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ヴォイジャー エピソードガイド
第75話「D.N.A.に刻まれた悪夢」
Scientific Method

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・イントロダクション
ジェフリーチューブの扉が開く。その中を這って進むトレス。次の扉を開けると、そこにはセブンがいた。「失礼。今日はここで何か作業があったかしら。」 「いいや。単に開いていたから仕事をしていただけだ。」 「何の。」 「このセクションのパワー連結部を変更したい。」 「なぜ?」 「天体測定ラボに供給するためだ。」 「なるほど、いろんなところからパワーを盗んでるわけね。機関室とか。」 「微調整しただけだ。主要システムに影響はない。」 「ええ、ワープコアのチェックをしようとしない限りね。部下が朝からかかりきりよ。何時間も無駄にしたわ。あなたの作業のせいで。」 「怒ることはない。迷惑をかける気はなかった。」 「ねえ、ボーグは謝るということを知らないの? パワーシステムをいじる時は私の許可をとって。いいわね。」 「了解した。」 トレスはセブンのいたところに割り込み、作業を始める。セブンは「職場の上下関係には、慣れてないのだ」という。「集合体では、誰の許可もいらなかった。」 「ここでクルーでいる気なら慣れることね。集団で働くには手続きは不可欠よ。同じルールに従っても……。」 「どうした?」 「おんなじことを言われたわ。ここのクルーに加わった時、艦長に。私が適用できたんだもの。あなたにも、できるわ。」 「もちろんだ。さっきは謝る。迷惑をかけたな。」 セブンはジェフリーチューブを出ていく。
ドクターのオフィスに顔を出すパリス。「ドクター、ちょっと外すけど、すぐ戻る。」 「まあ、そう慌てなくても。勤務が終わるまで、待てない用事なのかね?」 「あー、実はコース変更の報告なんだ。記録するのを忘れちゃって。チャコティに見つかると、うるさいからね。」 「君はずっとここにいた。なぜ今頃急に。」 「それは、だからその…忙しくて、思い出す暇がなかったんだ。」 ドクターは 3つあるベッドを見た。誰もいない。「なるほど。では、緊急のようなので邪魔はしないでおこう。」 「どうも。」
医療室を出るパリス。すれ違ったクルーが挨拶する。パリスは周りを伺いながら、部屋に入った。コンピューターにヴォイジャーの構造図を表示させ、ある位置が点滅している。指示を出すパリス。「コンピューター、この座標をロックして、サイト・トゥ・サイトで転送してくれ。いや、待って。その前に中央レプリケーターにアクセス。あぁ、完璧。」
ため息をつきながら作業するトレス。転送音。天井の穴から手が伸び、花束を持っている。見上げるトレス。「もしかして夕べすっぽかしたお詫びのつもり?」 階段を降りてくるパリス。「急にブリッジでの追加任務が入っちゃったんだ。断れると思う? 『すいません艦長、ベラナとデートなんです』って。」 「今は何て? 医療室勤務のはずよ。」 「コース変更の報告っていってある。」 「なるほど。じゃ、すぐに戻らないとね。」 「大丈夫。」 2人はキスを始めた。
フラッシュ。2人の体が透け、骨や筋肉組織が見える。何かの文字や、機械的な音もある。
ふいに口を離すトレス。「どうした?」と尋ねるパリス。「誰かに見られてるような気がして。仕事さぼってこんなことしてるから、良心がとがめてるんだわ。」 「スリルがあっていいじゃない。」 2人は続きを始めた。

