ディープスペースナイン エピソードガイド
第78話「禁じられた愛の絆」
Rejoined
イントロダクション
※1ダックスはベシアとクワークの前で手品を披露している。何もないところからいきなり卵を取り出すダックス。絶対に嘘だというクワーク。転送ビームで口の中に転送したんでしょうと疑う。ダックスは以前の本体の一人が趣味で手品をやっていたと話す。ベシアはトビン※2と聞く。その通りというダックス。内気なタイプだったから、手品をやって人をあっと言わせるのが楽しみだったんだと言うベシア。クワークは店に来る前に卵を飲み込んでいたに違いないとまだ疑っている。そんなことしてないわと笑うダックス。シスコから通信が入り、オフィスに来るようにいう。ダックスは了解する。タネは簡単だが、クワークに向かってラチナムでいっぱいの頭じゃ理解するのは難しいという。そしてクワークの耳の辺りから突然ラチナムを手に取り出した。驚くクワーク。ベシアはダックスの素晴らしい手品を誉め、それに合わせてお辞儀をするダックス。 司令官室に入ると、シスコは険しい顔をして座るようにいう。トリルの科学チームが来て、人工的にワームホールを作る実験をすることになった。面白そうねというダックス。画期的だ、ディファイアントを使う許可も出したというシスコ。しかし知らせておこうといい、科学チームのリーダーはリナーラ・カーン博士※3だと話すシスコ。名前を繰り返すダックス。シスコはダックスの有給休暇は3ヶ月溜まっており、いない間は心配ないという。そんなに存在価値がないと聞くダックス。いてもいなくても同じさというシスコに笑うダックス。ダックスは平気だと言い、過去の人生と仕事は別だと言う。教えてくれてありがとうというダックス。いいんだよ、親父さんとシスコは言った。 トリルからの船が到着し、キラたちが出迎える。はじめに降りて来たのはトリル科学省のハノール・プレン博士※4。キラはようこそといい、ウォーフとダックスを紹介する。プレンは続いて降りて来た、リナーラ・カーンとその弟のベジャル・オトナー※5を紹介した。カーンはダックスと握手をし、久しぶりですねと言うダックス。ウォーフが部屋に案内するため3人を案内していった。あの人知り合いと聞くキラに、ダックスは言った。「よく知ってるわ、私の妻だったから。」 |
※1: シスコ役のエイヴリー・ブルックス監督です ※2: Tobin Dax DS9 第24話 "Invasive Procedure" 「突然の訪問者」など ※3: レナーラ・カーン Lenara Kahn (スザンナ・トンプソン Susanna Thompson TNG 第124話 "The Next Phase" 「転送事故の謎」のヴァレル、TNG 第147話 "Frame of Mind" 「呪われた妄想」のジェイヤ役) ※4: ハノア・プレン Hanor Pren (ジェイムズ・ノウ James Noah VOY第66話 "Displaced"「消えてゆくクルー達」のリズラン (Rislan) 役) ※5: Bejal Otner (ティム・リアン Tim Ryan) |
本編
クワークは整理していいですかと言って、ダックスの以前の本体について話し出す。最初の本体はリラ。リラが死んだ後は共生生物は男のトビンに行き、それからエモニー、トライアス、オードリッドと言ったところでキラに訂正され、オードリッドが先だと言う。そしてジョラン、クルゾン、ダックスだ※6。クワークはリナーラ・カーンが結婚していたのはと聞き、ベシアはトライアスのときだ、でもその時彼女はリナーラじゃなかったと言う。めんどくさいというクワーク。トライアスは共生生物カーンがリナーラの前の本体のニラーニ※7に共生しているときに結婚した。トライアスはシャトルの事故で死に、何年かして未亡人となったニラーニが死んで、カーンはリナーラの身に移されたと説明する。じゃあニラーニがリナーラで、トライアスがジャッジアになってるわけだといい、リナーラはジャッジアの元妻かと聞くクラーク。そう単純じゃないとキラは言う。クワークはこんな話題持ち出さなきゃよかったという。