傷。緊急手術だな。」 セブンは何も言わない。保安部員が監視している。 バーク:「…冗談にはウィットに富んだ返事をするものだ。」 「人間の冗談には慣れている。未熟なので無視した。」 「なあセブン。セブンと呼んでも? この船には娯楽など何もない。その上クルーを無視してては、長旅に耐えられん。うちのドクターが、代理を残してってくれたようだ。」 コンピューターを操作するバーク。ヴォイジャーのドクターが現れた。「セブン。」 セブン:「我々は捕虜になった。」 「EMH に攻撃されたんだ。」 バーク:「これからは君がうちのドクターだ。よし、友人の治療をしたまえ。」 トリコーダーを渡され、セブンの診察を始めるドクター。 イクワノックスのクルーが言う。「インジェクター点火。」 ギルモア少尉:「マーラからブリッジ。」 ランサム:『ブリッジだ。』 「準備完了。」 『了解。強化ワープドライブに、エイリアン化合物 20アイソグラム注入。』 レッシング:「了解。準備完了。」 艦長席に座るランサム。「発進。」 揺れが大きくなっていき、突然収まった。 ランサム:「どうした!」 ギルモア:「パワーリレー停止。暗号化されています。」 セブンに命じるランサム。「コードを教えるんだ。」 セブン:「断る。」 バーク:「言う気がないのならこっちから引き出すしかない。」 ドクター:「セブンの頭部の基礎構造は、非常に複雑だ。朝食が何か探るのに数ヶ月はかかる。」 「君に手を貸してもらう。」 「冗談じゃない。」 「プログラムを消去するぞ。」 「好きにしたまえ。」 ランサムが奥へ行く。 セブン:「ドクター。」 「彼らには私が必要だ。自分の首を絞めるようなことはしまい。私に提案が…」 ドクターの映像が一瞬揺らいだ。 ランサム:「おしゃべりはそのくらいにして仕事にかかれ。やることはわかっているな。」 「もちろんです。彼女の抵抗を、私が食い止める。」 セブン:「ドクター。」 ランサム:「倫理サブルーチンを削除した。これで協力的になるだろう。逐次報告を。」 ドクター:「了解。こちらへどうぞ。」 セブンを連れて行く。 ヴォイジャーのブリッジ。パッドを読むジェインウェイ。「シェイクスピアとはいかないけど、いい台本ね。」 チャコティ:「友好のメッセージに変わりありません。」 「宇宙翻訳機マトリックス作動。」 パッドをキムに渡す。 「武装を解除しろ。」 パリス:「副長。」 「どっちかが先に信じなければならん。」 ジェインウェイ:「今の命令は取り消し。楽観主義はいいけど、武器だけは必要よ。」 フェイザーを手にする。 キム:「送信準備、完了。」 「ブリッジのみシールド解除。いいわよ、ハリー。」 音声が流される。相手の高音が聞こえてきた。空間亀裂が発生する。フェイザーを構えるパリス。生命体は一直線にキムの前にやってきた。フェイザーを構えた彼と、対面する。エイリアンは襲おうとはせず、何かをしゃべっている。だがすぐに亀裂の中へと戻って行った。 ジェインウェイ:「シールドを張って。」 数秒の時間。 キム:「メッセージが伝わってないのか、応答あリません。」 船が揺れた。ジェインウェイ:「これが応えね。ディフレクターパルス作動。」 高音が静まる。 トゥヴォック:「シールド、維持。62%。」 「あと 2、3分は静かな時間がもてる。最大限に利用しましょう。ワープドライブの修理に集中して。イクワノックスを探すの。」 チャコティ:「よかったらもう一度メッセージを送らせてもらえませんか。今度こそ…」 「メッセージは無視された。今はランサムを追う方が先よ。」 作戦室に入るジェインウェイを追うチャコティ。「一言よろしいでしょうか。」 「わかってる。『ディフレクターはパワーを失いつつあります。今はイクワノックスではなく、ヴォイジャーの心配をするべきです。』」 「いい副長になれますよ。価値のある忠告です。」 「そうね。でも部下があの船の捕虜になってる。」 「追ってるのはセブンではなくランサムでは?」 「何が言いたいのかしら。」 「あなたは彼を恨んでる。宇宙艦隊を裏切り、艦隊の誓いを破り、あなたのヴォイジャーをオオカミの餌にした彼を。」 「ボーグ、ヒロージェン、マロン。今までも強敵と遭遇した。彼も同じよ。」 「違います。わかってるでしょう、彼は人間です。恨むことは責めません。しかし個人的な復讐新のために、船を犠牲にはできない。」 「率直な意見、感謝します。私も率直に言います。そうよ、私は怒ってる。すごく怒ってる。彼は宇宙艦隊の艦長よ。なのにこの制服が象徴する全てを放棄した。彼は今も、自分が地球へ戻るために罪のない生命体を殺してる。見過ごすわけにはいかない。どんなに時間がかかっても、彼を捕まえてみせる。どんな犠牲を払っても。これを復讐と呼ぶなら、勝手に呼びなさい。」 チャコティは出て行った。 |
