ディープスペースナイン エピソードガイド
第6話「ワーム・ホールから来たエイリアン」
Captive Pursuit
イントロダクション
※1司令官室。 女性の異星人が話している。「私はちゃんとした女なんですよ? …ダボ・ガールなんて仕事をやってると、世間は…白い目で見ますけどね。」 シスコ:「ミス・サーダ※2。事情を詳しく説明して下さい。クワークがけしからん真似に及んだのは。」 サーダ:「船を降りて 5分も経たない時でした。」 「肉体関係を求めてきたんですね。」 「これも仕事のうちだって言うんです。」 「で、あなたは何て。」 「ダボ・ガールのコスチュームも着るし、お客の相手もするけど、あんたと店の外で付き合う義理なんかないって。」 「それで引き下がりましたか…」 「まさか。これも仕事のうちだの一点張りなんです。それで雇用契約書を見せられて。ほら、ちゃーんと契約書に書いてあるんです。21ページの D節、第12項のところに。」 パッドを見せるサーダ。 「雇用契約書に肉体関係の強制が書かれているとは…」 「もっと注意すればよかったんですけど。私、法律の専門家じゃないし。」 「私も法律の専門家じゃないが安心しなさい。私からクワークに注意しておきましょう。こんな条項を契約書に盛り込むのは、認められないと。」 キラの通信が入る。『司令官、センサーが高いニュートリノ度数を記録しています。ワームホールから何かが出てくるようです。』 シスコ:「ご心配なく。」 サーダ:「ありがとうございます。」 部屋を出て行く。 「帰還転送の予定はあったか。」 キラ:『日誌にはありませんが。』 「警戒警報を出せ。」 開いたワームホールから、一隻の船※3が出てきた。 司令室に入るシスコ。 ダックス:「明らかに宇宙艦隊の船ではありません。」 オブライエン:「大量のエネルギーが流出しています。破損しているのかも。」 「センサーが、人間によく似た生命体を 1体確認しました。」 シスコ:「呼びかけてみろ。」 オブライエン:「やってみます。…呼びかけに対する応答がありました。」 「スクリーン、オン。」 異星人※4が映し出される。 シスコ:「アルファ宇宙域へようこそ。私は惑星連邦のベンジャミン・シスコ中佐です。」 異星人:『アルファ宇宙域?』 「ワームホールのこちら側を、そう呼んでいるのです。」 『私は小さい船が消えたので、それを追ってきたのだ。』 「それは我々のパトロール船だ。あなたは 9万光年※5を旅してきたのです。何という惑星から?」 『この亜空間変動が消えるのはいつだ。』 「いえ、消えません。いつでも帰れますから御心配なく。しばらく我々のステーションに滞在して下さい。質問にお答えしましょう。」 『いや。時間がない。』 船内に警告音が鳴り始めた。 オブライエン:「船の構造容量を超える慣性圧力がかかってます。」 シスコ:「船から彼を転送する準備を。」 異星人:『船から離れるわけにはいかない。』 「でもあなたの船はこのままでは…」 『絶対船は捨てない!』 オブライエン:「じゃあ、トラクタービームを使ったらどうでしょう。ビームの重力子フィールドが、船の分解を食い止めてくれます。」 シスコ:「よーし、やれ。」 「エンジンを切って下さい。」 異星人:『なぜだ。』 「そうすれば船を救えるんですよ? ステーションにドック入りして、修理すれば大丈夫です。」 従う異星人。 オブライエン:「どうも。トラクタービーム発射。動かないで。…重力子フィールドを感じますか。」 異星人:『…ああ。』 「もう大丈夫だ。後は何もしないでいいですからね。」 通信は終わった。 ダックス:「こういう事態ですから、正式な接触手続きは省いてもいいでしょうか。」 シスコ:「いいだろう。オブライエン、君がエアロックまで出迎えに行ってくれないかな。向こうも安心するだろうからな。」 オブライエン:「わかりました。」 「それから、彼がどうして…あんなに焦っているのか探ってみろ。」 「はい、了解。」 ターボリフトに乗るオブライエン。 |
※1: このエピソードは、1993年度エミー賞でメーキャップ賞を受賞しました。トスクのメイクに対してのものです ※2: Miss Sarda (ケリー・カーティス Kelly Curtis) 種族不明。当初はシスコを誘うシーンがあったそうです。声:棚田恵美子、DS9 モリーなど ※3: TNG第107話 "Unification, Part I" 「潜入! ロミュラン帝国(前編)」のヴァルカン船トパウの使い回し ※4: トスク Tosk (スコット・マクドナルド Scott MacDonald TNG第140話 "Face of the Enemy" 「ロミュラン帝国亡命作戦」のネヴェック副司令官 (Sub-Commander N'vek)、DS9第76話 "Hippocratic Oath" 「苦悩するジェム・ハダー」のゴランアガール (Goran'Agar)、VOY パイロット版 "Caretaker, Part I and II" 「遥かなる地球へ」のロリンズ少尉 (Ensign Rollins)、ENT第53話 "The Xindi" 「トレリウムD」などの爬虫ズィンディ (Xindi-Reptilian) 役) 声:沢木郁也、TNG 旅人など ※5: 後のエピソードで 7万光年に修正されます |
