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ディープスペースナイン エピソードガイド
第79話「フェレンギ人囚わる」
Little Green Men

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・イントロダクション
クワークの店にはたくさんの人が集まり、カウンターに並べられたさまざまなものの前で、ロムが説明をはじめる。フェレンギでは巣立ちのときに、少年時代に使っていた身の回りの物を売って蓄えを増やす習慣がある。ついに宇宙艦隊アカデミーに入学することになったノーグのものを売るのだ。ノーグの思い出が詰ったものを買うことは、みなさんの寂しさを癒す一番の方法だというロム。そしてパジャマを手に取り、早速買うことにするロム。3ラチナムだというノーグを、ロムは2ラチナムに値切った。ノーグはみんなに買うように、そしてあまり値切らない様にといった。
店にはシスコたちもいる。ウォーフのところにオブライエンが来て、意外な方がいますねという。シスコに頼まれて来たというウォーフ。ノーグに肩入れしているようだという。オブライエンは推薦状を書いたのもシスコだと話す。フェレンギが入っても何の役に立たないというウォーフに、あなたもそう言われてたでしょうとオブライエンはいった。近づいて来たシスコに、掘り出し物が無くなるぞといわれる2人。
ベシアは手に取ったアイソリニアロッドを何かとノーグに尋ねる。それはノーグのお気に入りのホロスイートプログラム、「リックスの女神を訪ねて」※1というものだ。10ラチナムというノーグに、ダックスは買うわといってラチナムを渡す。そしてベシアにプレゼントしてあげるというダックス。キラはこのラケットはどうしたのと手にとって見ている。レプリケーターで作ったというノーグに、これは自分ので2年も探していたというキラ。やっと巡り合えたってわけだ、よかったじゃないかというが、キラはにこりともしない。逃げるように離れるノーグ。
ウォーフがもっているものを、ジェイクがフェレンギの歯磨き器※2だと教えた。早速使ってみるウォーフ。ウォーフは少し戸惑ったが、その歯磨き器をいくらだとノーグに聞いた。
クワークが入って来た。ロムを見つけ、話しかける。今ならまだ掘り出し物が残っているというロム。クワークは買い物に来たんじゃない、商売をしにいくわけではないノーグを激励する気はないという。そして面白いことが起きたといい、船が着いたとロムに話す。それはゲイラ※3に10年前に言っていたシャトルのことだ。ゲイラが武器商人をはじめるため金を借りに来たとき、成功したら船を買ってやると約束していた。クワークはゲイラのことだから、欠陥品かもしれないといいロムにチェックさせるつもりだ。早速ロムを連れて行くクワーク。
その船に乗り込みチェックを行うロム。クワークは満足そうにいすに座っている。だがクワークの予想に反し、どこにも異常はないという。ロミュランの迎撃機より速く飛べ、メンテナンスチェックなしで銀河系の半分を飛んでいけるというロム。これからはいつでも好きなところに行けると喜ぶクワーク。ロムはバーは俺が引き継ぐと、引退を勧める。見果てぬ宇宙へと永遠に旅立つんだというロム。クワークににらまれ、いつか戻る日までと付け足す。一人で盛り上がるんだというクワーク。そしてクワークはテスト飛行のため、適度に遠くて安全に行けるところ、つまり地球にいくことにする。可愛い甥っこのためだというクワーク。ロムは感謝し、ノーグに言ってくる、地球にいくなんて楽しみだといって出ていった。クワークは礼には及ばない、密輸品の一つでも積み込んでいくかと、一人笑うのだった。

※1: "A Visit with the Pleasure Goddess of Rixx"