※4: Terrelian seapod テレリアンは VOY第101話 "Infinite Regress" 「遥かなるボーグの記憶」などで言及された種族 ※5: Tenkaran coast |
イクワノックスは惑星の軌道に入った。バーク:「なぜここで停止を?」 ランサム:「この惑星はガスで覆われている。探知されることなく修理できるだろう。」 レッシング:「デュートリアム鉱山も発見しました。」 「ノアは上陸して、デュートリアムの位置を特定してくれ。」 バーク:「いつエイリアンが来るかわからん。フェイザーを持っていけ。異常が起これば、すぐに船に戻す。」 レッシング:「了解。」 ドクターが歌っている。「接眼ノードをつなげるのは感覚ノードに。感覚ノードをつなげるのは皮質ノード。皮質ノードをつなげるのは細胞ノード…。そんなに落ちこむことはない。何ごとも考えようだ。我々は、やっと地球へ帰れるんだ。」 セブンはベッドの上に固定され、様々な機具がつけられている。「お前は惑わされている。私にプログラムを修正させろ。」 「そんなことをする必要はない。君らは理解すべきだ。私は倫理観から解き放たれたことで、より効率的になった。」 ランサムが入る。「状況は。」 「皮質アレイを抽出するところです。記憶エングラムのインデックスが含まれているので。しかしそれを除去すると、高度な彼女の言語・行動・認識能力が、深刻なダメージを受けます。」 ランサムはセブンに近づく。「コードを言うのだ。」 セブン:「断る。」 「ジェインウェイは一つだけ正しかった。君は非常に有能だ。失うことになって残念だ。」 「お前の同情など無用だ。」 「私が喜んでやっていると思うか。君をこんな目に遭わせることを。だがこの場合、仕方がない。」 「『仕方がない』。お前はよくそう言うな。自分の利益のために生命体を殺すことも、仕方がないと片付ける。それで気が休まるのか。」 「……コードを言え。」 「私を破壊して手に入れるがいい。」 ランサムはドクターにうなずき、出て行った。 また歌いながら作業するドクター。「細胞ノードにつなげるのは後頭部ノード…。」 『艦長日誌、補足。ワープドライブは復活した。しかしイクワノックスの行方は依然としてつかめなかった。』 作戦室。ランサムの経歴をコンピューターで見ているジェインウェイ。ドアチャイムが鳴る。「どうぞ。」 チャコティが入る。「御用ですか。」 「文書で意見するなんて、あなたらしくないんじゃない?」 パッドを手にするジェインウェイ。 「前回、聞く耳をもって頂けませんでしたので。」 「残念だけど、今回もものわかりはよくないの。アンカリへ行くには、50光年も引き返さなければならないのよ。」 「よくわかってます。しかしあの生命体を紹介した彼らなら、何らかの方法で生命体と交信し、攻撃を止められるかと。」 「ランサムを探す方が先と言ったでしょ。」 無言のチャコティ。 ジェインウェイ:「まだ核反応はないのね。」 「ありません。」 「だったら近くにいるわ。ドライブを強化しなければ、ワープ6 しか出ないはずだから。彼の勤務記録を調べたの。何度か、敵勢エイリアンと遭遇してた。そのたびに追い詰められると、隠れる傾向がある。イプシロン4※6 で、クリンゴンのバード・オブ・プレイに遭遇した時は、敵が音を上げるまで星雲に入りこんで、追いつ追われつを続けた。その 2年後には、船をガス巨星の大気※7に入りこませることで、巧みにロミュラン・ウォーバードをかわしてる。天体測定ラボで、船がダメージを受けた時に隠れそうな場所を探して。」 「了解。」 ランサムの自室。ため息をつき、ランサムは本の近くに置いてあったシナプシス・スティミュレーターを首につけた。 テンカラン・コースト。海辺に鳥の声が響く。後ろ姿の女性。 ランサムは機具を外した。 ブリッジに戻るランサム。ギルモアが尋ねる。「海はどうでした?」 