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ヴォイジャー 簡易エピソードガイド
第39話「悪夢の世界」
The Thaw

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・イントロダクション
「ジャズの即興」※1の楽譜を見ながら、パリスの前でクラリネットを演奏するキム。軽快に吹いていたが、いきなり壁がドンドンと鳴った。大きな声で悪いと謝るキム。ベイタート※2少尉にとっちゃ迷惑らしいというパリス。キムは壁の中に流体コンジットなんか入れるから響くんだよ、設計者は何だって余計なことをという。この船は戦闘用でコンサート用じゃないんだから仕方がない、長旅になるなんて思ってなかったしというパリス。キムにどこで練習すればいいんだよと聞かれ、貨物室はどうかなという。音響が悪いというキム。じゃあベイタートを夜のシフトに変えるかというパリスに、そんな無茶な、できるのと尋ねる。パリスは笑い、練習できなかったっていえばおふくろさんだって納得してくれるだろうという。実は大事なパフォーマンスを控えてるんだというキムに、ひょっとしてデルタ宇宙域シンフォニーオーケストラと共演予定とかと尋ねるパリス。違う、スーザン・ニコレッティ※3とホロデッキにオーケストラプログラムを作ろうとしてるんだというキム。ニコレッティ中尉か、落とそうとして半年も粘ったのに全然釣れなかったとパリスはいう。彼女がオーボエをやってるときじゃなかったというキム。チャコティから全上級士官へ通信が入り、ブリッジへ出頭するように命じた。実を言うと、前からドラムを習いたかったんだよとパリスはいった。部屋を出て行く 2人。
ブリッジ。作戦室から出てきたジェインウェイに、軌道上に通信衛星を捉えました、機能はしていませんと報告するトゥヴォック。接近し、地表をスキャンする。ここは昔貿易が盛んだったところですというニーリックスに、いつ頃と尋ねるジェインウェイ。正確にはわからないですけど、あれは多分と考えるニーリックス。電磁サインによれば、この星では 19年前に大規模なフレアに遭っていますというキム。19年前くらいですかね、大体とニーリックスはいった。氷結状態で、フレアの影響で気象パターンが激変したのだろう。それだけでなく、磁気嵐と高レベルの放射線の影響も受けている。現在は氷河は溶けかけ、生物圏も回復しかけている。生存者はいるのかと聞くパリス。居住区をスキャンすると、技術は進んでおりワープ原子炉や亜空間通信装置もあるが、生命反応はない。来るのを知って避難したんじゃないですかというパリス。データを見る限り、たとえ避難しようとしても大気の変動に阻まれたものと思われますというトゥヴォック。推定人口は 40万人。キムは地表からの何かの反応を捉えた。通信が入っている。

※1: "Jazz Impromptu"