・本編
「背中がまるで石のようだ。処方したリラクゼーション法は、無駄になったようですね。」 ドクターがマッサージしている。ベッドに寝ているジェインウェイ。「忙しくて。」 「いつものことです。睡眠は十分に?」 「ほぼ毎日、睡眠不足。」 「ふうん。頭痛はひどくなってますか?」 「いいえ。でも一向に良くもならないわ。頭蓋骨に熱した針を刺されてるみたい。」 「私に言わせれば当然の症状です。極度のストレスに、常識を超えての長時間労働。食事は走りながら摂り、運動も休憩もしない。身体が悲鳴を上げるはずだ。」 「あなたの言う通りだわ。何か症状の軽くなるものない? ハイポスプレーなんかどう。」 「そう簡単にはいきません。時にはじっくり時間をかけて、徹底的に治すしかない場合もあるんです。」 ポキポキ、と骨が鳴る。 「専属マッサージ師がついてるじゃないですか、疲れ知らずの。」 揺れるジェインウェイの顔。 チャコティからジェインウェイに通信が入る。「艦長は緊急時以外絶対安静ですよ」と応えるドクター。だがジェインウェイは体を起こし、「私よ、どうしたの」と返答した。 『例のエネルギー反応の正体を突き止めたものですから。』 「すぐに行くわ。」 「艦長!」と止めようとするドクター。「言いたいことはわかってる。艦長としての責任は無視できないの。」 「ユニフォームくらい着ていかれた方が良いかと。」 布一枚だけをまとったジェインウェイは、開いた自室の扉を閉めた。
スクリーンに、強烈な光を発する 2つの星が映し出されている。説明するチャコティ。「バイナリーパルサー※1です。パルサー間の重力は非常に強く、5,000万キロ以内のものは全て引き寄せてしまいます。 「大丈夫、我々は射程外です」というパリス。「放射線レベルは高いが、慎重に望めば、データ収集は十分に可能です。」 頭を抑えるジェインウェイに尋ねるチャコティ。「退屈でしたか?」 「いいえ、ごめんなさい。恒星現象に集中できるほどの体力は残ってないみたい。この件に関しては、あなたに一任します。」 ジェインウェイはブリッジを離れた。
機関室にやってきたパリス。トレスに「何か御用ですか」と聞く。「ああ、ええ! 通常ドライブの効率を上げてるところなんだけど、船のコントロールに影響が出ないか確認したいの。」 「そう。慎重なんだね。喜んで手伝おう。」 「良かった。じゃあ、上のステーションに一緒に行ってもらえる?」 2階には誰もいない。「早速かかるとしよう。」
パリスはトレスに口付けをし、トレスの体がコンソールに当たってボタンが反応している。そんなことにも構わず続ける 2人。「何か聞こえた?」とトレスが尋ねた。「いつも何か聞こえるな。」 ターボリフトの音がする。トゥヴォックが 2階に上がって来たところだった。「少佐!」というパリス。トゥヴォックはトレスにいう。「中尉※2、頼まれたパワーの使用データだ。」 「どうも。でも、まさかこんなに早く…その、もらえるとは思ってなかったものだから…あの、だからこんなに早く出してもらえて感謝するわ。ありがとう。」 パッドを受け取り、確認するトレス。パリスと顔を見合わせた。
機関室を出たトゥヴォックを、パリスが追いかける。笑い、「何か恥ずかしいところを見られたな」という。 「恥という概念はわからん。」 「そうか。まあ、別に…問題ないよな。保安規則を破ったとか、そういうわけじゃないわけだし。」 「今のところはな。」 「ということはだ。わざわざ艦長に報告する必要はないよな。」 「今目撃した、トレス中尉との行為を隠蔽して欲しいのか?」 「別に不正行為を頼んでるわけじゃないんだけど。」 「当然だ。」 トゥヴォックは独りで歩いて行った。
「トゥヴォック、艦長に言うと思う?」と尋ねるトレス。ターボリフトのスイッチを押した。「さあね」と答えるパリス。 「声の調子は? 怒ってた? 笑ってた?」 「ヴァルカン人だぞ。声でわかるかよ。」 ターボリフトが到着し、乗り込む 2人。「第1デッキ」と指示するパリス。「やっぱり人前ではもっと気を付けるべきだわ。会議室には先に行く。」 「ああそうだな。じゃあその 1分後に俺が行くとしよう。」 「余計に怪しまれるでしょ。」 「何なんだよ。まるで犯罪者だ。俺たち悪いことした?」 「そんなこと言ってないじゃない。ただ秘密にしといた方がいいと思っただけよ。でしょ? 違う?」 「君は?」 「あなたは?」 「コンピューター、ちょっと止めてくれ。」 ターボリフトが止まった。「話し合っといた方が良さそうだ。」 「そうね。私は 2人のことを他人にとやかく言われたくないだけ。」 「同感だね。」 「じゃあ決まりね。人前ではもっと慎重に。2人の関係は他言しない。」 「今はね。」 「今? 将来があるような言い方ね。」 「俺はそんなに図々しくないよ。」 「もう故障は直ったみたいだわ。」 「そのようだな。コンピューター、いいぞ。」 再開するターボリフト。「じゃ、先に行ってるから。」 「わかった。」
モニターにバイナリーパルサーが表示されている。「これがコースだ。両方のパルサーから 8,000万キロ離れた軌道を旋回する」と説明するチャコティ。「近すぎるかもしれません。プロトンバーストを探知しています。シールド破壊の可能性が」というキム。「9,000万だ。安全距離を保て。」 「了解。」というパリス。トレスと目が合う。「トゥヴォック、シールド強度を最大に。必要なら補助パワーを使え。できるだけの予防措置をとれ。どんなに小さな問題でも、直ちに報告しろ。」 ジェインウェイは解散を命じた。だが「パリスとトレスは残って。話したいことがあるの」と言った。トゥヴォックとすれ違い様に「お節介め」と小声でいうパリス。2人はジェインウェイの前に立った。「クルーの私生活に口を挟む趣味はないけど、最近のあなたたちの行動は目に余るわ。」 「トゥヴォックですね」というパリス。「トゥヴォックからは何も聞いてません。だけどあなたたちの人目をはばからぬ行為については、クルーの半数が噂してるわ。」 「わざと広めたわけではあり…」というトレスをさえぎるジェインウェイ。「あなたたちは上級士官です。本来ならほかのクルーの手本になるべき立場のはずが、思春期の子供みたいな真似をして…情けない。今後も付き合いを続けるのはあなたたちの自由。ただし良識をもって行動すること。もう少し付き合い方を考えなさい。」 「はい艦長。」 「わかりました。」 「行ってよし」とジェインウェイはいった。
チャコティは暗い自室でコンソールの画面を見ていた。椅子にもたれかかり、ため息をつく。「ホットコーヒー、ブラックで。」 レプリケーターに取りに行く。それを飲むチャコティ。
フラッシュ。コーヒーが胃に流れ込む様子がみてとれる。喉のあたりが光った。
カップを落とすチャコティ。手が震えている。洗面台に行き、水を出して顔を洗う。台の中に黒いものがある。まだ震える手で、チャコティは髪の毛に触れた。手の動きにそって、毛が全て抜け落ちてしまった。