※2: tooth sharpner DS9 第69話 "Family Business" 「クワークの母」にも登場

※3: Gaila クワークのいとこ。DS9 第53話 "Civil Defense" 「暴徒制圧モード始動」などに名前だけ登場


・本編
クワークは出発に当たって、バーのことをモーンに頼んでおくつもりだ。ホロスイートを操作するコードを教えたり、ダボガールに触るなといったりしている。そしてオドーを指差し、目を離すなと忠告する。オドーは近づいて、モーンなら黙々と働くだろう、酒を飲み干しはしない限りという。フェレンギ人のウエイターよりましだ、乗っ取られるというクワーク。ノーグを送っていくなんて随分優しいなというオドーに、クワークは生まれ付きだという。いなくても落ち込むなよなというクワーク。戻るのを指折り数えて待っているとオドーは言った。
ジェイクとノーグは、プロムナードの2階にいる。どれくらいここで一緒に過ごしたかなというジェイクが言うと、ノーグは2,147時間といった。驚いたジェイクに冗談だという。ドムジョットをするか、ベイジョー船が着艦する以外、何もないのになというジェイク。でもそれも楽しかったというジェイク。ベシアがノーグに声をかける。セールの返品ならお断りというノーグに、一緒に来たオブライエンは餞別を持って来たという。喜んで受け取り、袋を開けるノーグ。それは地球のガイドブック※4だった。ただのガイドブックではなく、地球の習慣・歴史・文化・地理を網羅した完全インタラクティブプログラムだというオブライエン。そのパッドには知りたいことが全てつまっているというベシア。人間の女の子の気を引く方法もと尋ねるノーグ。オブライエンはある程度はという。礼を言うノーグ。クワークとロムが待っているためノーグは行かなくてはならない。がんばれよ、期待してるぞと声をかけ、歩いて行くオブライエンとベシア。ノーグはもう一度ジェイクと向き合った。言葉のないノーグに、ジェイクはエアロックまで送って行くという。歩き始める2人。そして立ち止まり、2人は振り返って今いた場所を見る。いい場所だ、最高の場所だなという。
ダックスはフェレンギのシャトル、「クワークの宝船」※5が発進準備に入ったと報告する。クワーク・ロム・ノーグが乗っていると言って、私なら勘弁ねというキラ。勘弁してもらいたいのは、受け入れる地球の方だとシスコは言う。
地球へ向かうシャトル。ノーグはガイドブックを見ながら、地球は5千年前まで通貨を持っていなかったといい驚いている。銀行もなく、経済も統一されていなかったらしいという。それだけ原始的な生き物なんだというクワーク。だがノーグは、地球人は5千年で巨大な恒星間連邦のリーダーになったということじゃないという。フェレンギ連盟の倍の早さだ。ワープのテクノロジーだってというノーグに、たいして違わない、スピード技術は四半期の儲けには関係ないとクワークはいう。そしてロムにもっとスピードは出ないのかという。安全最大スピードを0.2もオーバーしているというロムに、もう0.1上げろというクワーク。キマサイト※6が心配なのはわかるけど1,2日じゃ変わらないというロム。何のことだというクワークが言うが、ロムは密輸しようとしているキマサイトがカーゴにあるという。危ないんじゃないのというノーグ。危ないが、いい儲けになるというロム。地球の帰りにオリオン※7に寄れば特にという。なぜわかったと聞くクワーク。ロムはエンジンをいじったときに船の重量配分の異常に気付き、貨物室を点検しに行ったときに見つけていた。いつからそんなに利口になったんだというクワーク。ロムは昔から利口だった、もちろん目をつぶってやってもいいという。いくらだと聞くクワークに、儲けの20パーセントというロム。ノーグにも聞く。ノーグは候補生として連邦法違反はすぐ通報するべきだけど、まだ誓いを立てていないから10パーセントでいいという。喜ぶ2人だが、クワークはため息をついた。
クワークはいすで寝ている。ロムが起こし、もうすぐ地球圏だという。ノーグがやってきてベル暴動を知っているか尋ねる。ベル※8がシスコに似ていないかとガイドブックの写真を見せる。地球人はみんな似ているというクワーク。早くワープを解除しろとロムにいう。しかしワープは解除できなくなっていた。点検したはずなのにおかしいというロム。つまり計画的なものだった。ゲイラだというクワーク。相当嫌われていたからねというノーグ。クワークは落ち着こうといってほかに起こり得るトラブルはと聞く。このままスピードを上げていき、船が分解して飛び散るだけだというロム。ワープコアを捨てることもできない。ほかの手を考えろというクワーク。そこでロムはキマサイトを使うことを思い付いた。コアからプラズマを貨物室に送り、カスケードを起こしてワープフィールドでウェーブを反転させればワープ状態から出られるかもしれないと説明するロム。うまくいけば地球の近くに緊急着陸することができる。天才だなと誉めるクワーク。ロムは照れるが、クワークはロムが何を言っているのかは分かっていなかった。つかまるようにいい、コンピューターを操作するロム。船の揺れが激しくなる。たまらず叫び声を上げるクワーク。そして「クワークの宝船」は、細かな粒になって宇宙空間から消え去った。
クワークは目を開けた。ベッドの上にいる。横には同じようにベッドで寝ているロムとノーグがいた。周りを見渡すクワーク。様子を見ていた一人の男は煙草を吸いながら、電話機を手に取った。デニング将軍※9を呼ぶようにいい、火星人が目を覚ましたという。クワークは状況を把握できていない。近くにかかっているカレンダーは1947年7月※10のものだった。