スティミュレーターを手にしたままのランサム。「人が見えることもあるのか。」 「いえ、景色だけです。なぜ?」 「いいんだ。」 レッシングたちは重水素を探している。「鉱脈を探知。方位 117※8、地下 30メートル。」 イクワノックスのクルー:「かなり深いな。」 「掘るにはフェイザーが必要だ。マッキンレー国立公園※9を思い出すよ。子供の頃よく、妹を連れてった。ここにそっくりだ。リス※10の家族が住んでたんだ、丁度ああいうところに。その隣にはウルシ※11が生えてて、10歳の時そこを通って、レギュリアンのアカムシ※12みたいになったことがある。地球へ戻ったら、真っ先にそこへ行って…。」 突然、木の影に隠れていたパリスがクルーをフェイザーで殴り倒した。レッシングが反撃する間はなく、彼もライフルで撃たれる。チャコティが近づく。「4人転送。」 イクワノックスのブリッジ。ギルモア:「亜空間通信を受信しました。」 ランサム:「誰からだ。」 「わかりません。」 「船は見当たらんな。回線をつなげ。」 乱れた音声が聞こえてくる。『ドクターからイクワノックス。応答せよ。』 「聞こえてる。」 ドクター:『ヴォイジャーに見つかってます。既に軌道に入り、船体を偽装して接近中です。そちらの上陸班も待ち伏せされてる模様。ジェインウェイはイクワノックスを執拗に…』 音声が切れた。 「つなげ。」 ギルモア:「できません。」 「ランサムから上陸班。ノア、すぐに船に転送する。」 「反応ありません。」 ランサムは腰を下ろし、命じた。「全員、戦闘配置につけ!」 |
※6: Epsilon Four ※7: 「ガス雲」と吹き替え ※8: 171 と誤訳 ※9: Mckinley Park ※10: 正確にはジリス (ground squirrel、地栗鼠) ※11: 漆 poison ivy ツタウルシ (蔦漆) とも ※12: レギュリア赤虫 regellian bloodworm |
操舵するパリス。「3万キロメートル、更に接近中。」 ジェインウェイ:「パワーコアを狙って。」 ヴォイジャーのフェイザーが、イクワノックスに直撃する。 ギルモア:「マイナーダメージです。」 ランサム:「報復しろ。」 揺れるヴォイジャー。チャコティ:「ブリッジからトレス。報告。」 トレス:「シールドグリッド・ジェネレーター、特定できません。センサーにパワーを回して下さい。」 天体測定ラボのスクリーンに、イクワノックスの状況が映されている。 「スタンバイ。」 火花が散る。トゥヴォック:「ディフレクターが被弾しました。停止すれば、エイリアンの攻撃をかわせなくなります。」 ジェインウェイ:「わかった。武器アレイを狙って。」 ギルモア:「フェイザーバンク停止。」 ランサム:「全魚雷を発射しろ。」 バーク:「ベラナがこっちのセキュリティプロトコルにアクセスしてます。」 「止めろ。」 スクリーンの映像が乱れる。トレス:「コンピューター、イクワノックスへの通信リンクを開いて。ワークステーション 33※13 のベータ。」 バークのコンソールに直接つながる。『マックス、お願い聞いて。』 バーク:「第2ラウンド突入かい?」 『これはゲームじゃない。こっちでは人が死んでるのよ。』 「君がそうならないことを祈る。」 『マックス、やめて!』 バークは通信を切った。彼を見るギルモア。 攻撃が続く。トゥヴォック:「シールド強度、低下!」 ジェインウェイ:「あと一息よ。武器アレイの攻撃を続けて。魚雷をもう一本お見舞いしましょう。」 「艦長。」 「発射!」 光子魚雷が命中する。大爆発が起こるブリッジ。ギルモア:「武器システム、ダウン。」 ジェインウェイの通信。『ジェインウェイからランサム。降伏せよ。』 ランサム:「まだスラスターは生きてるな。」 ギルモア:「はい、艦長。」 「惑星の大気圏へコースを設定。針路 60度。」 ヴォイジャーのスクリーンに、大気圏ヘ入っていくイクワノックスの様子が映る。 ジェインウェイ:「一体何をする気? 追いかけて!」 揺れ出すブリッジ。パリス:「現在、熱圏に突入しました。」 「フェイザー発射。」 2隻は降下していく。 警告音が鳴るイクワノックスのブリッジ。 トゥヴォック:「シールド強度、低下。31%。29。」 キム:「慣性制動機、停止しました。」 チャコティ:「シールドを失えば、エイリアンの攻撃にさらされます。