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ディープスペースナイン エピソードガイド
第81話「カーレスの剣」
The Sword of Kahless

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・イントロダクション
※1クワークの店では、クリンゴン人コール※2がたくさんの人の前で、自分の武勇伝を聞かせていた。カング※3とコロス※4と共に、トナッグ※5軍と戦った話だ。クワークはちょっと離れて座っているウォーフに近寄り、クリンゴンの武勇伝は最低だという。人が死ぬだけで得する奴がいないというクワーク。炎の壁を越え、溶岩の川を進み、24人を殺したと話すコール。ベシアはオドーに信じるかと小声で聞く。オドーはやはり信じていない。キラも3人で軍隊相手になんてといっている。面白ければいいでしょというオブライエン。カングが高台に登り、太陽を背にして目くらましにしたというコールに、ダックスはカングはあなたが高台に登ったといっていたという。些細なことだ、最後には山肌が屍で埋め尽くされたというコール。トナッグの屍もあった、川を赤く染めていたという。誰が殺したのかはわからない。そして3人はトナッグの心臓をえぐりとり、勝利を祝ったという。ダックスは降参といい、笑う一同。コールも笑い、もっとブラッドワインを飲めという。飲み過ぎたからお茶にしておくというダックス。
ダックスはウォーフのところに近づく。ダックスはウォーフがいたのを知らなかった。コールに紹介しようとするダックスだが、ウォーフは大抵のクリンゴン人は俺を裏切り者と思っているからといって断る。コールは普通のクリンゴンじゃないといい、ダックスはコールを呼ぶ。ダックスに紹介されると、お前が裏切り者のウォーフかという。そして微笑み、会えて嬉しいというコール。ガウロンと最高評議会の敵なら、わしの友だと言って手を差し出す。ウォーフはコールを崇拝していると言うダックス。3人は席に座る。コールの武勇伝を聞いて育ったというウォーフ。オカディアでのクールとの戦いや、ロミュラン進攻の話、カーマの運河※6での攻防という。過去の栄光もこれから自分がなそうとしていることに比べれば取るに足りないと言うコール。コールは古代からクリンゴンに伝わる、歴史的な遺産を求めて旅をしていると話す。建国以前の、グボッグのたいまつ※7よりも遥かに神聖なと言うコール。サバックの鎧※8や皇帝の冠よりもだという。何だかわかるかと聞くコール。ウォーフはカーレスの剣※9かと言った。ああというコール。誰にも言うなといったのにと怒るダックス。ありかを突き止めた、初代皇帝カーレスのバトラフ※10が今蘇ると言うコール。ウォーフはあの剣が見つかれば、クリンゴン帝国の歴史が変わるに違いない、ありかをご存知なら我々で皇帝に返そうと言うウォーフ。お供させて下さいという。肝っ魂も深そうだ、ガウロンのやつ地団太を踏むだろうと笑うコール。ウォーフは命も懸ける覚悟だ。われらの名は語り継がれ、英雄の殿堂※11に銅像が飾られるだろうとコールは言う。ありかを見つけるのが先でしょ、どうしてわかったのと聞くダックス。コールは懐から古びた布※12を取り出し、広げてみせた。そこには剣の形が残っていた。紛れもなくカーレスの剣の形だと言うウォーフ。ダックスはこんなものしょっちゅう行商人が売りに来ているという。コールは買ったのではなく、人から譲り受けたという。まずは本物かどうかを調べて欲しいという。朝一番に科学ラボで鑑定するというダックス。ウォーフは今からではというが、ブラッドワインで頭が回っているというダックス。コールにも寝るように勧める。最後の一杯を飲んでからといい、マージョラム※13というコール。ダックスもそういって歩いていった。カーレスの剣を皇帝にお渡ししたら、ガウロンはどういう顔をするかのうと笑うコール。
コールは酔いつぶれて部屋に帰って来た。だがいきなり、部屋で待ち構えていたレシア人※14に頭をつかまれる。手からエネルギーを発する。気を失い床に倒れたコールに手を近づけ、頭の中を見せろというレシア人。

※1: TNGラフォージ役のレヴァー・バートンが監督です

※2: Kor (ジョン・コリコス John Colicos) TOS第27話 "Errand of Mercy" 「クリンゴン帝国の侵略」に登場した、ST初めてのクリンゴン人