※4: Earth guidebook

※5: Quark's Treasure

※6: ケマサイト kemacite

※7: Orion TOS 第44話 "Journey to Babel" 「惑星オリオンの侵略」

※8: ガブリエル・ベル Gabriel Bell DS9 第57・58話 "Past Tense, Part I & II" 「2024年暴動の夜(前)(後)」より

※9: レックス・デニング将軍 General Rex Denning

※10: 昭和22年! 詳しくは次項


そこはアメリカ合衆国の空軍基地だった※11。デニング将軍※12をはじめ大勢の軍人などが、クワークたちの様子を見ている。ウェインライト大尉※13は、船を発見した農民は軍の宿舎にいるが、いつまで拘束できるかわからないという。許可するまで解放してはならないといい、軍が空飛ぶ円盤を捕まえたとプレスに漏らした男はどうしたと聞くデニング。ウェインライトは気球と見間違えたことにして撤回させていた。背広を着た男、カールソン教授※14はそう隠しておくこともできないという。異星人が船に乗って地球にやって来たことは、人類の歴史に残る大事件だという。デニングはパニックを起こすわけにはいかないといい、詳細がわかるまでは公表するのを禁じた。そして室内の音声を聞く。だがそれはフェレンギ語で、何を言っているかは理解できない。クワークは扉を開けようとしているが、鍵がかかっている。
クワークは扉を開けるのをあきらめた。デニングたちが見ているガラスはマジックミラーになっており、クワークは監視されていることに気付いていない。どこなのかはもちろんロムにもわからない。ノーグは緊急着陸したところまでは覚えている。クワークは近くの道具を見て、地球ということはわかった。しかしアカデミーではない。クワークは船のことを思い出し、どこだと言い出す。扉を叩き、船を返せと叫ぶクワーク。
意味不明の言葉で叫ぶクワークを見て軍人たちは扉を破るかもしれないと思い、銃を構える。看護婦のガーランド※15は、カールソンに脅えてるだけだから撃たせないでと頼んだ。カールソンは遥かに進化した文明から来たのだから、コミュニケーションを取るべきだとデニングに進言する。デニングは大統領も同じだといい、カールソンにその役を頼んだ。カールソンとガーランドはそのために呼ばれたのだった。
やっぱり地球人は性悪で、フェレンギ人と共存はできないというクワーク。そしてノーグを責める。ロムはノーグをかばい、そもそも船に乗れといったのはクワークだという。ノーグはロムがいなかったらみんな死んでいたという。ふと、死んだのかも、ここは死後の世界※16なんだというロム。クワークは血迷ったことを言っているんだといい、天国は純粋なラチナムでできているという。聖なる金庫※17や天国の競売人はどこだ、なぜ新しい命を競り落とさないんだ※18というクワーク。地獄、つまり永遠なる貧困の世界※19に落ちたのかもというロムとノーグ。バーは順調に儲かっていたとクワークはいう。そこへ軍人達が銃を構えて入って来た。慌てる3人。まずカールソンが地球へようこそ、私たちは敵じゃないと話しかけ始めた。しかし、クワークたちには何を言っているかがわからない。ロムはトランスレーター※20が壊れているんだと言い、3人は頭をたたき出した。何やってると聞くウェインライト。ガーランドは挨拶だと推測する。そして同じように頭を叩き始めるカールソン達。何やってるんだとクワークは言う。きっと向こうもトランスレーターが壊れていると言うロムだが、ノーグは持っているわけないという。軍服を見て、ガイドに載っていた20世紀のものだと言う。過去にタイムスリップしたのかと言うロム。400年以上で、あれは確か古い民族国家の軍服で、オーストラリアかどこかだと言うノーグ。なんで頭を叩いているんだとロムは不思議がる。クワークが頭を叩くたびに、それに合わせて同じように頭を叩くカールソン達。クワークは真似していることに気付き、ウェインライトに近づいて鼻をつまんだ。同じように鼻をつまむしぐさをするウェインライト。フェレンギ語で話しかけるクワーク。ガーランドも答えるが、言っていることはわからない。地球人は知的レベルが低いとは思っていたが、これほどアホだとは思わなかったと言うクワーク。それだけじゃなく狂暴で頑固で自分勝手なやつだとノーグは言う。そんな奴らのホームグラウンドにいるのかと嘆くロム。3人のフェレンギ人対無数の未開人かと言い、面白いじゃないかとクワークは言った。クワークが見ると、無理矢理笑みを浮かべるカールソンたち。

