イントロダクション
※120世紀風のナイトクラブ。 タキシードを着た男性がマイクを使い、演奏に合わせて歌っている。※2 Get yourself somebody You're nobody till somebody cares Now you may be king The world and its gold Gold won't bring you happiness When you're growing old Now the world is still the same You'll never change it As sure as the stars shine above You're nobody Till somebody loves you Get yourself somebody Find yourself somebody Somebody to love. 歌手:「どうも。400年前の歌でも、まだ十分いけるようだ。」 ベシア:「いい声してるだろ?」 ウォーフ:「クリンゴン・オペラにはかなわない。」 「彼を紹介しよう。」 キラ:「ホログラムを?」 オドー:「ドクター、そこまで必要ないでしょう。」 ベシア:「まあいいから。彼は特別なホログラムなんだ。ヴィック!」 近づいてきたヴィックに声をかける。「よかったよ、最高だ。」 ヴィック:「どうも、ドクター。」 オブライエン:「素晴らしい。」 ダックス:「最高でした。」 ヴィック:「幻※3にしちゃあいい喉してるっておっしゃりたいんでしょ?」 「幻?」 「私はホログラムだ。光子とフォースフィールドの集合体。つまり自立的な完全双方向ホログラムだ。」 オブライエン:「ホログラムと自覚してるのか。」 ベシア:「フィリックス※4の設計でね。時代に即した反応をさせたかったんだ。」 ヴィック:「60年代のヴェガスで働くなら、裏を知らないと野暮天※5に見られる。」 キラ:「野暮天?」 「無骨※6かなあ。」 ウォーフ:「…無骨?」 「四角四面※7。四角は知ってるでしょ?」 オブライエン:「立方体の一面?」 笑うヴィック。「回答にはなってるな。何してるんだ、ジュリアン。同僚を紹介してくれよ。」 ベシア:「ごめん、ヴィック。ダックス少佐とウォーフ少佐。こちら、ヴィック・フォンテーン※8だ。」 二人と握手するヴィック。「結婚してどれぐらいなんだい?」 ウォーフ:「…なぜ我々の結婚を?」 「君も私の歌を唄えば、人の心が読めるようになるさ。」 オブライエンに話すヴィック。「…無理するなよ、相棒。奥さんがいなくて寂しいからって、我慢するな。」 オブライエン:「え…? そりゃどういう意味だ?」 「魅力的な女性が大勢いるんだ。手をつけちゃまずいが、見るだけなら許される。」 無理矢理笑うオブライエン。「面白い奴だね…。」 ヴィック:「そちらのお二人さんは?」 応えないキラ。 オドー:「…何だね?」 ヴィック:「いや、いいんだ。何でもない。一曲聴いてくれるかい?」 ベシア:「いや、そろそろ戻らなきゃならないんだ。」 ヴィック:「いつでも呼び出してくれ。」 ホロスイートを出て行くベシアたちに言った。「一つ忠告だ、ここは高級クラブだよ。男性はタキシードとネクタイ、女性はドレスでね。君たちときたら、まるでサーカス団だ。」 笑うベシア。「また後でな。」 階段を下りるオブライエン。「おい、ジュリアン。ケイコのこと話したな。」 ベシア:「僕は何も言ってない。…それじゃあ、明日夜 21時に、ここで待ち合わせだ。ヴィックの歌を堪能してから、カジノでブラックジャックかルーレットをやるのもいい。」 ダックス:「楽しみ。ね?」 ウォーフ:「クリンゴン・オペラの方がいいけどな。」 キラ:「私は無理。明日の夜、ベイジョーに発つのよ。」 ダックス:「あそっか、忘れてた。シャカールによろしくね。……ごめん、言っちゃった。」 その言葉に反応するオドー。 ダックス:「あの…聞かなかったことにして。キラは首相訪問の件を誰にも知られたくないのよ。」 ベシア:「仕事かい? 遊びかい?」 歩いていくキラ。「余計なこと言うから。」 ダックスも追いかける。「だから謝ったでしょ!」 ベシア:「それで? ご感想は?」 ビールを飲み始めたオブライエン。「感想って?」 ベシア:「ヴィックさ、賢いだろ?」 「ああ、賢すぎる。」 「ヴィックには世話になってる。彼なしじゃウォーカー少尉※9とのデートはない。」 「どういうことだ?」 「僕はデートの誘いを 3度も断られて、ヴィックに相談した。彼がいろいろアドバイスしてくれたおかげで、大成功さ。」 その話を聞いているオドー。 オブライエン:「ジュリアン、君は恋愛問題まで相談してるのか? ホログラムに。」 ベシア:「ヴィックはその辺のホログラムとは違う。愛の何たるかを知ってる。人生、女性もね。」 「君の苦手分野ばかりだ。」 カウンターのフェレンギ人に、プログラムのアイソリニアロッドを手渡すベシア。「それほどでもないよ。」 オブライエン:「苦手じゃなかったら、幻なんかに相談するかよ。」 オドーは、ウェイターが箱にしまっているロッドを見つめた。 |