※3: カーン Kang TOS第66話 "Day of the Dove" 「宇宙の怪! 怒りを喰う!?」に登場

※4: Koloth TOS第42話 "The Trouble with Tribbles" 「新種クアドトリティケール」に登場、以上3人は DS9第39話 "Blood Oath" 「血の誓い」にも登場。ダックスとは義兄弟の関係

※5: T'nag

※6: Korma Pass

※7: Torch of G'boj

※8: Sabak's armor

※9: Sword of Kahless 初代皇帝カーレス (Kahless the Unforgettable) については TOS 第77話 "The Savage Curtain" 「未確認惑星の岩石人間」、TNG第149話 "Rightful Heir" 「クリンゴン神カーレスの復活」を参照

※10: バトレス bat'leth TNG第81話 "Reunion" 「勇者の名の下に」に初登場したクリンゴンの剣

※11: Hall of Heroes

※12: Shroud of the Sword というもの

※13: Maj ram = "Good Night"

※14: Lethean DS9第64話 "Distant Voices" 「老化促進テレパシー」に登場した種族。このレシア人は Soto (トム・モーガ Tom Morga TNG第136話 "Chain of Command, Part I" 「戦闘種族カーデシア星人(前編)」のグリン・コラック (Glinn Corak)、第141話 "Tapestry" 「運命の分かれ道」のノーシカンその3 (Nausicaan #3)、DS9第48話 "The Search, Part II" 「ドミニオンの野望(後編)」のジェムハダー兵士 (Jem'Hadar Soldier)、VOY第30話 "Alliances" 「平和協定」のミニス (Minnis)、映画 TMP "The Motion Picture" 「スター・トレック」のクリンゴン人クルー (Klingon crewman)、ST6 "The Undiscovered Country" 「未知の世界」の野獣 (The Brute) 役、VOY のスタント代役、映画 ST2 "The Wrath of Khan" 「カーンの逆襲」、ST3 "The Search for Spock" 「ミスター・スポックを探せ!」、ST5 "The Final Frontier" 「新たなる未知へ」、第10作 "Star Trek Nemesis" 「ネメシス/S.T.X」のスタント、ENT第63話 "Carpenter Street" にも出演) ですが、名前は出てきません


・本編
床で寝たままのコールの部屋にダックスがたずねて来た。床で寝たのと聞くダックス。クワークの安いブラッドワインのせいで悪酔いしたという。ウォーフも司令室で赤い目をしてるというダックス。店じまいまで飲んでいた、フェレンギにバーから追い出されたというコール。それからウォーフ秘蔵のイリディアン・ブランデー※15を開けたことを思い出す。ウォーフは旅に出れるということで感激していた、鑑定結果次第だがなというコール。ダックスは検出されたDNAはクリンゴン人とハーク人※16のもので、金属粒子もクリンゴンのバトラフのものと判明したという。それも1,400年前のものだというダックス。コールは大きく目を見開き、カーレスの時代だ、わしのにらんだ通りだという。いつ出発すると聞くコール。シスコに許可をもらってから、その前に質問に答えてというダックス。布をどこで手に入れたかだ。
