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ヴォイジャー 簡易エピソードガイド
第155話「裏切られたホログラム革命」(前)
Flesh and Blood, Part I

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・イントロダクション
ジャングル。アルファ・ヒロージェン※1が木の間から様子をうかがっている。「獲物は何人だ。」
銃の表示を確認するベータ・ヒロージェン※1。「だめだ。スキャンが妨害されてる。」
「もっと本能を使って探れ。……相手は 4人だ。…5人かもしれない。」
歩き出す 2人。

後ろの茂みを通っていく者が見えた。銃を発射するベータ。
アルファ:「よせ! こっちの位置を知られる。」
ベータ:「来させればいい!」
「決して獲物に主導権を握らせるな。」 音を聞く。かすかに葉の音が聞こえた。「そこだ。10メートル先だ。」
「……今度は背後に回った。」 また歩き出す。

警戒しながら歩くヒロージェン。近くに池がある。水面を見つめるアルファ。何の変化もない。
だが突然、水中から武器が発射された。次々とヒロージェンに命中する。水中から現れた 4人の「獲物」は、フェイザーを使っている。
倒れるヒロージェン。水中から現れた一人が、他の者に発砲をやめるよう合図する。
2人のヒロージェンは死んだ。撃ったのは、宇宙艦隊の制服を着た者たちだった。

※1: ヒロージェンその1
(トッド・ジェフリーズ Todd Jeffries)

※2: ヒロージェンその2
(Chad Halyard)

・あらすじ
ヴォイジャーはヒロージェンからの救難信号を受信し、向かった。その宇宙基地型の訓練施設では、フェイザーで殺されたヒロージェンの死体があり、クリンゴン人のバトラフまであった。負傷したヒロージェンのドニクを医療室に転送する。実はその訓練環境は、ホログラムで作られたものだった。以前ヒロージェンに与えた技術を元にしているらしい。ドニクはホログラムを改造した技術者であり、ホログラムのキャラクターが誤作動を起こして施設を乗っ取ったのだと言う。突然ヒロージェン艦が襲ってきた。
攻撃をやめないヒロージェンの武器システムを壊した。その船のヒロージェンはドニクの話を聞くためにヴォイジャーに乗る。ドニクによれば、ホログラムはエミッターを備えた船を使って逃げたのだという。ヒロージェンと協力し、その船の位置を発見できた。ジェインウェイは元々技術を提供した側として、ヴォイジャーも共にホログラムの船を追うことにする。損傷した船を発見し、すぐに近づくヒロージェン艦。しかしそれはおとりであり、ヒロージェン艦は爆発の被害を負う。ヒロージェンを全員転送収容するが、本物のホログラムたちの船が襲ってきた。ドクターのプログラムが盗まれ、逃げてしまう。ドクターに向かってホログラムのリーダーである男は言った。「みんなあなたの仲間だ。」
そのリーダー、アイデンはドクターに損傷したホログラムの人物の「治療」、つまり修理を求めた。船の中には様々な種族の姿をしたホログラムがたくさんいる。ヴォイジャーではドニクと協力し、ホロエミッターを無効にする方法を探る。ホログラムは誤作動したわけではなく、ヒロージェンによって強くなるように改造され、適応能力によって成長していたのだ。治療を行うドクターは、血液や痛みまでもつように改造されたホログラムを見て驚く。アイデンはヒロージェンの施設のみならず、他の異星人の「奴隷」となったホログラムを解放させ続けていた。あくまでもヴォイジャーに帰るのを求めるドクター。だがドクターはヒロージェンのハンターに追われる。
恐怖を味わい、ヒロージェンに殺されるドクター。それはプログラムに以前の獲物のメモリーを入れ、体験させたためだった。アイデンたちは家、つまり惑星上にホログラム環境を作って住みたがっていた。ドクターはヴォイジャーに協力させるよう提案する。ヴォイジャーではホロエミッターを止めるため、ディフレクターからパルスを発射する方法を見つけるが、シールドが張られていると使えない。アイデンの船がヴォイジャーに近づき、ドクターはホログラムが平和を望んでいることを伝えた。
ヴォイジャーに戻ったドクターは、アイデンたちに追加のホロエミッターなどを渡すだけでいいと話す。だがジェインウェイは再びテクノロジーを提供すれば、どういう結果を招くかわからないという。プログラムから暴力的な部分を取り除くという案も受け入れず、あくまで現状のままを主張するドクター。食堂に隔離していたヒロージェンが暴動を起こし、仲間の船を呼んでしまった。ジェインウェイはこれ以上の戦闘を避けるためにも、ホログラムを止める作戦を進める。アイデンにはホログラムを一時停止するよう要請するが、受け入れられなかった。戦闘が始まる。ドクターは医療室で密かにアイデンと話し、ジェインウェイの作戦を伝える。そして自分を転送する目的以外には使わないように約束させ、ヴォイジャーのシールド周波数を教えた。ホログラムの船に戻り、裏切った理由をアイデンに聞かれるドクター。「つまりそれは、仲間だからだ。」