ベシアはクワークを見て、ラチナムを詰め込み過ぎるからだよと言う。そしてまた耳のそばからラチナムを取り出した。笑うキラ。医者にみてもらったほうがいいぞというベシア。フェレンギのウェイターがクワークの耳を覗き込んでいる。早く仕事に戻れと言うクワーク。キラとベシアは席を離れ、歩き出した。 ダックスに教わったのと聞くキラ。次はウサギを出して驚かしてやるというベシア。キラはわからないことがあると言って、ダックスとリナーラがよりを戻したらいけないのかという。もちろん、愛があればの話だけどと言うキラ。ベシアは愛情が戻ったとしても、かつての夫婦がよりを戻すことは掟に背く行為、つまりタブーだと説明した。過去の恋人と関係を持つことはトリルでは再恋愛※8と呼ばれ、不自然なこととして忌み嫌われていると言う。理由を尋ねるキラ。共生生物に広い人生経験をさせるため、新しい本体になったときには親や兄弟や子供を切り離さなければならないというベシア。再び愛し合ったトリル人がいないわけじゃないんでしょうとキラはいう。ベシアはダックスに同じことを聞いたという。過去にそういう例はあったが、トリル社会から追放されてしまう。共生生物に新しい本体を探せなくなり、死んでしまうのだ。ダックスがリナーラをまだ愛していたとしても、そんなリスクはおかせないというベシア。合体したトリル人にとって、共生生物を守ることは一番だからだ。 自室で髪を解いているダックスのところに、正装したシスコがやって来た。クルゾンは時間を守らない奴だった、100歳の誕生パーティのときも遅刻したというシスコ。いつまでも根にもってるのねといいながら上着を着るダックス。3ヶ月前から計画していたことはダックスも知っていた。レセプションには出なくてもいいというシスコ。パーティ好きなのは知ってるでしょというダックスに、シスコは心配なんだという。ダックスはあなたの気持ちは嬉しいけど、リナーラと組んで実験するので慣れておかないとという。ちゃんと平常心でいけるといってコミュニケーターを付けるダックス。シスコはその逆さまになったバッジを、きちんと付け直した。 ダックスは不安そうな顔をしてレセプションが行われている部屋に入る。シスコは銀河系初の人口ワームホール※9を作るという試みの成功を祝福してといい、乾杯した。リナーラはディファイアントを操縦するんですよねといって、ウォーフに話しかける。胸が躍るでしょうね、歴史的なプロジェクトですからというオトナー。ウォーフは楽しみにはしているという。科学調査に胸躍らせたりはしないでしょう、クリンゴンの武将が夢見ることではないしとリナーラは言う。キラはウォーフに、クリンゴンはどういう夢を見るのかと聞く。ウォーフはみなさんなら背筋が凍るような夢だ、お聞きにならない方がよろしいといい歩いていった。ウォーフのジョークはわからないというキラ。リナーラはわからない方が幸せかも知らないと笑った。 ダックスのところにリナーラが近づく。テーブルの料理を見て、おいしそうね、全部ベイジョー料理と尋ねるリナーラ。ダックスはハスパラット※10、モーバフルーツ※11、ヴェクラヴァ※12を指差して教えた。お腹は空いていないと言うリナーラとダックス。リナーラはでもお皿に何か取った方がいい、みんな注目してるからと言う。ダックスが後ろを振り向くと、明らかにみんなはこちらを意識していた。衆人環視ってわけねというダックス。期待外れにならない様に何かやりましょうかとリナーラは言う。大声で罵り合いながら取っ組み合うとか、ものを投げ合うとかというダックス。それともお互いの腕の中に飛び込むか、愛情が消えていないと言えば掟に背くことになるけどといいながら料理を取るリナーラ。プレン博士が心臓発作を起こすわよと言うダックスに、それより弟が頭を爆発するというリナーラ。だから弟には、お互い大人なんだから大丈夫だと言ったという。私もそう思うわと言うダックス。みんな見てるわと言うリナーラに、こういう目にも慣れておかなくちゃとダックスは言う。ベイジョー料理について教えて下さって、ありがとうございましたというリナーラ。どういたしまして、カーン博士と言うダックス。プレンとオトナーはその様子を見ていた。ダックスは窓際に行ったリナーラの方を見る。リナーラもダックスの方を振り向いた。見つめるダックス。 |