※1: このエピソードは 1998年度エミー賞の音楽監督賞にノミネートされました ※2: "You're Nobody Till Somebody Loves You" R. Morgan、L. Stock、J. Cavanaugh による。ダーレンの歌は CDアルバム "This One's from the Heart" に収録されています ※3: light bulb 直訳すると「電球」 ※4: Felix ※5: Clyde ※6: Harvey ※7: square ※8: Vic Fontaine (ジェイムズ・ダーレン James Darren 1966〜67年のテレビシリーズ「タイム・トンネル」のトニー・ニューマン博士役で有名。「パトカーアダム30」ではカーク役のウィリアム・シャトナーと共演) ※9: Ensign Walker |
本編
クワークが保安室にいる。「別に驚くようなことじゃない。何を期待してたんだ?」 オドー:「私は何も期待してないさ。」 「そうか。…シャカールとキラ少佐が別れてどれくらいになる?」 「さあな。1年ぐらいか。」 「もう 1年以上になるぜ。時間はたっぷりあったはずだ。キラ少佐と、新しい関係を築く時間さ。なのにあんたときたら、彼女とつき合う努力さえしなかった。」 「……ことは、そう単純じゃない。」 「オドー、少佐はあんたの告白を 1年も待ち続けてきた。何か言ってやれよ。逃げんな。今までいくらでもチャンスがあったのに、あんたは逃げてきたんだ。」 「意見など聞いてない。」 「そうかい、俺は行方不明のグロート※10束荷物の話をしに来ただけなのに、少佐の話を始めたのはそっちだ、俺の意見を聞けよ。」 「結構。」 「彼女のことで悩むな、もう忘れろ。」 「もっとましなことを言え。」 「全くつき合いきれない奴だよ。」 「私もだね。」 「言っとくが、あんたは銀河一、人に好かれるようなタイプじゃないぜ。このセクターに限ってみたって結果は同じことだ。」 「フン。」 「ステーションの中でもな。この部屋で比べてもね。」 「フン。」 「あんたは冷淡で、堅物で、よそよそしい。…帰っていいか?」 「…ご勝手に。」 呼び止めるオドー。「……待て。」 「オドー。覚悟を決めろ。」 ため息をつくオドー。「頼みたいことがある。……ほかでもない、ドクター・ベシアの新しいホロスイート・プログラムのことだ。」 クワークの店。 気分の優れなさそうなベシアが入った。 クワーク:「遅いね、ドクター。」 ベシア:「ああ、眠れなくてね。神経が高ぶってる。」 「いいものがあるよ。一杯のワープコア・ブリーチ※11。ちょいとお待ちを。」 大きな容器を取り出すクワーク。「これを一杯やりゃあ、3日はリラックス状態でいられますよ。」 気体を発生させ、その中に飲み物を入れる様子を見て、ベシアは言った。「大したことないんだ、クワーク。しばらくあそこで過ごせば、こんなの一杯ぐらい…」 クワーク:「ホロスイート?」 「ああ、僕の新しいプログラム…」 「ああ、悪いね、ドクター。ホロスイートはどれも使用中だ。」 「全部かい?」 「今夜はなぜか混んでてねえ。悪いが朝まで一人分も空いてないんだよう。」 「残念だな。マイルズでも起こして、トンゴでもやるか。」 出て行くベシア。クワークはため息をつき、2階を見上げた。 オドーに話しているヴィック。「懐かしいなあ、あれは 1958年。私がサンズ※12にいると、ある晩シナトラ※13とディーン・マーティン※14が来た。最後は 3人でブラックジャックにのめり込んだ。大金をスッてしまってねえ、合計1万5千。本当さ、当時は大金だった。シナトラが元締めに泣きついて…何て男だったかな。」 中には 2人しかいない。 オドー:「あの、ミスター・フォンテーン。」 「ヴィックだ。」 「ヴィック。どの話も面白いんだが、今日は君の思い出話を聞きにここへやってきたんじゃないんだ。…昨日、仲間とここに来た時のことだが…君は何でも知っていたね。」 「いろいろ、体験してるからね。」 「そういう意味じゃなくて、具体的なことをだよ。たとえば、ダックスとウォーフが夫婦だとか、チーフが寂しがってるとか。」 「人の心を知るのに、特別な能力はいらない。」 「それにあの時…君は何か言いかけて、口をつぐんだ。この私と、キラのこと。」 「秘密をバラして、バツの悪い思いをさせたくなかったからだよ。」 「一体私たちのどんな秘密を知っているんだ。」 「オドー、本当に私に言わせたいのかい? 君はキラに夢中なのに、アタックする勇気がない。彼女の気持ちはわかってるだろ…」 「いや、教えてくれ。」 「よくある話だよ。友達だと感じてる。」 「ハ、そんなの秘密じゃない。」 「だがなあ、女心ってのは変わりやすい。きっかけが大事なのさ。」 「ハ、軽く言ってくれるね。」 「さほど難しいことじゃない。好意があるなら、目的は半分達成されてる。」 「ああ。キラは私の気持ちに気づいても、彼女の心はまだ…シャカールにあるんだ。」 「誰?」 「ベイジョーの首相だよ。国の指導者で、英雄。カリスマもある。」 