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ディープスペースナイン エピソードガイド
第76話「苦悩するジェム・ハダー」
Hippocratic Oath

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・イントロダクション
※1クワークは今日もせわしく働いている。ウォーフは店の中で、カウンターに座っている異星人の顔と手に持ったパッドの写真を比べている。いつのまにか後ろに来たクワークが、こんなに写りの悪い写真は見たことがないという。役所というのはどうして悪い写真しか使わないんだ、これじゃ身元もわからないという。ウォーフはこれで身元確認には十分だといい、その異星人はトーシュ※2という名前でマーカリアン密貿易団※3の協力者として手配中だという。クワークはこの店では誰でも大歓迎で、艦隊と一緒だという。艦隊も出身が違うということで差別はされないんでしょうという。そこへキラがやってきて、クワークならラコーニアンドブネズミ※4との方が共通点が多いという。来てくれて嬉しいというクワークに、ターカリアンティー※5を注文しウォーフの前に座る。何かお仕事ですかと聞くキラ。ウォーフは初めは別にと答えるが、ターシュのことについて話す。今日の午後ステーションに到着し、クワークと何か企んでいるとにらんでいるという。キラはクワークはいつもそうだからありえないことじゃないというが、ウォーフはおたくの保安チーフは犯罪者がいるのに何をしているんですかと尋ねる。オドーもチェックはしているとキラが言うと、ならなぜ逮捕しないというウォーフ。
宇宙暦49066.5。ベシアとオブライエンは、ルビコン※6でガンマ宇宙域にあるメリク3※7の植物調査を終え、帰途についた。予定より2日早く帰れる。オブライエンはケイコは帰ってきてもどうせ2,3日しかいないという。夫婦の寝室に作業場を作ったのだ。ケイコがいるときは使わないというオブライエン。妻を生活から追い出したい潜在的な欲望だといってケイコは怒った。考え過ぎだよなというベシア。妻のいないときに、作業場をいつも一緒に過ごしていた寝室に置くことは、妻と一緒にいたいという願望の現われだ、感動的な愛情表現だという。オブライエンはそうだと納得し、ケイコはなぜわからないんだという。そしてケイコはなぜもっと男っぽくなれないんだろうという。じゃあ君はケイコに男を望むのかと聞くベシア。オブライエンはこれだからベシアと一緒に旅行するのは嫌だという。笑うベシア。その時コンピューターが反応を示す。ボパク星系から亜空間マグネトンパルスを探知した。ワープコアが破損すると出るものだというオブライエン。難破船がいるのかもしれないため、見に行くことにする。
プラズマ変動の発生源を突き止められない。干渉が激しいため正確にはわからないが、変動が出ていると思われる惑星を発見した。記録によればボパク3※8には人は住んでいないはずだ、ドミニオンの基地からも離れており、ガンマ宇宙域の貿易ルートからも外れているというベシア。オブライエンが思案しているとき、突然プラズマフィールドに捕まってしまった。メインパワーが低下、補助ユニットも使うが惑星に引き込まれてしまう。オブライエンは遭難信号を送るように言うが、通信システムが動かない。前方に平地があり、そこに不時着することにする。大気圏突入。木にぶつかりながらも、なんとか着陸することに成功する。
2人はフェイザーを構えシャトルから降りた。綺麗なところだが生ゴミの匂いがするというベシア。すみませんね、やり直しますかというオブライエン。その時前に5,6人の異星人が次々に現れた。そして一歩も動くな、我々はジェムハダーだといった。
※1: レネ・オーバジョノー(オドー役)監督です

※2: Regana Tosh (Roderick Garr)