本編
異星人の船は、ドッキングリングに係留している。 エアロックに入るオブライエン。 中には誰もいない。 連絡するオブライエン。「こちら、オブライエン。」 シスコ:『どうした、チーフ。』 「私が見てないうちに、彼を転送しましたか?」 司令室のシスコ。「いや、してない。」 オブライエン:『誰もいません。』 ダックス:「でも、センサーには生命体の反応があるわ?」 トリコーダーで調べるオブライエン。「どうか、信用して…私を、警戒する必要はありません。友人です。」 操作すると、床のパネルが開いた。「船を見させてもらいますよ。どこが壊れたのか調べないとね。…一応言っときますと、私はエンジニアでね。宇宙船のことなら少々。いやあ、かなり詳しいんですよ? しかし正直、こんな装置を見るのは初めてだな。…この装置は、プラズマ注入装置みたいなものかな。」 奇妙な機械が光を発している。「そうか。じゃあ…」 いきなりオブライエンの後ろに、異星人が姿を見せた。 気づかず話すオブライエン。「あそこにあるのが各軸燃料コントローラーの役割をするんだろうな。ああ…。」 近づく異星人。「コラドリウム・フロー※6が損傷したのだ。」 驚いて頭をぶつけたオブライエン。「後ろから忍び寄って声かけるなんてひどいな。…アルファ宇宙域じゃ反則ですよ?」 オブライエンを見る異星人。「…修理は可能だろうか。」 オブライエン:「そりゃあ状況によりますねえ。」 「状況による。」 「まずはコラドリウム・フローって何なのか教えて下さいよ。」 「…私の世界では簡単だ。素材さえ揃えば自分で直せる。」 「ちょっと待った。何も直せないとは言ってないでしょう? 要所要所をあなたが教えてくれればいいんですよ。そうすれば我々にだって…」 「時間がないのだ。」 「そりゃあ誰だって宇宙に出れば忙しいに決まってる。我々にできる限り急いで、修理してあげますよ。ああ、自己紹介しなきゃね。私は地球人です。名前はオブライエン。」 「オ・ブライエン。」 「マイルズ・オブライエン。テクニカルチーフです。で、あなたは?」 「私はトスクだ。」 「それは、あなたの名前? それとも種族の名前?」 トスク:「…私はトスクだ。」 「ああ、ミスター・トスク。どうぞ。」 船を出ようとしないトスク。 オブライエン:「何も怖がることなんかありませんよ? どっちにしろあなたの船のリアクターが冷めるまでは、修理にかかれない。…さあ、どうぞ。私も忙しいんですよ。」 やっとでエアロックに入るトスク。ドアに驚く。 廊下に出るオブライエン。「しかし、どんな目に遭ったんです? 船体に砲撃でついた傷がありますね。」 トスク:「いや、亜空間変動を抜ける時についた傷だろう。」 「ああ、そうかもね。ワームホールを通るのは大変だろうし。」 2人はターボリフトに乗る。 オブライエンがプロムナードに入ると、ドアにエネルギー反応が出た。構えるトスク。 オブライエン:「ああ、セキュリティセンサーだ。武器に反応するんです。私はフェイザーガンを持ってるものでね。あなたは平気だ。」 おそるおそる通るトスク。「武器を持ってるのか。」 オブライエン:「護身用のですけどね。気を悪くさせたら、すいません。でも初めてエイリアンの船に乗り込むのに、何が起こるかはわからないでしょう。凶悪なエイリアンが獲物を狙ってるかもしれない、フフ。意味わかります?」 「……もちろんよくわかる。」 ベシアと話している女性。「ドクター? X線検査の件なんですが。」 ベシア:「患者は何人?」 「宇宙輸送船タイタンのクルーで…」 トスク:「医療センターか。」 オブライエン:「ええ、そちらはドクター・ベシアです。ドクターは我々の健康管理が、お仕事です。」 ベシアをまじまじと見た後、出てくるトスク。「ステーションの人口は。」 オブライエン:「そうだなあ。300人ってところかな。」 「それで目的は何だ。」 荷物を持ったモーンが通りかかる。 「目的?」 「防衛か? それとも監視か。」 「そうですねえ、ステーションの中を歩いてると、市場を開いてるみたいな気になりますけどね? ハハ…。でも一番の任務は、ワームホールを見張ることだって思ってますよ? 最近はかなり出入りがありますからね。」 「ここに寄る船は多いのか。」 