「彼がケネディ※15だって構わん! それより君は自分自身の心配をしろ。」 「私?」 「そうだよ。まず手始めに、その北極みたいなイメージを脱ぎ捨てなきゃあダメだな。」 「一体…どういう意味だね…。」 「つまり…今の君はひどく冷たい人間に見えてしまう。クールでも、冷凍人間じゃまずいだろ?」 「私には感情がないというのか? そんなことはないさ…ただそれを表に出さないだけだ。」 「そこに問題があるんだよ。ついてきて。」 ステージへ向かうヴィック。 「どこに。」 ヴィックはスーツを着る。「いいか、相棒。女の気を引くなら、気持ちを相手に伝えなきゃ。胸に奥に秘めた熱い思いを、はっきり表に出さなきゃ相手に伝わらない。さあ、お楽しみの時間だ。」 オドー:「楽しみとキラ少佐と、どう関係があるんだ。」 「ま、いいから任せて。まず、そのどうしようもない服からだ。何てったって男を最高にダンディーに見せるなら、タキシードさ。」 「たとえば…こんな感じかな?」 オドーは一瞬でタキシード姿になった。 「なかなか似合うねえ! さ、どうぞ。」 「でも私は歌えない。」 「そりゃよかった。ライバルは作りたくないからな。僕は伴奏を引いてくれる人が欲しいんだ。専属のピアノ弾きは、ダイスゲームで 10連敗しちゃってね。リノに逃げ出した。」 「ああ…」 「さあどうぞ、かけたまえ。観客がお待ちかねだ。」 「観客って?」 「ほら、あそこ。」 ヴィックが指さすと、いつの間にかテーブルは客で埋まっていた。 ピアノの前に座るオドー。 マイクを使うヴィック。「皆さんこんばんは。ヴィック・フォンテーンです。」 拍手が起こる。「今夜は素晴らしいショーになりそうです。」 オドーに言った。「クールにいこう。」 オドー:「いや、困るよ。ピアノなんて弾けない。」 「ほんとかい?」 ヴィックが指さすと、鍵盤が勝手に動き出した。驚くオドー。「頼むよ、相棒。」 「ああ…ピアノが勝手に引いてくれるんなら、私がいなくてもいい。」 「そんなの問題じゃない、カッコでいいのさ。適当に弾いてる振りをしてくれ。」 「カッコだけ?」 手を鍵盤に合わせるオドー。歌い出すヴィック。※16 Come fly, come fly away If you can use some exotic booze Come fly with me Come fly with me Let's take off to Peru And he'll toot his flute for you Come fly with me Let's take off in the blue If I get you up there Where the air is rarefied We'll just glide Starry-eyed Once I get you up there I'll be holding you so near Angels cheer 'cause we're together It's such a lovely day You just say the words And we'll beat the birds Down to Acapulco bay It's perfect for a flying honeymoon They say Come fly with me Let's fly, let's fly away Once I get you up there We'll just glide Starry-eyed Once I get you up there I'll be holding you so near You may hear Angels cheer 'cause we're together It's such a lovely day Just say the words And we'll beat the birds Down to Acapulco bay It's perfect for a flying honeymoon They say Come fly with me Let's fly, let's fly away Come fly with me Pack up, let's fly away. 手を見つめるオドーにも。恥ずかしげに手を振るオドー。 |
※10: groat グロートケーキ (groatcakes) が DS9第134話 "The Magnificent Ferengi" 「闘う交渉人フェレンギ」で言及。訳出されていません ※11: warp core breach (宇宙艦の) ワープコアが破損して爆発する意味 ※12: Sands 1952年12月15日から 1996年6月30日までラスヴェガスにあった、ホテルとカジノの複合施設。吹き替えでは「カジノ」。参考 ※13: フランク・シナトラ Frank Sinatra (1915〜1998) エンターテイナー。彼が出演した「地上 (ここ) より永遠に」("From Here to Eternity") は DS9第137話 "Far Beyond the Stars" 「夢、遥かなる地にて」で言及。原語では「フランク」。参考 ※14: Dean Martin (1917〜1995) エンターテイナー。原語では「ディーン」。参考 ※15: ジョン・F・ケネディ John F. Kennedy (1917〜1963) 第35代アメリカ合衆国大統領。原語では「JFK」 ※16: "Come Fly with Me" Sammy Cahn、James Van Heusen による。シナトラの歌。この曲も "This One's from the Heart" に収録 |