※3: Markalian smugglers

※4: Rakonian swamp rat "Rakonian" の部分は訳出されていません

※5: Tarkalian Tea DS9 第3話 "Past Prologue" 「スペース・テロリスト ターナ・ロス」など

※6: U.S.S. Rubicon ダニューブ級、NCC-72936 DS9 第69話 "Family Business" 「クワークの母」より

※7: Merik III

※8: Bopak III


・本編
オブライエンとベシアはすぐに囲まれ、フェイザーとコミュニケーターを取り上げられた。シャトルの中に入っていくものもいる。リーダーのジェムハダー、ゴランアガール※9はほかに艦隊の船はいるのかと聞くが、オブライエンは何も答えない。武器を突きつけ、答えろというと代わりにベシアが我々だけだという。そして戻らなければすぐに捜索を始めるだろうという。嘘をつくなというゴランアガール。部下のアラクタラル※10はシャトルには誰もいないが、フェイザーアレイとシールドジェネレーターは強力だと報告する。何をしていたとゴランアガールが聞き、ベシアはマグネトンパルスを探知して高度を下げ不時着したと答える。ワープエンジンに妨害フィールドを張るように命じるゴランアガール。オブライエンの金色の制服、そして階級章を見て分析し、保安か技術部で部門のチーフ※11、非戦闘員に属する者だなという。かなり経験はあるんだろうなと聞き、オブライエンは自負はしているという。そして殺す優先順位はお前が上だという。次にベシアを見て科学部門に属し階級は大尉※12だなという。医者だというベシア。アラクタラルは科学士官および医者は殺す優先順位は低いという。オブライエンを殺し、ベシアは捕虜にして働かせようと提案する。しかしゴランアガールは2人ともキャンプに連れて行くことにした。連行される2人。
ウォーフとオドーは司令官室でシスコと話している。ウォーフはこのまま犯罪行為を続けさせるわけにはいかないというが、オドーはクワークの行動は見張っているし、密貿易者との関係も調査しているという。失礼してよろしいでしょうかと聞き、オドーは出ていった。シスコはオドーのやり方はウォーフのやり方とは違うだろうが、腕は天下一品だという。能力は疑っていませんというウォーフ。シスコは何年保安部にいたのかと聞き、ウォーフは7年だと答える。その癖が抜けないか、警戒することは重要だがこのDS9の保安チーフはオドーだというシスコ。ウォーフは戦略作戦士官※13で、その仕事はこの星域における艦隊の活動調整だという。ウォーフはこれからは自分の任務に専念しますという。そうしてくれ、以上だというシスコ。
ベシアたちは監禁されているが、何か様子がおかしいというベシア。まるで誰かから見つからないように身を隠しているようだという。医者が必要なのかもしれないというベシア。オブライエンはもしそうだとしても助けるなという。逃げ出すチャンスも増えるからだ。ジェムハダーがやってきて、フィールドを解除させた。医者だけ一緒に来いという。ベシアが出ると、再びフィールドが張られた。オブライエンは引き続き監禁される。

※9: ゴランエイガー Goran'Agar (スコット・マクドナルド Scott MacDonald TNG第140話 "Face of the Enemy" 「ロミュラン帝国亡命作戦」のネヴェック副司令官 (Sub-Commander N'vek)、DS9第6話 "Captive Pursuit" 「ワーム・ホールから来たエイリアン」のトスク (Tosk)、VOY パイロット版 "Caretaker, Part I and II" 「遥かなる地球へ」のロリンズ少尉 (Ensign Rollins)、ENT第53話 "The Xindi" 「トレリウムD」などの爬虫ズィンディ (Xindi-Reptilian) 役)

※10: Arak'Taral (スティーヴン・デイヴィス Stephen Davies DS9第1・2話 "Emissary, Part I and II" 「聖なる神殿の謎(前)(後)」の戦術士官 (Tactical Officer)、VOY第60話 "Darkling" 「ドクターの内なる闇」のナカーン (Nakahn) 役) 名前は出てきません