※6: 順に Lela、Tobin、Emony、Audrid、Torias、Joran、Curzon、そして Jadzia Dax。第71話 "Facets" 「クルゾンの秘密」など ※7: Nilani Kahn ※8: reassociation ※9: artificial wormhole ※10: ハスペラット hasperat DS9 第51話 "Second Skin" 「恐るべき過去」など ※11: moba fruit ※12: veklava |
ディファイアント。オトナーは人口ワームホールを作る方法を説明している。無人目標機を打ち上げた後、ディファイアントから3万コクレーン※13程度の亜空間テンソルマトリックスを出し、目標機からのマグネトンパルスによって時空連続体に入り口が開く。エディングトン※14はマトリックスが必要な時間を尋ねる。長くても2分間で、ワームホールが形成されればマトリックスは不要になるというプレン。オブライエンはプラズマを補助にまわす必要があるが、できるという。素晴らしいと言うオトナー。後は媒介変数をコンピューターに読み込ませなければならない。機関室のコンピューターではなくブリッジのメインコンピューターでやった方がいいと言い、ダックスが連れて行く。 ダックスとリナーラ、プレンは調整を行っている。まだプログラムのバックアップにぶれがあり、プレンは診断サブルーチンに問題があるんだろうといい、計算修正ユニットを部屋に取りに行った。パネルを見ているとまた異常が起こり、リナーラはサブルーチンよりこちらの方が問題かもと言う。ダックスは席を離れリナーラに近づくと、慌てない様に言う。慌ててませんというリナーラ。深い意味じゃないと言うダックス。リナーラは、トライアスがニラーニに何でもないことで騒ぎ立ててよく怒っていたと言う。トライアスには無神経なところはあったが、ニラーニのヒステリーにも責任はあったというダックス。トライアスはパイロットだったから不安だったと言う。過去の本体の感情と自分の感情がこんなにごっちゃになるのは初めてと言うリナーラ。私たちは一緒にいない方がいいかもしれないと言う。2人は見つめあった。ダックスは自分の席に戻りサブルーチンのチェックを続けるように言う。そしてトライアスが死ぬ前日のニラーニは正しかったとダックスは言う。ヒステリーなんかじゃなく、あのシャトルはエンジン全開での飛行は無理だったという。ニラーニが止めるのを聞かずにトライアスは事故死してしまった。ダックスの中のトライアスは、それをとても悔いていると言う。ダックスの方を振り返るリナーラ。ダックスは仕事よ、がんばりましょうと言う。リナーラはそうねといい、再びコンピューターを操作し始める。ダックスはリナーラを夕食に誘う。最近は友達、つまりベシアと一緒に食べていると言う。いいわ、楽しそうねと言うリナーラ。クワークの店でとダックスは言った。 ベシアは今夜は先約があり無理だというが、ダックスは断ってと頼む。断ってくれれば本当に恩に着るというダックス。実はリナーラを招待したという。ノーというべきなのはわかっているけど断れないといい、何時だいと聞くベシア。クワークの店で22時と言い、ベシアのほおにキスをするダックス。恩を忘れないわと言い歩いていった。 ダックスとリナーラは楽しそうにしゃべりながら食事をしているが、ベシアは全くつまらない。クルゾンが火を付け追い出された、バルロスイン※15という店のことを話す2人。ライジェル星系でも有名なお店だ。確かにクルゾンは普通のトリル人とは違っていたというリナーラ。どんなルールにも例外はあると言って、その例外になるのが好きだったと話すダックス。クルゾンに会わずにすんでよかったと言うリナーラ。あんまり仲良くなれそうにないと言うと、そんなことはないけど確かに科学者は嫌いだったと言うダックス。それなのにジャッジアは科学士官になった。クルゾンは鳥肌を立てるわ、調査と聞いただけで嫌がったと言う。トライアスも似たようなものだというリナーラ。