ガンマ宇宙域へと聞くシスコ。ダックスはある惑星で、ヴァルカンの地質調査チームがバクリニウムを採掘しているとき、偶然遺跡を発掘したという。その出土品の一部を以前ヴァルカン大使だったコールがもらってきたのだ。布にあったハークの紋章を見たコールが、是非もらいたいと頼み込んだという。ハークと聞き、クリンゴン語でアウトサイダーという意味だろうと聞くシスコ。ウォーフは、ハーク人は千年以上前にクリンゴン星を侵略した種族だという。その時に奪われた剣を探していた、剣が戻るとき新たな夜明けが訪れると信じられているという。剣さえあれば皇帝は帝国を統一できるというウォーフ。宇宙艦隊が剣を見つけるのを手伝えば、悪化したクリンゴンとの関係を修復できるかもしれないというシスコ。ダックスももちろん旅にいきたがっている。リオグランデを使わせていただきたいというウォーフ。シスコは無事剣を取り戻してくれと言った。ありがとうというダックス。
リオグランデが発進した。ワームホールにコースを取る。コールが待てといい、記念すべき瞬間だという。ダハールを治めたるコール、7つの人生を歩んで来たトリル族ダックス、そしてモーグの息子のウォーフ。ガウロンに牙をむく3人が手を取り、今ここに運命の一歩を踏み出すというコール。そして進み始めるシャトル。目の前に広がるワームホールを見て、コールは素晴らしき日だといった。
ウォーフは操縦席のところでモクバラ※17の練習をして、ダックスにこんな狭いところでと注意される。後部船室でやろうと思ったがコールが寝ていたのでというウォーフ。ウォーフは動きを止め、ダックスにコールに紹介してくれてありがとうと感謝する。仲間は多い方がいいというダックス。コールがうがいをしながら出て来た。水をのみ、アルヴァニアのナマケモノ※18みたいによく寝たという。だが素晴らしい夢を見た、3人が英雄の殿堂に立ち皇帝にバトラフを捧げていたという。そばにはカングとコロスの銅像がそびえたち、群集が我々の名前を呼びつづける。そのとき奇跡が起こり、銅像に命が吹き込まれカングとコロスが生き返ったというコール。カング、コロス、そしてコールの3人が再び集ったのだという。
リオグランデは惑星※19の軌道上に到着した。地下数キロのところに複雑な建造物とトンネルがある。それはハークの作った町の遺跡だ、今こそやつらの奪ったものを取り返すときだというコール。どこから探せばいいかわからないというダックスに、コールはヴァルカンの調査チームが詳細な地形図を作ってくれたという。バトラフは昔ハークの博物館だったところにあり、ほかにも奪った宝が眠っているという。博物館の位置を指差すコール。ウォーフはフォースフィールドが張られていることに気付く。ヴァルカン人は足止めを食った、中にはいるのは我々が最初だとコールはいう。フォースフィールドがあるのを知ってて黙ってたわねというダックス。コールはダックスが突破できると信じていたという。
フォースフィールドの前に転送される3人。トリコーダーを使い調べるダックス。軽く触れると、確かにフィールドが張られている。メインルームがあるのはこの奥だ。波長を探りフィールド分解装置で干渉波を作り、フィールドを消去させる。はじめはうまくいかないが、電極を逆転させ干渉波を増幅させるとフォースフィールドは消え去った。よくやったというコール。空気が悪いが、何百年もの間閉ざされていたのだから当然だといい、コールは来いといって奥へ歩き始めた。
メインルームに着いた。だがそこには名にも残っていなかった。先に入った者がいるようだなというウォーフ。3人は顔を見合わせた。