※11: よく議論の起こされるオブライエンの階級、今回から(第4シーズンからかも)階級章も変わり、Chief Petty Officer になっています

※12: 中尉と吹き替えされています

※13: Strategic Operations Officer


ベシアはいろいろな機材のあるところに通された。ここで働けというゴランアガール。患者もいないのにとベシアが言うと、治療ではなく医学的なリサーチをしてもらいたいという。拒否するなら殺すというと、ベシアは医者でもあるが士官でもあるため、惑星連邦に害をなすことの手助けはできないという。さっさと殺せというが、ゴランアガールはベシアにやってもらうのは武器ではなく薬の研究だという。ジェムハダーの戦士はケトラセル・ホワイト※14という薬がなければ生きていけない。ベシアもその同遺伝子型酵素※15のことは知っている※16。ドミニオンは遺伝子操作により酵素を足りない状態にし、創設者は絶対的な服従をジェムハダーに誓わせていた。薬を供給するのはヴォルタだけだというゴランアガール。そして我々はヴォルタ※17から自由になりたいという。じゃあドミニオンに背を向けるのかと聞くベシア。そうだ、何か不服でもというゴランアガール。驚いたからというベシアに、ゴランアガールはジェムハダーが奴隷以外の人生を求めるのがそんなに驚くことかという。みな恐れるためジェムハダーのことは何も知らないが、お前が協力すればドミニオンから自由になれるというゴランアガール。ケトラセル・ホワイトはあと5日分の量しか残っていない。だがベシアにケトラセル・ホワイトを作らせるのではなく、薬なしで生きていける自由な身体になりたいという。ベシアはそんなことが可能かと聞く。ゴランアガールは可能だといい、首を見せた。そこには薬の供給チューブがなかった。本来ならケトラセル・ホワイトがなければ遺伝子構造が破壊されてしまう。ゴランアガールは3年前この船に不時着し、自分だけが生き残った。そして3日分しか残りのなかったケトラセル・ホワイトで8日間生き延び、薬が切れた。しかしゴランアガールは死ななかったのだ。結局35日間も生き延びることができた。この星の何かが癒してくれたというゴランアガール。今ゴランアガールは部下を連れて戻って来た。しかし部下はうまくいかなかったわけだというベシア。ゴランアガールは同じようにしているのに部下には効かないという。単純すぎるんじゃないかとベシアがいうと、ゴランアガールは見せたいものがあるといった。
そこにはジェムハダーの戦士たちが、薬の禁断症状に苦しんでいた。ジェムハダーの誇りを忘れるなと声をかけるアラクタラル。ゴランアガールは近寄りみんなを見回すと、そのうちの一人を手で押した。苦しむ部下。よく倒れなかったなというゴランアガール。ベシアに向かって、惑星連邦の医者は苦しむものに同情を感じるように訓練されているはずだという。部下は今苦しんでいるが、ケトラセル・ホワイトが切れたときに比べればなんでもないというゴランアガール。ベシアは約束はできないが、オブライエンの協力が必要だと言う。そして部下にケトラセル・ホワイトをという。薬が配られ、すぐに補給する部下たち。補給すると痛みはすぐに治まった。ゴランアガールは部下には27日分の薬があるといってあるが嘘だという。本当は5日分しかなく、その後は死んでしまう。しかしその前に裏切った私が殺され、お前も殺されてしまうだろうというゴランアガール。
上級士官はクリンゴンの動向について会議を行っている。クリンゴンはロミュラン国境沿いの前線基地にも攻撃を仕掛けて来た。アルファ宇宙域中で攻勢に出て来たと説明するダックス。カーデシア征服に失敗しても引き下がらないというキラ。失敗が公になればガウロンはとっくに暗殺されている、勝ったことにして国に帰ったというウォーフ。オドーはクリンゴンは自国に接する国で、どこが弱いかを探っていると思われるという。どこが探り当てれば侵略する、それが人間の歴史だとキラはいう。議論はまたの機会にしよう、クリンゴンのどんな小さな動きでも必ず報告するようにといい解散させるシスコ。ウォーフはオドーに話があるという。クワークのことだ。クワークはタイプ4のタロニアンマイクロスキャナーを購入しようとしている。それはタロニアンクリスタル※18の純度を調べるためのもので、タロニアン星域以外での使用は禁じられている。オドーは情報をありがとうございましたという。今晩クワークが密貿易者と会うらしい、逮捕すべきだとウォーフは言うが、オドーはありがとうとは言うものの後は私にお任せくださいというのだった。
ジェムハダーの監視の中、ベシアとオブライエンは作業を続けている。様子をうかがいながら後どれくらいでスキャナーの準備はできるかと聞くベシア。オブライエンは後30分だという。そしてちょっと見てくれませんかといい、ベシアを近くに呼ぶ。オブライエンは小さな装置を見せ、プラズマの射程距離は15メートルだという。それで見張りを倒し武器を奪って、シャトルまで走る計画だ。大きな声で、この調子でがんばればきっと出世するぞというベシア。オブライエンはありがとうございますという。ゴランアガールたちがやってきた。まだ成果はないというベシア。今のところゴランアガールの酵素受容体にあうものはないという。この星の植物の中で期待できそうなものを見つけたといってみせるベシア。赤色巨星を回っている惑星には珍しく、非常に大量のクロロフィルを含んでいる。いつ治療法がわかるんだと聞くゴランアガール。ベシアはなんとも言えないという。後3日しかないんだぞとゴランアガールは言う。アラクタラルがオブライエンの作った武器を手に取り、これは何だと聞いている。スキャナーの解像度を高める装置だとオブライエンは言うが、アラクタラルが触っているとプラズマが放出され、前にいたジェムハダーの足に当たって倒れた。ゴランアガールはベシアに武器を突きつけ、アラクタラルは逃げようとしたオブライエンを取り押さえる。オブライエンを離すように言うゴランアガール。オブライエンは首を抑えられ、苦しそうにうめいている。