※11: ロズウェル空軍基地。詳しくはここなどを参照されるといいかも。1947年といえば現在から51年前、現時点でのDS9から425年前、つまり現在からすると1573年に行ったことになります

※12: (チャールズ・ナピアー Charles Napier TOS 第75話 "The Way to Eden" 「自由の惑星エデンを求めて」のアダム役)

※13: Captain Wainwright (ジェームズ・G・マクドナルド James G. MacDonald)

※14: ジェフ・カールソン Jeff Carlson (コノー・オファレル Conor O'Farrell ENT第18話 "Rogue Planet" 「幻を狩る惑星」のブーザン (Burzaan)、第64話 "Chosen Realm" 「選ばれし領域」のディジャマット (D'Jamat) 役)

※15: Faith Garland (メーガン・ギャラガー Megan Gallagher DS9第24話 "Invasive Procedures" 「突然の侵入者」のマリール (Mareel)、VOY第153話 "Body and Soul" 「セブンになったドクター」のジャーリン大尉 (Lt. Jaryn) 役)

※16: Divine Treasury 直訳すると「神聖な宝庫」

※17: Blessed Exchequer

※18: Celestial Auction というもの

※19: Vault of Eternal Destitution 上記のようなフェレンギの死の儀式 (Ferengi death rituals) は、TNG 第148話 "Suspicions" 「新亜空テクノロジー超フェイズシールド」などにも