「一週間に 5、6隻あります。…船団が丸ごとワームホールへ入ることもあるもんでね? でもワームホールのあちら側から出てきたのは、あなたが初めてなんです。」 「私が君たちの船を追って出てきたように、いずれ来訪者は増えるだろう。」 「だといいですね。我々の任務は、宇宙のほかの生命体を探して接触することです。学び合うためにね?」 クワークの声が響いた。「マダム! 私はバッチリ見ましたよ? 勝負が終わった後で、マダムがチップをグリーンのラインに動かすところをねえ?」 店から出され、腕を振り払うボリアン女性。 クワーク:「掛け金はお返しします。でも二度と、プロムナードには足を踏み入れないでもらいたいね。規則違反はいけませんや。」 ボリアンを見るトスク。 オブライエン:「学び合わなくてもいいこともありますよね。ハハ…。…それであなたは、あなたはその…探検家、ですか。」 トスク:「私はトスクだ。」 「あ、そう。」 部屋に入るオブライエン。「コンピューター、ライト。…殺風景なのは御勘弁を。」 トスク:「…早く船の修理を始めたい。」 「…もちろんなるべく、早く取りかかりましょう。でも、少し休んだらどうですか。」 「私は一自転の間に、17分休めばいいのだ。」 「一日にたったの 17分? 私なんか最低 8時間は眠るけどなあ。お腹は、空いてません?」 「お腹が空く?」 「何か、食べ物はいかがですか? 栄養を摂らないと。」 「私の身体にはプラズマファイバーとして、液体栄養が蓄えてある。」 「はあ、そうですか。でも何か食べたくなったら、レプリケーターを使って下さい。やっと修理が終わって、うまいオートミールが出るようになったんです。必要なものがあったら、コンピューターに言って下さいね。」 「オ・ブライエン。…ありがとう。」 「…お役に立てて光栄です。それじゃあごゆっくり。※7」 部屋を出るオブライエン。 トスクは、コンピューターに近づいた。「コンピューター。」 コンピューター:『ご命令をどうぞ。』 一瞬驚いたトスク。「このステーションのディスプレイを表示してもらいたい。」 コンピューター:『外部ディスプレイか内部ディスプレイかを特定して下さい。』 「内部を頼む。」 『内部ディスプレイは 19個のセクションに分かれております。どのセクションか特定して下さい。』 「武器が貯蔵してあるセクションが知りたい。」 位置が示される。『居住区、第5レベル、第3セクション。セキュリティクリアランス 7以上の方でないと中へは入れません。』 |
※6: coladrium flow ※7: 原語では「ヴァルカンのことわざにありますよ、『我々は仕えるためにいる』」 |
司令官室。 オブライエン:「何とも言えないですねえ。偏見でものを言いたくないし。」 シスコ:「だが印象としては。」 「よく言うじゃないですか。後ろを気にしてばかりいる人間は、やましいところがあるんだって。」 「逃亡中だってことか。」 「あの船の傷、彼は絶対に本当のことは言ってないと思います。あれはワームホールでできたんじゃない。攻撃されてできた傷です。船体に 45度の角度で命中して、推進システムが 2つやられてしまっています。修理すれば、もっとよくわかりますが。」 「できるだけ彼と行動を共にするようにしてくれ。オドーにも彼を監視するように言っておこう。」 「了解。」 出ていくオブライエン。 説明するトスク。「違う。コラドリウムは、アーヴァ・ノーズ※8を流れるのだ。」 オブライエン:「ハイエネルギー・マグネティックコイルのようなものなのかな。」 「燃料を補給する装置だ。わかるか。」 「わかった。ラムスクープだ。」 2人は船の下部に入っている。 「ラムスクープ。」 「ああ、星間ガスを収拾して、燃料に変える装置だ。」 「そうだ。アーヴァ・ノーズは、宇宙物質を燃料に変えるものだ。」 「ああ。わかったぞう? それなら楽勝だ。」 「それなら楽勝だ。ラムスクープ。アーヴァ・ノーズ。」 「いやあ、『それなら楽勝だ』ってのは人間がよく使う言い回しでね? それなら簡単だって意味さ。」 「では簡単に直るのか?」 「もちろん。アーヴァ・ノーズを…船から取り外して、レプリケーター・センターに持っていって、新しいのを作ればいいだけだよ。」 「…それなら楽勝だ。…いつ直る。」 出てくるオブライエン。「ああ、1日 2日だな。でも新しいユニットを組み込んだ後、試運転してみないとね。」 トスク:「駄目だ。そんな時間はない。」 「おい、試運転もしないで、宇宙に出てから故障したらどうするんだ。俺のせいにするだろ。そうなったら、ガンマ宇宙域での俺の評判はガタ落ちだからね。」 「いや、君を責めたりしない。」 「…今のはジョークだよ、トスク。」 「ジョークだって? 何だそれは。」 「…何でもない。