※14: ketracel-white 単に「ホワイト」とも。テトラセル・ホワイトと吹き替えされています

※15: isogenic enzyme

※16: DS9 第52話 "The Abandoned" 「捨て子の秘密」より

※17: ヴォルタ人 Vorta DS9 第46話 "The Jem'Hadar" 「新たなる脅威」などに登場

※18: Tallonian crystals


命令に逆らえば罪は重いぞというゴランアガール。やっとでアラクタラルは手を離した。ベシアはオブライエンを診て、内出血はあるがすぐに治るという。独房に閉じ込めておけというゴランアガール。アラクタラルはオブライエンを連れていった。ベシアは足をやられたジェムハダーの治療を行う。関節の損傷が激しく、病院に行くまでは使わない方がいいというベシア。歩けない戦士は役に立たないという部下。横にいるジェムハダー※19が銃を突き付ける。ベシアが殺すつもりじゃないだろというが、そのジェムハダーはお前には関係ないという。怪我をした部下は自分が死ねばケトラセル・ホワイトをみんなのために使えるという。だがゴランアガールはそれを止める。掟では一人の死が仲間を救うのなら死なねばならないという部下だが、ゴランアガールはそれはヴォルタの掟だという。従うことはないといいベシアに仕事に戻れとゴランアガールは言う。
ウォーフは周りの様子をうかがいながら、ロックを開けクワークの店の2階に入った。下ではクワークが片づけをしている。しばらく経ち、クワークはカウンターの椅子に寝そべっている。するとノックをする音がし、クワークは待っていたぞといってローブを来たトーシュを迎え入れた。もって来たかと聞くクワーク。トーシュが持って来た袋の中身を確かめている。ウォーフはそれを見ると、すぐにオドーのところへ行った。
なんでフェレンギ野郎を見張っていないんだと怒るウォーフ。オドーはあなたに言われたとおりにする理由はないという。クワークはクリスタルを調べていた、逮捕には絶好のチャンスだったのにというウォーフ。オドーは私には私なりのやり方があるという。何もしていないじゃないかと出て行こうとするウォーフに、オドーは自分の仕事に励み、私の邪魔をしないで頂きたいと強く言う。ウォーフは何も言わずに外に出た。
ベシアはトリコーダーでゴランアガールを調べている。君の身体は丁度生きるのに必要なケトラセル・ホワイトを出しているというベシア。どこから出てくるかはわからない。とはいえ代謝率は常識を超えているという。子供の成長速度はすさまじかったと振り返るベシア。難破船にいた新生児で、3日間で大人になった。人間がジェムハダーを育てるとは苦労しただろうというゴランアガール。無駄骨だった、その子の望みは戦いだけで、オドーがいなければお手上げだったというベシア。お前のステーションにいる創設者かというゴランアガール。そして創設者には一度も会ったことがないという。たとえ姿を現さなくても、ドミニオンのあらゆる者はヴォルタでさえも創設者にはひれ伏すというゴランアガール。今まで戦った種族の中には、死ねば導かれ大いなる存在、つまり神に迎え入れられると信じているものがいたという。創設者はいわば神だとゴランアガールはいう。しかし、我々の神はむごい、死んでも導いてはくれないというゴランアガール。ジェムハダーはただ創設者のために戦い死んでいくだけなのだ。