艦長!」 ジェインウェイ:「追跡中止!」 揺れは収まる。 ギルモア:「ヴォイジャー、退却。」 ランサム:「艦首を上げろ!」 バーク:「敵のダメージは、かなり深刻です。」 「ここを脱出する。」 パリス:「ワープで消えました。」 ジェインウェイ:「コースと速度を合わせて。」 キム:「主要システムが復旧するまでは、無理です。」 「時間は?」 「2、3時間かと。」 ため息をつくジェインウェイ。「成果はゼロじゃない。」 すぐにブリッジを後にする。 後ろ手に拘束され、椅子に座っているレッシング。ジェインウェイは尋ねる。「ランサムの戦術を教えて。今すぐによ、ミスター・レッシング。」 「断れば、殴りますか。」 顔を近づけるジェインウェイ。「いいえ。この貨物室のシールドを落とす。すぐにお友達が訪ねてくるでしょうね。」 「人殺し同然だ。」 「この場合、因果応報とも言うんじゃない?」 レッシングはチャコティを見る。「ここであなたが止めに入る筋立てじゃないんですか?」 チャコティ:「筋立てなど何もない。艦長に任せてある。」 ジェインウェイ:「ランサムは何を考えてるの?」 レッシング:「死んでも言わない。」 「その言葉、本当かどうか試してあげる。せいぜい楽しむといい。通信機は生きてる。気が変わった時のために、外にいます。」 出て行くジェインウェイとチャコティ。 チャコティ:「何をする気です。」 コンピューターを操作するジェインウェイ。「聞こえなかった?」 「やめて下さい。」 「黙ってて。」 貨物室に、高音が響き出す。 トゥヴォック:「ブリッジから艦長。セクション 29※14 アルファでシールドダウン。」 ジェインウェイ:『わかってます。スタンバイ。』 チャコティ:「彼は忠実なだけだ。自分の艦長を裏切れないんです。シールドを張って下さい!」 「口を割らす。」 「…艦長!」 「勝手にしなさい。」 パネルを叩き、解除しようとするチャコティ。しかしコンピューターは言う。『レベル9 の許可が必要です。』 チャコティ:「おい、キャスリン!」 ジェインウェイ:「落ちつきなさい、必ずしゃべります。」 トゥヴォック:『艦長、空間亀裂が始まりました。』 チャコティはフェイザーをとり出し、貨物室のロックを解除して中へ入った。空間亀裂を撃つ。 レッシングを連れ出すチャコティ。「いいか、君の艦長への忠誠心はよくわかった。だからアンカリのことを教えろ。」 ジェインウェイは何も言わず、歩いて行った。 トレスは言う。「ほんとにここから 2光年未満にアンカリ船がいるとしたら、どうして探知できないの?」 チャコティ:「探知されにくい、特殊な推進システムを使ってるらしい。」 パリス:「助けてくれると思いますか?」 「頼む価値はある。レッシングがセンサーの調整の仕方を教えてくれる。見つけ次第、コースを合わせてくれ。」 「了解。」 ドクター:「レッシングからは、ほかにも何か聞き出せました?」 チャコティ:「いや何も。ほかは修理に専念してくれ。解散。」 皆が去った後、黙っていたジェインウェイが口を開いた。「副長。わかった。あなたに従いましょう。でも一つだけ言っておく。」 「『ランサムを捕まえることが先よ』。そうおっしゃりたいんでしょう?」 「意見の相違はあっても、態度に示したのは初めてね。」 「レッシングは死ぬところでした。」 「当然予測されたリスクです。」 「感心できません。」 「反論は日誌に記録しておきます。」 「記録なんてどうでもいい! 問題は何が正しくて何が正しくないかだ。警告しておく。二度とあんな真似はさせない。」 「だったら仕方ない。追って知らせるまで、副長の任務を解きます。」 「……一体どうしたんだ!」 「同じ質問をあなたに返します。」 そのままジェインウェイは会議室を出ていった。 |
※13: 32 と誤訳 ※14: 第22デッキと誤訳。そもそもヴォイジャーには 15デッキしかありません |