今のは忘れてくれ。しかし君も珍しいほどストレートな男だなあ。さあ行こう。取り外しは、クルーがやってくれる。一杯おごるからさ、君の事情も教えてくれよ。」 盛り上がるダボ・テーブル。「ダボー!」 勝ってクワークの店を出て行く人たちに、オブライエンも拍手する。 トスク:「私の世界にはこういう場所は存在しない。」 モーンも店に入る。 オブライエン:「ここで我々は、ちょっと一息入れるわけさ。」 「『ちょっと一息』というのは何だ。」 「のんびりと休むってことだよ。リラックスしてさ。仕事がない時だけどねえ?」 「君たちは、一自転の 3分の1 を眠って過ごし、その上起きている時にまで休憩するのか? …アルファ宇宙域では、休憩する時間がまた随分とあるんだな。」 笑うオブライエン。「妻がそれを聞いたら大笑いだ。この 3週間、ほとんど会ってないからね。」 トスク:「私達は違いがたくさんある。私の種族と、オ・ブライエンと。」 「ああ言えてるね。おい、一杯くれ。」 クワーク:「偉そうにするんじゃねえよ。俺はお前の部下じゃねえ。俺はオーナーだぜ? 経営者なんだ。悩みを抱える皆さんの良き相談相手でもある。」 「加えて人の弱みにつけ込んでしぼり取る名人でもあるんだ。シンセエールを 2つくれ、クワーク?」 トスク:「申し訳ないが、私にはつけ込まれるような弱みは何もない。」 クワーク:「…そりゃ腕が鳴るなあ。」 オブライエン:「トスクは初めてガンマ宇宙域から来たお客さんなんだ。偉くストレートな奴さ?」 「じゃあホロスイートで冒険を楽しんでみちゃいかがですか?」 トスク:「ホロスイート?」 「ファンタジーなら何でもござれですよ? ロマンスでも、冒険でも、お好みに合わせて楽しめるんです。やってみませんか?」 「私には冒険ファンタジーなど必要ない。私の人生はこれ以上はないぐらいの冒険だらけなんだ。」 「おお、そいつはうらやましいねえ。ミスター・トスク。」 離れるクワーク。 オブライエン:「……トスク、今のはどういう意味なんだい? 冒険だらけって、何をしてるんだ? 教えてくれ。」 トスク:「それについては話せない。」 「…ああ、そう。わかったよ。」 出されたカップを覗き込むトスク。 司令室のキラ。「トスクについて考えが変わったみたいね。」 オブライエン:「そんなんじゃないんです。ただ、トスクが逃亡中なのは間違いない。どうやら、追われてるらしい。でも事情は話せないのか、話したくないのか…。」 ベシア:「ほかの人には話さなくても、ドクターには話すかも。健康診断ってことにして、私のところへ連れてきてくれれば…」 「正直な話、私はトスクが好きなんです。なぜかは、上手く言えませんが。とても繊細なところがあって、違う世界に来て緊張してるせいもあるでしょうが、少なくともトスクが犯罪者だなんて、とても思えないんです。」 シスコ:「だが船の傷について嘘をついたんだろ?」 「いやあ、真っ赤な嘘ってわけじゃ。」 ダックス:「でも本当のことは話さなかったわけよね?」 「…とにかく詳しいことは何も言わないんです。」 シスコ:「船の修理はいつ終わるんだ。」 「明日です。」 「…我々には彼を強制的に引き留めておくことはできない。彼が事情が教えたくないんなら、仕方ない。幸運を祈って送り出すだけだ。」 パネルを開け、コンピューターを操作するトスク。 その時、壁に掛けられていた絵が変形し、床へ落ちていく。 気づかずに作業を続けるトスク。 オドー:「一体何を企んでいるんだ。」 トスクは身構え、姿を消した。 オドー:「コンピューター、居住区第5レベル、通路 14-A を封鎖せよ。」 コンピューター:『封鎖しました。』 「保安チーム、直ちに現場へ急行せよ。」 フォースフィールドに反応があり、トスクが阻まれている。再び身を隠した。 到着する保安部員。 反対側でも、同じように止められるトスク。 オドー:「いくら出ようとしたってフォースフィールドの外へは出られないぞ?」 もう一人の保安部員が来る。 トスク:「私は何もしてない。」 「セキュリティジャンクションにアクセスしていただろう。」 「備えたかったのだ。」 「何に対して。」 「それについては話せない。私はトスクだ。」 「名前は知ってるよ。それじゃ私のオフィスに来ていただこうか。チーフ・オブライエンにも君がここでしていたことを報告しないと。」 「オ・ブライエン。」 「そうだ。じゃこれからフォースフィールドを解除するが、無駄な抵抗はしないでくれ? わかったな。」 「君とは戦わない。」 「よろしい。コンピューター、フォースフィールドを解除せよ。」 すぐに保安部員に捕まるトスク。 連行される。 |
※8: arva nodes |