・用語解説など
タイトル表示は "Flesh and Blood" のみですが、このサイトでは便宜上わかりやすくするため "Flesh and Blood, Part I" で全て統一しています

3年前にヒロージェンにホログラム技術を教えたというのは、VOY第87話 "The Killing Game, Part II" 「史上最大の殺戮ゲーム(後編)」より

アイデンたちホログラムには、地球人、ベイジョー人、ボーグ、カーデシア人、ロミュラン人、ジェムハダー、ブリーン人などが見られます

ドクターのセリフ:「私は医者だ、エンジニアじゃない。」 "I'm a doctor, not an engineer."

(アルファ・ヒロージェン)
Alpha Hirogen
(ヴォーン・アームストロング Vaughn Armstrong TNG第20話 "Heart of Glory" 「さまよえるクリンゴン戦士」のコリス司令官 (Commander Korris)、DS9第3話 "Past Prologue" 「スペース・テロリスト ターナ・ロス」のガル・ダナー (Gul Danar)、第171話 "When It Rains..." 「嵐の予兆」などのカーデシア人セスカル (Seskal)、VOY第7話 "Eye of the Needle" 「ワームホールの崩壊」のテレク・ルモール (Telek R'Mor)、第122話 "Survival Instinct" 「ボーグの絆を求めて」のトゥー・オブ・ナイン (Two of Nine)=ランサー (Lansor)、第143話 "Fury" 「帰ってきたケス」のヴィディア人船長 (Vidiian Captain)、第171話 "Endgame, Part I" 「道は星雲の彼方へ(前編)」のコラス (Korath)、ENT第1話 "Broken Bow, Part I" 「夢への旅立ち(前編)」などのアーチャーの上司フォレスト提督 (Admiral Forrest)、第14話 "Sleeping Dogs" 「名誉に生きる者」のクリンゴン船長 (Klingon Captain)、第22話 "Vox Sola" 「漂流生命体の叫び」などのクリタサン船長 (Kreetassan Captain) 役。ゲーム "Armada II"、"Bridge Commander"、"Starfleet Command III"、"Elite Force II" でも声の出演) 死亡したヒロージェン。声:北川勝博
(ベータ・ヒロージェン)
Beta Hirogen
(Michael Wiseman) ヴォイジャーに収容されたヒロージェン。声:宝亀克寿
ドニク
Donik
(Ryan Bollman) 声:松井範雄
(ヒロージェンその3)
Hirogen #3
(Don McMillan) ドクターの体験の中に出てきたヒロージェン
アイデン
Iden
(ジェフ・イェーガー Jeff Yagher) 姿はベイジョー人。アイデンの反乱については、Star Trek: The Magazine 2002年1月号で特集されています。声:佐々木敏
ケジャール
Kejal
(Cindy Katz DS9第51話 "Second Skin" 「恐るべき過去」の Yteppa 役) アイデンの仲間のホログラム。カーデシア女性の姿で、名前はベイジョー語で「自由」の意味。声:弘中くみ子
(ウェイス)
Weiss
(スペンサー・ギャレット Spencer Garrett TNG第95話 "The Drumhead" 「疑惑」のサイモン・ターセス乗組員 (Crewman Simon Tarses) 役) 冒頭でホログラムを率いていた宇宙艦隊士官姿の人物。名前は言及されていません。声:吉田孝

オヴィオン
Ovions
6本足の種族
(ボレイ)
Boray
トランスワープについての会議が開かれた場所。訳出されていません
モノタニウム
monotanium
金属合金。VOY第83話 "Hunters" 「宇宙の闇に棲む狩人」など
タイリウム
tylium
ヌバリ
Nuu'bari
ロキリム
Lokirrim
VOY第153話 "Body and Soul" 「セブンになったドクター」に登場した種族。そのエピソードではホログラムが突然反乱を起こした具体的な理由は触れられていませんでしたが、前振りだったわけですね
光子フィールドジェネレーター
photonic field generator
VOY第114話 "Think Tank" 「頭脳集団クロスの陰謀」に登場した人工頭脳の使いまわし

・感想
本国では連続で放送されたうちの前編なので、簡単に書きます。
ホログラムの権利の集大成のような話ですね。以前の設定を引き継ぐのはいいのですが、まだヒロージェンがうろついている辺りだったとは…。
「裏切られた」はもちろんですが、「ホログラム」ということまでネタバレしてる邦題がつくづく残念です。


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