イバラの茂みを進むエンタープライズ。オプス席のペリム少尉が報告する。
「副長、2隻のソーナ艦が妨害コースで進んでいます。」
「我々に追いつくまでどれくらいだ?」と尋ねるライカーに、「18分です」と答える。操舵席のラフォージが続ける。「少なくともあと 1時間経たないと、ここから出て通信を行うことはできません。」
戦術コンソールを担当しているダニエルズ大尉が「我々に呼びかけています」と言った。ライカーは「トランシーバー・アセンブリーが故障していて、メッセージは送れるが受け取れないと奴らに言え」と命じる。しかし「信じていないようです」というダニエルズ。ライカーが「なぜだ?」と尋ねた直後、船が揺れた。
「光子魚雷か。これは通信機が故障している時の一般的な挨拶じゃないよな?」とラフォージに話すライカー。
「これは嫌いな相手に会った時の一般的な挨拶だと思います。」
再び揺れが起こる。「インパルス全開!」と指示するライカー。艦長席につく。しかしラフォージが、「この茂みではマニフォルドがインパルス全開にはもちません、副長」という。
「もし我々が奴らを振り切れないなら、この船でマニフォルドだけが残るだろうな。」
「機関部にいます」と言い、ラフォージは向かった。「非常警報! 総員、戦闘配置!」というライカー。
休憩中、トロイが隣に座っているクラッシャーに話しかけた。「それで、どうしてバストに張りが出てき始めたと気付いたの?」
「こんな年齢で私たちが気にすることじゃないわ。」
クラッシャーは近くにデータが来ていたことに気付いた。「あら。ありがとう、データ」といい、食料パックを受け取る。2人を見ながら、その場を立ち去るデータ。
ウォーフは、食料パックのふたを閉じた。データが近寄る。「生きたコラー獣※78の血が異常に欲しいんです。この環境がまた私に影響しているに違いありません」というウォーフ。
データは先ほどの言葉を繰り返した。「それで、どうしてバストに張りが出てき始めたと気付いたの? こんな年齢で私たちが気にする…」
その時、2人はこちらに向かってくるソーナのシャトルに気付いた。「隠れろ!」と叫ぶウォーフ。荷物を持ち、急いで山を登り始めるバクー人たち。
2隻のシャトルから、次々にたくさんの小さな機械が空にまかれる。それらのドローン※79は一旦空中で羽を広げ、バクー人たちへ向かった。ドローンから小さな部品が発射され、それが当たった人々は転送されていく。
アーティムを岩陰に隠し、ドローンをフェイザーで狙い撃つデータ。
ピカードとアニージの近くで 1個のドローンが岩にぶつかり、墜落した。フェイザーを撃ち続けるピカード。やって来たウォーフが、落ちているドローンに注目する。「アイソリニアタグです。転送機がこれにロックできます」というウォーフ。
「避難場所を見つけなくては」というピカードに、アニージが「次の丘のふもとに洞穴があるわ」と教えた。「こっちだ!」とバクー人にいうピカード。
フェイザーライフルでドローンを撃つクラッシャー。
ウォーフの近くで、親子が転んでしまった。坂を転がる子供。ドローンがやってくる。ウォーフはドローンを撃ち、子供を助けた。列に戻る親子。
トロイもフェイザーライフルを使っている。ラマに積んであるフェイザーを取るウォーフ。クラッシャーたちと共に山を登る。
ワープナセルから白い煙を吐きながら航行を続けるエンタープライズ。ソーナ艦の攻撃が続く。光子魚雷で反撃する。
「シールド、60%!」と報告するダニエルズ。ラフォージの通信が入る。『機関部よりブリッジ!』 ブリッジでも蒸気が吹き出しているところがある。
機関室では火花が飛んでいる。「重水素が燃えています! これでは自ら爆発します! ソーナ人の助けは全然いりませんよ!」 話しながら消火器を使うラフォージ。
ライカーは尋ねる。「星雲群の中には何がある?」 「彗星の破片、不安定なメトリオンガス※80のポケットです。そこには行きたくないですね、副長」というペリム。スクリーンには不気味な橙色の雲が映し出されている。
「いいや、行くぞ。ここから代わろう、少尉」といい、ライカーは操舵席の男性の代わりに席についた。
「イバラの茂みをウサギどん※81のやり方で使う時だ。」 操舵パネルに手を触れる。
攻撃を受けながら、雲の中へ入っていくエンタープライズ。