今の2人の方がトライアスとニラーニより共通点が多いなんて皮肉なものねというダックス。そこへ医療室からベシアに、タイラー少尉※16が足の骨を折ったと通信が入った。ベシアはすぐ行くと言い、2人に申し訳ないと謝る。今夜はありがとう、楽しかったと言う2人。ベシアはうなずき、医療室に向かった。本当にいいお友達ね、以前の本体の話を聞かされても文句一つ言わないものと言うリナーラ。いずれ埋め合わせするわと笑うダックス。リナーラのイヤリングを見て、クリンゴンのものねというダックス。クリンゴンの科学者からプレゼントされたものだった。剣をあげると言われたがそれは断ったといい、そのイヤリングをダックスにプレゼントするリナーラ。ありがとうというダックス。リナーラはまた会えて良かったと言う。顔も声も違うが、わかるという。ダックスもリナーラの笑顔や声を聞くとそう思うと言い、リナーラの手を握った。また会えて嬉しいわと言うダックスに、私もよとリナーラは言った。その2人の様子を、プレンが2階から見ていた。 |
※13: cochrane 亜空間の歪みの単位。TNG 第79話 "Remember Me" 「恐怖のワープ・バブル」などにはミリコクレーンが登場。ワープドライブの発明者、ゼフラム・コクレーン博士にちなんでつけられました。関連: スタートレック ファースト・コンタクト ※14: マイケル・エディングトン Michael Eddington (ケネス・マーシャル Kenneth Marshall) DS9 第72話 "The Adversary" 「忍び寄る可変種の脅威」以来の登場 ※15: Barros Inn ライジェル(リゲル)は、オリオン座ベータのこと。同星系の星は今までにリゲル2・4・5・7・12号星が登場 ※16: Ensign Tyler |
宇宙暦49195.5。ディファイアントは人口ワームホールを作り出す予備実験を行う座標に到着した。無人目標機準備完了。センサー範囲内にほかの船はいない。ウォーフは機関室のエディングトンに準備はいいかと聞く。そしてリナーラに命令をという。フォーカスアレイを始動させ、亜空間テンソルマトリックスを発生させる準備をというリナーラ。ダックスもリナーラのいるコンソールに近づき手伝う。プレンはその2人を見て、オトナーに今日はまた一段と仲がいいと言う。だがオトナーは何も言うなという。テンソルマトリックス、目標機の準備完了。フォーカスアレイを始動させる。ディファイアントからエネルギーが発射され、マトリックスが形成される。目標機からマグネトンパルスが放出、亜空間に歪みが生じた。歪みが凝集され、成功だというオトナー。数秒後にフィードバックパルスが目標機を襲うが、数秒があれば十分だと言うリナーラ。そしてワームホールの入り口が大きく口を開いた。目標機が破壊され、入り口は閉じた。おめでとうございますというウォーフ。リナーラは最初の一歩だけど大きな一歩だと言う。ダックスもリナーラの肩をつかみ、共に喜んだ。 リナーラはオトナーと食事をしながら、ワームホールが開いていたのは23.4秒しかないが完全に安定していたと言う。こうなると次が大事だと言い、宇宙船の航行が可能であることを示すために何かを送り込もうと言うオトナー。リナーラはダックスの考えでは第4級の探査機を送り込むのがいいといっていたと言う。いつ話し合ったのかと聞くオトナー。夕べ会ったと言うリナーラに、どこでどれくらいいたのかと聞くオトナー。何か言いたいことはあるのというリナーラ。できれば言いたくないが言った方がよさそうだというオトナー。信じられないわとリナーラは言う。みんな知っているとオトナーは言い、手を握ったり、実験の間じゅうべたべたしていたという。リナーラは席を立ち、歩き出した。オトナーは後を追いかけ、リナーラに謝る。直接何もないと聞いたら信じるというオトナーに、リナーラはダックスとの間には何もないわという。信じるよと言うオトナー。 ダックスの部屋にリナーラが入って来た。弟から不愉快なことをいわれた、私たちの仲を疑っていると言う。友達以上の関係じゃないと怒鳴りつけてやったと言うリナーラ。