USS Kyushuトップに戻る

ヴォイジャー 簡易エピソードガイド
第122話「ボーグの絆を求めて」
Survival Instinct

dot

・イントロダクション
未開の惑星。その上空を、一隻のボーグ・スフィアが降下していく。墜落したスフィアは爆発した。
ジャングル。ボーグ艦の残骸や死んだのボーグそばに、3体のドローンがいる。口々に言う。「入力ミス。」 「入力ミス。」 「入力ミス。」
近くで別のボーグが起き上がった。セブン・オブ・ナインだ。「集合体とのリンクが切れている。これより第2プロトコル開始。」
何かの音が響いた。指示するセブン。「船のトランスワープ室に圧力異常が生じた。このエリアを脱出する。」
3人のボーグ:「了解。」
だが彼らには機能不全が起きているらしい。「方向調整…」 「調整装置…」 「装置が機能していない。」
セブン:「向こうだ。方位 301。」
3人:「了解。」
「そのドローンも運べ。」 倒れていたボーグが引きずられていく。


・あらすじ
ヴォイジャーは異星人の前哨基地に係留し、多数の訪問者を受け入れていた。ナオミと昼食をとっていたセブンは、男性に話しかけられる。彼が商人から手に入れたと言って見せた部品は、セブンがドローンだった頃のシナプス中継機だった。セブンはそれを譲り受け、詳しく調べることにする。一方男性は、他人には聞こえない特殊な通信で、ヴォイジャーにいる 2人の仲間と作戦を進めていた。
惑星に残されたボーグたちは、集合体から切り離されたことで、少しずつ個人だったことを思い出し始めていた。 部品をコンピューター分析にかけ、再生に入るセブン。あの 3人はそれを感じとり、ターボリフトから貨物室に侵入する。トゥヴォックはセキュリティ違反を探知していた。眠っているセブンの周りで作業を進める 3人。セブンの記憶を探ろうとしているらしい。目を覚ましたセブンは抵抗する。そして駆けつけたトゥヴォックたち保安部員によって、3人は確保された。
焚き火を囲み、食事をとるセブンたち。ボーグに同化される前の懐かしい記憶が次々とよみがえる。セブンは再同化されるまで、記憶ファイルにアクセスすることを禁じた。 彼ら 3人はセブンと同じユニマトリックスに所属していた、トゥー、スリー、そしてフォー・オブ・ナインだった。3〜4ヶ月前に集合体を離れていたが、なぜか 3人だけは神経リンクでつながったままになっている。彼らはそのリンクを取り外すため、セブンの記憶から手がかりを得ようとしたのだ。8年前の墜落事故に関係しているらしいが、3人の再同化された時の記憶は欠落している。データ修復に協力するセブン。
セブンにも墜落の後、再同化されるまでの記憶が一部抜けている。記憶や感情も全て共有する辛さを訴える 3人。一部の記憶が消えた理由も、3人だけを内部リンクでつなげた理由もわからない。セブンもリンクにつながれば、失われた情報を復活できるかもしれない。危険は伴うが、「家族」のためにセブンはリンクすることにした。4人はアルコーヴに入り、墜落時の記憶がよみがえる。 セブンは音を聞き、一人でその場所へ向かう。損傷を受けたドローンを発見するが、彼はすぐに死んでしまった。うろたえるセブン。トゥー・オブ・ナインたちはボーグ集合体へ戻るのを拒否し、自分たちの場所を知らせるビーコンを壊してしまった。セブンの説得も無駄に終わり、3人はボーグから逃げるために勝手な行動を始めた。独り残されたセブンがとった行動、それは 3人にナノプローブを注入し、内部リンクを作ることだったのだ。そして 3人はボーグとして機能するようになり、ビーコンの修理を始めた。 リンクを作ったことでセブンを責める 3人。セブンとのリンクは切られた。
セブン以外の 3人は気を失い、医療室に収容される。セブンとのリンクを切った時に、内部リンクのせいで過度のショックを受けたらしい。内部リンクを除去することはできるが、その場合せいぜい 1ヶ月しか生きられない。もう一つの手はボーグに戻し、ドローンとして一生を送る方法だ。8年前、死んだボーグを見て暴走したことに責任を感じるセブンは、「生きる」のと「命がある」のは違うというチャコティと話す。個人として 1ヶ月か、生きるとは言えないドローンとして一生を送るか。ドクターは医者としてあくまで長く生きる方が良いと考えていたが、短い命でも自由がなくては生きているとは言えないと訴えるセブン。そして内部リンクは外され、彼らは自由を手に入れた。3人は残りの人生をまっとうするため、それぞれの生き方を始めるのだった。


・用語解説など
ヴォイジャーをうろつく異星人の中には、エヴォラ人 (映画第9作 "Star Trek: Insurrection" 「スター・トレック 叛乱」)、タラリア人 (DS9第66話 "Improbable Cause" 「姿なき連合艦隊(前編)」)、ヴォス人 (VOY第65話 "Distant Origin" 「遠隔起源説」) の姿が見受けられますが、ヴォス人を除き単にそっくりな種族でしょう