ヴィックと 2人だけになり、まだオドーはピアノを弾く真似をして楽しんでいる。 グラスに注ぐヴィック。「グッといこう。」 オドー:「酒は飲まない。」 「わかってるさ。これは本物の酒じゃない、ここはホロスイートだ。」 「はあ、はあ。」 受け取るオドー。 「スポットライトを浴びた感想は?」 「まぶしかったな。」 「それだけかい?」 「ライトがまぶしくて、観客がよく見えなかったから…緊張せずに済んだのかもしれないな。」 「心配ご無用。君は夢中になって楽しんでた。」 「ああ…」 笑うオドー。「確かにそうだった。」 酒を飲む。「ホッとした。仲間に見られなくて済んだからね。」 「まただ、また固くなってる。銅像のように突っ立って。そんなことじゃハトぐらいしか寄ってこないぞ。座って。楽にして。2、3回深呼吸すれば、君の求めているものが向こうからやってくるさ。」 「そんなことで?」 「やってみて。さあ!」 言われたとおり、ヴィックと一緒に深呼吸するオドー。 ドアをノックする音。 ヴィック:「ほーらね。」 オドー:「誰か来るのか?」 「楽しみにしてろよ。」 ドアを開けるヴィック。2人のドレスを着た女性が立っていた。 片方の女性、ジンジャー※17が声をあげる。「こんばんはー!」 ヴィック:「これはお美しいお嬢さんたち、一体何しにきたのかな?」 もう一人のメリッサ※18。「私たち招待されたのよ。」 ヴィック:「そうだった! さあ、入って。オドー、お友達だよ。」 ジンジャー:「まあ、さっきのピアニストじゃないの。今夜のショー、拝見したわよ。メリッサが感激しちゃって。」 オドーに近づくメリッサ。「よろしかったら、手を見せて下さらない?」 ヴィック:「見せてやれよ。」 手を広げるオドー。 メリッサ:「ああ…思った通り芸術的。」 ジンジャー:「私ね、前同じショーでリベラーチェ※19と弾いたのよ。彼ってえくぼがとっても素敵だった。」 「クラシックの素養はおあり?」 オドー:「いや私のピアノは…」 ヴィックを見る。「全てヴィックから教わったものです。」 「真面目な生徒?」 ヴィック:「トップの成績さ。」 「早く卒業できるよう、手伝ってあげるわ。」 戸惑うオドー。 ヴィック:「よーし、お嬢さんたち。今夜は楽しもう。デューンズ※20に予約を入れてる。」 ジンジャー:「素敵! シェッキーに会えるかも!」 ヴィックにキスする。 メリッサ:「ああ、シェッキー。」 オドー:「誰なんだ?」 「あら、彼ってユーモアのセンスもあるのね。」 ジンジャー:「ピアノが上手い上に、ユーモアもある。まるでヴィクトル・ボルゲ※21ね。」 オドー:「誰?」 メリッサ:「私もうウットリ。」 ヴィック:「さ、どうぞ。」 女性たちは部屋を出て行く。 オドー:「私は遠慮した方が…」 ヴィック:「何を迷ってる。メリッサはとてもいい娘だ。」 「ああ、そりゃよくわかってる。ただその…彼女はキラじゃない。」 「答えろ、オドー。カーネギー・ホールに出るにはどうする?」 「何が言いたいんだ。」 「練習に練習を重ねるんだよ。わかる?」 「いや。」 「今夜はリハーサルだと思えばいい。君はきっと立派にやりこなすさ。」 「ああ、そうだな。」 出て行くオドー。 ヴィックはため息をついた。 司令官室。 オドーが入る。「大佐、依頼されていた密輸団の報告書ができました。ゼヴィアン※22当局に情報を転送しましょうか?」 パッドを受け取るシスコ。「待っててくれ。」 オドー:「はい。」 パッドを確認するシスコ。 待っている間、オドーは何気なくハミングを始めた。歌い出す。※23 Can't take that away from me シスコ:「ああ、そのまま続けてくれ。」 「続けるって、何を。」 「歌ってたろ?」 「この私が?」 歌を真似するシスコ。 They can't take that away from me. 笑う 2人。オドーは続けて歌う。 Take that Away from me We may never Never meet again On the Bumpy road Bumpy road To love. To love. 廊下を歩くダックス。ため息をつく。 挨拶する部下。「少佐。」 ターボリフトのボタンを押すダックス。中に乗ると、ベシアがいた。 ダックス:「ジュリアン。」 ベシア:「おはよう。」 指示するダックス。「司令室。…ところで、キラにシャカールのこと聞いてくれないかしら。」 