※15: Yridian brandy イリディアン (イリディア人) は情報屋として知られる種族

※16: Hur'q

※17: Mok'bara クリンゴンの格闘技。TNG第129話 "Man of the People" 「生命リンクテレパシー」など

※18: Alvanian cave sloth 正確には「アルヴァニアの洞窟のナマケモノ」

※19: Hur'q planet


一足先に全部もっていかれたみたい、残念だったわねというダックス。帝国のためを思うと、というコール。誰の仕業かわかれば追跡できるかもしれないというウォーフだが、コールは今ごろ銀河の果てまで持ち去られてしまっているという。探してみるだけでもというダックスに、コールは君らと違って時間がない、最後に一花咲かせる夢もついえたという。ウォーフは壁際のほこりが壁の前で途切れていることに気付き、ダックスを呼ぶ。トリコーダーで調べると静電気反応がある。ホログラム映像でカモフラージュされているというウォーフ。別の部屋があるのかというコール。だとしたら入るのは難しい、さっきのとは構造が違うというダックス。壁にはセンサーがついており、生命反応を照合している。ハークだけが入れるようにするためだ。本来はハークを連れてこないといけないが、ダックスはトリコーダーでハークの生命反応を真似してみることにする。ハークのDNAデータが残っていた。センサーにトリコーダーを近づけると反応がある。壁に手を伸ばすと、突きぬけた。ハークに化けるのは成功よというダックス。3人は壁の中に入った。
夢じゃないのかというウォーフ。そこには確かに、カーレスの剣※20が置いてあった。千年もの間クリンゴンが待ちわびた瞬間だというコール。ダックスはトリコーダーで調べ、年代も材質もデザインも一致するという。一目見れば疑う余地はないというコール。ウォーフはコールに、最初に手にするのはあなたですという。コールはしっかりと剣を握り、高く掲げた。これほど素晴らしい剣はないというコール。これが初代皇帝カーレスが触れたバトラフかという。そしてウォーフに手渡す。これがモラーを倒し、フェクリを制して帝国の基礎を築いた剣だ、この手にすることができるとはというウォーフ。ダックスはフィールド分解装置は長く持たないため、戻りましょうという。
3人が部屋を出る。だがそこには何人ものクリンゴン人が待ち構えていた。おめでとう、剣を見つけたようだなというクリンゴン。何者だと聞くと、ウォーフに聞けという。ウォーフはそのクリンゴン人はトラル※21、デュラス一族のものだといった。久しぶりだなというトラル。コールとはトルナ4※22の酒場で会ったが覚えていないかという。カーレスの剣のことをしゃべるコールの話を聞いて興味をそそられ、このレシア人を使って心を読ませてもらったという。何が望みとダックスにいわれ、その剣さというトラル。ウォーフが皇帝に捧げるというと、名誉回復を狙っているのだろう、だが剣は頂くという。お前こそ最高評議会への返り咲きをもくろんでいるのだろうというウォーフ。トラルはくれてやる気はない、この剣で帝国を動かすという。情けをかけ俺の命を奪わなかったことを後悔するがいいというトラル。剣をよこせといわれ、断るというコール。力ずくで頂くというトラルに、ウォーフは欲しいというならくれてやるという。コールに目配せをするウォーフ。ダックスはうなずいた。コールは剣を渡す。だがその瞬間、剣を使って相手を倒した。ウォーフも手に持った短剣で戦う。肩を刺されてしまうが、敵を倒すウォーフ。カーレスの剣で戦うコール。ダックスもレシア人を殴り倒した。急いで逃げ出す3人。レシア人とトラルが追いかける。
敵はディスラプターを撃ってきた。ウォーフはフィールド分解装置を壊し、フォースフィールドを復活させた。レシア人はフィールドにぶつかった。悔しがるトラル。
ウォーフの肩を見るダックス。早く止血しなければならない。リオグランデに連絡を取るが、クリンゴンの妨害シグナルに阻まれてしまっている。地上に出れば解除できるというウォーフ。ダックスはコールに追手が来ないかみててと頼むが、コールはさっき殺したクリンゴン人の顔を見たか、最高の栄誉に預かったような顔で死んでいったという。やつらがフォースフィールドを破らないうちに急ごうというウォーフ。
トラルの命がどうとかいってたが、何の話だと聞くコール。デュラス一族がウォーフの父を陥れたことがわかったとき、ガウロンはトラルを殺せといったが断ったという※23。罪のない子供だったからというウォーフに、コールは名誉の問題だという。ウォーフの自由よというダックス。やはり皆のいっていた通りだったか、お前は連邦育ちの半端者だというコール。トラルを殺していればこんなことにならなかったという。そもそも酔っ払って計画をしゃべったのが悪いというウォーフ。レシア人がテレパシーで頭を覗きみたからだというコールに、それにしても軽率だという。お前こそクリンゴン人らしくないというコール。ウォーフは何も言わず先へ進んでいった。ダックスはコールに今の言葉はあんまりだ、この旅に同行させてもらってとても喜んでいたのよという。ウォーフをかいかぶっていたようだ、復讐の権利を捨てるのはとても戦士とは言えないというコール。やつは信用できん、この大事な旅に連れて来たのが間違いだったといった。

※20: やはりバトラフに似ていますが、複雑で細かく模様が入っています

※21: Toral (Rick Pasqualone) デュラスの非嫡出子。TNG第101・101話 "Redemption, Part I & II" 「クリンゴン帝国の危機(前)(後)」に登場。ただしその時トラルを演じたのはJ・D・クルム (J. D. Cullum)

