パリスが、またブリッジに遅刻した。ごめん、でもちゃんとした理由があると言い訳する。聞いてくれ、丁度食堂を出ようとした時に、ワイルドマン少尉が生まれるって言うんだと笑う。慌てて医療室に連れていった、陣痛じゃなかったけどというパリス。無言でそれを聞いているチャコティ。新しい命が誕生することは、最高に素晴らしいことだなとキムに話すパリス。第6デッキのターボリフトはどうなってたっけなといい、席につこうとする。これで今週 3度目の遅刻だぞ、ミスター・パリスというチャコティ。気を付けますというパリス。その時トゥヴォックが上方の亜空間バンドから救難信号が出されていますと報告した。ジェインウェイが艦長室から出てくる。小さな宇宙船で武器システムはなし、生命体が 1体いるが生命反応はかなり弱い。推力 2分の1を指示するチャコティ。バイオスキャナーによると、ヴィディア人の女性ですと伝えるキム。チャンネルを開くが、反応がない。重体かもしれないとチャコティはいうが、パリスはだまそうとしているのかもという。ヴィディア人の船はこのセクターにはいないため、罠ということはないでしょうというトゥヴォック。チャコティにドクターへ報告させるジェインウェイ。女性を医療室に転送する。
医療室。ベッドの上にヴィディア人の女性が横たわっている。検査を行うドクター。腎臓の機能は正常時の 20%、心臓血管の組織は崩壊寸前だというケス。レクトラジン※120ミリグラムを投与するドクター。心臓血管と腎臓は安定してきたが、神経細胞のパターンが微弱だ。ドクターは女性の頭に埋め込まれている機械を見つける。突起物だな、インプラントされたらしいという。バイオ神経回路のかなり複雑な膜で、ナノファイバーだ。病気の原因ではなく、装置がシナプスのパターンを記憶していてデータを処理し、神経電気インパルスを体の残りの部分に送っている。人工的な脳だっていうことと尋ねるケス。いや神経皮質刺激装置だろう、脳の機能を高めるための装置だというドクター。動いていないのは装置自体は機能しているが、ほとんど死んだ神経とつながっているためだ。早く手を打たないと、脳死状態になってしまう。インアプロヴァリン※2を大量投与して、細胞を再生させたらと提案するケス。それもいい考えだが、手後れだろうなというドクター。高周波の R-Fトランスミッターを用意するように命じる。急いでくれ、脳の機能がすぐに低下してしまうという。ホロエミッターのデルタ帯周波を 8.6テラヘルツにするように指示するドクター。脳の機能が低下する前に、シナプスのパターンをホロ・バッファーに移すのだ。ヴィディア人の突起に部品を取りつけるドクター。こんな複雑なパターンをホロ・マトリックスに記憶できるのと尋ねるケス。私のプログラムが記憶できるんだ、5,000万ギガクワド以上のデータが入っている、言うまでもないが最も高度に開発されたヒューマノイドの頭脳だというドクター。もし死んでしまったらパターンを保存してもしょうがないでしょうというケスに、ホログラムの体を作ると言った。患者とコミュニケーションをとり、かつ健康体のヴィディア人の生理機能を正確に把握するためだ。コンピューターに命じ、患者の骨格、内蔵、筋肉、皮膚の層が形成されていく。そして転送機のデータを使い、衣服を再生した。フェイジに感染されていない見事に再現された姿を見て、満足するドクター。
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※1: lectrazine
※2: イノプロヴァリン inaprovaline 宇宙艦隊の医療士官が使用する心臓刺激薬。TNG第73話 "Transfigurations" 「輝きの中へ…」など
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