それならいいじゃないとダックスはいう。もう2人で会うのはやめましょう、誤解されるからという。リナーラは誤解されるとは限らないという。そんなことを口に出してはいけないというダックス。リナーラに黙っていればお互いへの気持ちが変わるかと聞かれ、でもその方が気持ちが楽だとダックスはいう。弱気な発言ねというリナーラ。それは私一人の問題じゃないからというダックス。立ち上がり、リナーラに近寄る。手を取ってあなたを傷つけるようなことはしたくないとダックスはいう。何も言わずにシャトルに乗り込み未亡人にしてしまったと言い、リナーラはパイロットなのは結婚前から知っていたという。覚悟を決めていたというリナーラ。今は覚悟はできているの、後悔しないと聞くダックス。リナーラはダックスのことをとっくに忘れていたと思っていたが、やっぱり忘れていなかったという。ダックスはリナーラを慰め、耳元で会いたかった、忘れていなかったとささやく。そして、2人は熱い口付けをかわした。しばらく続いたあと唇を離し、もう帰らなきゃというリナーラ。ええ、というダックス。リナーラは部屋を出ていった。その後ろ姿を見つめながら座るダックス。 |
ダックスはどうしたらいいかわからないとシスコに話す。どうしたいんだと聞かれ、お互いの腕に飛び込み愛はまだ消えていないと言いたいというダックス。リナーラが言ったジョークよという。ダックスはシスコに駆け落ちは反対かと聞く。シスコは反対だった。ダックスは理由を尋ね、クルゾンが再恋愛について言っていたことを思い出したからだという。タブーに背くかどうかは問題じゃない、代償が大きすぎるからだと言うシスコ。クルゾンの意見は知っているが私はクルゾンじゃないというダックス。だがトライアスでもないだろう、君はジャッジア・ダックスだと言うシスコ。合体したトリル人としての役割があるだろうと言う。お説教を聞きに来たんじゃないというダックスに、シスコは友人としてのアドバイスを聞きに来たんだ、だからこうして答えていると言う。ダックスはその通りねといい謝った。気持ちは分かるが、リナーラと逃げたらどうなるかを考えて欲しいとシスコはいう。追放されれば新しい本体を探すことができなくなり、ジャッジアが死ねばダックスも死ぬ。それだけはやってはいけないと候補生の訓練中に教えられたはずだというシスコ。君自身が何度も教えてくれただろう、本体は鎖に過ぎず、共生生物の命は何があっても受け継がれなければならないという。ダックスはわかっているといった。そう信じてもいるが、気持ちはリナーラを愛しているという。それはわかる、もし君の立場なら愛する者のために全てを捨ててしまうかもしれないというシスコ。それでも代償の大きさに耐えられるのかという。確かめないとねというダックス。シスコはそれでも望むのなら、もちろん私は君の味方だといった。7つの人生を生きて来たが、あなたのような無二の親友はいないといいダックスはシスコと抱き合うのだった。 ディファイアントで次の実験が始まった。準備が完了し、亜空間マトリックスを始動させる。機関室にはエディングトンとリナーラがいる。テンソルマトリックス形成、目標機始動。そしてワームホールが形成された。探査機を発射するようにいうウォーフ。中に吸い込まれる。だがその後すぐ、ワームホールは大爆発を起こした。衝撃波がディファイアントを襲う。艦内は大きく揺れ、報告を求めるウォーフ。操縦不能、第5デッキが損傷し緊急フォースフィールドが作動している。機関室には大量のプラズマ漏れが発生している。ウォーフは機関室の2人に連絡を取るが、応答がない。ダックスは席を立ち、修理班を要請するようにいうと機関室に向かった。 機関室に修理班と共に到着するダックス。中には緑色のプラズマが大量に吹き出していた。近くに倒れ、怪我をしたエディングトンは修復不可能だという。機関室をまるごと切り離し、宇宙に捨てるしかないというエディングトンに、ダックスはリナーラが生きてるかもしれないから駄目だという。第8レベルのフォースフィールドを張り、その間に助けに行くというダックス。今すぐ切り離さなければワープコアまでやられてしまうというエディングトン。ダックスはフォースフィールドが消えて10秒後に切り離すように言う。できるだけ長く張るようにするというエディングトン。フォースフィールドが張られた。ダックスはゆっくりとその上を降りていく。前には倒れているリナーラがいる。ダックスがリナーラのところに着いた瞬間、フォースフィールドが消え去った。部屋から逃げるエディングトン。ダックスは必死にリナーラをつかみ、近くの部屋に入り込み扉を閉める。駄目かと思ったというリナーラ。2人はもう絶対に離れないといいながら抱き合うのだった。 |
