ヴォイジャー 簡易エピソードガイド
第154話「偽りのナイチンゲール」
Nightingale
イントロダクション
※1『艦長日誌、54274.7。ついにトレス中尉の説得を受け入れ、大規模なメンテナンスを行うことに決定した。無人の惑星に着陸し、必要物資を探すためシャトルを発進した。』 惑星上のヴォイジャーは、ナセルの内部も分解され、シャトルを使って総がかりでメンテナンスが行われている。 機関室でジェインウェイはトレスに尋ねる。「通常エンジンのアップグレードは?」 「明後日です。」 部下に指示を出すトレス。「リレーに新しいフェイズ補正機を入れて。」 「環境コントロールは?」 「サーマルレギュレーターが、少し加熱してます。」 「窓を開けたままにできないのね。ワープドライブはいつ起動できる?」 「6日後の予定です。」 「もっと早めることはできないの?」 「艦長。私も早く出発したいですけど、これほどのメンテナンスには時間がかかります。」 機関室の明かりが暗くなった。 トレス:「メンデス※2? パワードレインをチェックして。」 応える機関部員。「了解。」 ジェインウェイ:「この船が痛んでるのはわかるけど、あなたは 2、3日で終わるといった。」 トレス:「それは右舷のナセルの微細な亀裂と、メインコンピューターの中継機の異常が見つかる前です。」 ライトが復旧した。「誰が直した?」 近くにいたイチェブ※3が応えた。「EPS の入力に、電荷のアンバランスがあったので。すいません、僕はただ…」 「見つけるのに何時間もかかるところだった。」 「戦術システムのレポートを持ってきました。トゥヴォック少佐からです。」 「イチェブ、あなたにパッドの配達なんかさせるのはもったいないわね。」 ジェインウェイ:「同感ね。修理を終えて出発するまで、イチェブを預けます。有能な助手がいれば、少しでも作業が早くなるでしょ?」 機関室を出て行く。 トレスはイチェブを見て微笑んだ。 星雲の近くを航行中のデルタ・フライヤー。 コンソールに足を上げ、いびきをかいている。 キム:「ニーリックス。」 気づかないニーリックス。 キムは微笑み、コンピューターを操作して大きな音を出した。驚くニーリックス。 キム:「目を覚ましてシャキッとしろ。5時だぞ。」 ニーリックス:「もうか。ああ…。ダイリチウムを発見して、ヴォイジャーに戻る夢を見てた。」 セブン:「正しい言い方だ。正に夢だ。」 「この星雲、前にスキャンしなかった?」 「4回もスキャンした。」 キム:「ボーグは徹底的なので有名じゃなかった?」 「ボーグは効率を重んじる。無駄は嫌いだ。」 「この星雲が臭いんだけどな。どっかにダイリチウムがある。」 警告音が鳴る。 ニーリックス:「大きなエネルギーの変動をキャッチした。」 キム:「星雲からか?」 「違う、これは砲撃だ。」 窓を見ると、すぐ横をエネルギー武器が飛んで行く。 後ろからやってきた船が、デルタ・フライヤーのすぐ前を飛ぶ宇宙艦を攻撃している。その船は遮蔽していたようだ。 |
※1: このエピソードは、TNG ラフォージ役のレヴァー・バートン監督作品です。VOY第141話 "Live Fast and Prospter" 「宇宙詐欺師ダーラ」以来、ヴォイジャーでは 6作目となります ※2: Mendez 顔の映らないエキストラ ※3: Icheb (Manu Intiraymi) VOY第148話 "Imperfection" 「セブンの涙」以来の登場 |
あらすじ
医薬品を運んでいたクレイラー船は救難信号を出し、遮蔽も解けた。初めは艦隊の誓いのために立ち去ろうとしたキムだが、結局攻撃していたアナーリ船を退却させる。クレイラー船に乗り込むと、船について詳しいクルーは死亡していた。修理を行うキムたち。一方、ヴォイジャーで作業に没頭するイチェブは、トレスにホロデッキに誘われる。クレイラー人は新しい医療物資を運ぶため、母星までキムに船を指揮するように求める。とりあえずヴォイジャーが着陸している惑星まで同行することになった。だが惑星軌道には何隻ものアナーリ船がいた。 ヴォイジャーは攻撃されているわけではなく、アナーリ人と物資交換を行っていた。アナーリが去った後で、クレイラー人はヴォイジャーに乗って協力を求める。キムは自分がクレイラー船を指揮して、母星まで送り届ける任務を行いたいとジェインウェイに申し出て、認められた。セブンも一緒に乗る。イチェブは、トレスが自分を好きになったのではないかと勘違いし始めていた。キムは「ナイチンゲール」と名づけたクレイラー船に艦長として乗り、飛び立った。 作戦室に私物をもちこみ、クレイラー人に代わって作業を行うキム。イチェブは作業中に、密かにトレスをスキャンする。セブンはクルーに仕事をさせないキムに、艦長として間違っていると言う。遮蔽装置が不安定になり、すぐにアナーリ船が襲ってきた。クレイラーの医者の助言によりその場は切りぬけたが、クルーが一人死んでしまった。 医者のはずなのに、システムについて詳しいクレイラー人に疑惑をもつキム。実は彼は医者ではなかった。船の目的も医療物資の輸送ではなく、開発した遮蔽装置をクレイラーに届けようとしていたのだ。ヴォイジャーに戻るよう命じるキムだが、誰も従う者はいなかった。イチェブはトレスに、自分に好意をもつのは不適切だと告げる。トレスは勘違いしていると話した。脱出ポッドで去ろうとするキムに、セブンは艦長として最後まで務めるように言う。クレイラーへ到着したが、軌道上ではアナーリが遮蔽船を発見できるようにしていた。キムは解決策があると言い、再び艦長として席についた。 アナーリはヴォイジャーがクレイラーに協力していることを知り、取引を中止した。見つかって攻撃を受けるナイチンゲール。キムはアナーリ人と話し、降伏すると伝えた。条件としてクルーを避難させ、遮蔽装置を載せた船だけ渡すということを受け入れさせる。だがキムは相手のトラクタービームを利用して、反発力によって惑星のシールド内に逃げ込む作戦を部下に伝えた。無事成功し、ナイチンゲールでヴォイジャーに戻るキム。元の少尉に戻ったキムは、こう言うのだった。「もう艦長じゃない。今はね。」 |
用語解説など
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感想
1シーズンにつき 1、2話ほどのキム主役のエピソードです。7年間もずっと少尉というキムならではの鬱憤を逆に生かしているといえます。が、どうもストーリーに無理がある部分があっていまいちです (特に、あっさり再び艦長として迎える点)。そこそこのレベルではありますが、最終シーズンにふさわしいとは思えません。 当然監督のせいだけではないでしょうが、バートンにしては…という印象ですね。それから、イチェブとトレスのサブストーリーはあまりにも薄すぎます。どうもヴォイジャーの並行ストーリーはあまり成功しているのがないような気がしますねぇ。 |
第153話 "Body and Soul" 「セブンになったドクター」 | 第155話 "Flesh and Blood, Part I" 「裏切られたホログラム革命(前編)」 |