ナオミ・ワイルドマン
Naomi Wildman
(スカーレット・ポマーズ Scarlett Pomers) VOY第120話 "Equinox, Part I" 「異空生命体を呼ぶ者達(前編)」以来の登場。声: 永迫舞
トゥー・オブ・ナイン
Two of Nine
(ヴォーン・アームストロング Vaughn Armstrong TNG第20話 "Heart of Glory" 「さまよえるクリンゴン戦士」のコリス司令官 (Commander Korris)、DS9第3話 "Past Prologue" 「スペース・テロリスト ターナ・ロス」のガル・ダナー (Gul Danar)、第171話 "When It Rains..." 「嵐の予兆」などのカーデシア人セスカル (Seskal)、VOY第7話 "Eye of the Needle" 「ワームホールの崩壊」のテレク・ルモール (Telek R'Mor)、第143話 "Fury" 「帰ってきたケス」のヴィディア人船長 (Vidiian Captain)、第155話 "Flesh and Blood, Part I" 「裏切られたホログラム革命(前編)」のアルファ・ヒロージェン (Alpha Hirogen)、第171話 "Endgame, Part I" 「道は星雲の彼方へ(前編)」のコラス (Korath)、ENT第1話 "Broken Bow, Part I" 「夢への旅立ち(前編)」などのアーチャーの上司フォレスト提督 (Admiral Forrest)、第14話 "Sleeping Dogs" 「名誉に生きる者」のクリンゴン船長 (Klingon Captain)、第22話 "Vox Sola" 「漂流生命体の叫び」などのクリタサン船長 (Kreetassan Captain) 役。ゲーム "Armada II"、"Bridge Commander"、"Starfleet Command III"、"Elite Force II" でも声の出演) 声:長克己
スリー・オブ・ナイン
Three of Nine
(バーティラ・ダマス Bertila Damas DS9第40・41話 "The Maquis, Part I and II" 「戦争回避(前)(後)」のサコンナ (Sakonna) 役) 鼻筋がベイジョー人のようにも見えます。声:寺内よりえ
フォー・オブ・ナイン
Four of Nine
(ティム・ケレハー Tim Kelleher TNG最終話 "All Good Things..." 「永遠への旅」のゲインズ大尉 (Lieutenant Gaines)、ENT第34話 "The Communicator" 「危険なコンタクト」の Pell 大尉 (Lt. Pell) 役) 声:中村大樹、DS9 2代目ベシア役
(死にゆくボーグ)
(Jonathan Breck)

マーコニアン前哨基地
Markonian Outpost
キンボリ
Kinbori
有袋動物料理
marsupial surprise
シヴォリアン
Shivolian
生命体521
Species 521
シヴォリアンのこと
ボーグ・シナプス中継機
Borg synaptic relay
オレンダル5
Orendal Five
ブラザラ
Brothara
生命体571
Species 571
フォー・オブ・ナインの種族。名称不明
マリーカ・ウィルカーラ
Marika Willkara
スリー・オブ・ナインの本名
プシャン
P'chan
フォー・オブ・ナインの本名
ドーナー
Dornar
アンシャ
Ansha
エクスカリバー
Excalibur
TNG第101話 "Redemption, Part II" 「クリンゴン帝国の危機(後編)」には同名のアンバサダー級の宇宙艦 (NCC-26517) が登場していますが、関連は不明。同一艦だとすればスリー・オブ・ナイン (マリーカ) が乗っていたのは 8年以上前となるので、ボーグと (単独で?) 遭遇しても船自体は破壊・同化されず、その後にエンタープライズと共同作戦を取ったことになります。と考えると別の船と考えた方がいいかもしれません。なお、23世紀にはコンスティテューション級 NCC-1664 のエクスカリバーも就航 (TOS第53話 "The Ultimate Computer" 「恐怖のコンピューターM-5」)
1865アルファ惑星
Planet 1865-Alpha
イナヴァー・プライム
Inavar Prime
ランサー
Lansor
トゥー・オブ・ナインの本名
モーフィニア人
Morphinian

・感想
またボーグの話。ですが、今までと違った路線でセブンの過去が描かれています。多少結論の「究極の選択」へのストーリーの運び方が強引な気もしますが、総じてみると良い作品だと思います。
セブンの新たな過去、肉を食べるボーグ (これは緊急時だからでしょう。なお、よく観ればわかりますが、食べているのはもちろん仲間のボーグではなくて何かの動物です。足に注目)、ステーションに係留したヴォイジャー…どこか今までのヴォイジャーとは違った雰囲気が漂っていますね。やっぱり TNG・DS9 で名作の脚本を数々担当してきた、ロナルド (ロン)・ムーアのヴォイジャー初脚本ということも関係しているんでしょうか。


dot

previous第121話 "Equinox, Part II" 「異空生命体を呼ぶ者達(後編)」 第123話 "Barge of the Dead" 「さまよえるクリンゴンの魂」previous
USS Kyushuトップ | ヴォイジャー エピソードガイド