ヴォイジャー 簡易エピソードガイド
第64話「ドクターの家庭」
Real Life
イントロダクション
※1民家。ジェフリー※2、ベル※3、急がないと遅れるわよ、ほら早くという女性の声。ニコニコ笑いながら 3人揃って歩いてくる。先頭に女の子、次に男の子、そして母親※4。ドアのところに並んで、今日もお父様をお見送りしなくちゃねという母親。2人を並ばせ、服を整える。爪の長さをチェックする。靴が磨いているかどうか尋ね、ジェフリーとベルは揃って片足を前へ出す。完璧よという母親。あなたたちがいい子で、きっとお父様も喜ぶと思うわという母親。先に行ってらっしゃいって言わせて、いつもお兄ちゃんが先だものというベル。昨日先に言っただろというジェフリー。2人とも兄弟で言い合いはしちゃだめよと母親が言うと、ジェフリーはその通りだといい、ごめんねベル、先に言っていいよといった。ベルは、昨日は私が先に言ったから今日はお兄ちゃんの番よ、と譲り合う。ドアの音がした。お父様だというジェフリー。2人ともいい、お父様に笑顔を見せてという母親。ジェフリーの隣に自分も並ぶ。3人が一斉に振り向いた先からは、ドクターが歩いてきた。今朝のコーヒーは一段とおいしい、という。お気に召して良かった、今日からパクソー3号星※5の新しいブレンドに変えてみましたのという母親。ドクターはキスをし、いつもの時間に帰るという。働き過ぎじゃありませんの、あなたは手術だけすればいいのよ、雑用は誰かに任せて、という母親。それは無理だなというドクター。ジェフリーは握手をし、気を付けていってらっしゃいませ、おかえりになるまでに宿題は終わらせておきますという。帰ったら見直してあげようというドクター。歴史のテストだったね、「A」は取れるかなとベルに聞く。もちろんよお父様、帰ったら代数を教えてくださいねというベル。いいとも、といい頬にキスをするドクター。それから同僚の方を夕食に招待してくださいね、お会いしたいわという母親。必ず聞いとくよというドクター。ドアを開け、じゃあ、行ってきますといって手を挙げた。いってらっしゃいませ、と声を合わせて満面の笑顔で見送る 3人。 ドクターが医療室に現れた。新しいホロ・ファミリーはどうと尋ねるケス。まさしく理想の家庭だ、とドクターは言った。 |
※1: このエピソードから 1997年版のエンサイクロペディアには載っていないため、99年の新版により内容の追加・訂正を行いました。脚注で太字になっているもの、用語解説で※マークがついているものが追加・更新分です
※2: Jeffrey
※3: Belle
※4: (Wendy Schaal)
※5: Paksor III |
あらすじ
以前から通信を交わしてきた友好的な種族の宇宙ステーションに向かうが、破片しかなかった。そこから出ているプラズマ粒子の後を追うことにする。ドクターはホロ・ファミリーの家にケスとトレスを招く。だが、あまりにも完璧すぎる家族の姿にうんざりするトレス。 ヴォイジャーは亜空間の裂け目から、乱流が吐き出される現象に遭遇した。空間と亜空間の合流点で発生しており、そこにある大量のプラズマを利用すればレプリケーターのエネルギーになる。次に同じ現象が発生するのを待つことにする。ドクターはトレスにホロ・ファミリーのプログラムを現実に近いように改造してもらった。すると家は荒れ放題、クリンゴンの音楽が鳴り響き、妻は子供の面倒もみずに外出する有り様。ジェフリーはクリンゴンと付き合い、ベルは探し物をしてとわめくのだった。 再び乱流現象が起こり、探査機を送ったがそれごと消えてしまった。空間でも亜空間でもないところに行ったらしい。亀裂の跡からプラズマを採取するため、パリスがシャトルで向かうことになる。ドクターは家族会議を開くが、失敗に終わった。しかしベルはドクターに優しい言葉をかけてくれた。パリスは乱流の跡に向かうが、すぐに次の乱流が発生してしまった。シャトルは飲み込まれ、乱流と共に姿を消した。 通信はできるが、パリスの乗ったシャトルは全く別の空間を飛んでいた。ドクターは家庭が気になり、早めにホロデッキへ向かった。するとジェフリーがクリンゴンたちと何やら話していた。ジェフリーはクリンゴンの暴力的な儀式をしようとしていたのだ。ドクターがやめさせると、ジェフリーは怒って家出してしまった。さらにベルが怪我をしたという知らせが入る。ベルは脳に致命的な損傷を負い、ドクターでも治せない。ベルと話すドクター。「これからどうなるの、目がぼやけてるのはいつ治るの。」 ドクターは耐え切れず、プログラムを終了させた。 パリスが出るためには、来た時と同じように乱流に入るしかない。通常空間へ出る乱流を狙って飛び込む。シャトルを転送収容し、ヴォイジャーも乱流から逃げ出した。医療室でドクターはパリスに、辛いことも含めて本当の家庭なんだと教えられる。再びホロデッキへ戻ったドクターは、以前の続きから再生させた。元気になるのは無理だ、とベルに告げるドクター。ベルはパパがいてくれるなら全然恐くないと言い、涙を流す。妻とジェフリーもやってきた。3人の家族に見守られ、ベルは静かに目を閉じた。ドクターは泣き崩れる 2人と、堅く抱き合うのだった。 |
用語解説など
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感想
ドクターの「家族」というものを知ろうという試み。最初の完璧すぎる一家の姿のコミカルさと対照的に、最後のベルの死は涙を誘います。たとえそれがホログラムであっても、ドクターにとっては現実です。それを見ている視聴者も、自然とドクターの立場に立っているような気がします。ホロデッキであってもなくても、それはスタートレックという大きな視点で言えば同じなわけです。サブストーリーの方は、CG技術を見せたかっただけなようなきもしますが…伏線なのかも? |
第63話 "Before and After" 「9歳のケス」 | 第65話 "Distant Origin" 「遠隔起源説」 |