箱がたくさん置かれた区画。台の上に、さらに新しい箱が転送された。パッドを置いたピカードが近づく。箱を開ける私服のピカード。中には何丁もフェイザーライフルが入っている。箱を台から下ろし始める。その時音がして、データの声が聞こえてきた。
「探知を避けるため転送グリッドを別経路にするのは賢い方法です。しかしながら、転送機は午前2時以降には稀にしか使われません。」
ハッチが開き始める。そこにいるのはデータだけではない。ラフォージ、ライカー、トロイ、ウォーフ、そしてクラッシャー。ハッチが完全に開き、ピカードに近づく部下たち。
トロイ:「艦長用ヨットでお出かけですか?」
ウォーフ:「ウルトリティウム※70爆発物を 7メートルトン、テトリオンパルス発射機※71を 8機、等磁分解機※72を 10機。」
ライカー:「艦長は狩りでもする計画のようですね。」
全員ヨットの中に入った。「自室に戻れ」というピカード。だが誰も動こうとしない。「命令だ。」
「制服なしでは、命令もなしです」とライカーは言った。
ラフォージ:「艦長、私の視力がここの人々を犠牲にすると知って、また日の出を見ることなんてどうしてできますか?」
データ:「私はこの環境的特質が、ある種の若者にありがちな反抗本能を促したかもしれないことを指摘する義務があるように思います。全員の判断に影響しています、私を除いてですが、もちろん。」
クラッシャーは尋ねた。「OK、データ。私たちはどうすればいいと思う?」
「鞍を置け」といい、データはフェイザーを手に取った。「鍵を締めて乗り込め。」
全員を見て、ピカードは満足げに微笑んだ。説明を始める。「奴らは惑星にまだ人が居住している間は手順を始めないだろう、だから我々の仕事は惑星を居住させた状態にしておくことだ。ウィル、ジョーディ、戻ってここで起こっていることを明るみに出してくれ。評議会にバクーを見せるんだ。知らない人々の苦難を見て見ぬふりをするのは非常にたやすいことだ。」
「艦長が気付かないうちに戻ります」とライカーは答えた。ラフォージと共に戻る。
「我々はできるだけ引き延ばす」というピカード。
エンタープライズの下部から、艦長用ヨット※73が部品を外すように現れた。そのままバクーへ向かう。
画面上に、バクーの惑星の輪の映像が映し出されている。次々に波紋が広がるように、輪が乱れていく。部屋に入るガラティン。ルアフォが早速口を開く。
「注入機は全シミュレーションで完璧に機能している。」
ガラティンはうなずくが、すぐに報告する。「アーダー、エンタープライズが軌道を離れた際、補助船の一隻が地表に向かいました。」
「何?」
パッドを渡し、「艦長用ヨットのようです、5人が乗船しています」というガラティン。
「我々は朝までは待たない。今夜シャトルを派遣して地表の全員を捕えろ。」
パッドを受け取り、部屋を出ていこうとするガラティンをルアフォは呼び止めた。「ガラティン。もしピカードや部下が邪魔したら、排除しろ。」
ガラティンは無言でうなずき、扉は閉まった。
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※70: ultritium 化学性爆発物。TNG第45話 "Manhunt" 「魅せられて」など
 ウルトリチウム
※71: tetryon pulse launcher
テトリオンパルスランチャー
単に「発射機」のみ
※72: isomagnetic disintegrator
アイソマグネティック核崩壊機
単に「粉砕機」のみ
※73: captain's yacht エンタープライズD にも設定はされていましたが、未登場に終わった緊急用の船。この艦長用ヨットの名前は「クストー」 (Cousteau) といい、フランス人海洋学者に因んで命名。製作者のリック・バーマンによって名づけられたこの名前は、船内の記念銘版に書かれています (後の脚注参照)。ハーマン・ジマーマンとジョン・イーヴスによるデザイン
 艦長のヨット
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