ヴォイジャー 簡易エピソードガイド
第65話「遠隔起源説」
Distant Origin
イントロダクション
火山のある、荒れた惑星。洞窟の中をライトで照らしながら進んでいた異星人※1が、黄色い布を発見した。もう一人※2が、土の中に埋まっていた骨を見つける。独特の音を発して仲間を呼ぶ。遺伝子は一致しましたかと聞かれ、ああ、船に持って帰って詳しく調べようという。これで証明できるんですねという仲間に、もしそうなら、ヴォス※3の歴史において最大の発見となるぞ、と言った。ライトで照らした先には、地球人の頭蓋骨があった。 |
※1: (Christopher Liam Moore VOY第111話 "The Disease" 「自由は愛をも越えて」のヴァーロ人密航者役) 声:山野井仁 ※2: (ヘンリー・ウォロニッツ Henry Woronicz TNG第95話 "The Drumhead" 「疑惑」のジダン中尉 (Lieutenant J'Dan)、VOY第91話 "Living Witness" 「700年後の目撃者」のコーレン (Quarren) 役) 声:稲葉実、DS9 クワークなど ※3: ヴォス人 Voth |
あらすじ
ヴォス人教授のゲイガンと助手のヴィアは、以前ハノン4号星で死んだホーガンの骨を見つけたのだ。ヴォス人は爬虫類から進化した種族だ。骨の 47の遺伝子標識がヴォスのものと共通であることから、ゲイガンは自分の「遠隔起源説」、つまり祖先は遠くの惑星から来たという理論を立証させようとしていた。しかしヴォス人は自分たちが最初に生まれた種族、第一の種だとする「教義」を信じており、常識を根本から覆すゲイガンの説は、元老院をはじめ多くの者に異端視されていた。元老院が学会に圧力をかけたため、ゲイガンはヴィアと共に単独で証拠をみつけにいくことにする。階級章に刻まれていた「ヴォイジャー」という船を捜しに。 ゲイガンたちは以前ヴォイジャーが立ち寄ったところから情報を集め、ワーププラズマの種類を特定できた。ヴォイジャーを発見した。船を空間転移という一種の遮蔽状態にし、トランスワープから抜けるゲイガンの調査船。2人は姿を隠してヴォイジャーに潜入し、観察を始める。だがブリッジで探知され、食堂に逃げたもののフェイザーで遮蔽を破られる。慌てたヴィアはチャコティを攻撃し、チャコティは意識を失う。ヴィアは確保したものの、ゲイガンはチャコティを連れて船へ戻った。 ヴィアに質問しようとしたが、自ら冬眠状態に入ってしまった。ゲイガンはチャコティから地球についての情報を教えてもらう。ドクターも DNA の遺伝子標識が地球人と一致するものが多く、起源が同じであることを見つけた。ホロデッキで共通の祖先を検索し、姿を出す。それはエリオプスという 4億年前の生物で、温血生物と変温生物が枝別れする前の最後の種だ。エリオプスから最も発達した変温動物は、恐竜のハドロサウルス。もしその恐竜が生き残っていたと仮定し、6,500万年後の姿を出す。それはヴォスとそっくりだった。彼らの祖先は何らかの天変地異に巻き込まれ、生き残った者が地球を出たのかもしれない。ゲイガンはチャコティを遠隔起源説の証拠として仲間にみせようとしていた。ヴォイジャーは、突然現れた巨大なヴォスのシティシップの中に、船ごと転送されてしまった。 ヴォイジャーのシステムはダウンさせられ、トリコーダーやフェイザーも使えない。占拠されてしまった。ゲイガンは法廷へ出なければヴォイジャーを破壊するといわれ、裁判のためチャコティを連れてシティシップへ向かう。機関室に潜り込んだパリスが光子魚雷を発射しようとしたが、コマンドがロックされて実行できない。ゲイガンの裁判が始まった。 教義に背いたとして、学説が誤りだったとして欲しい元老院。だがゲイガンは真実を曲げようとはしない。脅されたのか、ヴィアも元老院側についてしまった。チャコティは、変化を恐れてはいけない、変化を受け入れた時に「目が開かれる」のだと訴えた。遠い星から逃げ出して、この宇宙域にたどり着いたということは受け入れられないという元老院の大臣に、チャコティは逆だという。地球で恐らく最も古い知的生命体であった祖先は、地球が災害に見舞われた時に勇敢に宇宙に飛び出し、文化の土台を作り上げた。己の地球の起源を否定するのは、真の遺産を否定することですと言うチャコティ。だが大臣は依然として、ゲイガンが学説を取り下げないならヴォイジャーのクルーも抑留し、ヴォイジャーも破壊すると告げた。ゲイガンはやむを得ず、学説が過ちだったと言った。チャコティは別れ際に、ゲイガンに小さな地球の形をした置物を贈るのだった。 |
用語解説など
この時点のクルーは 148人ということが判明 |
感想
以前のエピソードを引き継ぎつつ、スタートレックらしい内容を描いた傑作だと思います。初めの方のヴォイジャーを相手側から見た視点といい、科学的な理論に基づいたヴォスの設定といい、ガリレオ・ガリレイなどを思い起こさせるゲイガンの裁判といい、見ごたえ十分です。裁判でのチャコティの話は、ネイティヴアメリカンのチャコティでなければ言えないセリフだと思います。一歩先を行っているヴォスの科学力 (トランスワープや優れた遮蔽、巨大なシティ・シップ) の描写も良かったですね。 |
第64話 "Real Life" 「ドクターの家庭」 | 第66話 "Displaced" 「消えてゆくクルー達」 |