ドローンとの攻防は続いている。的確にフェイザーで撃ち落としていくデータ。
ピカードは穴の前に着いた。「洞窟の中だ! 急げ! みんな! こっちだ!」 アニージたちバクー人が中へ入っていく。入口をクラッシャー、ウォーフと共に固めるピカード。しかしウォーフのフェイザーライフルはエネルギーが切れてしまう。クラッシャーとピカードがドローンを撃つが、もらした 1機が向かって来る。ウォーフはフェイザーを斧のように使い、ドローンを叩き壊した。ピカードに向かって言うウォーフ、「間違いなく攻撃的な傾向を感じています、艦長!」
エンタープライズの背後で、ソーナ艦の武器が爆発を起こした。炎の中に、一筋の暗い線が走っている。
「奴らはニトロライト爆発を起こしました! 亜空間断裂※82が形成されています!」というダニエルズ。
「スクリーンに!」と命じるライカー。
エンタープライズの背後の映像が出る。空間に青い裂け目が生じている。ペリムが言う。「亜空間兵器はキトマー協定で禁止されていると思っていました!」
「後で抗議しないとな」というライカー。ラフォージの通信。「我々のワープコアが断裂に対して磁石のように働いています! 空間を越えるジッパーのように引き付けているんです!」 機関室で慌ただしく働く士官たち。
『選択肢は!』
「コアを射出する手があります。」
「それが断裂を止めるのか?」
「参りましたよ、副長。」
ライカーはペリムと顔を見合わせた。「それが君の専門的意見か?」
「ワープコアを爆発させればカスケードを中和するかもしれません。逆に、中和しないかもしれません。亜空間兵器は予測不可能です。だから禁止されたんです。」
ダニエルズが伝える。「断裂が近づいています! 衝突まで 15秒!」
決断するライカー。「コアを射出!」
「もうやりました」とラフォージは言った。
微笑むライカー。「衝突まで 10秒!」 ダニエルズの声が飛ぶ。
エンタープライズの後方に、棒状のワープコアが残された。最後の命令を下すライカー。「爆発させろ!」
ボタンを押すラフォージ。ワープコアは大爆発を起こした。衝撃で吹き飛ばされるエンタープライズ。
機関室、ブリッジの両方でコンソールから火を吹いた。服に火が付いたクルーを消化器で助けながら、「こっちに医者をよこしてくれ!」と叫ぶラフォージ。
倒れていたライカーは起き上がった。ダニエルズが持ち場のパネルを確認する。「成功です、副長! 断裂は封じられました!」
ラフォージは「やりました、でももう一度やられたら止める術はありません。ワープコアは切らしてます」と伝える。※83
「通信圏までまだ 36分あります、副長」というペリム。「こいつらから逃げっぱなしだな」というライカー。
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※78: kolar beast
獣 (けだもの)
※79: drone
訳出なし
マーカー機
※80: metreon gas VOY第15話 "Jetrel" 「殺人兵器メトリオン」ではメトリオン爆弾 (metreon cascade) が言及
 メトレオン・ガス
※81: ブレア・ラビット、ブラ・ラビット Br'er Rabbit "Br'er" はブラザー (brother) のなまり。1880年代初期に出版された、作家ジョーエル・チャンドラー・ハリス作の「リーマスじいやのした話」に登場するキャラクター。イバラの茂みに住んでいます。参照:「ウサギどんキツネどん」 (岩波書店、八波直則訳、ISBN 4-00-111003-2、650円)
この中の話は 1946年にディズニーが「南部の唄」で映画化。さらにディズニーランドのアトラクション「スプラッシュマウンテン」の元にもなり、ウサギどんは園内のディズニーキャラクターの一人になっています。参考:クリッターカントリー; Brer set Bean Bags; ディズニーのキャラクター; ウサギどん
 訳出なし
※82: subspace tear
亜空間爆裂
(亜空間に) 亀裂、宇宙裂層
※83: 左側にベイジョー人の士官が映ります。イヤリングに注目
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