艦長日誌、宇宙暦 49655.2。さまざまな植物が生息する星を発見した。食料として利用できる可能性がある。サンプルを採取するため、ミスター・ニーリックスとミスター・トゥヴォックを派遣した。
森の中。空気がおいしいよな、ヴァルカン君というニーリックス。あの空、爽やかだよね、何かわくわくするねと楽しんでいる。そろそろわかっていると思うが、私はわくわくすることなどないのだというトゥヴォック。そんなつまらないこといちいち言ってないで、感じてみなよ、そよぐ風、溢れる日差し、最高だろというニーリックス。トゥヴォックは作業するには適した気候だという。「適した」?、何なんだよといって近づくニーリックス。その言い方、いつにもましてトゥヴォックっぽいという。いつも私は私だ、日によってらしいとからしくないということはないというトゥヴォック。また理論に物言わせようっての、俺が何言いたいかわかってるだろとニーリックスはいう。いいや、残念ながらというトゥヴォック。ニーリックスはわかるように言ってやるといい、自然が好きなんだろと尋ねた。自然の価値は認めてるというトゥヴォックに、じゃあその点では趣味は同じだという。こんないい天気の日に、緑の中いろとりどりのランの花を摘んで、あんたランが好きなんだろというニーリックス。だったらもっと楽しんでよさそうなのに、感動がなさ過ぎるという。なんでもっと楽しまないんだと聞かれ、遊びに来ているんじゃない、サンプルの採集に来たのだというトゥヴォック。仕事しながら楽しんだっていいだろう、だめだって規則でもあるのかというニーリックス。例えば作業しながら歌を歌うのはと提案する。元気が出る、ヴァルカンの歌を覚えたんだ、こういう綺麗な曲があったよなといいながら、歌いはじめる。「星一つない夜空に…。」その歌はヴァルカンの弔いの儀式の歌※1だがというトゥヴォック。知ってるよ、でもこれがヴァルカンのデータベースの中では一番明るかったというニーリックス。一緒に歌えよといい、また大きな声で歌う。トゥヴォックはニーリックスを呼んだ。いつにもまして君らしいが、もう少し抑えられないかと聞いた。
作戦室から出て、ニーリックスとトゥヴォックは戻ってきたと尋ねるジェインウェイ。まだです、転送トラブルがありましてというチャコティ。原因は分子スキャナー※2の故障です、今キム少尉が修理してますというトレス。
転送室のキムは修理を終え、密閉ビームの焦点を絞ってくれとホーガン※3に頼んだ。上陸班に連絡を入れ、今から転送しますと伝えるキム。転送開始。しかし一人分のパターンしか来ておらず、トゥヴォックでもニーリックスでもない。中止しようとするが、手後れだ。転送台の上には、2人のどちらでもない、1人の男が立っていた。
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※1: ヴァルカンの弔いの歌 Vulcan dirge
※2: 分子イメージスキャナ molecular imaging scanner
※3: Hogan (Simon Billig) VOY第37話 "Deadlock" 「二つのヴォイジャー」以来の登場。声: 古田信幸
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