ベシア:「そりゃあ君に任せるよ。でもあと 2日しないと、彼女戻ってこないよ。」 「シャカールと楽しんでるんでしょうねえ。」 「そりゃそうだろう。」 「可哀想なオドー。」 「なぜオドーと関係ある。」 「…無関係よ。それが問題なのよね。」 クワークはケースから、アイソリニア・ロッドを取り出した。 オドーに手渡す。「がんばれよ。」 そのまま階段を上がっていくオドー。クワークは微笑む。 演奏を終えるバンド。 ヴィック:「ありがとう、盛大な拍手をどうも。そのまま続けて。紛れ込んだハエをついでに叩き潰して下さい。」 笑いが起こる。 ピアノに体を預けているオドー。 ヴィック:「浮かない顔して、どうしたんだい?」 オドー:「キラとシャカールのことをどうすればいいのか、君は何も教えてくれない。」 「シャカールなんて奴、忘れちまえよ。君のタキシード姿の方がかっこいいに決まってるさ。」 「ああ…だけど何も進展しない。」 「この一週間、私が的はずれなこと言ったかね?」 「…いや。」 「ヴィックおじさんを信じろ。」 マイクを使うヴィック。「さて皆さん、今夜は素敵なゲストをお迎えしています。彼女の歌声で熱くならなかったら、新聞の死亡欄を確認して。あなたはもうあの世の人かも。…それでは盛大な拍手でお迎えしましょう。ミス・ローラ・クリスタル※24。」 中が暗くなり、リズムを取る指だけがライトに照らされる。 歌い始めた女性ローラは、キラの姿だった。※25 When you put your arms around me I get a feeling it's so hard to bear You give me fever... オドーはうなずく。 Fever when you hold me tight Fever In the morning Fever all through the night Got the fever That is something You all know Fever isn't such a new thing Fever started long, long ago... Moon lights up the night I light up when you call my name 'Cause you know I'm gonna treat you right You give me fever Fever, if you live, you learn Fever Till you sizzle What a lovely way to burn What a lovely way to burn What a lovely way to burn. ヴィックは言った。「彼女に気に入られたみたいだな。」 ローラはオドーを見た後、ピアノを降りた。 微笑むオドー。 |
※17: Ginger (シンディ・パス Cyndi Pass) 名前は言及されていません。声:林佳代子 ※18: Melissa (Debi A. Monahan VOY第151話 "Critical Care" 「正義のドクター・スピリット」の大人の女性役) 声:相沢恵子 ※19: Liberace (1919〜1987) エンターテイナー。参考 ※20: Dunes 1950年代半ばから 1993年までラスヴェガスにあった、ホテルとカジノの複合施設。参考 ※21: Victor Borge (1909〜2000) エンターテイナー。参考 ※22: Zevians ※23: 「誰も奪えぬこの想い」 "They Can't Take That Away from Me" George & Ira Gershwin による ※24: Lola Chrystal ※25: "Fever" Willie John、Eddie Cooley による。ローラ (キラ) 役のナナ・ヴィジターが歌うこの曲は、CDアルバム「ベスト・オブ・スタートレック2」に収録されています (本国版・日本版) |
縦に重ねたグラスに注ぐヴィック。「乾杯だ。」 笑うローラ。 ヴィック:「ジョージ・ジェセル※26の言葉を。『幸せをもたらす全ての者に。』」 ローラ:「私も同じ気持ち。」 「失礼するよ。二人とも、私がいない方がリラックスできるだろ?」 「ええ、ご心配なく。」 離れるヴィック。 たばこを吸うローラ。煙をオドーにかける。 オドー:「…素敵な声をしてる。」 ローラ:「…あなただって。」 オドーの手に触れた。「美しい手をしてるわ。」 「ええ。よく言われます。」 ローラの肌に触れるオドー。 ローラ:「…感触も最高。」 オドー:「あなたもだ。……こんな風に君を抱きしめる日がくることを待ってた。」 「…今夜会ったばかりよ?」 「覚えが悪くてね。」 「面白い人。」 「ヴィクトル・ボルゲみたいに?」 「よくわかるわね。」 目を閉じるローラ。オドーはローラに顔を近づけるが、離れた。「ああ、だめだ。私にはできない。」 ローラ:「どうして?」 「すまない、ローラ。君のせいじゃないんだ。