※20: universal translator TOS 第31話 "Metamorphosis" 「華麗なる変身」など


ガーランドはクワークの血圧を測っている。言葉の通じないまま話す2人。ガーランドはカールソンに、いろいろ検査をして見たがわかったのは人間じゃないということだけだという。カールソンはロムとノーグを見て、お互いにいたわりあっているという。きっと父親と息子なんだわというガーランド。何万光年離れた星にも、地球と同じ親子の絆が存在しているなんてと感激する。もう一人は誰だろうとクワークを指差すカールソン。母親じゃないというガーランド。ロム達にうるさくしゃべっている様子を見て、随分口やかましい母親だとカールソンは言う。
ロムはトランスレーターを直そうとしているが、何かが干渉してうまくいかないという。太陽のフレアかイオン放射か、ありえないが核分裂によるベータ線の放射が原因かもというロム。こんな惑星圏で核分裂なんか起こるはずがないというクワーク。ノーグは20世紀に核分裂による武器、つまり原子爆弾※21をぶっ放していたらしいと話す。自分の星に放射線をふりまくだと驚くクワーク。ロムはノーグが言うなら間違いないという。この未開人と話さえできれば状況がわかるというクワークは言う。
ガーランドは髪を直そうとヘアピンを使っている。ロムはそれを指差し、何か言った。君に何か言っているようだぞというカールソンに、婚約者だといってというガーランド。ロムは近づき、ガーランドの頭を指差した。ヘアピンが欲しいことに気付いたカールソン。ガーランドはそう言うなら、とヘアピンをロムに手渡した。ニプレムというロム。
リセットボタンを押せばOKだと言いながら、ロムはヘアピンをノーグの耳の中に入れる。痛くないのかしらとガーランドは驚く。らちがあかない、なぜもっと専門家をよこさないんだとカールソンはいらだつ。異星人の専門家なんていない、あなたなら意思を伝える方法を見つけられると言うガーランド。カールソンはタバコを取り、ライターで火を付けて1本はガーランドに渡し吸い始めた。どんなことを教えてくれるのかしら、数年後には人類も宇宙に行けるかもしれないとガーランドは言う。銀河を旅し、新しい世界や文明を求めて旅するという。ロマンチストだなと言うガーランドに、そこが好きなんでしょと言うガーランド。カールソンは歴史的瞬間に立ち会っているのに、頭に浮かぶのは君のウエディングドレス姿だけだと笑う。母はハネムーンにナイアガラの滝に行かせたいみたいというガーランド。どうかな、火星かもしれないというカールソン。
クワークは煙の匂いを嗅いでこれはなんだという。タバコ※22だと思うというノーグ。麻薬の一種で常用してると内蔵が冒されると説明する。なぜ吸ってるんだと言うクワークに、中毒になっているというノーグ。タバコを買うものだと聞いて驚いたクワークは、毒を買うならなんでも買うな、この世界気にいってきたという。ノーグは歴史を変えない様にと忠告する。地球の歴史を変えれば銀河系全体に影響が及び、連邦やDS9、そしてクワークのバーもなくなってしまうかもしれないというノーグ。クワークはそれがどうしたといい、早くトランスレーターを直すようにロムに言う。
デニングにシャトルの報告を行うウェインライト。写真を見せながら、前方にはコントロールルームらしきものや後方には寝室のようなものがあるというウェインライト。どうやってエンジンを動かしているかもわからないという。シェパードをなでているカールソンに、デニングは進展があったかと尋ねる。高度なテレパシーか何かを使うのかと思ったが、我々と同じく言葉を使っているらしいと言うカールソン。言語学者なら解読できるという。関係者を増やすつもりはないというウェインライト。デニングは、トルーマン大統領※23は一刻も早く詳細を知りたがっているという。そこへガーランドがやってきて、カールソンとデニングを中にすぐに来る様にと呼んだ。
デニング達が中に入ると、クワークが自分の名前を名乗った。フェレンギ連盟の財務長官を勤めているという。あんたたちとビジネスをしたくて来たというクワーク。デニングは葉巻をくわえ直した。