※1: 連星パルサー、二重パルサー binary pulsar

※2: また「主任」という訳に戻っています。ちなみに直前の「少佐」も「トゥヴォック」となっています

「副長の身体を蝕んでいる骨の脱石灰、組織の壊死、視力の低下は全て昔からある老化現象ですが、数時間で急速に進行しています。」 トリコーダーで調べるドクター。「原因は?」と尋ねるチャコティは、毛が全部抜け落ち、痩せこけている。「幼児が老化する、プロジェリア※3と呼ばれる遺伝子疾患がありますが、大人がかかった例はありません。しかも 2世紀前に根絶されたはずです。ですが、念の為 DNA を調べてみました。身体の代謝をつかさどっている部分です。何らかの強い刺激を受けたことがわかりました。」 ジェインウェイは「治る見込みは?」と尋ねる。 「原因を解明しないことには何ともいえません。感染はしないはずです。」 「ガンマ放射線を発しているバイナリーパルサーのそばで、数時間過ごしたことは関係ない?」とチャコティに言う。「シールドを通して放射線を浴びたとは思えません。」 「まだ決め付けない方がいいわ。収集したデータをもっとよく調べなきゃ。」 「部屋をスキャンした方がいいですね。それからオフィスにブリッジ、今日いたところは全部。」 ベッドから起き上がろうとするチャコティを止めるドクター。 「まだ仕事に戻すわけにはいきませんよ。」 「見かけは変わっても頭の中は正常だ。仕事をしていた方が気が晴れる。」 「いつ病状が進むかわからないんです。ここで経過を見守るべきです。」 ジェインウェイは「そうよチャコティ。随時報告するわ」という。再び横になるチャコティ。ドクターはジェインウェイにいう。「DNA に何が作用しているにせよ、分子下レベルに違いない。研究室の電子共鳴スキャナー※4で詳しく分析したいんですが。」 「許可するわ。ベラナに手伝わせて。」 「頭痛がするのでは?」 「私のオーバーワークはいつものこと。今あなたが心配すべきなのはチャコティのはずよ。」 「すぐに、スキャナー分析を。」 医療室を出ていくジェインウェイ。
「良識をもって行動しろ? そりゃきついわ」と食堂でパリスに話すキム。「先が思いやられるよ。」 「でも同感だな。ちょっとベタベタし過ぎだよ。」 「おっと、お前が艦隊一お堅い少尉だってこと忘れてた。」 料理を作りながらニーリックスが声をかける。「おはよう!」 「ニーリックス。」 「ちょうどスクランブルエッグ※5を作ろうと思ってたとこなんだ。どうだい?」 ボールの中で卵をかきまわす。キムは「それより、夕べあったプリーカラインドのキャセロール※6が残ってたら食べたいんだけど」と頼む。「朝から?」と驚くパリス。「好きなんだ。」 「あるよ。今持ってこよう」と嬉しそうに奥に行くニーリックス。「とにかく、君たちの関係はもう秘密じゃなくなったってわけか」というキム。「この船で秘密が通用するかよ。」 突然大きな音がし、ニーリックスの声が聞こえた。すぐに厨房に入る 2人。「ニーリックス!」と声をかけるパリス。ニーリックスは料理を床にぶちまけ、身体を震わせている。「何だ! 何だよこれ!」 ニーリックスの瞳が黒くなっている。パリスはコミュニケーターに触れた。「パリスからドクター。ニーリックスを至急医療室に運びます。」
鏡を見るニーリックスの顔には、たくさんの黒い斑点が浮かびあがっている。「見てごらんミスター・パリス、これがニーリックスのスキャン結果だ」というドクター。 「フム。」 気になったニーリックスが「何だよ」という。 「DNA にかなり強い刺激を受けてる。副長と同じだ」と説明するドクター。 「でも、年取ったようには見えません」というパリスに、「そうだ。症状は全く違う」という。 「この顔まるで…マイリーン※7だ。言ってみりゃタラックスのお隣さんだよ」というニーリックス。 「面白い。タラクシア人とマイリーンは同じ種族なのかね?」 「違うんじゃない?」 「種族間での結婚は?」 「あるとも。それどころか俺のひいじいさんもマイリーンだった。」 「8分の1の遺伝子は彼のものだ。その遺伝子が刺激を受けたんだろう。」 「ひいじいさん、顔には自信がなかったらしい。」 「フム。今のところ症状は安定してるようだ。医療室を頼んだぞ。私は DNA の分析を続ける」とパリスに言うドクター。 「患者が来たらまず、細胞スキャンをしよう。ほかにすべきことは?」 「苦痛を和らげる。原因がわかるまで、それしかできないからな。」
ニーリックスはベッドの上に座っているチャコティに、水の入ったグラスを持ってきた。 「喉渇いてない?」 「すまん。」 震える手で受け取り、口にするチャコティ。ふと臭いをかぐ。「何か臭わないか?」 「あ、それ…それ俺だわ。マイリーンの汗の臭いなんだ。悪いねぇ。」 「いいさ。」
"Well, whatever happens, I try to keep in mind that things could be worse.