※22: Torna IV

※23: "Redemption, Part II" より


3人は岩陰に隠れながらゆっくり進んでいる。相手を追いつめた。ダックスがフェイザーを構え、コールの合図で発射する。コールが持って来たのは大きな洞窟のネズミ※24だった。何それと聞くダックスに、コールは昼飯だと答えた。
ネズミを焼いて食べる3人。狩りをした後は格別においしいというウォーフ。げてものだというダックスに、コールは武勇伝に色を添えてくれるという。大袈裟に話をして笑うコールとダックス。真の戦士は誇張する必要はないというウォーフ。コールは称える歌ができたとき、「ウォーフは手ぶらだった」では寂しかろうという。カーレスの剣に肉を突き刺して食べようとするコールをウォーフが止め、敬うべきだと近くの壁に立てかけた。ハークと同じで骨董品と思っているというコール。カーレスだって蛇※25の皮をはいだりするのにこの剣を使った、だがウォーフはうやうやしく皇帝に捧げることしか考えていないという。栄光が手に入るではないかというウォーフ。皇帝も民衆をまとめられるという。コールは皇帝はガウロンの人形に過ぎないという。カーデシア進攻にも反対なされたというウォーフ。止めるだけの力がなかったとコールが言うと、だからこそカーレスの剣が必要だと言う。皇帝ははりぼてだ、僧侶たちが復活させたクローンに過ぎず、ウォーフが手助けしなければ今の地位につくことはできなかったというコール。必要だと思ったからだというウォーフ※26。コールはこの剣が国を治めてくれる、しかしガウロンやカーレス皇帝ではだめだという。鍛えぬかれた体を持った真の戦士、例えばカングやコロスのようなというコール。ウォーフはあなたのような、と聞いた。コールはしばらく黙り、それから自分も国を憂いているといった。ダックスは先に進もうとするが、ウォーフは国を治めるつもりなのかとコールに聞く。それよりも君たちを地上に導くのが先だといい、コールは歩き出した。ウォーフとダックスは目をかわし、コールの後を追う。
ウォーフはダックスに包帯を代えるようにいわれ、最初は断るが出血がひどいためダックスに代えてもらう。コールはまた獲物を探しに歩いていった。ウォーフはコールが先ほどの質問の答えをはぐらかしたという。コールは英雄で、剣を持って凱旋すれば権力をつかめるという。気に入らないとダックスに聞かれ、コールは人格者じゃないというウォーフ。ダックスはコールとは長い付き合いで曲がったことをしないという。コールは嘘もつくし、ミスも人のせいにする。しかしコールの言った通り剣だけではガウロンに対抗するにはカーレスは弱いというウォーフ。もう何を信じていいのかわからないという。だがコールからカーレスの剣の話を聞いたときは、必ず見つけられると思ったというウォーフ。ダックスは半分疑っていた。ウォーフははじめて自分の生き方を見つけたような気がしたという。地球で育てられたが地球人はなりきれず、子供の頃どうしても故郷を見たくなり、育ての親にクリンゴンの親戚の家を訪ねたことを話すウォーフ。クロノスの大聖堂を見て、はじめてふるさとに帰って来たと思ったが、親戚はよそ者のウォーフを快く思っていなかった。ウォーフは悲しくて近くの山に逃げ飲まず食わずですごし、そしてノーマット※27の洞窟で眠っているとカーレスが現れた。そしてどのクリンゴンもできなかったことを実現するだろうと預言したという。地球に帰ったウォーフは言葉の意味を考え、宇宙艦隊に入った。カーレスの言葉はそのことだと思っていたが、俺には別の大きな使命があったというウォーフ。今まで苦しんで来たのは試練であり、そして剣を見つけた。剣を手にしたとき、カーレスは俺に剣を持ち、民を導けとおっしゃっているのだというウォーフ。コールと同じねというダックス。コールは戦士としての盛りは過ぎたが、俺はこれからだというウォーフ。2人で剣を奪い合うつもりとダックスが聞く。その話を、コールは岩陰から聞いていた。