ベシアはオブライエンに、ゴランアガールが価値観を疑い始めているという。創設者への服従、冷酷な殺し、ほかの生命に対する優越感。今新しい倫理を作り出そうとしているという。オブライエンはそう思わせているだけかもしれない、ベシアをとどめておくための策略だという。怪我をした部下を殺さなかったんだ、これには部下もショックを受けていたというベシア。ゴランアガールが善人だと仮定して、何が言いたいと聞くオブライエン。ベシアはゴランアガールに協力すべきだという。オブライエンは驚く。ゴランアガールが人間らしくなったのは薬に依存しなくなったせいだというベシア。ほかの戦士も薬に依存しない方法を見つければ、創設者に従うだけの軍団は消滅するだろうという。ほかの戦士がゴランアガールと同じになるとは限らない、宇宙の侵略に乗り出すかもしれないというオブライエン。ベシアは人間なんだという。これは奴隷ではなく自由になれるチャンスなんだという。オブライエンは事実をみてくれ、ジェムハダーは人を殺すことしか考えていないという。可能性があることをわかってくれ、ゴランアガールがいい例だというベシア。だが銃を向けたんだぞというオブライエンに、それは僕たちが攻撃しに来たと思ったからだというベシア。君にもっと大きな見地から考えて欲しい、状況は複雑だという。オブライエンは単純だ、ジェムハダーは連邦に恩をあだで返すかもしれないという。協力はできないというが、ベシアはどうするかは上官である自分が決めるという。そして必要な生体スペクトルフェイズ識別装置をシャトルから取り外すように命令する。はい、大尉というオブライエン。
オブライエンはアラクタラルに監視されながら、シャトルで取り外し作業を行う。どれくらいですむと聞くアラクタラルに、2,3分だと答える。下手な脱走計画だったな、たとえ見張りを倒せてもシャトルにはたどり着けなかったというアラクタラル。それはわからないぞというオブライエン。わかるさというアラクタラル。引き続き作業を行うオブライエン。アラクタラルはお前は相棒とは違うなという。人間みんな違うというオブライエン。協力するのは嫌かというアラクタラルに、嫌だねと答える。アラクタラルは俺も協力するのは嫌だという。初めて意見が合ったなというオブライエン。銃を突き付け、取り外した装置を床に置くように言うアラクタラル。オブライエンは回線をつなぎ、アラクタラルの後ろで小さなオーバーロードを起こさせた。振り返っている隙にオブライエンは転送装置に乗り、転送される。アラクタラルは銃で撃つが、既に遅かった。
オブライエンは森の中に転送された。トリコーダーを使いながら歩き出すオブライエン。

※19: 2人のジェムハダーは Meso'Clan (Jerry Roberts) と Temo'Zuma (Marshall Teague VOY第65話 "Distant Origin" 「遠隔起源説」のハルーク (Hulak) 役) ですが、どちらがどちらかはわかりません