※21: atomic bomb

※22: tobacco

※23: ハリー・S・トルーマン Harry S Truman アメリカ第33代大統領


クワークの耳の中をライトで照らしながら、トランスレーターなど見えないというデニング。その装置を使っているわけか、からくりはと聞くデニングに、わかってしまえば簡単だというクワーク。テクノロジーはどんな事でも可能にでき、そのことで地球に来たという。連盟を代表してテクノロジーを売りに来たというクワーク。どんなものかと聞くデニングに、想像もつかないようなスピードで宇宙を飛びまわるものだという。どんな不治の病でもたちどころに治せ、食い物や着るものも作ってしまうとクワークは言う。武器はと聞くデニング。クワークは専門分野だといい、フェイザーガンにディスラプターに光子魚雷、値は張るが量子魚雷というのもあると説明する。どんな通貨を使っているか、ラチナムかダイリチウムかと尋ねるクワーク。ドルだと答えるデニングだが、クワークは知らない。宝石や鉱石はと聞くと、金はあると答えるデニング。それだよというクワーク。いくらかと聞かれ、400年分の文明発達を一瞬のうちに遂げさせてやるんだから金の延べ棒二、三百万本だなという。デニングは確かに火星人かもしれないがといいフェレンギと訂正される。クワークの話を聞いていると、義理の弟を思い出すという。腕の悪い車のセールスマンだ。腕は確かだというクワークに、言いたいのはまるで信用できないからだという。地球に来た本当の理由を教えてくれないかという。さっきからビジネスの交渉に来たといっているだろうというクワーク。クワークはこの星にはほかにも国がある、場所を変えて交渉するという。ロシアに売りつけるというのかというデニングに、できればそんなことしたくない、オーストラリアと取り引きしたいというクワーク。アメリカだというデニング。誰も断るとは言っていない、ただイエスと言える権限がないという。大統領の許可がないとというと、待つよと言うクワーク。味方として忠告させてくれといい、自分に無頓着すぎる、タバコと言うものは原子爆弾と同じで百害あって一利なしだと言う。なぜ原子爆弾を知っていると聞かれ、あんたらの星を研究しているからなというクワーク。ほかにも野球にルートビアー、ダーツも知っているという。地球の文化はなかなかで、フェレンギのテクノロジーを加えれば恐いものはないというクワーク。早く大統領に聞いてきなよという。
君の星の女性はみんな裸で歩き回っているのかいと聞くカールソン。法律なんだというロム。私はあなたの星へはいけないわねとガーランドは言う。ノーグはまた耳がおかしいので、マッサージしてくれないかとガーランドに頼む。ドクターに見てもらった方がいいというガーランドだが、ノーグはあなたで十分だという。耳をなでられ、気持ちよさそうに声を上げるノーグ。ロムも、そう言えば俺も耳が変だといった。クワークが部屋に帰ってくる。交渉はどうだったと聞くロム。カールソンは気遣ってガーランドと一緒に部屋を出ていった。クワークはガーランドはどうも気に食わない、なんか楽しそうでという。解放してくれるのと聞くノーグに、クワークは心配するな、全てうまくいっているという。急にまだ部屋にいたシェパードが吠えた。変なもの忘れていきやがってというクワーク。シェパードはクワークに近づき、抱き付いて来た。兄貴のことが好きなんだというロム。するとそのシェパードはからだを変化させ、オドーの姿になった。元気そうだなというオドー。何やってるんだというクワークに、キマサイト密輸の罪で逮捕しに来たという。船の中に隠れていたのかというロム。オドーは誰かが向かってきているからよく聞けといい、船は裏の格納庫にあるという。エンジンは動くので運が良ければ脱出できるだろうというオドーに、400年前に来ていることには変わらないというノーグ。ロムはキマサイトを使って元の時空にワープできるかもしれないという。十分なエネルギーがあれば亜空間連続体を歪めて時間のゆがみを作り、ワープができるはずだ。十分なエネルギーはどこにあると聞くオドー。しかしクワークはどこにも行かないと言い出す。1年以内に乗っ取るというクワーク。軍事基地をと聞くロムに、惑星全体だというクワーク。鼻で笑うオドー。クワークはこの地球人達は連邦の人間とは似ても似つかず、残忍でぐずで貪欲だという。お前そっくりだなというオドー。だから扱い易いというクワーク。歴史が変わったらどうするんだとノーグにいわれ、結構、もっといい歴史にしてみせるというクワーク。フェレンギ星と連絡が取れれば船を売れ、そうすれば地球人やクリンゴン人、ヴァルカン人よりも何世紀も早くワープ技術を開発したことになるという。そうすればゼクも及ばないような偉大な経済大国を作り上げ、俺がその指導者になるというクワーク。すぐにでも実現できそうな口振りだなというオドー。あきらめろ、6時間以内に船の準備をし、その船にみんな乗り組むんだという。クワークは俺も、俺の船も絶対戻らないという。オドーはそれはどうかなといいながら、再びシェパードの姿に戻った。
外で待っているウェインライトのところに、デニングがジープに乗って戻って来た。大統領は何とと聞くウェインライト。あの民主党のピアノ弾きは見かけほど馬鹿じゃないらしいといい、引き続き調査はするが取引には応じないというデニング。全てデニング達に任せるということだった。ウェインライトは正体を暴いてみせるといい、中へ入っていった。
これは一世一代のチャンスだというクワーク。ロムに危険だといわれるが、危険な道ほど見返りはでかいという。じゃあ金儲けの秘訣203条はといい、「新しい客はカミソリの歯をもった甘い虫だと思え、汁は多いが噛み付かれれば終わりだ」※24というロム。噛み付かれるのは未開人のアホの方だというクワーク。すると部屋にいきなり、軍人たちが入って来た。3人は何もできないまま頭に袋をかぶらされる。
息ができないじゃないか、袋を取れというクワーク。袋を取られると、これはどういうことだ、デニング将軍に会わせろという。納得のいく説明のない限り取引はロシアとするというと、ウェインライトはそこからはじめようといい、ロシアについて知っている情報を吐けという。近づいてくるガーランド。その手には注射器が握られていた。言葉を失うクワーク。

