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ヴォイジャー 簡易エピソードガイド
第142話「ヴォイジャーの神々」
Muse

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・イントロダクション
※1「艦長日誌、宇宙暦 53896。ベラナ・トレスは、ダイリチウムを探すため、デルタ・フライヤーで、未知の宇宙へと分け入った。美しきヴォイジャー、故郷は遠い。光り輝く地球は、遥か遠い。」
開けた場所の中央で、濃い色のローブを着た 3人の男※2が同時に話している。舞台を見つめる観客席の最前列には、一人の女と、鎧を着た兵士に囲まれた恰幅のよい男。他にも異星人が後ろに大勢座っている。
新たに白いローブを着た男が現れた。「頑固者ベラナ・トレスと、若きハリー・キムは、ヴォイジャーを離れ、デルタ・フライヤーを駆って、宝を探しに出かけた。」
棒につけた面を使い、役者たちが話し出す。男性※3:「帆は調整したが、海は荒れている。引き帰した方がいい。」
相手役の女性※4。「このまま進むのよ。」
3人の男:「波は山のごとく高くそびえ、デルタ・フライヤーに打ちつけた。」
女性:「脱出ポッドに入って!」
男性:「死ぬなら一緒だ!」
「2人とも生きるのよ。行って!」
男は舞台から消える。
3人の男:「若きハリー・キムは、独り船を離れた。そしてベラナ・トレスは、岩に叩きつけられ、この国の海岸に流れ着いた。」
女性は舞台で横になった。はじめの白いローブの男が再び語り出す。「そこをこの私、詩人ケリス※5が通りかかった。そして、彼女が語った物語を、こうして皆様に、お話しした次第です。」 礼をするケリス。
しばらくの間の後、恰幅のよい男を最初に拍手が起こる。観客は皆立ち上がって賞賛する。
※6:「女を見つけ幕切れか。よくできた筋だ。」
ケリス:「恐縮です。」 役者たちは出ていく。
「だがベラナ・トレスが岸に流れ着いて、続きはどうなる。ジェインウェイ艦長が探しに来るのか? 行方不明とあきらめるのか。」
「どうなりますか。」
「先はできておらんのかな?」 男のそばの女性が笑う。男:「ヴォイジャーの神々の物語を、もっと作ってくれ。」
「インスピレーションが、いつ湧きますか…。」
「1週間だ。」
「3週間では? 2週間でも。」
男は受け入れる気はないようだ。
ケリス:「1週間で、続きを作りましょう。ところで! …役者たちが痩せてきておりまして。」
男は女が身につけていた物を一つ取り、ケリスに投げ渡した。「これで食わせてやれ。」
受け取った物を握り締めるケリス。

ケリスは部屋に入った。「役者諸君。領主様が、お褒め下さった。」
領主にもらった物を投げる。喜ぶ役者たち。役者の一人が言う。「やっとか。」
ケリス:「またヴォイジャーの芝居をやる。本が書け次第な。」 嬉しそうな役者たち。
仲間から離れたケリスに、先ほど舞台で演じていた女性が顔を近づける。「ケリス、2人でお祝いしない?」
「今は時間がないんだよ。お祝いは後回しだ。」 ケリスは出ていった。残念がる女性。

夜の山の中腹。墜落したデルタ・フライヤーが放置されている。
中にはたくさんのろうそくが灯されている。身軽な格好をしたケリスが入ってきた。腰につけていたナイフを取り出し、パイロット席の人物に近づく。
その腕には多数の傷があり、両手は縄で結ばれている。
ケリスが腕にナイフを近づけた時、突然突き飛ばされた。叫ぶトレス。「誰なの!」
「ケリス。詩人のケリスです。」 トレスの前にひざまずき、頭を垂れた。「あなたのしもべです。」

※1: このエピソードは、2000年度エミー賞の衣装賞にノミネートされました

※2: コーラスその1 Chorus #1
(Jack Axelrod) 声:秋元羊介

コーラスその2 Chorus #2
(ジョン・シャック John Schuck 映画 ST4 "The Voyage Home" 「故郷への長い道」・ST6 "The Undiscovered Country" 「未知の世界」のクリンゴン人大使 (Klingon ambassador)、DS9第41話 "The Maquis, Part II" 「戦争回避(後編)」のパーン総督 (Legate Parn)、ENT第91話 "Affliction" 「クリンゴンの苦境」・第92話 "Divergence" 「優生クリンゴン」のアンターク (Antaak) 役) 声:有本欽隆