ベシアはいき詰まっていた。この星のどこを探してもゴランアガールの細胞やDNAに似たものは見つからないからだ。3年前には気候変化があったのかもしれないというが、ゴランアガールは来たときと何も変わっていないという。この星に原因がなかったら、私の身体をどう説明するんだというゴランアガール。ベシアは恐らく星には関係ないんだと推測する。最初から薬に依存する必要はなかったんだという。ベシアが恐らくDNAが突然変異で、と言っているとアラクタラルが来てやつが逃げ出したという。2人の共謀でしょうと言うアラクタラルにベシアは知らないという。ゴランアガールは捜索に当たらせようとするが、アラクタラルは全部嘘だと言う。直す方法はなく、たとえあっても教えはしないという。私が証拠だ、捜索隊を組織しろと言うゴランアガール。オブライエンを殺さずに捕らえろというゴランアガールにアラクタラルはさらに疑いを強める。今まで従ってきたが、今のあなたは弱くやわな人間だと言う。薬から自由になってそんなに弱くなるなら、俺は自由になりたくないというアラクタラル。そして離れていった。ベシアはオブライエンがどうなるか聞く。ゴランアガールは何もできない、部下が命令を聞かないのだと言う。探しに行ってくださいといって研究を続けようとするベシア。ゴランアガールはそうすれば見張るものが誰もいなくなるというが、ベシアは逃げないということを約束する。手を尽くしてみようといってゴランアガールは歩いていった。
トーシュとクワークが同じテーブルに座る。今日こそあけるのにふさわしいといい酒を取り出すクワーク。トーシュはクリスタルを取り出した。よくタロニアン星系の外に持ち出せたなというクワーク。それなりのコネがあるからねとトーシュはいい、クワークはスキャナーで検査している。純度は100パーセントだ。クワークはラチナムの入った袋を出した。そこへフェイザーを構えたウォーフが来て、連邦法で取り引きが規制されている商品を扱うのは違法だといって袋を取り上げる。どういうことだというクワーク。その時ウォーフのもっている袋が変形し始めた。思わず床に落とすウォーフ。見る見るオドーの姿になっていく。今のはいい質問だというオドー。ただ犯罪者を逮捕しようと思っていたというウォーフ。オドーは捜査妨害で逮捕したいくらいだという。どういうことなんですかというトーシュ。どうして教えてくれなかったんだとオドーに聞くウォーフ。オドーはあなたは私の上官ではないし、極秘調査を行っておりまさかこんなところで介入してくるとは思わなかったという。このままトーシュにラチナムを持ち帰らせ、船に入ってマーカリアン密貿易団の全貌を暴くつもりだったというオドー。今回は下っ端で我慢しておくかという。クワークが酒のお代わりはたくさんですかといい席を立つ。しかしオドーに呼び止められ、クワークはクリスタルを渡した。トーシュはオドーに連れて行かれる。黙っているウォーフ。
オブライエンはトリコーダーを操作し、草の陰に隠している。ジェムハダーたちがやってきた。オブライエンはその場を離れる。ジェムハダーは信号を見失った。展開するようにいうアラクタラル。
信号の反応があり、ジェムハダーがトリコーダーに向けて銃を撃つ。そして近寄ると、地面に仕掛けられた罠が作動した。頭に木が当たり倒れるジェムハダー。
ベシアは研究を続けていた。銃を持ったオブライエンが駆け込んでくる。見張りはいないと聞いて、よかったというオブライエン。武器になるものはない。オブライエンは逃げよう、シャトルまでは300メートルだが敵は速いという。だがベシアは逃げないというのだった。