「俺何が起きても、運が良かったって思うようにしてんの。
まだヴォイジャーっていううちもあるし、友達もいる。」 「髪もある。」 「だねぇ。味覚が戻るんだったら髪なんていらないよ。」 「でもまだ視力はいいんだろ? あのディスプレイなんか、ぼやけて見えやしない。」 「見えりゃいいよ。俺の瞳孔なんか 60%も拡張しちまったらしい。ディスプレイなんか眩しくて見えやしねえ。」 「へえ。俺の指なんかひどい関節炎で、グラスもろくに持てやしない。」 「何だいそれくらい。俺の背骨なんか曲がっちまってな。何日かすれば歩けなくなる。」「勝ったな。俺は今も歩けん。」 医療室のドアが開いた。保安部員に連れられ、頬が変色した女性士官が入る。「何か手伝おうか?」というニーリックスに、パリスは「遠慮しとくよ。2人とも部屋に戻ってくれないか? ほかにも患者が運ばれてくるんでね。かなり込み合いそうだから」と言った。
「スキャナーは?」とトレスに尋ねるドクター。「もう使えるわ。」 「よし。疾患はすごい勢いでクルーに広まってる。」 「私たちも危ないってこと?」 「早くこの症状の原因を突き止めなければいけないってことだ。」 「で、スキャナーの出番ってわけ。」 「副長の DNA からだ。」 セットし、スキャナーを覗き込むドクター。 「解像度は?」 「よく見える。強い刺激を受けた部分の DNA にフォーカスを当ててみよう。もっと倍率を上げてくれ。」 「了解。」 螺旋状の構造が映っている。拡大されていく。「妙だな。」 「どうしたの?」 「塩基対の一部が、何かによって汚染されているようだ。さっきは見つからなかった。もっと拡大してくれ。」 「倍率を最大にしてみるわ。」 その黒い汚れのようなものは、明らかに人工的に作られた何本もの線だった。言葉を失うドクター。「何なの?」 「よくわからんのだ。」 「どんな感じなの?」 「見てみたまえ。」 スキャナーを覗くトレス。「微生物学者じゃないけど、異物だってことはわかるわ。」 「私も同感だ。見たこともない。このレベルの分子下テクノロジーは、連邦のそれを遥かに超えている。」 「何のマークなの。まるで、エイリアンが描いたみたい。」 「見当もつかん。わかれば原因を特定できるんだが。」 「本人に気づかれずに細胞をいじれるものかしら。ちょっと構成を分析してみる。」 コンピューターにかけるトレス。ドクターは別のサンプルを調べ、「ニーリックスの DNA も同様だ」という。「これが突然変異の原因かしら。」 「優秀な科学者は結論を急がない。だがその可能性は非常に高いな。」 「内容を解明するのは難しいかも。理由はわからないけど、微妙に位相がずれているみたいだわ。」 「最初のスキャンで見つからなかったわけだ。」 「位相のずれ※8を調整し直してみる。ちょっと嘘でしょ? エネルギーサインをキャッチしたわ。あのマーク自体が、何らかの信号を発してるのよ。」 「どこへ?」 「かなり弱いからそう遠くはないと思うけど、位相を変えながら内部センサーにアクセスしてみてくれる? 設定は 0.15。」 「わかった。」 操作し始めるドクター。だがその姿が一瞬揺らいだ。「ベラナ!」 モバイルエミッターをチェックするトレス。「プログラムが消えかかってる。」 「どうして?」 「わからない。医療室へ転送するわ。」 急に話を止めるトレス。息ができないようだ。そのまま倒れてしまった。駆け寄るドクター。連絡を入れる。「研究室からブリッジ。ドクターだ。」 また映像が揺らめく。ドクターはコンピューターを操作する。ドクターの姿は消え、エミッターだけが転がった。