拘束室。 独房のトスクは落ち着かない。「…それについては話せない。」 シスコ:「それでは答えになっていない。」 「私は何もしてない。」 フォースフィールドにぶつかり、驚くトスク。 「セキュリティグリッドだよ。私を襲おうとすればそうなる。」 オブライエン:「どうやら第3セクションのロックアウトを破ろうとしたようです。」 オドー:「武器貯蔵庫だ。」 シスコ:「武器をどうするつもりだった。」 「君はガンマ宇宙域で当局から追われている身なのか?」 トスク:「『追われる身』。」 「犯罪を犯して逃げているのか?」 「まさか。私はトスクだ!」 シスコ:「それはどういう意味だ。それで全て説明がつくとでも。」 「私はそれ以上は言えない。」 オブライエン:「トスク、お願いだから事情を教えてくれないか。」 オドー:「こいつをどうしますか。」 シスコ:「とりあえず監禁しろ。そのうち彼を追って誰かが現れるかもしれない。」 出ていく。 オブライエンはオドーにも、2人だけにするように合図する。「もうこんなことやめにしないか。君はなぜここに来たんだ。」 トスク:「オ・ブライエン。私を逃がしてくれ。」 「どうしてだ。」 「私の望みは名誉ある死だ。」 「死? …誰かが君を殺しに来るのか?」 「……お願いだ。私に名誉ある死を。」 保安室に戻るオブライエン。「必死に壁をよじ登ろうとしてるよ。」 オドー:「すいませんね、監禁室が好みに合わなくて?」 「…すごく罪悪感を感じるんだよ。」 「あなたが?」 「ああ、だって…トスクは、最初嫌がってたのに…俺が来るようにって説得したんだ。」 「あいつがセキュリティシステムに侵入するから悪いんですよ。」 「何だか気の毒でねえ。我々に危害を加える気はなさそうだし。……一体どんな秘密があるんだ。」 出ていくオブライエン。 ワームホールから、別の船※9が出てきた。 ダックス:「センサーが Lバンド、イオン化放射電磁波を探知。トスクの船とパターンが一致します。」 シスコ:「呼びかけてみろ。事情が少しはわかるかもしれんぞ。」 キラ:「応答ありません。」 「周波数を変えてもう一度。」 司令室の中に、縦型の光が発生した。移動していく。 ダックス:「変調素粒子ビームです。こちらをスキャンしてます。」 キラ:「シールド準備。」 シスコ:「しばらく待て。観察させてやろう。」 オブライエン:「フェイズパワー変動を確認しました。あちらは何らかの転送機を使うようです。」 「よーし、少佐。」 キラ:「シールドアップ!」 「チャンネルを全て開け。」 ダックス:「オープン。」 「こちらベンジャミン・シスコ中佐。惑星連邦…」 揺れるステーション。 オブライエン:「何らかの放射線のようなもので攻撃してきました。高速マグネティックフラックスのようです。」 攻撃を続ける船。シールドが反応し、消えてしまった。 オブライエン:「危険です! 防御シールドが消滅しました。」 ダックス:「転送機がこちらをロックオン。相手が乗り込んできます。」 シスコ:「位置はどこだ。」 「プロムナードです。」 「保安チーム、プロムナードへ。キラ、オブライエン、来てくれ。ダックス、後を頼む!」 保安室から出てくるオドーたち。 音がする方を見ると、ヘルメットを被った異星人が何人も転送※10されてきた。 到着するシスコたち。 近づいてくる異星人。 シスコは命じた。「フェイザーガン用意。」 |
※9: TNG第73話 "Transfigurations" 「輝きの中へ…」 のザルコニア船の使い回し ※10: この転送効果は、映画「メトロポリス」(1926) のワンシーンに影響されたそうです |
立ち止まる異星人たち。 シスコも近づく。「このステーションの司令官だ。武器を捨てるんだ。」 相手は何も言わない。 更に前に出るオドー。異星人は殴り倒した。 シスコ:「オドー!」 連れて行く。 キラは銃を撃つが、相手は腕につけた装置で吸収してしまった。 隠れて撃つ。隙をつくシスコ。 撃たれても、すぐに起きあがる異星人。2階から保安部員も異星人を撃つ。 指示するシスコ。「フェイザーガンをレベル6 に。」 オドー:「こいつらの狙いはトスクだ!」 キラ:「逮捕しに来たのかしら。」 「でもこれじゃ押し込み強盗ですよ。断じて許せません!」 次々と倒される異星人。 フェイザーを差し出すキラ。「あなたもこれを。」 オドー:「武器は使わない。※11」 また撃つキラ。命中するが、それでも倒れない。 異星人は強力な武器を使い、保安室のドアを吹き飛ばした。 勢いで倒れるキラを支えるオドー。 異星人は独りで保安室へ入っていく。 咳き込むキラたち。 拘束室へ来た異星人。 独房には誰の姿もない。 ヘルメットから赤い光を発する。独房をくまなく見ていく。 すると、隠れているトスクが見えた。こちらを見すえている。 姿を見せるトスク。構えを解く。 シスコたちもやってきた。 