アンカリ船を追うヴォイジャー。トゥヴォック:「応答ありません。」 ジェインウェイ:「トラクタービーム。」 「艦長、アンカリ船は今のところ…」 「言う通りにして!」 キム:「呼びかけています。」 「スクリーンへ。」 アンカリ人※15が映し出される。『宇宙艦隊か。』 「そうよ。」 『我らに構うな。得になるようなものはもっていない。』 「力を貸して欲しいの。幸福の精霊に攻撃を受けてるの。」 『お前たちが彼らを殺したからだ!』 「私たちが殺したんじゃない。」 『イクワノックスだ。』 「その通り。エイリアンと交信できるの?」 『今すぐ船を解放するのだ!』 「それはできない。彼らを説得してくれるまで。」 『…彼らを呼び出そう。だがお前が話せ。自分で説得しろ。』 手にもった機械を作動させるアンカリ人。亀裂が開き、次々と生命体が現れる。「彼らは、人間を殺したいと言っている。」 トゥヴォック:「交渉するには、不利な始まりだな。」 ジェインウェイ:「私を理解できる?」 アンカリ人:「ああ。」 「殺したのは私たちじゃない! むしろ彼らを止めようとしたのよ。」 叫ぶ生命体たち。アンカリ人:「同胞を妨害するわけがないと。」 ジェインウェイ:「私たちには規則があるの。イクワノックスがあなたたちを殺すのは、重大な規則違反よ。止めるのは当然です。」 「『イクワノックスを渡せ。イクワノックスを渡せ。』 仲間を殺した奴らに復讐したがってる。」 トゥヴォック:「我々が罰する。我々の規則に従って。彼らは拘束され、自由を奪われるだろう。」 収まらないエイリアン。 ジェインウェイ:「わかった! 攻撃をやめたら、イクワノックスを引き渡します。」 トゥヴォック:「艦長!」 「私は正気よ、トゥヴォック。」 「ランサム艦長も、ほかのクルーも殺されます。」 「彼らの答えは?」 「あなたの判断は間違っている。ほかにも解決策はあるはずだ。」 「既に副長に謹慎を命じてる。仲間に加わりたい? 答えは!」 アンカリ人:「同意するそうだ。」 ワープ航行を続けるイクワノックス。バーク:「もっと燃料が必要です。このままでは、500光年しかもちません。」 ランサム:「燃料? そんなもってまわった表現をするな。あと何体生命体を殺す必要がある。」 「4、5体です。」 ため息をつくランサム。 ドクターは歌っている。「Oh, my darling, Oh, my darling, Oh, my darling...」 セブンのボーグ・インプラントに機具を接触させると、彼女は目を開け、無表情に歌の続きを唄う。「Clementine...」 ランサムが医療室にやって来た。「あとどのくらいだ。」 ドクター:「1時間か、そこいらです。」 また歌。「You are lost and gone forever...」 目を開いたままのセブン。「Dreadful sorry, Clementine...」 ランサム:「何をしてる。」 ドクター:「ふむ、聴覚の調整です。よく二人で歌ったもので。この歌は私が、教えたものです。Light she was and like a fairy...」 セブン:「And her shoes were number nine...」 「Herring boxes without topses...」 「Sandals were for Clementine...」 体を揺らしながら歌うドクター。「Drove she ducklings to the water...」 ランサムは止めた。「やめろ。」 ドクター:「そんな顔しないで下さい。クルーを地球へ帰すためです。彼女はあなたに抵抗した。仕方なかったんです。」 「『仕方ない』か。ありがとう、ドクター。」 「これが終わったら、私のレパートリーをお教えしますよ。パートナーになって下さい。」 ランサムは何も応えず、出て行く。 ドクター:「ふむ。Drove she ducklings to the water...」 自室に戻ったランサムは、再びシナプシス・スティミュレーターを手にとり、装着した。 青い海。前も観た、後ろ姿の女性が岩場に立っている。 目を細めるランサム。 女性に近づいていく。 興味深げなランサム。 こちらに気づき、振り向いた女性。それはセブンだった。 ランサム:「君は…。」 ボーグ・インプラントのないセブンに尋ねるランサム。「そこで何をしている。」 「隠れている。お前のように。」 「隠れてなどいない。」 海を見つめるセブン。「美しい…。さぞ慰めになるだろうな。」 「一体何を言ってるんだ。」 「だが本物ではない。」 「君もだ。消えてくれ。」 「まだ決して遅くはない。」 「こうするしかないのだ。」 「ほかの道を探せ。」 「そんなものはない。」 「隠れるのはやめろ。」 「隠れてなどないと言ったろ。消えてくれ。」 「全て終わらせろ。」 「うるさい!」 突然、セブンの姿は核遺伝子生命体に変わった。 慌ててスティミュレーターを外すランサム。バークの通信。『ブリッジからランサム。』 「……ランサムだ。」 『ジェインウェイに見つかりました。』 「すぐ行く。」 |