※3: progeria

※4: electron resonance scanner

※5: scrambled eggs

※6: プリーカの皮と根っこのキャセロール pleeka rind with grub meal
VOY第64話 "Real Life" 「ドクターの家庭」より

※7: Mylean

※8: phase variance

「この 1時間に 3人の患者が遺伝子変異で運び込まれました。命に関わる患者もいます」とジェインウェイに説明するパリス。「ベラナの容体は?」 「肺胞が突然酸素の処理をやめてしまったんです。今人工呼吸器を。死ぬところでした。」 セブンとキムもトレスのそばに集まる。「ドクターは?」と尋ねるジェインウェイに、「研究室のコンピューターログによれば、医療室へ転送を試みたようです。転送中に何かが起きたんでしょう。」 その時、セブンに声が聞こえて来た。『セブン・オブ・ナイン、ドクターだ。聞こえるかね。私だ、ドクターだ。君の聴覚インプラントを傍受している。私の声は君にしか聞こえない。このことは誰にも言わず、何か口述を作って第2ホロデッキへ来てくれ。ダ・ヴィンチ・シミュレーションの中にいる。全てはそこで説明しよう。』 「…それについてはセブンが」というキム。「セブン? セブン?」と呼ぶジェインウェイ。「研究室を調べたろ?」 我に返るセブン。 「ああ、確かに調べてみたが、何の手がかりもなかった。電子共鳴スキャナーは機能不全を起こしてる。もう一度行って修理が可能か見てこよう。」 「そうしてちょうだい」というジェインウェイ。セブンは医療室を出ていく。
窓際に女性が座っている。「顔はこっちだ、カルロッタ。」 ダ・ヴィンチの時代の衣装を着たドクター。セブンに話している。「何者かが、遺伝子の突然変異を招く超微小のタグを、クルーの DNA に埋め込んでいるとしか考えられん。」 「目的は?」 「わからん。我々に知られたくないらしい。」 女性の絵を描いているドクター。 「説明を。」 「ベラナと私が調査の核心に迫りつつあった時、同時に行動不能になった。おかしな話だが、とても偶然だとは思えん。」 「事実ならば、我々は監視されてることになる。」 「だから通信システムでのコンタクトを避けたんだ。」 周りを見つめるセブン。「まずすべきことは情報の収集だな。」 「ああ、私も同感だ。ベラナは内部センサーにアクセスしろと言っていた。位相を 0.15ずらしてな。同じことを君の知覚節に試してみたい。」 「わかった。」 台のふたを開けると、そこに機械が入っている。操作し、指示するドクター。「コンピューター、タイプ4 のマイクロ・インデューサー※9を。」 隣にかけてあるバケツの中で音がした。そのマイクロ・インデューサーを取り出し、セブンの左目の上のインプラントを調整するドクター。セブンの視界が明るく変わった。「では、室内の様子を見まわしてくれ」というドクター。「何か通常と違ったものが、見えるかね。エネルギーサインとか、何か変わった信号が発信されてるとか。」 一通り見回したセブンは、「いや」といった。「ここは小手調べだ。まだ 256室ある。デッキを順番に回ってくれ。用がある時は周波数をイプシロン2 に合わせろ。ほかのシステムからは傍受できん。」 「わかった。」 ホロデッキを出て行くセブンに、ドクターは言った。「気を付けろよ。四六時中監視されてる。」
通路を歩くセブン。後ろの部屋からクルーが出て来た。一見普通だが、セブンにはそのクルーの頭に取り付けられた奇妙な機械が見えていた。そして前から 1人の異星人※10が歩いて来た。後を追うセブン。異星人は立ち止まったが、セブンはそのままターボリフトに乗る。「第5デッキ。」 ドアが閉まる前に、異星人も入ってきた。何かの道具を持ち、それをセブンの顔に当ててきた。動じないセブン。ターボリフトが止まると、異星人は降りて歩いて行った。
次にセブンは食堂に入る。クルーがたくさんいるが、頭や喉に個別の機械を取り付けられ、すぐそばで複数の異星人が監視している。セブンは厨房に入り、飲み物を注ぐ振りをして通信を始めた。「コンピューター、周波数イプシロン2。ドクター、エイリアンを発見した。至るところにいる。」 『そこまでは予想外だ。艦長に知らせた方がいい。』 食堂を出るセブン。
モニターを見ていたジェインウェイは、スイッチを切り、窓際に行く。ドアチャイムが鳴った。「はい。何!」 トゥヴォックが入る。「おはようございます。」 「挨拶はいいわ。何の用?」 「内部スキャンでは、遺伝子変異の手がかりはつかめませんでした。」 「ドクターは?」 「停止したままです。考えうる限りの可能性を…」 「進展があり次第、報告を。」 眉間を抑えるジェインウェイ。 「了解。」 「ああそれから、トムとベラナのことがあってから、クルーの勤務態度が気になり出したの。勤務外の態度もね。」 「艦長…。」 「今まで多めに見てきたけど、最近少したるみ過ぎなんじゃないかしら。勤務には遅刻する、決められた時間以外には平気で食堂を使うし、勤務時間よりホロデッキにいる時間の方が長い。あなた保安部長でしょ? 13部門の主任が毎日報告に来てるはずよ。」 「ええ。」 「じゃあ、何とかしなさい。」 「では、鞭でも打ちますか?」 ため息をつくジェインウェイ。「ドクターの言う通りね。少し休暇をとった方が良さそう。」 「かなり不安定なようだ。」 「不安定っていうよりおかしいのよ。この仕事に就いてから初めての経験なの。」 またチャイムが鳴る。「ドアのボリュームを下げようと思ってたんだけど。どうぞ。」 入りながらしゃべるセブン。「艦長、至急話したいことが……。」 言葉を止めた。セブンには、ジェインウェイの額に何本もの針が刺され、両側から 2人の異星人が調べているのが見えているのだ。「何なの?」 「共鳴スキャナーの修理を試みたが失敗した。誰か助手が欲しい。」 「キム少尉に頼んでみたら?」 「…はい、艦長。」 「それだけ?」 うなずき、セブンは作戦室を出て行った。「この遺伝子変異騒ぎが終わったら、2、3日ルネッサンス期のトスカーナに行こうかしら。シエナの郊外に、行ってみたい小さいホテルがあるの。」 ジェインウェイの隣に座るトゥヴォック。「ワインの一杯でも、お付き合いしましょう。ジェインウェイはトゥヴォックの手に触れ、それからまた頭を抑えた。