※24: No.203 "New customers are like razor-toothed Greeworms. They can be succulent, but sometimes they bite back."

腕に注射され、叫び声を上げるクワーク。頼む、いいかげんにやめてくれという。5回も静脈用麻酔薬※25を注射しているが効かないというガーランド。彼らの生化学は人類とは異なるとカールソンは言う。だったら針を刺すのはやめてくれというクワーク。ガーランドは間違っているといい、お客様だという。こいつらは生き物で、宇宙からの侵略者だというウェインライト。クワークに、いつまでも強情を張っていると針よりも恐いものが待っていると脅す。そして近くにあったメスを取り、前からずっと火星人を調べてみたいと思っていたんだというウェインライト。クワークの喉元に近づけた。法律で禁じられていないのというノーグに、ウェインライトは国家の安全に関わるときはなという。そしてどれから刻むとしようといい、今度はロムの喉元にメスを近づける。来た目的を尋ねられ、ワープの事故だ、いとこのゲイラのせいなんだというロム。マミーに会わせてくれと嘆く。ノーグは全部話すといい、僕たちはフェレンギ艦隊の偵察兵だという。やっぱりそうかというウェインライト。地球人の未開人どもを研究してきて、今が侵略するときだというノーグ。クワークは慌てて、でたらめだという。ノーグはクワークに向かって司令長官と呼び、これ以上だませませんという。この星は終わりだ、この瞬間にも300隻の宇宙艦隊が地球に向かっているという。マミーと声を上げ続けるロム。こいつはどうかしちまったんだというクワーク。俺達は害はない、商売をしに来ただけだという。侵略の話は信じられないというカールソンに、ウェインライトはお前たち科学者は子供と同じだといい、現実を見ようとしないという。そしてノーグに続けろという。時間が来たら偽装装置を解除して、クリンゴン突撃部隊の転送を開始するというノーグ。着陸ゾーンめがけて真っ直ぐだという。どこに着陸するんだと聞くウェインライト。男は皆殺しにし、女は星に連れて帰るというノーグ。ウェインライトはどこに着陸するんだとまた聞く。ノーグは縄を解け、地図で教えてやるという。部下の一人に縄を解かせ、もう一人に将軍にお疑いの通りだと伝えろと命令するウェインライト。ノーグは地図の前に立ち指差して着陸するのはここだという。クリーブランドかと聞くウェインライト。ノーグはそこじゃないといいながら、いきなりウェインライトの腹に肘鉄を食らわせた。銃を落とすウェインライト。警備兵が銃を突き付ける。撃たないでというガーランド。ノーグはわざとじゃない、ちょっとつまづいてという。立ち上がりながら撃てというウェインライト。だがその時、カールソンが警備兵を殴り倒した。ガーランドもウェインライトの頭を金属の板で殴り、倒れるウェインライト。後1時間早くやってくれたらなというクワーク。カールソンは縄を解いてやりながら、早く逃げようという。後で困るんじゃないのというロム。助けようとしているのは自分の意志だとクワークが言うと、ガーランドはマインドコントロールしてるのねという。そういうことだというクワーク。未開人にしては頭がいいとノーグも言う。船は18格納庫※26にある。カールソンたちと一緒に部屋を逃げ出す3人。
ガーランドは警備兵たちにウェインライトが呼んでいたと嘘を言い、その隙にクワークたちを外へ連れ出した。だが銃を持った兵士とデニングが現れ、止まれという。クワークは指をガーランドに突きつけ、動くな、さもないと分解するという。死の光線って言うんだというクワークに、ただの指にしか見えないと言うデニング。その時後ろのトラックからオドーが固体化して現れた。兵士を殴り倒していく。デニングも一発で倒してしまった。彼は誰だと聞くカールソンに、俺のナイトだよとクワークは言った。そろそろ船に乗らないかというオドー。