コーラスその3 Chorus #3
(トニー・アメンドーラ Tony Amendola) 種族名不明。声:福田信昭

※3: Jero
(Michael Houston King) 名前はセリフ中には言及されていません。声:猪野学

※4: Layna
(Kellie Waymire ENT第4話 "Strange New World" 「風が呼んだエイリアン」などのエリザベス・カトラー (Elizabeth Cutler) 役) 名前はセリフ中には言及されていません。声:弘中くみ子

※5: Kelis
(Joseph Will VOY第163話 "Workforce, Part II" 「人間改造惑星クアラ(後編)」の警備員その3 (Security Officer #3)、ENT第22話 "Vox Sola" 「漂流生命体の叫び」などのマイケル・ロストフ (Michael Rostov) 役) 声:成田剣

※6: 将軍 Warlord
(Stoney Westmoreland) 声:長克己

・あらすじ
異星人は中世相当の文明で、ケリスはテクノロジーに驚き、トレスを「神」だと信じる。トレスが気を失っている間に勝手にコンピューターを操作し、再生された日誌から情報を手に入れたのだ。日誌を基に芝居を作っており、さらにトレスからヴォイジャーの情報を求める。トレスはケリスを一旦は追い払うが、懲りずに食べ物をもってまたやってきた。仕方なくヴォイジャーや地球のことを話すトレス。パワーが足りず通信ができない状態のため、トレスはケリスにダイリチウムを持ってくるように求めた。持ってこなければヴォイジャーの話はしないと言う。
ダイリチウムを持ってきたケリスに、芝居の案を話すトレス。ヴォイジャーではデルタ・フライヤーの捜索が続く。ケリスはトレスの情報を基に、ヴォイジャーのクルーを題材にした脚本を俳優たちと練習する。だがケリスさえもクルーの特徴をつかめない。トレスはフライヤーの修理に必要な金属を得る代わりに、クルーの特徴を詳しく話すことにする。さらに練習を続けるケリスたちだが、戦争の危険が迫っていた。ケリスは芝居を使って、領主に戦争をやめさせようと考える。ケリス以外には別の国から助けに来たことにし、トレスも直接協力することにした。
ケリスと芝居の展開について話すトレス。ヴォイジャーはデルタ・フライヤーの墜落時の通信を手に入れるが、詳しい場所は特定できない。ケリスはトレスと話し合い、戦いが全てではないという芝居の内容ができあがっていく。一方、ケリスを愛する女性役者はトレスの正体を見抜き、芝居に現れたら領主に真実を話すと言った。キムもトレスと合流し、脱出ポッドから持ってきた通信機を渡す。
おかげで亜空間通信ができるようになり、ヴォイジャーを呼び出す。トレスが現れないまま、舞台は始まった。ケリスはトレスを呼びに行かせる。通信を受信したヴォイジャーは惑星へ向かう。進行する芝居。トレスはケリスの手紙を受け取り、まだラストができあがっていないことを知る。キムを残し、転送で向かうトレス。
トレスが自ら最後のシーンを演じ始めたとき、女性役者は領主にトレスこそが本当の「神」であると話す。だが他の役者の機転により、それも芝居の一部ということにできた。舞台の上でセリフとして、ケリスに別れを告げるトレス。そして皆の見ている前で、転送されていった。芝居は無事、完結した。


・用語解説など
Tanis
(キャスリーン・ギャレット Kathleen Garrett DS9第12話 "Vortex" 「エイリアン殺人事件」のヴァルカン人士官 (船長) 役) ジェインウェイを演じた女優。名前はセリフ中には言及されていません。声:久保田民絵

Eternal
冬の涙
winter's tears
Lクラス
L-class
惑星分類システム (planetary classification system) による区分の一つ。酸素・アルゴンの大気をもつ小型で岩石質の惑星環境。VOY第17話 "The 37's" 「ミッシング1937」など
デラニー姉妹
Delaney sisters
ジェニー (Jenny) &メーガン (Megan)・ジェラニー。VOY第4話 "Time and Again" 「24時間の過去」で初言及、第103話 "Thirty Days" 「水の惑星に消えた夢」で初登場

・感想
久々のトレス中心の話ですが、それはさして問題ではなく、発展途上の異星人との交流が扱われています。ヴォイジャーのクルーを外部から見つめたという意味での深読みができるのは、(スタートレックですから) 当然なのですが、あまりにも退屈な展開にはうんざりしますね。居眠りトゥヴォックが (言うまでもなく) 面白いのですが、そういう細かい部分を挙げないといけないということは本筋が大したことないってことになります。
とりあえず面白くする方法としては、画面から一時も目を離さず、セリフも全て理解しつつ完全に観るとなかなか深いです。衣装や小道具、セットもよくできているので、芝居を観に行っていると思って。でも、そこまでする前にチャンネル変えちゃうかも。


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