※9: micro-inducer

※10: Srivani
この種族の名称は台本からで、会話中には言及されていません

「何人いた?」とセブンに尋ねるドクター。「今のところは 5、6人だが、もっといるかもしれない。」 「何か特別な行動パターンは? 奴らの狙いがわかるような。」 「クルーに何かの実験を行い、その反応を観察している。」 「ヴォイジャーは大きなペトリ皿ってことか。」 「私も実験台だ。ターボリフトの中で、エイリアンに医療器具で調べられた。」 「これ以上放っておけん。」 「奴らのエネルギーサインを分析した。目に見えるようにできる方法がある。」 「どんな?」 「フェイザービームを調整して使うのだ。奴らが見えればクルーも闘いようがある。」 「エイリアンに応戦されたら? クルー全員に遺伝子変異を起こされたら? 手も足も出ん。」 「ほかにいい考えが?」 「変異の原因になっているのは遺伝子タグだ。神経弛緩ショックで無効にできる。ただしかなりの痛みが伴うが。」 「それで治るのか?」 「ああ、保証する。ただ問題はどうやって全員同時にショックを与えるかだ。」 「パワーの供給は調整できると思う。」 「よし。すぐにかかれるか。」 「何の不都合もない。だが安全装置を迂回させるので、時間がかかる。」 「では急ぎたまえ。」 セブンはホロデッキを出ていく。
機関室に入るセブン。ここでもやはり、機関部員が異星人によって調べられている。コンソールの操作を始める。「セーフティプロトコル オーバーライド」と表示された。
それをブリッジのトゥヴォックがとらえた。「トゥヴォックからセブン。」 『何だ。』 「なぜ EPS リレーシステムにアクセスを?」 「機能不全を起こしているので修理をしてるのだ。」 「機関部員に任せた方がいいのでは?」 「それはそうだが、彼らは全員、ほかの任務についている。」 「君の行為はパワーセーフティプロトコルに違反するものだ。やめたまえ。」 『心配は無用だ。何の危険もない。』 トゥヴォックはターボリフトに乗った。
セブンの作業は続く。アイソリニアチップを扱うセブン。既にトゥヴォックが到着した。「コンソールから離れたまえ。」 「言っただろ。私は修理をしているだけだ。」 「君は私をだまそうとしている。なぜだ。」 複数の異星人が近づいてきたのがセブンには見えている。「今は説明できない。だが作業を続けさせてくれ。」 「君の行為はエネルギーを放電させることになる。非常に危険だ。」 「それはわかっている。」 異星人が近づいた。セブンはついに、トゥヴォックを離し、フェイザーを調整して異星人に向けて発射した。姿を現す。すぐに背中に回り、別の異星人に武器を向ける。「動くな。もし仲間が私を不能にしようとすれば、お前を殺す。」 「信じよう。お前の狙いは何だ」という異星人※11。機関部員も集まる。 「艦長のところへ行く。聞きたいことが山ほどあるはずだ。」
保安部員が監視している。ジェインウェイがセブンに言う。「タグを無効にする準備を続けて。できたら報告を。」 「わかりました。」 トゥヴォックは「エイリアンを探知するため、内部センサーを変更しました」という。「そう。今後も報告を。」 2人は向かった。ジェインウェイは独房に入れられている異星人に話しかける。「あなたは誰? 一体私のクルーに何をしてくれたの?」 「お前らを観察し、テストを行ったのだ。」 「テスト? 変異させたというべきじゃないかしら。」 「お前が怒るのも無理はない。私も人を傷付けるのは趣味じゃないが、仕事のためには仕方がないのだ。」 「仕事って何かしら。」 「医療調査だ。我々は、科学者だ。」 「私から見れば、あなたたちは侵略を試みる敵だわ。一体いつまでここに居座る気なのか、私たちに何をする気なのか聞かせてちょうだい。」 「その質問には答えられん。答えれば規律に違反することになる。」 「便利な言い訳ね。そうやって犠牲者から目を背けてればいいわ。」 「艦長、そう大袈裟に言わないで頂きたい。細心の注意を払って接しているつもりだ。」 「細心の注意を払っていて、私のような頭痛が起こるかしら。」 「我々の行動は目的があってのものだ。ここで収集したデータは、肉体的・心理的疾患を抱えた何万人もの患者の助けになる。少々の犠牲は仕方がない。」 「あなたの仲間が実験の対象にさせられ、犠牲になれば、その身勝手な見解も変わるはずだわ。」 「結果としてお前の部下が、より長く健康に生きられるようになれば、その身勝手な見解も変わるはずだ。我々は、お前を観察してきた。お前にとっては一番優先すべきなのはクルーの幸福のはずだ。人殺しもいとわないだろう。」 「必要とあれば。」 「仲間のためには、人殺しもする。我々も同じ。お前たちと何ら変わりはないではないか。」 「それは違うわ。」 ジェインウェイはフォースフィールドを解除し、中へ入った。
"What you're doing isn't self-defense, it's the exploitation of another species for your own benefit. My people decided a long time ago that that was unacceptable -- even in the name of scientific progress."