※15: Ankari (Eric Steinberg 映画第8作 "Star Trek: First Contact" 「ファースト・コンタクト」のポーター (Porter) 役) 声:相沢正輝 |
ブリッジのバーク。「距離は?」 ギルモア:「5万キロメートル、更に接近中。」 「コース維持。」 戻ってきたランサムに報告するバーク。「ヴォイジャーがワープで接近中です。1光年未満にクラス2 の星雲が。入ってしまえば探知は不可能です。このコースを維持すべきかと。」 ランサム:「いや。回線をつなげ。」 「作戦変更か?」 「そうも言えるな。地球へは別の方法で帰る。」 「別の?」 「ジェインウェイに協力する、マックス。彼女が許せば。」 「失礼ですが、正気を失ったんですか?」 「その反対だ。」 警告音が鳴る。ギルモア:「ヴォイジャーが武器を装填しています。」 ランサム:「呼びかけろ。」 バーク:「取り消しだ! シールドを準備しろ。」 「副長、君の任務を解く。」 バークはフェイザーを手にした。「私が指揮を執る。異存のある者はいるか!」 顔を見合わせるギルモアたち部下。 ランサムのフェイザーを取り上げるバーク。「拘束室へ。」 ギルモアもフェイザーをランサムに向けた。「すみません。」 ブリッジを後にするランサムとギルモア。 バーク:「こっちの武器の状況は。」 イクワノックスのクルー、トンプソン※16が報告する。「魚雷は全て生きてますが、フェイザーは最小です。」 「医療室に回線をつないでくれ。武器はスタンバイ。」 「了解。」 クルーを治療していたドクターは、呼び出し音に気づき、コンピューターのところへ行く。「私です。」 バーク:「君の力が必要だ。ヴォイジャーのシールド周波数を調べてくれ。」 「了解。2、3分お待ちを。」 ヴォイジャーのシールド状況が表示される。 ワープ航行中のヴォイジャー。トゥヴォック:「イクワノックス、魚雷発射。」 キム:「左舷シールドに直撃! 維持してます。」 ジェインウェイ:「お返ししてやって。」 ヴォイジャーの光子魚雷が次々と発射される。揺れるイクワノックスのブリッジ。 ランサムとギルモアは部屋に入った。ランサム:「ここは機関室だ。」 笑みを浮かべるギルモア。「わかってます。私は味方です。全て終わらせましょう。」 フェイザーを下ろした。 ランサム:「転送コントロールにアクセスしなければ。」 作業を始める 2人。 ヴォイジャーの攻撃は続く。イクワノックスのワープナセルに 2発が命中し、爆発を起こした。 キム:「左舷ナセル損傷。プラズマが漏れてます。」 パリス:「イクワノックス、ワープ解除。」 ジェインウェイ:「こっちもよ。」 プラズマをまきながら通常飛行に戻るイクワノックス。ヴォイジャーも同様にワープを解除する。 ドクターの通信がイクワノックスのブリッジに入る。『ドクターからイクワノックス。シールド周波数がわかりました。現在転送中です。』 バーク:『再調整したら、また送ってくれ。』 「了解。」 トレス:「推力、4分の1 に低下。」 ジェインウェイ:「トラクタービーム用意。」 トゥヴォック:「また魚雷を発射しました。」 「前方シールドにフルパワー。」 光子魚雷が向かってくる。直撃し、大きな揺れが襲う。 キム:「第4デッキに亀裂!」 トレス:「どうしてシールドを突破できるの!」 ジェインウェイ:「わからない! 一時撤退、シールドを再調整。」 ドクターは周波数を送り続ける。 トンプソン:「退却します。」 バーク:「追跡して、攻撃を続けろ!」 キム:「武器アレイが破壊されました。」 ジェインウェイ:「トゥヴォック!」 トゥヴォック:「10秒ごとに、シールドの周波数は変えています。」 パリス:「推進エンジン、停止しました。」 キム:「呼びかけています。ランサムです。」 ジェインウェイ:「つないで。」 機関室にいるランサム。『艦長。降伏する準備は整っている。だが私に指揮権はない。マックスが反乱を起こしたんだ。だが止められると思う。転送コントロールを手に入れた。全員をヴォイジャーに転送する。