ダックスはリナーラの部屋に行く。具合はどうと聞くダックス。リナーラにはオトナーが付き添っていた。僕には大事な人なのでというオトナーに、ダックスは私にもよという。オトナーはちょっと外すといい、2人を見ながら部屋を出ていった。ダックスは、持って来た小さな瓶を手渡す。ライザの香水※17だ。爆発の原因を尋ねるリナーラ。推測だが、テトリオンフィールドが探査機のシールドに反応して、重力量子波※18が発生したという。死者も出なかったし、ディファイアントも無事だったので幸いだというダックス。オブライエンは2週間で直すといっていたといい、自分を責めてはいけないとリナーラに言う。私の計画だからというリナーラに、あなたは歴史上初の人工的なワームホールを作り出したのよという。自分ことばかり考えてはいけないというリナーラ。トリルに帰ったら研究する仕事がたくさんあるという。ダックスはそうでしょうねといい、リナーラの前に座るとDS9で一緒にやらないかと誘った。一緒にいたらどうなるか分かるでしょうと聞くリナーラ。ダックスはもちろんと答え、覚悟はできているという。リナーラはそんなことをしても無意味だと、オトナーから30分お説教されたという。オトナーは明日帰ろうと言っている。しつこい弟さんねというダックス。心配しているだけなのよというリナーラ。みんな私たちを止めようとして心配している、だけど重要なのは私がどう考え、行動するかだというダックス。その結果を背負うのは私たちだからというと、リナーラはそこに引っかかるという。ダックスがそばにいないときは何かが抜け落ちたみたいで、いつも一緒にいたいけどできそうにないという。本能に従って生きるクルゾンのような強さはない、今までやってきたことが無になってしまうというリナーラ。でも私のことを忘れられるの、こんなに幸せだったのは初めてだったとダックスは涙を浮かべた。見捨てないでというとリナーラも見捨てるわけじゃない、トリルに戻って考える時間をくれるように言う。いつでも会えるでしょうというリナーラに、結局は気持ちの強さの問題なのよというダックス。もし私があなたを思うほど、あなたが私を思っていてくれたら、去っていってしまわないという。トリルに帰ったらもう二度と戻ってこないことはわかっているはずよという。ダックスに手を差し伸べるリナーラ。しかしダックスは首を振り、部屋を出ていってしまった。 ウォーフがプレンとオトナーをエアロックに案内する。中に入っていく2人。2階から見ているダックス。リナーラがやってきて、ウォーフに会う。雑踏の中を見つめるリナーラ。エアロックに一歩踏み出し、もう一度振り返ると2階のダックスを見つけた。悲しい顔をして見つめるダックス。リナーラはしばらく見つめ返すと、再び前を向きエアロックへ入っていった。ダックスは涙をこらえることしかできなかった。 |
※17: Risian perfume ライザ(ライサ)は TNG 第67話 "Captain's Holiday" 「大いなるホリディ」などに登場した惑星 ※18: graviton wave |
感想
ダックスの元妻との恋愛、現実で考えると女性同士というところが重要な点なのですが、この話の中ではトリルのタブーとして扱っているところがよくできていると思いました。性別を超えた愛というのはTNGなどでもありましたが、ここまでやってしまうのは本当に驚きで、感動しました。 |
第77話 "Indiscretion" 「デュカットの娘」 | 第79話 "Little Green Men" 「フェレンギ人囚わる」 |