※2: パブロ・ベイタート Pablo Baytart
VOY第36話 "Investigations" 「パリスの裏切り」など

※3: Susan Nicoletti
VOY第22話 "Twisted" 「空間変動波」で言及


・あらすじ
通信は自動送信されたもので、ヴィオーサというその男性によると、気候の変動を生き残った数人が冬眠状態にあるという。しかし冬眠から 15年後に自動的に起きるはずなのに、4年過ぎている。地下に冬眠ポッドを見つけたが、5人のうち 2人は死んでいた。ポッドをヴォイジャーに転送して調べる。冬眠者の精神は活動しており、脳はコンピューターにつながれて夢を見ている状態だった。システムには異常がないが、2人は精神的なショックで死んでいた。その空いていたポッドを使って、実際にヴィオーサたちと話すことにする。キムとトレスが睡眠状態に入った。夢の中では奇妙な姿をした人々が踊っていた。ピエロたちに捕まったキムは、ギロチン台にかけられてしまう。
ヴィオーサたちが現れ、異星人だから殺すとプログラムを停止させられるとピエロに言った。解放されるキム。ピエロたちはヴィオーサたちの脳から作られたキャラクターなのでプログラムが終わると消えるが、今や完全に夢の世界を支配しており、ギロチンで殺されれば実際に心臓麻痺で死んでしまう。ヴィオーサら 3人の恐怖心が具現化したのがピエロだった。こちらの考えはピエロにはわかるが、瞬時にではなく数分かかる。ピエロの要求を伝えるため、トレスだけ外の世界に帰ることを許された。
ピエロたちは存在し続けたいと考えていたが、そのためには誰かを眠らせ続けなければならない。老人にされ赤ん坊にされ、幼い頃の恐怖の体験を思い出させられるキム。そこへドクターがジェインウェイの代理として、ピエロと交渉するために現れた。人質とシミュレーション頭脳を取り替えることを提案するが、聞き入れないピエロ。
ヴォイジャーではヴィオーサがくれたヒントを元に、システムの元となる経路を一つずつ手動で消していくことにする。ドクターが再びシステムに入り、ピエロの気を逸らしている間に作業が行われる。だが途中で気づかれ、経路に防御されてしまった。ヴィオーサは殺され、作戦は失敗に終わる。
「恐怖」が求めるものは何なのか。ドクターは人質をジェインウェイ一人にする要求を受け入れさせた。ポッドに入るジェインウェイ。ピエロの前にジェインウェイが現れた。キムたち 3人は解放される。だが実は、そのジェインウェイはホログラム映像だった。ポッドに入ったジェインウェイはシステムにはいるが、睡眠状態ではないのだ。思考だけを伝えることができるように改造したのだった。恐怖はただ征服されるためのみに存在し、最後は消えるものだ。暗くなっていく中で、ピエロはちきしょうとつぶやいた。


・用語解説など
ピエロ
クラウン Clown
(マイケル・マッキン Michael McKean) 声: 稲葉実、DS9 クワーク
小さな女性
(Patty Maloney)
ゴースト
幽霊 Spectre
(カレル・ストルイケン Carel Struycken TNG第11話 "Haven" 「夢の人」などのミスター・ホム (Mr. Homn) 役) 声: 小関一
コール人医師
Kohl Physician
(Tony Carlin)
コール人プログラマー
Kohl Programmer
(Shannon O'Hurley)
ヴィオーサ
Viorsa
(トーマス・コパシュ Thomas Kopache TNG第124話 "The Next Phase" 「転送事故の謎」のミロック (Mirok)、第175話 "Emergence" 「知的生命体“エンタープライズ”」の機関士 (Engineer)、DS9第117話 "Ties of Blood and Water" 「父死す」などのネリスの父、キラ・タバン (Kira Taban)、ENT第1話 "Broken Bow" 「夢への旅立ち」の Tos、第67話 "Harbinger" 「新たなる脅威の兆し」の異星人 (The Alien)、映画第7作 "Star Trek: Generations" 「ジェネレーションズ」のエンタープライズ-B 通信士官 (Enterprise-B Communications Officer) 役) 声: 岩田安生

コール居住区
Kohl settlement
(コール冬眠システム)
Kohl hibernation system
リコールサブルーチン
recall subroutine
ノルエピネフリン
norepinephrine
これを模した薬物はノレップ (norep) といい、TNG第23話 "Skin of Evil" 「悲しみの星に消えたターシャ」で使用
ジェットコースター
roller coaster
ガロンドンコア
Galorndon Core
ロミュラン中立地帯から 0.5光年離れたところにある、連邦領域のほとんど居住不能な惑星。TNG第55話 "The Enemy" 「宿敵! ロミュラン帝国」など
チュラク
Chulak

・感想
ピエロが笑いと表裏一体の怖さを表現しています。ドクターの活躍も楽しめますが、私が好きなのは最後のシーンでそのまま暗くなっていって終わりというところ。余計なエピローグがないのが日本のドラマと違っていますね。


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