必要なら保安部員を待機させてくれ。機嫌良く君と会う奴はいないだろう。』 「……わかった。」 パリス:「艦長。」 「彼は宇宙艦隊の艦長よ。しばらく忘れてたようだけど。彼を信じる。」 ランサムはうなずき、通信を終えた。 警告音が鳴る。バーク:「我々を転送する気だ。フォースフィールド!」 ギルモア:「マックスが妨害しています。」 ランサム:「ほかの全員を転送しろ。君も行くのだ。マックスのことは任せろ。」 「…了解。」 「コンピューター、シールドグリッドへアクセス。」 ヴォイジャーの転送室に、フェイザーライフルを持った保安部員たちが集結する。 セブンやイクワノックスのクルーが転送されてきた。 周波数を送る作業を続けるドクター。 「すっかりくつろいでるようだな。」 ヴォイジャーのドクターだ。 ドクター:「何しに来た!」 「医療室を取り戻しにね。」 「止まれ! ホロプロジェクター中に光子チャージを埋め込んだ。私が命令すれば、君などひとたまりもなく…」 「イクワノックスの EMH を削除。」 ドクターは消えた。パネルのボタンを押すドクター。 トンプソン:「ドクターの送信が途絶えました。」 バーク:「ドクター、どうした?」 ドクターの声。『君らのドクターはもう存在しない。』 ランサム:『こちら艦長、シールドグリッドを停止させた。ブリッジと私がいる場所以外はな。生命維持装置も直に止まる。ヴォイジャーに移った方がいい、可能なうちにな。』 ランサムの横で空間亀裂が発生し、生命体が現れる。彼らはワープエンジンを必死に攻撃する。 トンプソン:「コアがオーバーロード。脱出すべきです。」 バーク:「ヴォイジャーの拘束室へか?」 「空威張りしてるよりはましです。」 「シャトルが残ってる。」 「シャトルベイは 2つとも使えません。エイリアンもいつ来るか…。」 「大丈夫だ!」 うろたえるトンプソン。フェイザーを持ってバークを追いかける。 バークと部下たちは、フェイザーを構え廊下を進む。亀裂を撃っていく。 バーク:「こっちだ!」 全員が集中して撃っていると、後方に亀裂が発生した。 その穴から出た一体の生命体がバークを襲う。攻撃をもろに食らったバークはその場に倒れた。顔が変質していく。 キム:「生命反応 1名。ランサムです。」 ジェインウェイ:「艦長。」 スクリーンのランサム。『計画通りにはいかなかったようだ。だが君の部下は返した。』 「あなたを転送します。」 『この船は爆発する。できるだけ君らから離れるよう、操舵コントロールにアクセスした。』 「自動操縦にセットして。あなたはヴォイジャーに移ってきて。」 蒸気が吹き出すイクワノックスの機関室。『時間がない! いいクルーをもったな、艦長。必ず地球へ帰ってくれ!』 「約束します。」 うなずくランサム。通信を終えた。 進み続けるイクワノックス。ヴォイジャーはコースを変える。 爆発が続く機関室で、ランサムはシナプシス・スティミュレーターを付けた。 海。そこに私服を着たランサムがいた。彼方に広がる水平線を見つめる。 姿勢制御を失ったイクワノックスは、ついに大爆発を起こした。 無言のヴォイジャーのクルー。 『艦長日誌、補足。イクワノックスの爆発に伴い、エイリアンは自らの空間に引き上げた。チャコティを復職させ、地球への帰路についた。』 医療室。セブンを診察するドクター。「これで新品同様。あと 2時間は再生させた方がいい。大脳皮質アレイが安定するように。」 セブン:「わかった。」 咳払いするドクター。「イクワノックスでは、いろいろと不愉快な思いをさせたが、軽蔑しないでくれ。」 「プログラム異常のせいだ。」 「恐ろしいよ。誰もがスイッチ一つで、私をハイド氏※17に変えることができるとはねえ。」 「プログラムのセキュリティ・プロトコルを強化すべきだ。今回のようなことを防げるだろう。」 「いい考えだ。」 「再生が終わったら手伝おう。」 「頼むよ。」 ベッドを下りたセブンは言った。「キーが外れていた。」 「何のことかね?」 「『マイ・ダーリン・クレメンタイン』※18、3番、2小説目だ。」 「そんな馬鹿な。」 「生体モジュレーションが、0.3デシヘルツずれている。それを修正するのも手伝おう。」 「そうかね。第2ホロデッキで、明日の 16時に会おう。君と、私と、……音叉だけで。」 「楽しみにしている。」 出て行くセブン。微笑むドクター。 