ヴォイジャー 簡易エピソードガイド
第35話「ドクターの恋」
Lifesigns
イントロダクション
パリスが、またブリッジに遅刻した。ごめん、でもちゃんとした理由があると言い訳する。聞いてくれ、丁度食堂を出ようとした時に、ワイルドマン少尉が生まれるって言うんだと笑う。慌てて医療室に連れていった、陣痛じゃなかったけどというパリス。無言でそれを聞いているチャコティ。新しい命が誕生することは、最高に素晴らしいことだなとキムに話すパリス。第6デッキのターボリフトはどうなってたっけなといい、席につこうとする。これで今週 3度目の遅刻だぞ、ミスター・パリスというチャコティ。気を付けますというパリス。その時トゥヴォックが上方の亜空間バンドから救難信号が出されていますと報告した。ジェインウェイが艦長室から出てくる。小さな宇宙船で武器システムはなし、生命体が 1体いるが生命反応はかなり弱い。推力 2分の1を指示するチャコティ。バイオスキャナーによると、ヴィディア人の女性ですと伝えるキム。チャンネルを開くが、反応がない。重体かもしれないとチャコティはいうが、パリスはだまそうとしているのかもという。ヴィディア人の船はこのセクターにはいないため、罠ということはないでしょうというトゥヴォック。チャコティにドクターへ報告させるジェインウェイ。女性を医療室に転送する。 医療室。ベッドの上にヴィディア人の女性が横たわっている。検査を行うドクター。腎臓の機能は正常時の 20%、心臓血管の組織は崩壊寸前だというケス。レクトラジン※120ミリグラムを投与するドクター。心臓血管と腎臓は安定してきたが、神経細胞のパターンが微弱だ。ドクターは女性の頭に埋め込まれている機械を見つける。突起物だな、インプラントされたらしいという。バイオ神経回路のかなり複雑な膜で、ナノファイバーだ。病気の原因ではなく、装置がシナプスのパターンを記憶していてデータを処理し、神経電気インパルスを体の残りの部分に送っている。人工的な脳だっていうことと尋ねるケス。いや神経皮質刺激装置だろう、脳の機能を高めるための装置だというドクター。動いていないのは装置自体は機能しているが、ほとんど死んだ神経とつながっているためだ。早く手を打たないと、脳死状態になってしまう。インアプロヴァリン※2を大量投与して、細胞を再生させたらと提案するケス。それもいい考えだが、手後れだろうなというドクター。高周波の R-Fトランスミッターを用意するように命じる。急いでくれ、脳の機能がすぐに低下してしまうという。ホロエミッターのデルタ帯周波を 8.6テラヘルツにするように指示するドクター。脳の機能が低下する前に、シナプスのパターンをホロ・バッファーに移すのだ。ヴィディア人の突起に部品を取りつけるドクター。こんな複雑なパターンをホロ・マトリックスに記憶できるのと尋ねるケス。私のプログラムが記憶できるんだ、5,000万ギガクワド以上のデータが入っている、言うまでもないが最も高度に開発されたヒューマノイドの頭脳だというドクター。もし死んでしまったらパターンを保存してもしょうがないでしょうというケスに、ホログラムの体を作ると言った。患者とコミュニケーションをとり、かつ健康体のヴィディア人の生理機能を正確に把握するためだ。コンピューターに命じ、患者の骨格、内蔵、筋肉、皮膚の層が形成されていく。そして転送機のデータを使い、衣服を再生した。フェイジに感染されていない見事に再現された姿を見て、満足するドクター。 |
※1: lectrazine
※2: イノプロヴァリン inaprovaline
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あらすじ
船の記録によると、女性はヴィディア人のコロニーへ向かっていた。ホログラムの姿で目を覚ました女性は、フェイジに感染していない顔を見て感激のあまり泣き出す。彼女はダナラ・ペルという名前で、血液学者だった。 トレスの協力を得て、取り出した脳細胞をペルの体に移植して感染を遅らせることにする。フェイジのない体を喜ぶペルと共に、医療室以外で存在できる場所、ホロデッキのシェ・サンドリーヌへ向かうドクター。本当は病気であることを忘れてペルはドクターとの会話を楽しむ。ドクターはペルにシュマラスという名前もつけてもらった。 一方チャコティに勤務態度のことをいわれたパリスは、原因は仕事を任せてくれないチャコティだといって怒って出ていってしまった。実はケイゾンと通じているジョナスがクルー間の不信をつくっていたのだ。ケイゾンはジョナスにわざと事故を起こしてワープを止めるように要求してきた。ドクターは本来はプログラミングされていないことだが、ペルに恋愛感情を抱いていた。適応したのだ。ケスに気持ちを伝えるようアドバイスされたドクターは、手術中にいきなり告白するが断られてしまった。ドクターはパリスに失恋から立ち直る方法を聞きに行く。 ケスとパリスは、ドクターとペルをホロデッキで 2人きりでデートさせる。火星でクラシックカーに乗って、2人は星空を眺めた。また遅刻したパリスはシフトを外され、怒ってチャコティを突き飛ばしてしまった。拘留室へ入れられるパリス。ヴォイジャーを欲しがっているセスカから、ワープコアの事故を起こすようにジョナスは頼まれる。ペルの体の治療を行うドクター、しかし原因不明の拒否反応を起こしていた。このままでは脳死状態になってしまう。 ペルの体には毒が投与されていた。しかもそれを行ったのはペル自身だったのだ。みんなから避けられる病気の体には、もう戻りたくないというペル。ドクターはたとえ姿が元に戻っても、ペルへの感情は変わらないと言った。体が戻ればコロニーへ帰らなくてはならないというペルに、残りの時間にできるだけ長く一緒にいたいと頼むドクター。シェ・サンドリーヌで待つドクターのところに来たのは、元の体に戻ったペルだった。2人は静かにダンスを踊りはじめた。 |
用語解説など
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感想
ドクターとヴィディア人女性の、スタートレック普遍のテーマである「姿形を超えた愛」を描いています。それは最後のダンスシーンに集約されており、音楽と共にさっと終わるのがこれもスタートレックらしくて良いですね。ジョナス/ケイゾンのエピソード継続ストーリーは少々しつこいですが…。 |
第34話 "Death Wish" 「Q1, Q2」 | 第36話 "Investigations" 「パリスの裏切り」 |