ヴィック、来てくれ。」 戻ってきたヴィック。「どうしたんだい?」 オドー:「やっぱりだめだ。」 「うまくいっていたんじゃ。」 「それは私に惚れやすいよう、彼女をプログラムしたからだ。犯罪白書を読んだって彼女はウットリ聞き惚れてるさ。」 「惚れにくいようにプログラムし直して欲しいのかい?」 「キラのようにはならない。」 ローラ:「キラってだーれ?」 ヴィック:「そりゃあ彼女はホログラムで、キラじゃないさ。」 「今何て?」 「ローラ。君はちょっと黙ってて。キラ少佐のホログラフィックイメージをつかむのは苦労したんだぞ。ジュリアンが彼女のイメージをスパイプログラムで使ったからよかったが、ロシア風アクセントを直すのに一時間もかかった。」 オドー:「君の好意にはとても感謝している。だが全て無駄に終わってしまったようだな。ホロスイートではロミオになれるかもしれないが、現実にキラに会った時と違いすぎる。私は冷凍人間に戻るよ。」 「でも、会話は弾んでいたじゃないか。」 「それ以上の展開を期待していた。」 「ちょっと待ってくれよー! あきらめるのは早い…」 「すまない。だがホログラム相手に胸の内を語るのはもう疲れた。」 部屋を出て行くオドー。 ローラはヴィックに近づいた。「あなたもホログラム?」 プロムナード。 保安室を出たオドーは、私服を着たキラに声をかけられる。「オドー! 久しぶり。」 「少佐。」 「留守中に、面白いことでもあった?」 「面白いこと? …ああ、いや別に。何もありませんよ。それどころか…退屈でした。」 「…それはお気の毒。」 「…では失礼。仕事に戻らなくては。」 一度振り返るが、そのまま歩いていくオドー。 クワークの店に入るキラ。 たくさんのろうそく。洞窟の中で、キラは瞑想していた。 ヴィックがやってきた。「失礼しますよー? 寝ているの?」 キラ:「…どうやってここに入ったの?」 「ダックスとウォーフのために隣で歌っててね。出番までの間に、そのホロスイートからマトリックスを転送させてきた。急いでるんだ。」 「一体何しに来たの?」 「君に話がある。」 「何の話?」 「オドーさ、決まってる。」 「オドー?」 「頼むよ、少佐。とぼけないでくれ。彼は君に夢中なんだ。」 「彼がそう言ったの?」 「何もかも聞いてる。ずっと一緒だったからね。」 「…あのオドーが? ずっとホロスイートにいたというの?」 「気に入られたんだ。」 笑うキラ。「ああ悪いけど、私が知ってるオドーとは別人ね。」 ヴィック:「そんなこと言って。君は案外彼のこと知らないらしい。彼はもう昔の堅物オドーじゃない。ダンスだってできる。」 「本当に同じオドーの話をしているの?」 「あのオドーだよ? 言わせてもらうと、彼が一緒に踊りたいのは、君だけだ。」 「それはよかったわね。」 「これは愛だ。愛より大事なものはない。」 「…どうやってここに来たか説明して。」 「話をそらさないでくれ。君とオドーの話をしてるんだぞ…」 「それはあなたの勝手でしょ、私は瞑想してたのよ。」 「邪魔するつもりはなかったよ。」 「あらそう、じゃ出てって。」 「……彼と二人でじっくり話すべきだ。君たちは本当に似合いのカップルだよ。だから今夜、君はホロスイートに来なくちゃならない。」 「何のために?」 「オドーと二人でディナーを楽しむのさ。」 「私を食事に誘いたいなら、なぜ本人が言いに来ないの?」 「僕は彼の代理さ。ノーという返事は、オドーも僕も受け入れられないよー。」 「…それなら、イエスしかないわね。」 微笑むヴィック。「ああ、よかったあ。」 |
※26: George Jessel (1898〜1981) コメディアン、テレビパーソナリティ、映画俳優 |
パッドを読むオドー。集中できない。 通信が入る。『オドー? 聞こえるかい?』 オドー:「…ヴィック。一体どうやって割り込んだ。」 ヴィック:『君に話がある。今夜是非、ホロスイートに来て欲しいんだ。』 「なぜ。」 『例のローラ、つまりキラのホログラムを徹底的に調査して作り直した。今度こそ自信作。本物のキラと見まがうほどだ。キラのように歩き、キラのように語る。』 「そうか。一体どういう手を使ってやったのかね。」 『今説明してる暇はないんだ。今夜 9時に会おう。そっちの言い方で 21時だ。』 「わかってる。」 『それじゃ待ってるぞ。』 キャンドルに火を灯すヴィック。「紹介するまでもないね。」 ドレスを着たキラ=ローラに話すオドー。「とっても綺麗だよ。」 キラ=ローラ:「ありがとう。あなたもよ。」 ヴィック:「どうぞ、お席へ。」 向かい合って座る二人。 ヴィック:「今夜は君たちの給仕係。こぼさないよう気をつけるよ。まずは、55年もののドンペリで乾杯。前菜はオイスターズ・ロックフェラー※27。続いてシーザースサラダ※28。メインはシャトーブリアン※29。デザートは、シェリーフランベ※30です。」 シャンパンを注ぐ。 キラ=ローラ:「なかなか面白い趣向だと思うけど、…ホロスイートで食事なんて少し馬鹿げてると思わない?」 ヴィックを見た後、微笑むオドー。「…ちょっとね。」 