※1『艦長日誌、54274.7。ついにトレス中尉の説得を受け入れ、大規模なメンテナンスを行うことに決定した。無人の惑星に着陸し、必要物資を探すためシャトルを発進した。』
惑星上のヴォイジャーは、ナセルの内部も分解され、シャトルを使って総がかりでメンテナンスが行われている。
機関室でジェインウェイはトレスに尋ねる。「通常エンジンのアップグレードは?」
「明後日です。」 部下に指示を出すトレス。「リレーに新しいフェイズ補正機を入れて。」
「環境コントロールは?」
「サーマルレギュレーターが、少し加熱してます。」
「窓を開けたままにできないのね。ワープドライブはいつ起動できる?」
「6日後の予定です。」
「もっと早めることはできないの?」
「艦長。私も早く出発したいですけど、これほどのメンテナンスには時間がかかります。」
機関室の明かりが暗くなった。
トレス:「メンデス※2? パワードレインをチェックして。」
応える機関部員。「了解。」
ジェインウェイ:「この船が痛んでるのはわかるけど、あなたは 2、3日で終わるといった。」
トレス:「それは右舷のナセルの微細な亀裂と、メインコンピューターの中継機の異常が見つかる前です。」 ライトが復旧した。「誰が直した?」
近くにいたイチェブ※3が応えた。「EPS の入力に、電荷のアンバランスがあったので。すいません、僕はただ…」
「見つけるのに何時間もかかるところだった。」
「戦術システムのレポートを持ってきました。トゥヴォック少佐からです。」
「イチェブ、あなたにパッドの配達なんかさせるのはもったいないわね。」
ジェインウェイ:「同感ね。修理を終えて出発するまで、イチェブを預けます。有能な助手がいれば、少しでも作業が早くなるでしょ?」 機関室を出て行く。
トレスはイチェブを見て微笑んだ。
星雲の近くを航行中のデルタ・フライヤー。
コンソールに足を上げ、いびきをかいている。
キム:「ニーリックス。」
気づかないニーリックス。
キムは微笑み、コンピューターを操作して大きな音を出した。驚くニーリックス。
キム:「目を覚ましてシャキッとしろ。5時だぞ。」
ニーリックス:「もうか。ああ…。ダイリチウムを発見して、ヴォイジャーに戻る夢を見てた。」
セブン:「正しい言い方だ。正に夢だ。」
「この星雲、前にスキャンしなかった?」
「4回もスキャンした。」
キム:「ボーグは徹底的なので有名じゃなかった?」
「ボーグは効率を重んじる。無駄は嫌いだ。」
「この星雲が臭いんだけどな。どっかにダイリチウムがある。」
警告音が鳴る。
ニーリックス:「大きなエネルギーの変動をキャッチした。」
キム:「星雲からか?」
「違う、これは砲撃だ。」
窓を見ると、すぐ横をエネルギー武器が飛んで行く。
後ろからやってきた船が、デルタ・フライヤーのすぐ前を飛ぶ宇宙艦を攻撃している。その船は遮蔽していたようだ。
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※1: このエピソードは、TNG ラフォージ役のレヴァー・バートン監督作品です。VOY第141話 "Live Fast and Prospter" 「宇宙詐欺師ダーラ」以来、ヴォイジャーでは 6作目となります
※2: Mendez 顔の映らないエキストラ
※3: Icheb (Manu Intiraymi) VOY第148話 "Imperfection" 「セブンの涙」以来の登場
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