連絡する異星人。「…トスクを見つけたぞ。生け捕りにする。これで打ち切りだ。」 それを聞いたプロムナードの仲間は、腕の装置に触れた。 保安部員の前から、転送されていった。 ヘルメットを外す異星人※12。見た目はトスクに多少似ている。「…お前には失望させられた。…面白くなりそうだと思ったのにな?」 シスコ:「面白くだと?!」 「このエイリアンたちはかなり抵抗を見せた。どうやって彼らの協力を得たのだ。まさか沈黙の誓いを破ったのか。」 トスク:「私は何も言っていない!」 「…しかし武器も持たず、こんな檻に…閉じこめられて! なぜこんな扱いを許した。全てのトスクにとっての侮辱だ! こんなにガッカリした狩りは初めてだぞ。」 シスコ:「狩りだと、じゃあゲームなのか! トスクは獲物か!」 「…その通りだ。しかしこのトスクは獲物と言うにも値しないがな? ……何という…体たらくだ! …トスクにとってこれ以上のはずかしめがあるだろうか。捕らえられ、生きてふるさとへ連れ戻されるとは。戻ったらお前はみんなのさらし者になり、子供から餌を投げ与えられて…笑い者にされるのだ。それでもお前にはもったいない! …こいつを渡せ!」 「『狩り』の楽しみのためにこのステーションにいる人々の命を危険にさらしたのか! そんな奴から命令は受けない! オドー。トスクを頼むぞ。私はお客様と話がある。力ずくで奪っていくなら、直ちにそちらの船に攻撃を加えるよう命令を出す!」 「こんなトスクのためにか!」 無言で出ていくシスコ。 異星人はオドーたちを見る。「フン!」 去った。 フェイザーをしまうオブライエン。 トスクは目を合わせようとしない。 尋ねる異星人。「君たちの社会に狩りの習慣はないのか?」 シスコ:「何世紀も前には楽しみのために動物を殺すという野蛮な習慣も残っていた。しかし自分と同等の知能をもつ生命体を狩るというのは、倫理にも劣る!」 「トスクに知能があるのは、我々がそう創ったからだ。何世代も交配を重ねて。トスクの存在意義は、ただこの狩りをできるだけ劇的で、エキサイティングなものにすることにある。それだけなのだ。君にはわからんだろうが。」 「いや、十分すぎるほどよくわかっている。生き物に対する虐待は、どのようなものでも許せない!」 「虐待?! …それはとんでもない誤解だ。我々にとってトスクは崇高であり、勇気の象徴だ。トスクはその全生涯を自ら鍛錬するためだけに送り、ただ一度の狩りに備える。トスクはその生き様を誇りに思っているのだ。」 「私はそちらの世界の価値観をうんぬんするつもりは毛頭ない。だがこのステーションでは許さん!」 「…わかった。今後は狩りでは亜空間変動よりこちらへは出てこないことにしよう。それで問題なかろう? ……では、あのトスクを我々に引き渡していただこう。」 転送される異星人。 司令官室から出てくるシスコ。「トスクの引き渡しに合意した。」 オブライエン:「でも司令官、トスクは知能の高い生命体です。」 「しかし艦隊の誓いでも、ほかの文明への不介入は定められている。」 キラ:「でももしトスクが保護を求めてきたら?」 「……そうなれば話は別だ。」 司令室を出て行くオブライエン。 オブライエンは拘束室に駆け込む。「やったぞ。…出られる方法が見つかった。」 トスク:「出られる方法? …ここからか。」 「連邦に保護を要請するんだ。」 「保護を?」 「ああ、惑星連邦の保護下に入るんだ。わかるかい。…司令官は君を助けたいって思ってらっしゃる。」 「……オ・ブライエン。私はトスクだ。君たちの保護を受けてここに隠れているわけにはいかない。それは私の信念に反することだ。」 「じゃあ連れ戻されて、檻でさらし者になる方がいいのかい。」 「ここにとどまる方がもっと不名誉だ。私はトスクだ。誇り高きトスク。一日でも長く、狩人の裏をかいて逃げ延びる。そしていずれは、名誉ある死を迎えたい。……今となってはそれは望めないが。…しかし自分がトスクだということを否定する気はない。ありがとう。オ・ブライエン。」 座るトスク。「だから保護を要請することは、できないのだ。」 出ていくオブライエン。 |
※11: 吹き替えでは「連邦の武器は使ったことがない」となっています。第1話 "Emissary, Part I" 「聖なる神殿の謎(前編)」ではプロムナードでの武器使用を禁じていましたが、それ以上にオドー自身が武器を使わないことが初めて導入されました ※12: 狩人 Hunter (ゲリット・グラハム Gerrit Graham VOY第34話 "Death Wish" 「Q1, Q2」の Q2=クイン (Quinn) 役) 名前不明。声:千田光男、TNG スンなど |
