廊下を歩くメイウェザー。「変ですよ、人間なら何で撃ってくるんです。」 
 アーチャーはターボリフトに入る。「アーチャーよりブリッジ。何かわかったか。」 
 タッカー:『洞窟の様子はかなりわかりました。これまで 52名の生体反応を確認。人間です。』 ブリッジにいる。 
 「今はそれよりリード大尉のことだ。すぐ救出しなきゃならない。居場所は。」
  
 報告するタッカー。「はい、地表から…90メートルほど、潜った場所です。」 
 サトウ:「呼びかけに応答ありませんが、生きています。」
  
 命じるアーチャー。「うん…司令室※8にドクター・フロックスをよこしてくれ。」 
 タッカー:『了解。』 
 「彼らが入植者の子孫だとすると…ほかの人間を見たことはない。きっと、我々が異様に見えたんだろう。」
  
 洞窟の構造図が表示されている。 
 タッカー:「トンネルの全長は 12.6キロ。井戸も、いくつか掘ってあるみたいです。地盤はあまり、堅固じゃない。崩れた通路もいくつか見られます。」 
 トゥポル:「放射能で、地下へ追いやられたんでしょう。」 
 アーチャー:「放射能の原因はわかったか。」 
 タッカー:「まだです。」 
 サトウ:「何を食べてるんでしょう。」 
 フロックス:「地下の動植物で十分ですよ。根菜、カビ類、昆虫。」 
 アーチャー:「ああ、何か動物を…食用にしているようだ。マルコムは?」 
 タッカー:「ここです、見張りが 2人。」 図を示す。 
 メイウェザー:「転送で連れ出せば。」 
 「深すぎる。」 
 トゥポル:「このトンネルは、一部崩れていて使われてません。…ここまで行ってフェイズ銃で瓦礫を排除すれば、リード大尉※9の位置まで 20メートル以下です。」 
 サトウ:「見張りはどうします? 恐らく武器を持ってるわ?」 
 タッカー:「こっちにはスタン爆弾※10がある。」 
 アーチャー:「これ以上怪我人を出したくない! 人間だとわかった以上…何とか、コミュニケーションを取るんだ。」 
 メイウェザー:「でも話に応じるとは…」 
 「人間とファースト・コンタクトできないなら! …私は船長失格だ。…マルコムは撃たれた。ドクター、一緒に出発ベイへ来てくれ。」 
 フロックス:「すぐに。」 
 トゥポル:「船長。」 
 アーチャー:「君は放射能汚染の原因を突き止めろ。少尉とホシは、彼らのデータバッファを調べろ。地球に連絡しようとしたのかどうか知りたい。」
  
 地表を歩くフロックス。「我々に気づいていますかねえ。」 
 アーチャー:「屋根にシャトルポッドが着陸すれば、気づくだろう。」 止まるように指示する。「武器は持ってない!」 両手を挙げるアーチャー。「話をしたいんだ。」 
 フロックスも真似する。 
 アーチャー:「怪我した部下が心配だ。彼に会いたい!」 
 銃を持った住人が現れた。フロックスがもっていたケースを取り上げる。
  