ヴィック:「前菜が終わったら合図を。」 離れていく。 オドー:「…ボナペティ。フランス語です。地球の言葉。意味は、『食事を楽しもう。』」 キラ=ローラ:「フランス語ができるの?」 「できません。ヴィックから聞いたんです。フランス語というのは、愛の言語だそうです。」 「ヴィックって、物知りなのね。」 「彼は実に多彩な男です。……だが…ヴィックの話は、これぐらいにしましょう。」 「…ええ、そうね。」 「うーん。前からよく想像してました。」 「二人でディナーを楽しむ場面?」 「自分が想像していたものとは違っていますが。」 「ちょっと普通じゃないわよね。」 「具合悪いんですか? 口をつけてません。」 「いえ、とっても美味しそうなんだけど、あまりお腹空いてないの。…ちょっとナーバスになってるだけ。」 「あなたが…ナーバス。」 「ええ。……だってファーストデートよ。でしょ?」 「そうです。……少しぐらいナーバスになったって当然でしょう。邪魔をしなきゃね。」 「邪魔って?」 「君の楽しい気持ちをね。」 「あなたの楽しみは仕事だけだと。」 「なぜわかるんだ。」 「…前に話してくれたでしょ?」 「……よく調べたな、ヴィック。」 「ヴィック?」 「いや、いいんだ。確かに…仕事を楽しんでます。だが私はそれを言い訳にして、仕事以外の人生を…避けていたのかもしれません。」 「その気持ちわかる。」 音楽の演奏が始まった。いつのまにかステージの上にいたヴィックが歌う。※31 Under my skin I've got you Deep in the heart of me You're really a part of me I've got you Under my skin... オドー:「そうですね。本当に食欲ないんですか?」 「ええ。…でも何をしましょう。」 「うーん、私の願いは一つ。踊っていただけますか?」 席を立ち、手を差し出すオドー。 「でも、こういう曲に合わせて踊れるかどうか自信ない。」 「私に、身を預けて。」 ダンスを始める。 キラ=ローラ:「あ、ごめんなさい。」 オドー:「大丈夫です。」 Wake up to reality... Just the thought of you makes me stop Before I begin 'Cause I've got you... オドー:「ホロスイートでは何でもありなんです。」 「初めてのデートの場所がホロスイートなんて信じられない。」 「ええ。」 Under my skin. オドー:「ちょっとそれは無理じゃないかな。」 「私と一緒じゃ行く気がしないってこと?」 「いいや…違う。だが君は、ここを離れるのは難しい。このホロスイートから。」 「なぜ?」 「…複雑な事情があるから。」 「ホロスイートを離れるのが複雑? 私がホログラムみたいな言い方ね。」 歌を終えたヴィックが降りてくる。 オドー:「…そうでしょ?」 キラ=ローラ:「本気でそう思ってるの?」 「君から彼女に説明してくれ。」 ヴィック:「話すことはないよ。私はワルじゃないが、善人でもない。君が踊っていたのは本物だ。」 キラを見た後、ヴィックに言うオドー。「…だましたな。」 キラ:「私も。」 ヴィック:「僕は君たちのデートをお膳立てしただけさあ。そうだろ?」 キラの名を呼ぼうとするオドー。「ネリス。キラ。少佐。」 ホロスイートを出て行った。 ヴィックを見るキラ。 ヴィック:「わかってるよ。コンピューター、プログラム終了。」 ヴィック自身を含め、全ての映像が消えた。 |
※27: oysters Rockefeller ※28: Caesar salad ※29: chateaubriand ※30: cherries jubilee ※31: 「あなたはしっかり私のもの」 "I've Got You Under My Skin" Cole Porter による。シナトラの歌。この曲も "This One's from the Heart" に収録 |
目を閉じて座っているオドー。 ヴィックの通信が入る。『オドー? いるんだろ?』 オドー:「君と話すことはない。」 『私にだまされたと思っているようだが。』 「君は嘘をついた。」 『よかれと思ってしたことだ。君はホログラムを卒業して、現実の女性を相手にしてもいい頃だ。』 「なぜ本物だと隠してた。」 『真実を伝えたら来たのかね? ……どうした、なぜ黙ってる。冷静になれば、腹を立てることなどない。キラは君にずっと熱い眼差しを向けていた。彼女は心底君に惚れてる!』 「キラが『好き』なのはシャカールだ。私への想いなんて怪しいもの。私は彼女が本物だと見破れなかった。」 『オドー、聞いてくれ!』 「いいや、もうほっといてくれ! コンピューター、通信終了。」 無言のキラと一緒に歩くダックス。「キラ、一体何があったの?」 キラ:「いえ、別に何もないわ。…物事がくっきり見えた瞬間ってない? 真実が目前に迫って、喉元がグーッとくる感じ。」 「シャカールと会ったことと関係あるんでしょう。」 「…あの人とは無関係よ。ダックス、そういう瞬間って経験ない?」 