クワークの店。 クワーク:「ガンマ宇宙域との交流にはあんまり期待できないぜ。誰も一杯も飲んでいきやがらねえ。」 オブライエン:「黙ってろよ、クワーク。」 「…奥さんとまた一悶着あったのかい。」 「そりゃどういう意味だ。」 「別に? 話したいんなら聞いてやるけど。」 クワークの胸元をつかむオブライエン。「話すも何もケイコとの仲は上手くいってる。それに万一、上手くいってなくてもお前なんかに絶対相談しないよ。」 クワーク:「悪かった。俺の勘違いだ。」 「……何だよ。」 「…いやあ、おたくの顔ねえ。赤いだろ。怒るとそうなるんだよな? 特に、あんたは真っ赤っかになるんだ。」 「わかってるんなら怒らせんなよ!」 「俺のせいじゃない。ここに来た時からそうだった。」 「うるさい。腹を立てちゃ悪いか。」 「カミさんのこと以外で何かあったな? 話してみろよ。」 「いやだ。」 「何で。」 「お前に話してもどうにもならんからな。」 クワークはカウンターを出て、オブライエンの隣に座った。「まあそういわず。」 オブライエン:「もういいんだ。規則がそうなってんだから。」 「ほう? 何の規則がどうなってんだい?」 「狩りだったんだってよ。で、トスクはその獲物なんだ。あっちにはあっちの規則があって、こっちにはこっちの規則があって、板挟みになって捕まっちまった。フェレンギ人は規則が気に入らなきゃ変えちまう種族だからいいけど。」 後ろにモーンが座っている。 「そりゃ規則なんてものは都合が悪くなりゃいくらだって…」 「そうだよ! …何で思いつかなかったんだ。…規則を変えりゃあいいんだ。ありがとよ、クワーク!」 出ていくオブライエン。 「ああ…。」 クワークは酔いつぶれていた異星人に近づいた。「よう! 今日どうしたんだい、兄弟。」 オブライエンは司令室のコンソールに近づいた。「コンピューター、プロムナードの第4セキュリティ・チェックポイントのパワーグリッドにアクセスしてくれ。」 トスクに首輪がつけられる。 オドー:「そんな必要はないだろ。」 狩人:「しかしトスクが生け捕りになった時は、こうする習慣なのでね?」 「よーし、行こう。」 オブライエンが保安室に入る。「私が囚人を転送ステーションまで護送していく。」 オドー:「これは保安チームの仕事だ。」 「宇宙艦隊全体の仕事だよ。司令官命令だ。」 「確かめてくる。」 オドーは出ていった。 狩人:「そちらがやってくれずとも、私の船に転送させる。」 オブライエン:「いえ、そういうわけにはまいりません。他文明との友好は、我々の最優先義務です。皆様の狩りの邪魔をしてしまったことを、シスコ司令官は大変申し訳なく思っておいでです。せめてお帰りの際には正式にお見送りさせていただきたい。…それが、我々の社会においては礼儀であり、習慣でもあるのです。」 「…そういうことなら。」 ドアを開けるオブライエン。コミュニケーターを外し、デスクの上に投げた。 司令官室に入るオドー。「囚人の転送が宇宙艦隊の仕事とは初耳ですね。」 シスコ:「どうしたんだ、オドー。一体何の話だ。」 「オブライエンにトスクを護送しろという命令を出したそうじゃないですか。」 「そんな命令は出してない。」 コミュニケーターに触れるシスコ。「シスコよりオブライエン。」 コミュニケーターから声が流れる。『オブライエン、直ちに司令室へ。』 プロムナードで連行されるトスク。 オブライエン:「こちらです。」 人々がトスクたちを見ている。 ドアを開けるオブライエン。狩人が入っていく。 するとセキュリティチェックが働き、狩人は吹き飛ばされた。 起きあがろうとする狩人を、殴り倒すオブライエン。「割ともろいね。どうりでヘルメットがいるわけだ。こっちだ!」 トスクと一緒に逃げ出す。 通信する狩人。「再び狩りの開始だ!」 逃げるオブライエン。「宇宙船の修理はできてる。」 道を指示する。 音が響く。狩人が転送されてきた。 トスクは軽やかにオブライエンを飛び越え、狩人を倒した。 1階へ落ちていく狩人。 2人は先を急ぐ。 報告するキラ。「プロムナードで小競り合いが発生したそうです。ここです。オブライエンがトスクを逃がしたんだわ。」 ダックス:「プロムナード上部のアクセスコンジットで何かが移動しています。生命体が 2体。片方は人間です。ドッキングリングへと向かっています。」 オドー:「周りの通路を遮断しましょう。逃げられやしない。」 シスコ:「待て、オドー。…ゆっくりでいいぞ。」 オドーは、うなずいた。ターボリフトへ向かいながら、振り向いた。 表情を変えず、わざとゆっくり歩きながら乗り込むオドー。 アクセストンネルを進むオブライエンたち。 オブライエン:「よーし。」 フェイザーを使い、トスクの首輪を焼き切った。 トスク:「君もトスクになってしまったな、オ・ブライエン。」 笑うオブライエン。「アクセスコンジットは 2メートルの厚さのデュラニウム※13で造ってあるんだ。