「あなたたちのしていることは、自己防衛とは程遠い、私利私欲のための傲慢な行為だわ。私たちは何年も前にそういう行為は許さないと決めたの。たとえ科学の進歩という名においてもね。」
「お前は非常に強い意志の持ち主だ。この数週間の自制ぶりには目を見張るものがあった。お前のドーパミンをわざと増やし、行動抑制力を試すため様々な攻撃的衝動を刺激してきたが、お前は我々の予想を遥かに超える忍耐力を備えているようだな。」 ジェインウェイは異星人に飛びかかり、壁に押しつけた。「そうでもないわ!」 離れるジェインウェイ。「こちらの目的を話せば、もっと協力的になると思ったのだが」という異星人。「あいにく、ここのモルモットは従順じゃないの。」 「実に無意味な宣言だ。何を企てようが我々は常に監視している。成功はありえない。」「見損なってもらっては困るわ。」 「部下のおかれている状況を考えろ。我々は今後も研究を続ける。お前がこれ以上我々に干渉しないなら、約束しよう。死亡率は最小限に留め、多少の障害は残るだろうが、もちろん我々の最終データもお前に提供しよう。」 「本気で私がそんな申し出に同意すると思ってるの?」 「しないなら、全ての実験データとその対象者を抹殺するまでだ。」 ジェインウェイは異星人を睨みつけた。

※11: Alzen
(Rosemary Forsyth)
キャラクターの名前は台本からで、会話中には言及されていません。声:久保田民絵

「じゃあタグを無効にする方法はないっていうわけ?」と話すジェインウェイ。「EPS リレーを利用したが失敗した。エイリアンが妨害したようだ。」 トゥヴォックも「内部センサーの変更も失敗しました。セブンと同じ理由からです。キーシステムにアクセスされたようですね」という。 「四六時中監視できるわけないわ。必ずどこかにつけいる隙があるはずよ。」 「一刻を争います。医療室は患者であふれ、症状は深刻になるばかりだ」というドクター。セブンは「奴らの姿は見えるのだ。センサーを変更できれば十分抵抗できる」というが、「DNA を変異させられたら終わりだ。直接対決は避けた方がいい」と反論するトゥヴォック。通信が入る。『ブリッジからドクター。緊急事態です。』
ブリッジの中央で、女性士官が倒れている。血管が浮き出ている。すぐに診療にかかるドクター。ジェインウェイが医療キットを持ってくる。「ショック状態だ。レクトラジン 20ミリグラム。」 用意するジェインウェイ。「血圧が 360の 125だ。」 「そんな馬鹿な。」 「極度の副腎ストレスです。」 ジェインウェイはハイポスプレーを打った。「効果なし。」 女性は動きを止めた。「動脈が破裂している。心停止だ。死にかかっています。」 ジェインウェイは心臓マッサージを始め、人工呼吸を行う。「艦長無駄です。内出血がひどすぎる。」 「何とかしなさい。医療室へ転送して。」 「循環系が全滅なんです。もう手の施しようがありません。」 ツー、という音がする。「脳死状態です。」 まだ続けるジェインウェイ。「艦長、これ以上処置しようがありません。」 ジェインウェイは手を止めた。「犠牲はもうたくさん。」 操舵士官に「代わって」という。席につくジェインウェイに、トゥヴォックが尋ねる。「艦長、何をする気です。」 「私は私で自分の実験をするの。非常警報!」 暗くなるブリッジ。
ヴォイジャーはバイナリーパルサーに向かっていく。「エイリアンが 1人、ブリッジに侵入した」というセブン。「わかったわ」というジェインウェイ。トゥヴォックが報告する。「パルサーからの距離、100万キロを切りました。ただちにコースを変えなければ、重力に巻き込まれます。」 「いいえ、このまま行くわ。」 「無謀な性格は承知していますが、今回は常軌を逸しています。」 「百も承知よ。」 「船体ストレス、30テラダイン。」 キムも補佐する。「構造維持フィールドにパワーを移動中。でも、いつまでもつのか。」 異星人※12が姿を現した。「一体何をしようとしているのだ。」 「バイナリーパルサーに突っ込んで、この船をブリキ缶のようにぶっ潰すって言ったら?」 「どうせ我々を脅すための芝居だろ。」 「芝居かどうか、ここで一緒に見ていたら?」 「船体ストレス、45テラダイン」と報告するトゥヴォック。異星人は操舵コンソールを操作しようとするが、拒否される。「ロックしてあるの。コースを変えられるのは、私だけよ」というジェインウェイ。「お前は完全に理性を失っている。」 「それが狙いだったんじゃない? ん? そのために私のドーパミンを増やして興奮状態に追い込み、頭蓋骨に針を打ち込んで 4日間一睡もできないような頭痛を起こしたんでしょう? これがあなたたちの実験の最高の成果よ。ここで最終データの収集を果たさせてあげるわ。」 スクリーン一杯に、明るく映し出されるパルサー。警告音が鳴り、キムが告げる。「シールド停止。構造保全、20%ダウン。」 「ただちにロックを解除してコースを変更するのだ」という異星人。 「わからない? あなたたちにはもうこの船をコントロールできる力はないわ。」 「お前とお前のクルーを殺されてもいいのか?」 「どうぞ、ご自由に。でも私たちがいなければ、この船はパルサーに引き込まれてしまうのよ。たとえクルーを殺さなくても、生き残れる確率はどう? 10%?」 「よくみて、5%です」というトゥヴォック。「私はその確率に賭けるわ。あなたは?」 異星人はベルトの機械のスイッチを押し、姿を消した。トゥヴォック:「船体外部の温度、現在 9,000度です。」 キム:「船体、歪み出しました。」 セブン:「エイリアン船 2隻がヴォイジャーから脱出。」 ヴォイジャーの船体に張り付いていた小型船が姿を見せた。1隻はパルサーの影響を脱せず、爆発した。
「もうこの重力から逃れることはできない」というジェインウェイ。 キムは「全パワーをシールドへ集中させます」という。「だめよ。突っ込むならフルスロットルで挑まなきゃ。」 「艦長!」 「もし生き残れるとしたら、最大スピードでパルサーの間を抜けて、向こう側に出るしかない! みんなしっかりつかまって。さっきの確率が大袈裟なことを祈ってる。」 トゥヴォックはいった。「正確です。」 赤くなるヴォイジャーの船体。
爆発するコンソール。トゥヴォック:「船体ストレス、最大耐久値をオーバー。」 セブン:「第4、7、8、および 12デッキで亀裂発生。」 キム:「緊急フォースフィールドは保持。」 「コントロールが効かない!」というジェインウェイ。トゥヴォックが「メインパワー停止!」という。「スピードが十分なことを祈りましょう。」
バイナリーパルサーの反対側から、ヴォイジャーが出てきた。体を起こすキム。「信じられない。生きてます。」 ジェインウェイはいった。
"I never realized you thought of me as 'reckless,' Tuvok."