「1、2度はあるけど、7つの人生通じてのことよ。」 立ち止まるキラ。「ええ? 7つの人生通して、たった 1、2度だけだっていうの?」 ダックス:「キラ? 物事を 100%理解するなんて滅多にないわ。」 「でしょうね。」 「そういう瞬間に出会ったら、それを信じて行動することね。…でもね、すぐに混乱と疑惑の念が湧いてくるけど。」 保安室から出て、部下に指示を与えるオドーを見るキラ。「あなたの言う通りね。…すごくよくわかるわ。」 ダックス:「もう一度チャンスがあるなんて言わないでよ?」 「昨日は昨日、今日は今日!」 「それもいいわ。」 笑う 2人。キラはプロムナードを走っていった。 オドーを追うキラ。「オドー、待って!」 歩き続けるオドー。「少佐、悪いが夕べのことは全て忘れたいんです。」 キラ:「逃げないで、私たちじっくり話す必要があるわ。」 「わかりました、1時間後にオフィスで。」 「いえ、ディナーにしましょう。」 「ディナー?」 「ホロスイート以外の店ならどこでもいいから。」 「シャカールはどうする。彼が承知しますか?」 立ち止まるキラ。「よく聞いて、シャカールの気持ちなんてどうでもいいの。彼とはただの友達よ、それだけ。わかった? ドミニオンとの戦いの最新情報を知りたいと言うから会っただけ。100%仕事だった。さあ、今夜一緒に食事をする? しない?」 オドー:「食事の後はどうします。」 「さあね、ダンスでもしましょうか?!」 「その後君は私のキスを期待する。」 「ええ、そうかも。」 「ならディナーなんていらない、食事を省いて今すぐキスすればいい!」 「ええ、そうね!」 二人は抱き合い、キスを始めた。大勢が見ている前で。 うなずくクワーク。プロムナード中の者が見つめる。 バーの入口から見ているモーンの隣で、フェレンギ人ウェイターがトレイを落とした。 騒ぎに気づいたダックスがやってきた。二人を見て微笑む。 やっとで口を離すキラ。「ほんとね。ディナーなんていらない。」 再びキスを続ける二人。 Under my skin 'Cause I've got you Under my skin. ホロスイート。 歌い終えたヴィックは拍手を受けた。「ここラスヴェガスでお金を取られない方法が一つあります。飛行機から降りた瞬間、別の便に乗り換えること。今しばらくご歓談を。」 ステージを降りるヴィック。「オドー! 随分ご無沙汰だったねえ。」 握手した。 オドー:「忙しくてね。」 「聞いてるよ、ジュリアンが噂のカップルの話をしてくれた。」 「今は順調だが、いつまで続くかわからん。」 「相変わらずだなあ、もう失恋の準備をしてー!」 殴る振りをするヴィック。 笑うオドー。「…いろいろと世話になって、礼を言いたかったんだ。」 ヴィック:「お安いご用さ、いつでもね。そうだ、一曲弾いていくかい?」 「いや。またいつか。」 「キラ少佐によろしく。」 うなずくオドー。「あ、一つ頼みがある。ここから出た後、ホログラムをしばらく消さないで欲しい。歌っていたいんだ。」 手を挙げるオドー。「ヴィックおじさんのためなら。」 再びステージに戻るヴィック。オドーを指さす。オドーもヴィックを指さす。 Come fly, let's fly away There's a bar in far Bombay It's perfect for a flying honeymoon, they say So come fly with me Come fly, let's fly away Pack up, let's fly away. |
感想
長らく続いてきたオドーとキラの関係が、ついに一つの進展を迎えることになります。まさかこんな文字通り「劇的」な描き方をするとは…。私はあまりミュージカル仕立てというか…音楽が入りすぎたドラマは好きではないのですが、このエピソードばかりは何回も見ているうちに歌を口ずさむようになってしまいました。冒頭からのヴィックの歌は、最後のプロムナードでのシーンの壮大な前振りとも言えますね。 今回ホログラムキャラとして新登場したヴィックは、20世紀風でありながら 24世紀の最新ホログラムとして振る舞うという、なかなか面白い設定です。DS9 のホロスイートという雰囲気にも合っていて良いですね。 ただ非常に残念なのが、前から何度となく言っているように、歌詞に字幕が全くついていないことです。歌が単なる BGM として使われているならまだしも、今回のように長く重要な場面では必ず説明が必要だと思われますが…。日本語版としての評価・価値が大きく下がったと感じているほどなので、TNG の頃は字幕をつけていたんですから、次回以降は (最低英語でもいいから…設備が必要なクローズドキャプションでは意味がありません) 手抜きをしないで欲しいですね。もちろん歌だけではなく、ストーリー上で欠かせないモニター表示などの英語も同様です。 |
第143話 "In the Pale Moonlight" 「消された偽造作戦」 | 第145話 "The Reckoning" 「善と悪の叫び」 |