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ヴォイジャー 簡易エピソードガイド
第58話「消えた村の謎」
Blood Fever

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・イントロダクション
※1艦長日誌、宇宙暦 50537.2。生命反応のない星系をスキャンしていたところ、第4惑星にギャリサイト※2を発見、非常に珍しく貴重な物質だ。
ブリッジ。この数値が正しければ、ギャリサイトの量は 1キロトン相当と報告するトレス。ワープコイルの中身を完全に入れ換えることのできる量だ。確かに使えるな、この 2年でかなりガタが来てますからねというパリス。近くに所有権を主張しそうな種族はないのかとチャコティに聞かれ、惑星表面にコロニーが存在した形跡はありますが、今は廃虚と化していますというトゥヴォック。それじゃ使ってもいいわねといい、トレスに機材や人員を好きなように使って回収へ行くように命じるジェインウェイ。ミスター・ニーリックスが役に立つわ、確か鉱山コロニーで働いていたはずだからという。了解し、向かうトレス。
機関室のモニターを見ながら、明らかに人工的なトンネルね、きっとギャリサイトを発掘するために掘った通路だわというトレス。では鉱床まで苦労せずにたどり着けますねというヴォーラック※3少尉に、ええ、でも気を付けないと地下ではかなりの頻度で揺れが計測されてるという。崩れているトンネルもある。トム・パリスを連れて行った方がいいわね、彼ロッククライミングの経験があるからというトレス。私もかなりの訓練を必要とする、オサナ洞窟の探検に参加しましたというヴォーラック。トレスは 2人も専門家がいれば安心ねという。以上で上陸の準備は完了ですかと尋ねるヴォーラック。ええ、今のところはねとトレスが答えると、ヴォーラックはこの機会にクナトスリク※4を宣言し、あなたの夫として立候補しますと言った。何と聞き返すトレス。地球人の言葉で言うなら、結婚のプロポーズです、受け入れますかと聞くヴォーラック。トレスは戸惑い、随分と唐突ねという。大体ヴァルカン人が結婚する相手って決まってるんでしょ、故郷に婚約者がいるんじゃないのと尋ねる。彼女は私をもう亡き者と判断して、新しい相手を選んでいるに違いないというヴォーラック。だから私も同様にしますという。それで私を選んだわけ、というトレスに、観察の結果あなたの専門の技術は一流で、勇気もあり義務感が素晴らしい、結婚の相手としては申し分ないと言った。トレスはあなたはヴァルカンだし、クリンゴンのハーフとじゃうまくいくとは…と笑うが、ヴォーラックは性質が同じとは言えないが、お互いの違いが互いを補足し合うという。あなたは時々クリンゴン特有のかんしゃくを起こすが、私の訓練された精神でコントロールを助けられるし…と続ける。トレスは待ってといい、私は論理的に誉められて嬉しい、ほんとにありがとう、でもお断りするわと言った。悪いけど、といって歩いていくトレス。だがヴォーラックはベラナと呼び止め、考え直した方がいい、伴侶の選択は限られているという。本艦の男性は 73名、うち何名かは先約があると説明する。私のことは自分で心配するわ、ありがとうというトレス。ヴォーラックは追いかけ、もう一度だけいうが、クリンゴンの性交渉の相手をできるヒューマノイドは限られているという。いい加減にしてというトレスを無視し、この船では私のようなヴァルカン人があなたに最適のパートナーだというヴォーラック。そして突然、両手でトレスの首元をつかんだ。声を上げるトレス。だがすぐに手を振り払い、ヴォーラックを殴り倒した。

※1: DS9 ガラック役のアンドリュー・ロビンソン監督作品です

※2: gallicite

※3: Vorik
(アレキサンダー・エンバーグ Alexander Enberg) VOY第56話 "Alter Ego" 「ホログラムの反乱」以来の登場。声:森田順平