「私を無謀だと思っていたとは知らなかったわ、トゥヴォック。」

"A poor choice of words. It was clearly an understatement."

「言葉の選択ミスです。無謀を遥かに通り越している。」
ジェインウェイは微笑んだ。
「艦長日誌、宇宙暦 51244.3。エイリアンの消滅に伴い、ドクターはクルーから遺伝子タグを取り除き、突然変異は中和された。」
パリスの部屋。私服を着たトレスが話す。「よく休めたわね。」 同じく私服を着ているパリスがワインを注いでいる。「大きな犠牲を払ってね。ウィルド少尉に代わってもらったんだ。つまり、明日はブリッジと医療室ののダブル勤務ってこと。」 「じゃあ心して楽しまなくっちゃ。このワインは?」 「ああ、カタリアン・メルロー※13の 2282年もの。まずは香りを楽しんで。」 「一晩中楽しむわ。」 通信。『機関室からトレス中尉。』 「トレスよ。」 『プラズマ集合体に問題発生。ちょっとみて頂けませんか。』 「だめよ。今夜は無理だわ。明日の朝みます。以上。」 「主任でいるのも、たまにはいいわね」というトレス。「サラダをどうぞ、主任。」 「うーん、とってもおいしい。」 「俺が、レプリケーターに頼んだ。」 「うん、さすがだわ。」 ドアチャイム。「無視して」というトレス。 「はい。」 またチャイム。「追っ払ってくる。」 キムが待っていた。「ああ、もしかして邪魔しちゃった? やあベラナ。」 愛想笑いを返すトレス。 「ハリー。俺は留守。」 「ああ、これ返しに来ただけ。」 パッドを渡すキム。 「サンキュー。」 「いい匂いだ。」 そのままドアが閉じられた。「これで、もう邪魔は入らない。」 コミュニケーターを外すパリス。トレスも外した。「私ね、艦長に言われたこと考えたの。」 「艦長の言う通りだって? 俺もだ。」 「私たち、羽目外し過ぎたみたい。」 笑う 2人。「ほんとにそう思う?」と尋ねるパリス。 「え?」 「羽目外し過ぎたって。もしかしたら、エイリアンが俺たちのホルモンを調節してたのかも。」 「そうね、ありえるわ。もしかしたら 1ヵ月以上前に乗り込んでいたのかも。」 「そういえば、急に君の気が変わったのも 2、3週間前だったよな。何で突然俺のことなんか、好きになったわけ?」 「何となく、よ。それじゃあ、私たちのこの関係は全て、エイリアンのせいってわけ?」 「どう思う?」 「そうかもしれないわ。」 「だったらこんなこと、すべきじゃないよ。」 「同感。」 「真実がわかって良かった。」 「ほんとね。」 2人はキスをする。パリスはいった。「でも個人的には、実験結果がどうなるか見てみたいな。」

※12: Takar
(Annette Helde DS9第63話 "Visionary" 「DS9破壊工作」のカレナ (Karina)、第158話 "The Siege of AR-558" 「戦争の影−AR558攻防戦−」のナディア・ラーキン (Nadia Larkin)、映画第8作 "Star Trek: First Contact" 「ファースト・コンタクト」の保安部員役) キャラクターの名前は台本からで、会話中には言及されていません。声:寺内よりえ

※13: クタリアン・メルロー
Ktarian merlot

・感想
原題は「科学的研究法」という意味。いつのまにか身体に付けられていた機具にはゾッとします。張り合うチャコティとニーリックス、ドクターとセブンの協力、ジェインウェイの強硬手段など、キャラクターがよく描かれていました。そうそう、もちろんパリスとトレスも。そろそろしつこくなりそうですが…?


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