ヴォイジャー 簡易エピソードガイド
第40話「トゥーヴィックス」
Tuvix
イントロダクション
艦長日誌、宇宙暦 49655.2。さまざまな植物が生息する星を発見した。食料として利用できる可能性がある。サンプルを採取するため、ミスター・ニーリックスとミスター・トゥヴォックを派遣した。 森の中。空気がおいしいよな、ヴァルカン君というニーリックス。あの空、爽やかだよね、何かわくわくするねと楽しんでいる。そろそろわかっていると思うが、私はわくわくすることなどないのだというトゥヴォック。そんなつまらないこといちいち言ってないで、感じてみなよ、そよぐ風、溢れる日差し、最高だろというニーリックス。トゥヴォックは作業するには適した気候だという。「適した」?、何なんだよといって近づくニーリックス。その言い方、いつにもましてトゥヴォックっぽいという。いつも私は私だ、日によってらしいとからしくないということはないというトゥヴォック。また理論に物言わせようっての、俺が何言いたいかわかってるだろとニーリックスはいう。いいや、残念ながらというトゥヴォック。ニーリックスはわかるように言ってやるといい、自然が好きなんだろと尋ねた。自然の価値は認めてるというトゥヴォックに、じゃあその点では趣味は同じだという。こんないい天気の日に、緑の中いろとりどりのランの花を摘んで、あんたランが好きなんだろというニーリックス。だったらもっと楽しんでよさそうなのに、感動がなさ過ぎるという。なんでもっと楽しまないんだと聞かれ、遊びに来ているんじゃない、サンプルの採集に来たのだというトゥヴォック。仕事しながら楽しんだっていいだろう、だめだって規則でもあるのかというニーリックス。例えば作業しながら歌を歌うのはと提案する。元気が出る、ヴァルカンの歌を覚えたんだ、こういう綺麗な曲があったよなといいながら、歌いはじめる。「星一つない夜空に…。」その歌はヴァルカンの弔いの儀式の歌※1だがというトゥヴォック。知ってるよ、でもこれがヴァルカンのデータベースの中では一番明るかったというニーリックス。一緒に歌えよといい、また大きな声で歌う。トゥヴォックはニーリックスを呼んだ。いつにもまして君らしいが、もう少し抑えられないかと聞いた。 作戦室から出て、ニーリックスとトゥヴォックは戻ってきたと尋ねるジェインウェイ。まだです、転送トラブルがありましてというチャコティ。原因は分子スキャナー※2の故障です、今キム少尉が修理してますというトレス。 転送室のキムは修理を終え、密閉ビームの焦点を絞ってくれとホーガン※3に頼んだ。上陸班に連絡を入れ、今から転送しますと伝えるキム。転送開始。しかし一人分のパターンしか来ておらず、トゥヴォックでもニーリックスでもない。中止しようとするが、手後れだ。転送台の上には、2人のどちらでもない、1人の男が立っていた。 |
※1: ヴァルカンの弔いの歌 Vulcan dirge ※2: 分子イメージスキャナ molecular imaging scanner
※3: Hogan |
あらすじ
その男はトゥヴォックであり、ニーリックスでもあった。2人の転送パターンが混ざったのだ。ドクターが調べると健康状態は良好で、さらに採集したランのパターンも混ざっていた。2人の記憶はあるが自我は 1つで、性格も 2人の特徴を出している。名前はトゥヴォックとニーリックスを合わせたトゥーヴィックスと名乗ることにした。ケスは戸惑っていた。 惑星のランに「共生生殖」を引き起こす酵素が含まれており、そのために融合したという説が有力になった。共生生殖とは別の生物に取りつき、第3の新たな生物を作る生殖方法だ。実験を行うと、見事に 2つの植物を融合できた。しかし元に戻す方法は見つからない。トゥーヴィックスはケスに彼女を愛していることを伝えるが、ケスは受け入れられないでいた。 ケスに結論を急がないこととアドバイスするジェインウェイ。2週間が過ぎ、トゥーヴィックスは有能な戦術士官として、そしてコックとしてなじんできた。ドクターは特定の DNA のみに付着する放射性同位元素を利用して、転送で分離する方法を見出す。ケスはトゥーヴィックスと友情を暖めることにする。ドクターの理論は正しく、植物を元に戻せた。しかしトゥーヴィックスは、死にたくありませんと言った。 トゥーヴィックスはもはや一個の人間だが、分離させないとトゥヴォックとニーリックスは戻らない。ケスにジェインウェイを説得するように頼むトゥーヴィックス。しかしケスは、ニーリックスに会いたがっていた。ジェインウェイはトゥーヴィックスに医療室に出頭するよう命じたが拒否したため、保安部を呼ぶ。殺人だ、でも私は許すというトゥーヴィックス。ドクターは患者の意思を無視して分離することを拒否する。ジェインウェイが作業を行い、トゥーヴィックスはトゥヴォックとニーリックスに分離された。医療室を出たジェインウェイの顔には、笑顔はなかった。 |
用語解説など
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感想
これまで起こりそうで起こらなかった、転送による「融合」が、よりによって正反対の性格のトゥヴォックとニーリックスに起こります。何とも後味の悪い終わり方です。 |
第39話 "The Thaw" 「悪夢の世界」 | 第41話 "Resolutions" 「ヴィディア人との協力」 |