※4: Koon-ut so'lik


・あらすじ
ヴォーラックは、「ポンファー」の状態にあった。成人したヴァルカン人に 7年ごとに訪れる、言わば発情期で、本来ならヴァルカン星に帰って相手と交渉しなければならない。ヴォーラックは一人で瞑想して解決しようと試みる。もう一つの解決法は配偶者を勝ち取るために戦う決闘だが、これは相手がいないのでできない。ギャリサイト採掘に向かうトレスは、妙に張り切っていた。地表には年代の割には崩れた度合いの激しい、コロニーの跡がある。洞窟の縦穴をロープで下る際、道具が外れて落ちてしまったニーリックスに巻き込まれてトレスも下へ落ちる。トレスは激怒し、落ち着かせようとするパリスの首を「噛んだ」。そして一人で奥へ行ってしまった。
トレスとは連絡が取れない。ヴォーラックから話を聞いたトゥヴォックは、彼がトレスに触れた時にテレパシー結合が起こり、トレスもポンファーの状態になってしまったのだと推測した。ニーリックスは助けられ、チャコティとトゥヴォックがパリスと共にトレスの捜索にあたる。発見されたトレスは、洞窟内で動力システムを見つけていた。船へ連れて帰ろうとするが、拒むトレス。だが 4人は、いつのまにか武器を持った異星人に取り囲まれていた。
彼らはトリコーダーでも生命反応を感知できなかった。そこで地震が起こり、警告してくれたのにも関わらずトレスは異星人の一人を倒し、銃を奪い取ってしまう。そして地震が収まると、そこにはトレスとパリスしか残っていなかった。ヴォイジャーでは、ドクターがホロデッキでヴァルカン人の女性を作り出し、ヴォーラックのポンファーを抑えようとする。トレスの症状はひどくなり、パリスを求めてきた。だがパリスは、本能に負けないようにと言ってトレスを制する。
捕まったチャコティとトゥヴォックは、異星人たちにヴォイジャーのテクノロジーについて詳しく聞かれる。彼らは過去に未知の敵に壊滅させられ、それ以来その敵に二度と見つからないように、技術を駆使して鉱脈で暮らしていたのだ。ヴォイジャーのカモフラージュ技術を提供することを提案するチャコティ。ホロデッキでのセラピーで、ヴォーラックはだいぶ安定した。助け出されるトレスとパリス。4人は地表に出られたが、なぜかヴォイジャーと通信できない。トレスには一刻の猶予もないため、仕方なくパリスが相手を務めることにした。
その最中、2人の前にヴォーラックが現れた。彼はトレスを妻とするため、パリスとの決闘を申し込んだ。ヴォーラックが通信などを使えなくしていたのだ。だがトレス自らが相手になることを申し出た。チャコティは反対するが、このまま 2人が死ぬよりは良いというトゥヴォックの話を聞きいれ、決闘を認めた。ヴォーラックと格闘の末、トレスは何とか勝つことができた。無事ギャリサイトも手に入れられ、トレスはポンファーの時のことは忘れるようにパリスに頼む。チャコティは地表で見つかった、この惑星を襲った敵の正体をジェインウェイに見せる。そこにあったのは、ボーグの死体だったのだ。


・用語解説など
ヴォーラックのセリフの訳「通信もシャトルも転送も壊してきた」→「使えないようにしてきた」


(イシャン)
Ishan
(Bruce Bohne) 惑星の住人=サカーリ人のリーダー。名前は台本より。声:堀之紀
(Lang)
(Deborah Levin) オペレーション席にいた女性少尉。後にも登場。声はケス役の小林優子さんが兼任
タペラ
T'Pera
(Amy Traicoff)

(神経化学的不安定)
neurochemical imbalance
統一された訳にはなっていません
ポンファー
Pon farr
発情期を意味するヴァルカン語。TOS第34話 "Amok Time" 「バルカン星人の秘密」ではスポックがポンファーになりました。映画ST3 "The Search for Spock" 「ミスター・スポックを探せ!」でも
サカーリ
Sakari
(ポンファー・セラピー)
Pon farr therapy
ホロデッキプログラム。ベースはニーリックスのリゾートプログラム
カリフェ
カリフィー Kal-if-fee
「挑戦」を意味するヴァルカン語。TOS "Amok Time" より。クナカリフェ (Koon-ut-kal-if-fee) で「婚姻か挑戦か」という意味になります
ボーグ
Borg
TNG第42話 "Q Who" 「無限の大宇宙」に初登場した、機械と融合したサイボーグ型生命体。デルタ宇宙域が発祥とされていました。その他の登場は TNG第74・75話 "The Best of Both Worlds, Part I and II" 「浮遊機械都市ボーグ(前)(後)」、TNG第123話 "I, Borg" 「ボーグ“ナンバー・スリー”」、TNG第152・153話 "Descent, Part I and II" 「ボーグ変質の謎(前)(後)」、映画第8作 "Star Trek: First Contact" 「ファースト・コンタクト」など

・感想
ヴァルカン人のポンファー、クリンゴン人としての性格を前面に出したトレス、といった昔からのファンには堪えられない内容でしょう。ここはぜひ、TOSの該当エピソードを復習しておきたいところですね。簡略版なので書かなかったのですが、ヴォーラックがトレスにひかれているという描写は前話にありました。先への伏線も多いですね (パリスとトレスの関係、そして掟破りとも言える最後の「ボーグ」!)


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