トゥヴォックが見守る中、ジェインウェイが話す。「あなたたちは、私たちの信頼を利用した。クルーを裏切った。同じ過ちは犯さない。ノア・レッシング、マーラ・ギルモア、ジェイムズ・モロー※19、ブライアン・ソフィン20※、アンジェロ・タッソーニ※21。あなた方の階級を剥奪します。この船では普通のクルー※22として働くこと。特権は制限されます。常に私の監視の下に行動してもらいます。自分で信用を勝ちとって。解散。」 出て行くイクワノックスのクルーとトゥヴォック。 チャコティに尋ねるジェインウェイ。「修理は?」 「順調です。」 ブリッジに入る 2人。 ジェインウェイ:「クルーは?」 チャコティ:「かなり参ってるようです。」 ブリッジで修理を続けるクルー。 チャコティ:「ニーリックスがポットラック※23を行って、精をつけさせてますよ。」 ジェインウェイ:「私も行こうかしら。」 「サラダ※24を持って行きましょう。」 「私はクルトン※25を。……チャコティ。」 ジェインウェイに近づくチャコティ。 ジェインウェイ:「あの時……あなたには反乱を起こす十分な理由があったはずよ。」 「…頭をよぎりましたが、一線を越すことになる。」 「…あれを見て。」 床に、ヴォイジャーの記念銘版が落ちていた。それを拾うジェインウェイ。「今日まで何年も、闘いを乗り越えて、一度も落ちたことがなかったのに。」 ほこりを払うジェインウェイ。受け取るチャコティ。「元の所に戻しましょう。」 ジェインウェイはチャコティを見た。銘版を戻しにいくチャコティ。ジェインウェイは立ち尽くしていた。 |
※16: Thompson 前編で、ニーリックスにフェイザーを乱射したクルー。名前はクレジットのみで、セリフ中では言及されていません。声:秋元羊介 ※17: Mr. Hyde 二重人格を描いた小説、「ジキル博士とハイド氏」 ("The Strange Case of Dr. Jekyll and Mr. Hyde"。ロバート・ルイス・スティーヴンソン作、1886年) より。「別人」と吹き替え ※18: "My Darling Clementine" 定訳は「いとしのクレメンタイン」。アメリカ民謡、1884年。映画「荒野の決闘」 (1946) のテーマであり、また日本では「雪山讃歌」としても知られているそうです。参考: Oh My Darling Clementine、雪山讃歌 ※19: James Morrow ※20: Brian Sofin ※21: Angelo Tassoni 以上 3人はエキストラ ※22: 原語では "crewman" (乗組員) ※23: potluck あり合わせの物を持ち寄って行うパーティー ※24: salad ※25: crouton |
感想
いよいよ第6シーズンです。正直、後編にはさほど期待してなかったのですが、全く良い方に裏切られました。 前編で少し触れられたシナプシス・スティミュレーターが重要な役割で登場し、これぞ後編という展開を見せてくれます。ストーリーが予想できないというのは大事ですね。私はどうせセブンが大活躍、同時にヴォイジャーに入りこんだイクワノックスのドクターも大活躍。そして最後に艦長とクルー全員もろともイクワノックスが爆発と考えていました。ジェインウェイは確かに行きすぎですが、まあ…あんなもんでしょう。 ヴォイジャーの前後編は、後編が無理矢理、ありきたりといった、いまいちなものばかりでした。"Basics" 「ケイゾン総攻撃」、"Future's End" 「29世紀からの警告」、"Scorpion" 「生命体8472」 (これは特別な意味がありましたが…)、"Year of Hell" 「時空侵略戦争」、"The Killing Game" 「史上最大の殺戮ゲーム」、そして "Dark Frontier" 「ボーグ暗黒フロンティア計画」……。そしてこのエピソードでやっと、前後編らしい前後編エピソードをヴォイジャーで見たような気がします。 本国では 99年5月に DS9 が終了し、この第6シーズンの時期からVOYだけになりました。これからは、そのお手並み拝見ですね。 |
第120話 "Equinox, Part I" 「異空生命体を呼ぶ者達(前)」 | 第122話 "Survival Instinct" 「ボーグの絆を求めて」 |