クワークたちを乗せたジープが18格納庫の前に着いた。本当に今日原子爆弾を爆発させるのと聞くノーグ。ガーランドは新聞に載っていた、ネバダ州の実験場だという。本当に役に立つのと聞かれ、ロムは原理を説明し始めるが、クワークは地球人に分かるわけないだろうと止める。爆発は5時、あと7分しかないと言うカールソンだが、ロムは間に合うと言う。そして握手をしあった。地球人だが認めてやると言うクワーク。ガーランドは人類が宇宙に進出して、巨大な惑星連合の一員になるのが夢だという。連邦のことだねというロム。聞き返すガーランドに、クワークはこいつは馬鹿だから相手にしないでくれと言う。宇宙は物騒なところだ、地球にいた方がいいという。オドーに言われ、格納庫に入る3人。カールソンとガーランドは再びジープに乗る。巨大な惑星連合なんて、突拍子もない事を言うもんだと言うカールソン。2人はキスをした。ジープが発進するのと同時に、格納庫の屋根を破ってシャトルが姿を現した。
ウェインライトが銃を持って出て来た。デニングを起こす。最後に一筋の光を見た。どうしましょうとウェインライトに尋ねられ、デニングは何のことはない、我々が見つけたのはただの気球だと言った。
オドーはどうやって時空を戻るのかを聞く。爆発に合わせて、キマサイトをベータ放射線にさらすというロム。キマサイトが十分なら、時空を逆流できる。さすが父さんというノーグ。オドーは失敗したらお前の責任として拘留するという。ついてきてくれと頼んだ覚えはないというクワーク。目的地に到着した。つかまるように言うロム。砂漠の上に大爆発が起こり、キノコ雲が立ち上る。シャトルはその中へ突入していった。
揺れる船の中で、しゃれにならないなというクワーク。オドーはロムに大丈夫と言ってやれという。ロムはクワークに大丈夫だというが、多分ねとつけたした。そして、船内は閃光に包まれた。
シャトルが空間を超え、姿を現した。成功したのかなというノーグ。死後の世界ではなさそうだとロムが言う。時代を確かめろというクワーク。機械のランプが赤く光っている。通信が入っているのだ。相手は地球軌道管制塔だった。誘導が必要かを尋ねている。お願いしますと喜ぶノーグ。船を送り、誘導するという。ロムはノーグに艦隊アカデミーにやっとたどりついたという。クワークは覚えとけよと言い、地球人は優しそうに見えても中身は狂暴な未開人だという。でも好きだなと言うノーグ。クワークはあきらめた表情をした。
DS9に戻り、やはり家はいい、兄貴は早くバーが見たいんじゃないと聞くロム。もう少しで銀河を支配できるところだったのにと言うクワーク。ロムはいい方に考えようと、無事に戻ってこられたという。ゲイラに仕返しするためになと言うクワーク。だがオドーがクワークの腕をつかんだ。キマサイト密輸の罪で拘留すると言う。24世紀に戻るために全部使ったため、証拠はないと言うクワーク。 後で調停員※27に言えというオドー。クワークは無実だ、何もしていないという。弁護士を頼めとロムに言う。ゲイラに言ってみるよ、有能な弁護士だからねと言うロム。クワークがオドーに連れて行かれるのを見て、ロムは2,3週間後にねといい、にやりと笑うのだった。

※25: sodium pentothal というもの

※26: Hanger 18

※27: arbiter


・感想
以前から聞いていて楽しみでしたが、その期待通りのエピソードでした。言葉が通じず、地球人がクワークたちの真似をするところは最高です。原子爆弾やタバコに対するクワークの言葉は、考えさせられるものがあります。ロズウェル事件というのは本当にアメリカ人には深く根づいているんですね。フェレンギの死後の世界についての内容も、興味深いと思います。ただ、本当のファースト・コンタクトがクワークたちだとしたら、悲しすぎますが。


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