 洞窟を進む。 
 リードが横たわっている。「…ほっとしました。」 
 アーチャー:「足はどうだ。」 
 「…多少出血しましたが、大したことはありません。」 
 フロックス:「医療ケースを返して下さい。」 
 住人のジェイミン※11がやってきた。「人間か。」 近くに女性のナデット※12がいる。 
 アーチャー:「そうだ。」 
 「それは。」 
 フロックス:「…わたくしはフロックス。デノビラ人※13で、船のドクターです。」 
 「地球から進んだ。空の船で。」 
 アーチャー:「エンタープライズだ。」 
 「なぜだ。俺たちをさばきに?」 
 「いいや? コロニーに何があったか調べに来た。助けに来たんだ。」 
 住人※14:「ノヴァ人※15は人間の『助け』はいらない!」 
 ジェイミン:「俺たちをディガー※16みたいに狩るか。上側へ戻れ、でないとお前の道をふさぐ!」 
 アーチャー:「君たちを傷つけるつもりはない。」 
 「それを連れて出て行け!」 
 「わかった。だが彼は怪我をしていて、このままでは歩けない。ドクターの治療に、それがいる。」 
 指示するジェイミン。医療ケースが返される。 
 治療を始めるフロックス。 
 アーチャー:「なぜ我々が敵だと思うんだ?」 
 ジェイミン:「ノヴァ人を痛めた。」 
 「なぜそう思う。」 
 「俺たちをさばいた。家族たちを。昔の家族だ。」 
 「どういうことだ。」 
 ナデットが口を開いた。「毒の雨だよ。私がディガーほどの背の時、今でも覚えてる。みんなが上側に住んでいた時人間が毒を落とした。川が焼けて、大人はさばかれ、ここしか来る所が…」 咳き込む。 
 アーチャー:「それで…『下側』へ。……そうか、少しわかってきたぞ。毒の雨だが、あなたが言っているのは、放射能だ。原因はわからないが人間が降らせたんじゃない。」 
 フロックス:「歩けます。何とかね。ですが、医療室で弾を摘出しないと。」 
 「とても受け入れがたいことなんだとは思う。だが、君たちは人間の子孫なんだ。先祖が 70年以上前に、この星へ入植した。私と同じ地球から来たんだ。何があったかわからない。だが、多分…協力すれば突き止められる。」 
 ノヴァ人:「ただの泥話だ。」 
 「それがもし嘘って意味なら、本当だと証明するチャンスをくれ。私の…『空の船』に、ここで何があったか突き止める道具がある。」 
 ジェイミン:「だめだ。」 
 スキャンするフロックス。「失礼、あなたの…お母さん。病気です。これも船長の言った道具の一つで、体の中のことが何でもわかるんです。お母さんは病気です。『肺ガン』と言います。でも、簡単に治ります。」 
 トゥポル:「ドクターなら治せる。だが、船に来てもらわなきゃならない。」 
 ノヴァ人:「泥話だ。上側に連れて行って俺たちをさばく気だ!」 
 ジェイミン:「それはいつまでかかる?」 
 フロックス:「まあ、2、3時間で済みます。」 
 「時間?」 
 アーチャー:「上側に太陽が昇る前に、戻ってこられる。」 
 ナデットを見るジェイミン。 
 アーチャー:「助けたいんだ。」 
 ジェイミン:「一緒に進む。それは残る。」 リードを示す。 
 「彼も治療が必要だ。」 
 フロックス:「大丈夫です、2、3時間なら。」 
 リード:「私なら平気です。ここにも慣れてきましたから。」 
 アーチャー:「うん…それなら、君が…先頭を頼む。」 
 出て行くジェイミン。 
 リードはアーチャーに向かってうなずいた。
 
 
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※8: Situation Room ブリッジ後部の、中央にコンピューターがある部分。「室」と言っても壁で仕切られているわけではありません。初言及
  
※9: なぜか「大佐」と誤訳
  
※10: stun grenade
  
※11: Jamin (エリック・アヴァリ Erick Avari TNG第107話 "Unification, Part I" 「潜入! ロミュラン帝国(前編)」のバイジック (B'Ijik)、DS9第61話 "Destiny" 「三匹の毒蛇」のヴェデク・ヤルカ (Vedek Yarka) 役) 一部クレジットでは Jaymin との表記も。名前は一度だけ後に言及されますが、訳出されていないようです。声:福田信昭
  
※12: Nadet (メアリー・カーヴァー Mary Carver) 声:磯辺万沙子、TNG ルーサ、コンピューターなど
  
※13: Denobulan 初言及
  
※14: 名前は Athan (Brian Jacobs) ですが、言及されていません。声:中村俊洋
  
※15: Novans
  
※16: Digger
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