逃げないってどういうことだというオブライエン。もう少しで彼らを解放する薬ができそうなんだとベシアはいうが、一緒に来るんだとオブライエンはいう。必死に助けたってどうせ殺される運命なんだと言う。ゴランアガールはよくても、ほかのジェムハダーは殺人鬼だと言うオブライエン。ベシアは議論している暇はないといい、逃げたいなら行けという。オブライエンはわかったといい歩き出す。ただし君も一緒だといい銃を構え、ベシアが研究していた装置を破壊してしまった。軍事裁判にかけてもいいぞ、これであきらめがついただろうというオブライエン。だがゴランアガールが戻ってきて、オブライエンを弾き飛ばした。床に倒れるオブライエン。お前の仕業かというゴランアガール。そうだとオブライエンは答える。ゴランアガールは2人に歩くように言う。
森の中を歩く3人。ベシアはまだ希望はあるというが、ゴランアガールはもう時間がない、ケトラセル・ホワイトは明日で終わるという。ついたところはシャトルで、中からアラクタラルが出て来た。私が殺しますかそれとも部下に、というアラクタラル。ゴランアガールは私が殺すという。だが撃ったのはアラクタラルに向けてであった。シャトルに乗っていくように言うゴランアガール。残れば殺されてしまうとベシアが言うが、殺される前に殺すとゴランアガールは言う。薬が切れてもだえるより殺した方がいいという。ベシアは部下が死んでも自分は生き延びた方がいいだろうという。ゴランアガールはオブライエンに、戦場に出たことはあるかと尋ねる。あると答えると、ならわかるなというゴランアガール。そして森の中へ消えていった。オブライエンは指揮官なら部下を捨てて逃げないものさという。ゴランアガールが行った方を見つめるベシア。オブライエンに呼ばれ、シャトルに乗り込む。
シスコは時計※20の調整をしている。ウォーフが部屋に入って来た。オドーの最新の報告書に付け加えたいことがあるという。オドーはふせていたようだが、捜査の邪魔をしたのは自分だというウォーフ。シスコは既に事情は聞いたといい、座るように言う。ステーションでは噂は広まるのが早い、そういうことにも慣れてもらわないとというシスコ。ウォーフは慣れなければならないことが多すぎるという。艦隊士官がステーションに来ると初めは苦労するが、実地で学ぶしかないというシスコ。宇宙船とは違うという。ウォーフはエンタープライズにいたころは誰が味方で誰が敵かはっきりわかったという。シスコはDS9には曖昧なゾーンがあり、クワークはその曖昧ゾーンにいる人物だという。クワークにはクワークなりのルールがあるというシスコ。クワークだけではない、みんな同じだという。そのうちに慣れるさといい、ミルクティーを手渡すシスコ。焦らないでいいと励ます。
ワームホールからシャトルが出て来た。キラから通信が入り、第2ドックへ入るように伝える。軍事裁判にかけていいですよというオブライエン。ベシアは趣味じゃないという。あんな結末でなければといい、研究を台無しにしてすみませんと謝るオブライエン。ベシアはオブライエンが自分の判断を信用しなかった上に、上官としての命令にも従わず彼らを死に追いやったという。オブライエンはあなたを助けたかったからですという。それだけはわかってくれませんかというオブライエンに、ベシアは何も答えない。今日はダーツの勝負をする日だなというベシア。オブライエンは僕もそんな気にはならないからやめようという。2,3日したらやろうなというベシア。オブライエンは何も言わず前を見た。シャトルはDS9に帰還した。

※20: DS9 第18話 "Dramatis Personae" 「反逆のテレパス・エネルギー」でシスコが作った Saltah'na clock という時計


・感想
ドミニオンから自由になりたいと思っているジェムハダーでしたが、結局それはかなわずに終わることになります。ジェムハダーを助けようとするベシアとあくまでも敵だとするオブライエンの対立がありますが、どちらが正しかったのか…。DS9では新しい仕事に馴染めないウォーフの苦労が描かれます。誰が味方で誰が敵かわからない、それがDS9の最大の魅力の一つではないかと思います。

Hippocratic oath : ヒポクラテス誓文 (医者が患者に接する道を述べたもの)


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