どんな探知機でも、まずスキャンは不可能でね…」 近くで爆発が起こった。 オブライエン:「そうでもない。」 後ろも攻撃される。 先へ進み、床のパネルを開けた。 下を歩く狩人に、トスクは飛びかかった。倒れた狩人の武器を奪う。 オブライエン:「よし、こっちだ。宇宙船はあの先だ。」 狩人のリーダーたちが前に転送されてきた。 狩人:「馬鹿め! 誰が逃がすものか。」 銃を撃つ。 撃とうとするオブライエンを、トスクは止めた。「よせ。」 強力な武器を使い、リーダーを撃つトスク。 他の狩人も倒れた。 崩れ落ちるリーダー。 オブライエン:「急ぐんだ。」 死んだ狩人たちを見る。 オブライエンは船に入る。「これからどうする。」 武器を設置し、コンピューターを操作するトスク。「狩りは、再開された。…一緒に来るか?」 オブライエン:「いやあ、まさか。」 笑う。「それは遠慮しとくよ。俺にはトスクはとても務まらない。それに、妻と子供もいるしね。逃亡生活はちょっときついな。ハ…。」 「私を、助けたことで君は罰せられるか。」 「そうだなあ、うちの司令官のことだから。…だけどさ、あいつら狩りがしたいんだろう? ならいいじゃないか…。…さあ。今のうちに早く行った方がいい。」 呼び止めるトスク。「オ・ブライエン。」 肩に手を触れた。「君も、名誉ある死を。オ・ブライエン。」 「……君も名誉ある死を。」 船を出るオブライエン。 エアロックを出るオブライエンと、トスクは目を合わせた。ドアが閉じられる。 トスクの船は DS9 を離れ、狩人の船のそばを逃げていく。 尋ねるシスコ。「第4セキュリティ・チェックポイントで一体何が起こったんだ。」 オブライエン:「向こうは武装してましたから恐らく武器センサーが反応したんでしょう。」 「恐らくだと?!」 「そうです。…というのもつまり私が、センサーの出力を 200%増にしておいたもので。」 「つまり故意に罠を張ったんだな。どういう事態を招くかもわかっていた。」 「そうです。」 「宇宙艦隊司令部の御偉方が首を長くして待ってるんだぞ? このガンマ宇宙域からエイリアンとの接触は初めてだったのに、一体どう報告書を書けばいいんだ!」 「そうですねえ。…何とも言えませんが…でも、彼らも狩りを続けたかったようだし、我々も囚われのトスクは見るに忍びない。…相互理解を深め、将来の友好関係を築くという観点から考えればですね…」 「もういい! 君は艦隊への義務を怠った。通信バッジを外し、命令を聞かなかった。彼らの狩りの邪魔をすることで、艦隊の誓いをも破ったのだ。今度またこのような行動を取れば、君をこのステーションにおいておくわけにはいかなくなる。そのことをよく覚えておけ!」 「わかりました。」 ドアを開けるシスコ。 オブライエンは立ち止まった。「しかし、どうにも解せないことがありましてねえ。」 シスコ:「何がだ。」 「あの場から逃げ出せても、通路を遮断されたら…とても逃げ切れるものじゃありません。司令官とオドーに、見つかったその時点でアウトだって…そう思ってました。宇宙船に着く前に、フォースフィールドに閉じこめられるものと。」 「それは私も不思議だな。」 「…司令官。ありがとうございます。」 「下がっていい!」 司令官室を出ていくオブライエン。 シスコは微笑んだ。 |
※13: duranium 宇宙艦の船体にも一般的に使われている合金。TOS第16話 "The Menagerie" 「タロス星の幻怪人」など。原語では「カーディー (カーデシア人の蔑称) が」造ったと言っています |
感想
初めてガンマ宇宙域から来たトスクのストーリーは、初めて DS9 で名作との印象を残す人も多いかもしれません。明らかに TNG とは違う DS9 ならではの「規則を変えた」展開もしっかり含めながら、オブライエンの人のよさが上手く描かれ、このシリーズに必須とされる前知識はなくても楽しめるエピソードに仕上がっています。敷居が低いと言えるでしょうね (もっとも話の出来まで低くなっては意味がないのですが)。 DS9 らしいと言えば、しっかり激怒しておきながら、独りで微笑むシスコがいい味を出しています。オドーの「武器を持たない保安主任」という設定も導入され、実際に持ったのは "Crossover" 「二人のキラ」 の鏡像オドーだけだそうです (ホルスターをつけようとした小道具担当に、オーバージョノーがいらないと言ったこともあったとか)。 原題は当初の "A Matter of Breeding" (「繁殖問題」) から、「囚人追跡」に変わりました。DS9 でも、ちゃーんと「新たな生命体との遭遇」は描けるんですね。 |
第5話 "Babel" 「恐怖のウイルス」 | 第7話 "Q-Less" 「超生命体“Q”」 |