※24: cave-rat

※25: serpent of Xol 正確には「ゾルの蛇」

※26: "Rightful Heir" より

※27: No'Mat クリンゴンの惑星。TNG第143話 "Birthright, Part I" 「バースライト(前)」より


洞窟を進みつづける3人。どれくらいで出られるかはまだわからない。行き止まりに出てしまいコールは引き返そうとするが、ウォーフが通れるとがけを指差す。3人は壁伝いにがけを渡り始めた。だがコールが足を滑らせ、谷へ落ちそうになる。すぐにウォーフがコールの持っていたカーレスの剣をつかみ、ダックスはウォーフを助ける。剣をしっかりとつかむコール。ウォーフはすぐ下に足場があるから手を離すように言う。足場は見えないというコール。ダックスからも見えない。ウォーフはこれ以上は支えきれない、手を離して降りろという。足場なんて嘘だろう、それならお前が手を離せというコール。ウォーフはこの剣が転がったらどうするという。コールは剣は渡さない、墓場まで持っていくという。ダックスがしっかり捕まって、引き上げるという。ウォーフも力を入れ、何とかコールを引き上げた。カーレスの剣を持ち先へ進むウォーフ。コールは谷をみて、ウォーフを追いかけた。ダックスも下を覗き込んでいる。
あれのどこが足場だ、ヤギ※28ならいいだろうがというコール。落ちて死ねばいいと思ったのだろう、剣を一人占めするためにという。あれで剣を失われたらクリンゴンの未来はどうなるというウォーフ。よこせというコール。しかしウォーフは渡さない。コールは短剣を抜いた。ウォーフもカーレスの剣を構え、向き合う2人。ダックスが駆け付け、いい加減にしてという。剣は私が預かるというダックス。ダックスの頼みにやっとでコールも短剣を下ろし、カーレスの剣はダックスが手に取った。やはりこの男は信用ならんというコール。コールに年のせいで、ブラッドワインでおかしくなったかというウォーフ。ダックスはおかしいのはウォーフだという。足場は崩れるのは目に見えていたというと、踏み外すのが悪い、突き落としたわけじゃないというウォーフ。落ちたとしても自分が悪いんだという。
ウォーフは休憩を取ろうとダックスに言う。俺が見張るというウォーフに、コールはおとなしく眠ると思うのかという。嫌なら眠らなくても結構というウォーフ。コールは自分が見張るという。休養を取らなければいけないといわれ、疲れていないというウォーフ。3人はそれぞれ腰を下ろした。これほどの宝ならおちおち寝ていられない、いつ誰に盗まれるかわからないからなというコール。ついに本音が出たなとウォーフはいう。剣は抱えている、どこにもやらないというダックス。フェイザーを手に取り、それを剣に向けて構えたまま眠りにつこうとする。いきなりコールは音が聞こえる、カーレスの魂の声だという。ウォーフに語り掛けているといい、邪魔ものを消し、聖なる剣を手にするがいいという声だというコール。酔っ払いの戯言だというウォーフ。ダックスは2人とも静かにして、眠るからと怒る。見張っているから安心しろというコール。2人はにらみ合ったままだ。ダックスは眠りについた。

※28: Degebian mountain goat 正確には「デゲビアン山ヤギ」


ダックスは、ウォーフの我慢できないという怒鳴り声を聞いて飛び起きた。3時間ずっとにらみっぱなしだというウォーフ。お前こそ汚い目でにらんでいるというコール。ダックスは休む気がないなら出発するといい、歩き出す。裏切り者とは一緒にいられないというコールに、ウォーフはこっちのセリフだといい剣を構えた。コールも短剣を取り出す。やめるようにダックス。だが口を出すな、自分たちのやり方で決着をつけるという2人。戦い始めたその時、敵がディスラプターを発砲して来た。その勢いで倒れ、剣を落とすダックス。逃げるのよといい隠れる。だがコールはカーレスの剣を手に取り、一声叫ぶと2人の敵に突っ込んでいった。殺されるというダックス。カーレスの剣があるから大丈夫だというウォーフ。そしてウォーフも戦いに加わった。ダックスはレシア人に応戦する。頭をつかもうとするレシア人。しかし後ろからコールが剣で倒した。ウォーフが次にカーレスの剣を取り、敵を倒す。その切れ味に驚くウォーフ。だが剣をよこせとコールが飛びかかった。取っ組み合いが始まる。やめてと叫ぶダックス。ウォーフはコールの首をつかみ、壁に押し付けた。苦しむコール。ついにダックスはフェイザーをとり、ウォーフを撃った。倒れるウォーフ。やはりお前は味方だというコール。ダックスは黙っててというと、コールもフェイザーで麻痺させた。そして生き残りのクリンゴン人にフェイザーを突き付けると、通信を妨害していたのを解除するようにいった。
飛行するシャトル。カーレスの剣を台に置くダックス。コールは本当にやる気なのかとウォーフに聞く。今はこうするしかないとウォーフは答える。クリンゴンの希望の象徴がやっと戻って来たのにというコール。我々は未熟だ、私たちが争ったように国中で醜い争いが起こるとウォーフは言う。最後にもう一度触ろうとするコールをウォーフは止め、見つける運命ではなかったという。見つけたのは運命だというコール。だが剣を持つべきものはほかにいるのだという。そしてウォーフは、カーレスの剣を転送させた。これが一番よというダックス。これで剣はまた長い眠りにつくというコール。ウォーフは時が来れば必ず目覚めるはずです、それが運命ならと言う。シャトルの後には、宇宙を漂うカーレスの剣だけが残された。


・感想
再登場のコールと共に、伝説の武器についてのウォーフとの争いが起こります。手に入れれば国を治めることができるという誘惑は、やはり強いものだと思います。カーレスの剣が再び発見されたとき、また数千年後になるかもしれませんが、そのときには持つべきふさわしい人物が生まれているんでしょうか。以前のエピソードとの関わりも結構ありました。また珍しく、話にサブストーリーがありませんでした。


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