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ヴォイジャー 簡易エピソードガイド
第113話「眩惑のカオス・スペース」
The Fight

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・イントロダクション
「よせ! 奴らを止めてくれ!」 チャコティが医療室のベッドの上で叫ぶ。首には医療器具をつけている。
ドクターは隣で作業をしているセブンに尋ねる。「どうだ?」
「何の関連性もない。神経経路が不安定だ。」 揺れる船。
パリスはチャコティについている。「ドクター! 何とかならないのか。ひどく苦しそうだ。」
ドクター:「今鎮静剤を打てば、異星人とコンタクトできなくなる。」
チャコティ:「奴らを止めろ!」
「私がわかるか。私の声に集中するんだ。」
「奴ら、わけのわからんことをしゃべり続けている。」
「何と言ってるんだ。」
「わからない。止めてくれ、頼む!」
ブリッジのジェインウェイ。「艦長より医療室。チャコティの容態は?」
ドクター:「悪くなる一方です。副長は妄想にとらわれ続けています。」
『もう時間がない。』
報告するトレス。「重力量子のずれで船体がゆがんでいます。カオス・スペース※1から抜け出せなければ、ヴォイジャーは終わりです!」
ヴォイジャーの周りは、波打つ空間で覆われていた。

※1: 混沌空間 chaotic space

・あらすじ
ヴォイジャーは特殊な空間にとらわれ、抜け出すためにはその中に棲む異星人とコンタクトしなくてはならない。それができるのはチャコティだけだったが、彼の祖父のように正気を失うことを恐れている。これまでの経緯が語られる。チャコティはホロデッキで、ブースビーをトレーナーとしてボクシングの試合をしていた。だがその最中、不思議な光景を見て、ノックアウトされてしまった。ヴォイジャーは 2光年に渡って広がる、急速に変化する空間にとらわれる。セブンによれば「カオス・スペース」と呼ばれる空間で、センサーも正常に機能せずシールドにも限界がある。チャコティはホロデッキの外で、ボクシングに関係する幻聴や幻覚を体験するようになる。
ドクターの診察によれば、チャコティの家系がもつ認知障害の遺伝子が、カオス・スペースの影響で目覚めたらしい。チャコティの祖父も幻覚を見たという過去があった。ヴォイジャーは別の難破船を見つけ、その乗組員も幻覚に悩まされた記録を残していた。なぜチャコティだけが幻覚を見るのかわからない。解決法を探るため、ヴィジョンクエストを行う。その中で祖父と出会い、そしてボクシングのリングに立った。目覚めたチャコティは、カオス・スペースの中の異星人がコンタクトしてきたという。彼らは抜け出すための方法を教えてくれようとしているのだが、その言葉は理解できない。
正気を失うことを恐れるチャコティだが、再び異星人とのコンタクトを行う。彼らの声が聞こえないため、ヴィジョンクエストの内容を思いだす。ボクシングの相手は顔を見せない「キッド・カオス」。次々と登場するヴォイジャーのクルー。故郷で祖父との再びの対面。そしてリングに戻った。だが現実の世界に引き戻される。
ビーコンを使って場所を確認しながら脱出しようとするヴォイジャー。だが、最初のビーコンの位置に戻ってきてしまった。セブンの調査により特異なシグナルが見つかった。異星人がコンタクトするために、チャコティだけがもつ、あの遺伝子を利用しているのだ。再び彼を「リング」に戻すようにドクターに命じるジェインウェイ。
ヴォイジャーの船体は限界にきていた。チャコティの遺伝子を完全に覚醒させ、幻覚の中で再びリングに立った。向きあった相手のキッド・カオスの体は、カオス・スペースそのものだった。殴り合うのと同時に、異星人とコンタクトを行う。現実に戻ったチャコティは試合を続けることを拒否するが、ふいに異星人の考えが理解できたと、ブリッジへ向かう。自分でなければできないといい、ディフレクターを調整するチャコティ。コースを見つけ、ついにヴォイジャーはカオス・スペースを抜けることができた。チャコティは再びホロデッキのリングへ向かい、その拳を相手に浴びせるのだった。


・用語解説など
ブースビー
Boothby
(レイ・ウォルストン Ray Walston 2001年1月1日に死去 → 主な出演歴) 宇宙艦隊本部および宇宙艦隊アカデミーの庭師 (のホログラム映像およびチャコティの幻覚)。VOY第98話 "In the Flesh" 「偽造された地球」以来の登場。TNG では「カール・ゴッチ」という勝手な名前で吹き替え。声:大木民夫、ST2 カーン、ST4 スポック、ST5 サイボック他
(ボクサー)
(Carlos Palomino) ホロデッキのテレリアン
祖父
(ネッド・ロメロ Ned Romero TOS第45話 "A Private Little War" 「カヌーソ・ノナの魔力」の Krell、TNG第172話 "Journey's End" 「新たなる旅路」のアンスワラ (Anthwara) 役) チャコティの祖父。クレジットでは「曽祖父 (Great-grandfather)」となっていますが、セリフ中では祖父としか言及されていません。声:中庸助

テレリアン
テレリア人 Terrellian
宇宙旅行を行う文明。DS9第59話 "Life Support" 「バライルの死」で言及。容姿は恐らく初登場
マキのボクサー
Maquis Mauler
チャコティのヴィジョンクエストの中で、ガウンの背中に書かれています
プライス・ジョーンズ
Pryce-jones
ガル・チュレット
Gul Tulet
カーデシア人と思われます
ニュートラル・ゾーン
中立地帯 Neutral Zone
知覚トレメンズ
sensory tremens
レントリリックトリジェクトリー
レントリリック軌道 rentrillic trajectory
キッド・カオス
Kid Chaos
ヴェガス
Vegas
オリオン・スリー
Orion Three
チャコティ・トレーニングプログラム・ベータ-15
Chakotay training program 15-beta
ホロデッキプログラム名

・感想
これまた久々のチャコティ主役のエピソード。幻覚に悩まされて、未経験の空間に入り、異星人の助けを借りて、脱出。至ってありがちな内容、(一応先祖の関連話は出てきますが) 体格だけで選ばれたようなチャコティの主役、意味を考えるのが馬鹿らしいほど意味不明な幻覚シーン、やたら難解なテクノバブル、遺伝子が原因だと明らかなのに何度も同じセリフの繰り返し、現在と過去と妄想がグチャグチャでつかみにくいストーリーの流れ。
駄作です。良いのはブースビーが出たことと、最後のパンチくらいでしょうか。また、吹き替えに気になる箇所が多かったことも付け加えておきます (特に敬語を使わないこと)。


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